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愛する者の帰還 Ⅷ 謎のX
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愛しのタカトラは栞や士王たちとどこかへ出掛けた。
誘われたけど、ちょっと眠かったので断った。
亜紀たちはまた訓練かー。
斬と一江たちは機械の中に入った。
蓮花は忙しそうだ。
寝た。
お腹が空いて目が覚めた。
食堂に行くと、蓮花がいた。
「ロボさん、丁度良かった。今探しに行こうかと」
「にゃー(よかったね)」
「すぐにご飯を作りますね」
「にゃー(ありがとう)」
蓮花がマグロを中心に刺身を切ってくれた。
ホタテもある!
「どうぞ」
「にゃー(蓮花だいすきー)」
一杯食べた。
「もうよろしいですか?」
「にゃー(うん、お腹一杯だよ)」
蓮花の足に身体をこすりつけ、外へ出た。
庭には誰もいなかった。
みんな御飯かー。
じゃあ、行くかな。
デュールゲリエが近付いて来た。
《ロータス》と繋がっているのが分かる。
「ロボ様、午後はどうなされますか?」
「にゃー(ちょっと出て来るね)」
「ああ、申し訳ありません。やはりまだ会話はわたくしが未熟なようです」
「にゃ(そうなの?)」
「ロボ様が途轍もない知的生命体とは存じているのですが。本当に申し訳ありません」
「にゃー(じゃあ行くね)」
「申し訳ありません」
ふわふわ……スン
「あ、ああ、行ってらっしゃいませ」
後ろで《ロータス》がそう言ったのがちょっと聞こえた。
「にゃー(今日はどこに行くかなー)」
地球を10周した。
「にゃ(あ、また飛んでる)」
翼長20メートルのでかい奴が飛んでる。
「業」の臭いがする。
「ギェェ!(なんだ、お前は!)」
「にゃー!(ヒモダンスタイガーじゃぁ!)」
今朝、亜紀がそんな名前を言ってた。
シュパ
頭から真っ二つにしてやった。
にゃははははは!
ちょっと喉が渇いた。
大阪に行った。
「にゃ(野薔薇ぁー、冷たい水ちょうだい!)」
「ロボ様、かしこまりました」
野薔薇がすぐに冷えた水を出してくれる。
ペチョペチョ……
「にゃー(あんがと)」
「いいえ、いつでもお出で下さい」
また地球を周回した。
「にゃ(あ、なんかクサイぞ!)」
「業」の妖魔の臭いがした。
また、地面の深いとこまでなんか掘ってる。
取り敢えず、「ばーん」しといた。
ドッグォォォォーーーーーーン!
ざまぁ。
あ、名乗るの忘れた!
地上で「ヒモダンス」を踊った。
ヒモダンスタイガーだぞー。
最近、あちこちにああいう地下のクサイやつを作ってる。
たまーに「ばーん」している。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「ミハイル様! コーカサス山中の《ハイヴ》が消失いたしました!」
「なんだって? まさか、あそこはレベル7になっていたんだぞ!」
「はい! しかし相互通信の中断からすぐに周辺の基地から無人機を飛ばしました。すると巨大な縦穴が空いており、地下の構造物も最下層にいたはずの邪神も消失しておりました!」
「バカな! あそこを落とすにはイシガミの存在が不可欠だ! あいつは来ていないはずだ。あいつが動けば必ず「タイニータイド」が感知する!」
「はい、イシガミは来ていません。それは確かです。最後の《ハイヴ》の通信を確認しましたが、突然上空3000メートルから未知の高エネルギーが地上にぶつかり、瞬時に一切が消滅いたしました」
「未知の? では西アフリカやホンジュラスなどの《ハイヴ》を襲った者と同じだということか!」
「恐らくは。レーダーにも感知されていませんが、何者かが飛行して来たものかと」
「ターイナⅩ(тайнаX:謎のX)か……」
少し前から《ハイヴ》を破壊している驚異的な謎の襲撃者を「ターイナX」と呼称していた。
「ステルスにしても、あまりにも透明すぎます。あの高エネルギーを発生するのであれば、「ハナオカ」ではないかと思うのですが、「ハナオカ」は必ず粒子加速や電磁波が観測されるはずです。そういったものではない、まったくの未知のエネルギーです」
ミハイルも考え込んでいた。
しかし答えは出ない。
「レベル7の《ハイヴ》は「神」が最下層で召喚されていた。それはどうなったのだ?」
「分かりません。本当に一切が消滅しているのです。恐らくは殺されたのだと」
