2,304 / 2,840
「カタ研」無人島サバイバル
しおりを挟む
前回の「カタ研」定例会。
強化外骨格を用いたモビルスーツの起動実験を成功させて、私たちは更なる研究を進めることになった。
その時にも、実際の運用データを基に、みんなで改良点や新たな開発のことを話し合った。
「でも、俺たちスゴイものを作ったよな!」
坂上さんが嬉しそうに言う。
もう何度も同じことを言っている。
「石神さんたちは別だけど、俺たちにもちゃんと操縦で来たからなぁ!」
「でも、まだ動きが速く出来ますし、出力も上げましょうよ!」
「そうだよね! それにもっと小型化もしたいし」
「それいいですね! 本当に一回り大きなスーツタイプもいいですよね!」
みんなで楽しく話し合う。
一通り、次の課題を決めてから、来月のゴールデンウィークの予定を話し合った。
大学もその前後から休講が多くなる。
どこかへ出かけるにはいい機会だ。
普通の旅行でもいいのだが、何か「カタ研」らしい活動もしたい。
ルーとハーからゴールデンウイークの活動の提案があった。
「サバイバルキャンプだよ!」
あー。
二人はサバイバルキャンプが大好きだ。
タカさんが普通のキャンプの楽しさを教えて、そっちも大好きになったが、サバイバルキャンプは別の楽しみのようだ。
「今度はね! 無人島に行こうよ!」
「無人島?」
「そうだよ! 私たちは漂流して無人島に行ったんだよ!」
「あそこがサバイバルキャンプの本質なの!」
まあ分からないでもないけど、やる必要ある?
二人が一生懸命に自分たちの無人島漂流の話をした。
「メキシコ沖の無人島でね!」
「周りはサメだらけでね!」
「二人とも全裸だったんだから!」
「だからサメとかの革で服を作ったの!」
「食料も自給自足だよ!」
「でも美味しかったぁー!」
みんな面白がって聞いている。
「本当の無人島に行くとね、生命力が回転するんだよ!」
「生きる力がどんどん湧いてくるの!」
あんたたちだけでしょう。
「それは本当かな?」
なんか坂上さんがノッた。
「「本当だよ!」」
ルーとハーが更に自分たちの体験を話していき、段々みんながその気になっていく。
それに何度もサバイバルキャンプをして、サバイバルの知識も勉強して来たのだと訴える。
「海水から真水が作れるよ!」
「食べられる動植物も勉強したよ!」
「快適な寝床も作れるしね!」
「海の幸はまかせてね!」
みんなどんどん引き込まれている。
「柳さん、どう思う?」
私は双子のサバイバルキャンプを知っている柳さんに小声で聞いてみた。
「亜紀ちゃんの心配も分かるけど。まあ全裸じゃ無ければちょっと興味はあるかな」
「そうですか!」
「うん。本当に何もない状況で生きてみるっていうのは、何か新しい発見があるかもだよ」
「柳さんは真面目ですねぇ」
「そりゃそうだよ」
真夜にも聞いた。
「真夜も知ってるでしょ? どう、行きたい?」
「全裸は嫌ですが、まあ、ルーちゃんとハーちゃんには今「花岡」も特訓してもらってますし」
「それは別だよ! 純粋にサバイバルキャンプってどう?」
「まあ、ちょっと面白そうですよね?」
「そっかぁー」
まあ、柳さんと真夜がそう言うならいいか。
みんなも行きたそうだし。
私たちの話が聞こえたらしいハーが言った。
「亜紀ちゃんもいいかな?」
「うん。じゃあ、行こうか」
「「やったぁ!」」
そういうことで、「カタ研」の無人島サバイバルキャンプが決まった。
ゴールデンウイークは石神家で既に予定があるので、連休が終わってからになる。
全員で予定を調整し、5月10日から2泊3日の予定となった。
肝心の無人島は、既にルーとハーが探してあるらしい。