「「神」を殺せば呪いが発動するのだぞ! 殺した奴はどうなったのだ!」
焦りから激怒するミハイルに、報告に来た者が怯える。
「分かりません! イシガミ以外に神殺しの呪いを受けない者がいるはずもありません!」
「特攻して死んだと言うのか!」
「そ、そうとしか考えられません!」
ミハイルが報告に来た者の胸倉を掴む。
「おい、あっちには「神」を殺せる奴が何人もいて、それを使い捨てにしているとお前は言うのか!」
「申し訳ありません! 自分には分かりません!」
ミハイルが男を突き放した。
「イシガミ以外にもいるのか……しかもそいつは一瞬で「神」も何もかもを消失させる力を持っている。イシガミ以上か……」
《ハイヴ》は「業」の軍の要だった。
まだレベルの低いものは仕方がないとしても、最高度のレベル7になっている《ハイヴ》をこうもたやすく攻略出来るとは。
イシガミたちの力を侮っていた。
今後は新たな《ハイヴ》の建造も運用も、よくよく検討しなければならない。
本来は即座に《ハイヴ》でジェヴォーダンやバイオノイドなどを量産するつもりだったが、慎重に進めた方がいいだろう。
イシガミたちは、余程の準備を進めているようだ。
我々も対処に時間を掛けた方がいい。
このまま《ハイヴ》が次々と潰されるよりも、現状で対策を考えるべきだ。
きっと「業」様もお分かり下さる。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
あー、喉が渇いたー。
また大阪に行った。
「にゃ(野薔薇ぁー、冷たいミルクちょうだい!)」
「ロボ様、かしこまりました」
野薔薇が冷えたミルクを出した後に、なんかコワイ顔になった。
「にゃ?(どうしたの?)」
「今、お母様の結界を壊そうとした者がおります」
「にゃ?(なんだ?)」
「お母さまが大層御立腹です! ああ、あのお母さまの結界を傷つけるなんてぇ!」
「にゃー(落ち着けよ)」
「あ、分かりました! 柳というあのクソ小娘ですぅ!」
「にゃ?(あいつ?)」
なんか、柳がやらかしたらしい。
野薔薇に冷たいミルクの礼を言い、蓮花の研究所に帰った。
「…………」
外壁、ないじゃん……
あ、愛しのタカトラたちが出てきた。
柳もいる。
柳がなんかやってる。
あ、タヌ吉がいるぞ。
「にゃー(タヌ吉ぃー)」
「これはロボさん。出かけていらしたんですね」
「にゃー(うん。野薔薇に聞いたよ)」
「はい、あのクソ娘がとんでもないことを。主様に止められましたので、食い殺すのはやめましたが」
「にゃー(そうだね)」
二人で柳の方を見た。
多分、この外壁を壊した技を再現しようとしてるんだろう。
全然ダメだけど。
《ロータス》がデュールゲリエ経由で聞いてきた。
「ロボ様お帰りなさいませ」
「にゃー(ロータス!)」
「驚かれたでしょうが、あのクソ娘がやりやがりました」
「にゃー(大変だね)」
「石神様に止められましたので大したことは出来ませんが」
「にゃ?(なんだ?)」
「あのクソ娘がトイレに入る時には、トイレットペーパーは常に空にします。水も流しません。風呂は熱湯にし、空調は暖房にいたします」
「にゃははははは(にゃははははは)」
もう柳と一緒にいるのはやめよう。
あ。
柳がまた外壁をぶっ壊した。
あいつ、なにやってんの?
タヌ吉が怒り心頭で柳に蹴りを入れてる。
愛しのタカトラが必死にタヌ吉を宥めている。
あーあ。
トコトコトコ……
「お、ロボ」
「にゃー(タカトラ、大変だね)」
「どこ行ってたんだ? まあ、こっちは大変でよ」
「にゃー(大阪とロシアと大阪)」
「おい、ルー! ロボにおやつやってくれ」
「はーい!」
「にゃ(ありがと)」
ルーの後ろについて建物の中に入ろうとした。
「あー! また閉じられてるー!」
「にゃ(どうしたの?)」
「ロボ、ごめーん。柳ちゃんがさっきまたやっちゃったから、《ロータス》が警戒態勢にしちゃった」
「にゃ!(あいつのせいかー!)」
柳に「九頭竜地獄落としキック」をぶっ込んだ。
「なんでぇー!」
柳が見えなくなった。
ざまぁ。
誘われたけど、ちょっと眠かったので断った。
亜紀たちはまた訓練かー。
斬と一江たちは機械の中に入った。
蓮花は忙しそうだ。
寝た。
お腹が空いて目が覚めた。
食堂に行くと、蓮花がいた。
「ロボさん、丁度良かった。今探しに行こうかと」
「にゃー(よかったね)」
「すぐにご飯を作りますね」
「にゃー(ありがとう)」
蓮花がマグロを中心に刺身を切ってくれた。
ホタテもある!
「どうぞ」
「にゃー(蓮花だいすきー)」
一杯食べた。
「もうよろしいですか?」
「にゃー(うん、お腹一杯だよ)」
蓮花の足に身体をこすりつけ、外へ出た。
庭には誰もいなかった。
みんな御飯かー。
じゃあ、行くかな。
デュールゲリエが近付いて来た。
《ロータス》と繋がっているのが分かる。
「ロボ様、午後はどうなされますか?」
「にゃー(ちょっと出て来るね)」
「ああ、申し訳ありません。やはりまだ会話はわたくしが未熟なようです」
「にゃ(そうなの?)」
「ロボ様が途轍もない知的生命体とは存じているのですが。本当に申し訳ありません」
「にゃー(じゃあ行くね)」
「申し訳ありません」
ふわふわ……スン
「あ、ああ、行ってらっしゃいませ」
後ろで《ロータス》がそう言ったのがちょっと聞こえた。
「にゃー(今日はどこに行くかなー)」
地球を10周した。
「にゃ(あ、また飛んでる)」
翼長20メートルのでかい奴が飛んでる。
「業」の臭いがする。
「ギェェ!(なんだ、お前は!)」
「にゃー!(ヒモダンスタイガーじゃぁ!)」
今朝、亜紀がそんな名前を言ってた。
シュパ
頭から真っ二つにしてやった。
にゃははははは!
ちょっと喉が渇いた。
大阪に行った。
「にゃ(野薔薇ぁー、冷たい水ちょうだい!)」
「ロボ様、かしこまりました」
野薔薇がすぐに冷えた水を出してくれる。
ペチョペチョ……
「にゃー(あんがと)」
「いいえ、いつでもお出で下さい」
また地球を周回した。
「にゃ(あ、なんかクサイぞ!)」
「業」の妖魔の臭いがした。
また、地面の深いとこまでなんか掘ってる。
取り敢えず、「ばーん」しといた。
ドッグォォォォーーーーーーン!
ざまぁ。
あ、名乗るの忘れた!
地上で「ヒモダンス」を踊った。
ヒモダンスタイガーだぞー。
最近、あちこちにああいう地下のクサイやつを作ってる。
たまーに「ばーん」している。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「ミハイル様! コーカサス山中の《ハイヴ》が消失いたしました!」
「なんだって? まさか、あそこはレベル7になっていたんだぞ!」
「はい! しかし相互通信の中断からすぐに周辺の基地から無人機を飛ばしました。すると巨大な縦穴が空いており、地下の構造物も最下層にいたはずの邪神も消失しておりました!」
「バカな! あそこを落とすにはイシガミの存在が不可欠だ! あいつは来ていないはずだ。あいつが動けば必ず「タイニータイド」が感知する!」
「はい、イシガミは来ていません。それは確かです。最後の《ハイヴ》の通信を確認しましたが、突然上空3000メートルから未知の高エネルギーが地上にぶつかり、瞬時に一切が消滅いたしました」
「未知の? では西アフリカやホンジュラスなどの《ハイヴ》を襲った者と同じだということか!」
「恐らくは。レーダーにも感知されていませんが、何者かが飛行して来たものかと」
「ターイナⅩ(тайнаX:謎のX)か……」
少し前から《ハイヴ》を破壊している驚異的な謎の襲撃者を「ターイナX」と呼称していた。
「ステルスにしても、あまりにも透明すぎます。あの高エネルギーを発生するのであれば、「ハナオカ」ではないかと思うのですが、「ハナオカ」は必ず粒子加速や電磁波が観測されるはずです。そういったものではない、まったくの未知のエネルギーです」
ミハイルも考え込んでいた。
しかし答えは出ない。
「レベル7の《ハイヴ》は「神」が最下層で召喚されていた。それはどうなったのだ?」
「分かりません。本当に一切が消滅しているのです。恐らくは殺されたのだと」
「「神」を殺せば呪いが発動するのだぞ! 殺した奴はどうなったのだ!」
焦りから激怒するミハイルに、報告に来た者が怯える。
「分かりません! イシガミ以外に神殺しの呪いを受けない者がいるはずもありません!」
「特攻して死んだと言うのか!」