そこまでは飛行艇で行くということだった。
なんと双子が既にベリエフ「Be-200」飛行艇を購入していた。
やっぱり絶対に行くつもりだったんだ。
行かなかったとしても、双子の資産ならば何のこともない。
それにしてもなぁ。
「虎」の軍の「タイガーファング」は、軍事行動でしか使えないことになっている。
「飛行」は私たちしか使えないし、個人の行動で「花岡」は使ってはいけない。
「飛行艇は誰が操縦するの?」
「元自衛隊員のパイロットを雇ったよ」
「手回しがいいね」
「まあね!」
行きと帰りを頼めるらしい。
普段は海上事故の救助活動などをしている方らしいが、今回協力してもらえるそうだ。
「「Be-200」はそのまま貸与ということにするの」
「私たちが必要な場合は飛ばしてもらうの」
「そうなんだ」
なんとも贅沢な話だ。
「Be-200」は旅客機タイプなので、大勢が乗ることが出来る。
「カタ研」のメンバー14人がビジネスクラス仕様で乗っても余裕がある。
ほとんど、今回のサバイバルキャンプしか使わないだろうけど。
とにかく、私たちはサバイバルキャンプの準備を話し合った。
5月9日。
私たちは明日から無人島サバイバルキャンプへ。
皇紀はパムッカレ。
タカさんは聖さんの所へ行くようだ。
問題はロボで、柳さんが最終確認をした。
「ねぇ、ロボ。私たちと一緒にキャンプに行こ?」
ロボが柳さんの足をポンポンした。
「一緒に行く?」
ロボが後ろを向いて床を前足でこする。
「え、嫌なの?」
するとまた柳さんの足をポンポンしてから、床を何度もこする。
「柳さん、行きたくないんですよ」
「そっか。残念だなぁ」
ロボがまた柳さんを向いて床をこすった。
なんかちょっと様子がおかしい気もする。
でもタカさんが言った。
「じゃあ、早乙女の家に頼むか。ロボ、早乙女の家でいいな?」
「にゃう」
ロボがタカさんの足をポンポンした。
タカさんが電話し、早乙女さんの家で預かってもらうことになった。
タカさんが雪野さんにロボを預けに行くと言ってくれた。
ロボがジッと柳さんを見ていた。
「?」
柳さんもロボの様子が違うことに気付いていたようだけど、結局そのままにした。
強化外骨格を用いたモビルスーツの起動実験を成功させて、私たちは更なる研究を進めることになった。
その時にも、実際の運用データを基に、みんなで改良点や新たな開発のことを話し合った。
「でも、俺たちスゴイものを作ったよな!」
坂上さんが嬉しそうに言う。
もう何度も同じことを言っている。
「石神さんたちは別だけど、俺たちにもちゃんと操縦で来たからなぁ!」
「でも、まだ動きが速く出来ますし、出力も上げましょうよ!」
「そうだよね! それにもっと小型化もしたいし」
「それいいですね! 本当に一回り大きなスーツタイプもいいですよね!」
みんなで楽しく話し合う。
一通り、次の課題を決めてから、来月のゴールデンウィークの予定を話し合った。
大学もその前後から休講が多くなる。
どこかへ出かけるにはいい機会だ。
普通の旅行でもいいのだが、何か「カタ研」らしい活動もしたい。
ルーとハーからゴールデンウイークの活動の提案があった。
「サバイバルキャンプだよ!」
あー。
二人はサバイバルキャンプが大好きだ。
タカさんが普通のキャンプの楽しさを教えて、そっちも大好きになったが、サバイバルキャンプは別の楽しみのようだ。
「今度はね! 無人島に行こうよ!」
「無人島?」
「そうだよ! 私たちは漂流して無人島に行ったんだよ!」
「あそこがサバイバルキャンプの本質なの!」
まあ分からないでもないけど、やる必要ある?