「そ、そうとしか考えられません!」
ミハイルが報告に来た者の胸倉を掴む。
「おい、あっちには「神」を殺せる奴が何人もいて、それを使い捨てにしているとお前は言うのか!」
「申し訳ありません! 自分には分かりません!」
ミハイルが男を突き放した。
「イシガミ以外にもいるのか……しかもそいつは一瞬で「神」も何もかもを消失させる力を持っている。イシガミ以上か……」
《ハイヴ》は「業」の軍の要だった。
まだレベルの低いものは仕方がないとしても、最高度のレベル7になっている《ハイヴ》をこうもたやすく攻略出来るとは。
イシガミたちの力を侮っていた。
今後は新たな《ハイヴ》の建造も運用も、よくよく検討しなければならない。
本来は即座に《ハイヴ》でジェヴォーダンやバイオノイドなどを量産するつもりだったが、慎重に進めた方がいいだろう。
イシガミたちは、余程の準備を進めているようだ。
我々も対処に時間を掛けた方がいい。
このまま《ハイヴ》が次々と潰されるよりも、現状で対策を考えるべきだ。
きっと「業」様もお分かり下さる。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
あー、喉が渇いたー。
また大阪に行った。
「にゃ(野薔薇ぁー、冷たいミルクちょうだい!)」
「ロボ様、かしこまりました」
野薔薇が冷えたミルクを出した後に、なんかコワイ顔になった。
「にゃ?(どうしたの?)」
「今、お母様の結界を壊そうとした者がおります」
「にゃ?(なんだ?)」
「お母さまが大層御立腹です! ああ、あのお母さまの結界を傷つけるなんてぇ!」
「にゃー(落ち着けよ)」
「あ、分かりました! 柳というあのクソ小娘ですぅ!」
「にゃ?(あいつ?)」
なんか、柳がやらかしたらしい。
野薔薇に冷たいミルクの礼を言い、蓮花の研究所に帰った。
「…………」
外壁、ないじゃん……
あ、愛しのタカトラたちが出てきた。
柳もいる。
柳がなんかやってる。
あ、タヌ吉がいるぞ。
「にゃー(タヌ吉ぃー)」
「これはロボさん。出かけていらしたんですね」
「にゃー(うん。野薔薇に聞いたよ)」
「はい、あのクソ娘がとんでもないことを。主様に止められましたので、食い殺すのはやめましたが」
「にゃー(そうだね)」
二人で柳の方を見た。
多分、この外壁を壊した技を再現しようとしてるんだろう。
全然ダメだけど。
《ロータス》がデュールゲリエ経由で聞いてきた。
「ロボ様お帰りなさいませ」
「にゃー(ロータス!)」
「驚かれたでしょうが、あのクソ娘がやりやがりました」
「にゃー(大変だね)」
「石神様に止められましたので大したことは出来ませんが」
「にゃ?(なんだ?)」
「あのクソ娘がトイレに入る時には、トイレットペーパーは常に空にします。水も流しません。風呂は熱湯にし、空調は暖房にいたします」
「にゃははははは(にゃははははは)」
もう柳と一緒にいるのはやめよう。
あ。
柳がまた外壁をぶっ壊した。
あいつ、なにやってんの?
タヌ吉が怒り心頭で柳に蹴りを入れてる。
愛しのタカトラが必死にタヌ吉を宥めている。
あーあ。
トコトコトコ……
「お、ロボ」
「にゃー(タカトラ、大変だね)」
「どこ行ってたんだ? まあ、こっちは大変でよ」
「にゃー(大阪とロシアと大阪)」
「おい、ルー! ロボにおやつやってくれ」
「はーい!」
「にゃ(ありがと)」
ルーの後ろについて建物の中に入ろうとした。
「あー! また閉じられてるー!」
「にゃ(どうしたの?)」
「ロボ、ごめーん。柳ちゃんがさっきまたやっちゃったから、《ロータス》が警戒態勢にしちゃった」
「にゃ!(あいつのせいかー!)」
柳に「九頭竜地獄落としキック」をぶっ込んだ。
「なんでぇー!」
柳が見えなくなった。
ざまぁ。
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