二人が一生懸命に自分たちの無人島漂流の話をした。
「メキシコ沖の無人島でね!」
「周りはサメだらけでね!」
「二人とも全裸だったんだから!」
「だからサメとかの革で服を作ったの!」
「食料も自給自足だよ!」
「でも美味しかったぁー!」
みんな面白がって聞いている。
「本当の無人島に行くとね、生命力が回転するんだよ!」
「生きる力がどんどん湧いてくるの!」
あんたたちだけでしょう。
「それは本当かな?」
なんか坂上さんがノッた。
「「本当だよ!」」
ルーとハーが更に自分たちの体験を話していき、段々みんながその気になっていく。
それに何度もサバイバルキャンプをして、サバイバルの知識も勉強して来たのだと訴える。
「海水から真水が作れるよ!」
「食べられる動植物も勉強したよ!」
「快適な寝床も作れるしね!」
「海の幸はまかせてね!」
みんなどんどん引き込まれている。
「柳さん、どう思う?」
私は双子のサバイバルキャンプを知っている柳さんに小声で聞いてみた。
「亜紀ちゃんの心配も分かるけど。まあ全裸じゃ無ければちょっと興味はあるかな」
「そうですか!」
「うん。本当に何もない状況で生きてみるっていうのは、何か新しい発見があるかもだよ」
「柳さんは真面目ですねぇ」
「そりゃそうだよ」
真夜にも聞いた。
「真夜も知ってるでしょ? どう、行きたい?」
「全裸は嫌ですが、まあ、ルーちゃんとハーちゃんには今「花岡」も特訓してもらってますし」
「それは別だよ! 純粋にサバイバルキャンプってどう?」
「まあ、ちょっと面白そうですよね?」
「そっかぁー」
まあ、柳さんと真夜がそう言うならいいか。
みんなも行きたそうだし。
私たちの話が聞こえたらしいハーが言った。
「亜紀ちゃんもいいかな?」
「うん。じゃあ、行こうか」
「「やったぁ!」」
そういうことで、「カタ研」の無人島サバイバルキャンプが決まった。
ゴールデンウイークは石神家で既に予定があるので、連休が終わってからになる。
全員で予定を調整し、5月10日から2泊3日の予定となった。
肝心の無人島は、既にルーとハーが探してあるらしい。
そこまでは飛行艇で行くということだった。
なんと双子が既にベリエフ「Be-200」飛行艇を購入していた。
やっぱり絶対に行くつもりだったんだ。
行かなかったとしても、双子の資産ならば何のこともない。
それにしてもなぁ。
「虎」の軍の「タイガーファング」は、軍事行動でしか使えないことになっている。
「飛行」は私たちしか使えないし、個人の行動で「花岡」は使ってはいけない。
「飛行艇は誰が操縦するの?」
「元自衛隊員のパイロットを雇ったよ」
「手回しがいいね」
「まあね!」
行きと帰りを頼めるらしい。
普段は海上事故の救助活動などをしている方らしいが、今回協力してもらえるそうだ。
「「Be-200」はそのまま貸与ということにするの」
「私たちが必要な場合は飛ばしてもらうの」
「そうなんだ」
なんとも贅沢な話だ。
「Be-200」は旅客機タイプなので、大勢が乗ることが出来る。
「カタ研」のメンバー14人がビジネスクラス仕様で乗っても余裕がある。
ほとんど、今回のサバイバルキャンプしか使わないだろうけど。
とにかく、私たちはサバイバルキャンプの準備を話し合った。
5月9日。
私たちは明日から無人島サバイバルキャンプへ。
皇紀はパムッカレ。
タカさんは聖さんの所へ行くようだ。
問題はロボで、柳さんが最終確認をした。
「ねぇ、ロボ。私たちと一緒にキャンプに行こ?」
ロボが柳さんの足をポンポンした。
「一緒に行く?」
ロボが後ろを向いて床を前足でこする。
「え、嫌なの?」
するとまた柳さんの足をポンポンしてから、床を何度もこする。
「柳さん、行きたくないんですよ」
「そっか。残念だなぁ」
ロボがまた柳さんを向いて床をこすった。
なんかちょっと様子がおかしい気もする。
でもタカさんが言った。
「じゃあ、早乙女の家に頼むか。ロボ、早乙女の家でいいな?」
「にゃう」
ロボがタカさんの足をポンポンした。
タカさんが電話し、早乙女さんの家で預かってもらうことになった。
タカさんが雪野さんにロボを預けに行くと言ってくれた。
ロボがジッと柳さんを見ていた。
「?」
柳さんもロボの様子が違うことに気付いていたようだけど、結局そのままにした。
0
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
NPO法人マヨヒガ! ~CGモデラーって難しいんですか?~
みつまめ つぼみ
キャラ文芸
ハードワークと職業適性不一致に悩み、毎日をつらく感じている香澄(かすみ)。
彼女は帰り道、不思議な喫茶店を見つけて足を踏み入れる。
そこで出会った青年マスター晴臣(はるおみ)は、なんと『ぬらりひょん』!
彼は香澄を『マヨヒガ』へと誘い、彼女の保護を約束する。
離職した香澄は、新しいステージである『3DCGモデラー』で才能を開花させる。
香澄の手が、デジタル空間でキャラクターに命を吹き込む――。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
人形の中の人の憂鬱
ジャン・幸田
キャラ文芸
等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。
【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。
【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる