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千石と少女
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東雲さんにここに連れて来られ、2年近くが過ぎた。
「虎」の軍だということはすぐに教えてもらったが、それは自分には運命的なことだった。
そしてもっと重要なことは東雲さんだ。
あの人が命懸けで自分を救ってくれた。
「業」から逃げて、他人の命を奪い続け、世界に歯向かって来た人生。
俺には逃げている自分を誤魔化すために、世界に歯向かうことしか出来なかった。
「業」に家族と一門を殺され、それでいながら恐ろしい「業」に復讐することが出来なかった弱い自分。
死ぬことではなく、何も出来ないままで惨めに殺されて終わることが怖かった。
だからこそそんな卑怯な自分を受け入れてくれた連中に全力で協力した。
いつ死んでも悔いはないと思っていた。
ろくでもない人生が終わるのならば、それでいい。
でも、たった一つだけの希望があった。
若い頃に俺を訪ねて来た吉原龍子の言葉だ。
噂で吉原龍子のことは聞いていた。
拝み屋でありながら、大勢の異能力者を集めているのだと。
「あんたはいずれ、大きな運命を背負った人間と出会うよ」
「なんだ?」
「まだ先だ。あんたの命運が尽きそうになってからだね」
「なんだよ?」
まだ俺が15歳。
群馬の「花岡家」に行く直前だった。
ガキだった自分は、自分がいずれ大きな運命を持っているのだと単純に喜んだ。
どうしてかは説明出来ないが、俺は吉原龍子という女を信用していた。
自分に何かの特別な能力があると言うことが嬉しかった。
当時は「見稽古」のことだと思っていたが。
長い自己嫌悪の人生は終わった。
東雲さんに「命」の意味を教えてもらった。
俺は「虎」の軍のために、懸命に役割を果たして行った。
ある日、食事をしようといつもの定食屋に行った。
小奇麗なレストランよりも、「定食屋」と謡っている気軽なこの店が好きだった。
料理も美味い。
中で、ちょっとした騒ぎが起きていた。
でかいソルジャーが中年の女と少女に喰って掛かっている。
美しい少女だった。
輝くような薄い金色の髪。
そして意志の強そうなヴァイオレットの両眼。
「このロシアの薄汚い奴らが何でここにいるんだ!」
「ここは誰でも入れる食堂でしょう!」
「うるせぇ! お前らを移送させる作戦で、俺の友達が死んだんだ!」
「そ、それは!」
「他の店に行け! お前らの顔を見ると飯が不味くならぁ!」
荒っぽい連中の多い街だ。
こういう喧嘩はよくある。
俺は中へ入って仲裁した。
「おい、いい加減にしろ」
ソルジャーは俺の顔を知っていて、驚いていた。
「あ、あんた千石さんか!」
「そうだ。あの移送作戦は石神さんが重要な作戦だったと言っていた。お前は石神さんに逆らうのか?」
「い、いやそんな意味じゃ」
「友達が死んだか。でもな、俺たちは戦士だ。命懸けで「業」と戦っているんじゃないのか?」
「いえ、おっしゃる通りです」
アメリカ人のようだった。
多分、元々軍人だったのだろう。
人種差別はどこにでもある。
戦友が死んだとなれば、思う所があるのは分かる。
「この人らは、死にそうな目に遭って何とか頑張って生き延びたんだ。立派に戦って来た人たちだぞ」
「はい、済みませんでした」
「分かればいい。一緒に飯を喰おう」
「はい! お嬢ちゃん、申し訳なかった。気が立っていたんだ」
「いいえ、いいんです。お友達の方のことは、本当に申し訳ありません」
「いや、俺の言い過ぎだ。戦友は立派に戦って死んだ。あいつの名誉を傷つけてしまった。本当に申し訳ない」
「いいんです! 私も生意気な口を利きました!」
俺は笑って少女とその母親らしい二人をテーブルに誘った。
「俺の奢りだと言いたいんだけどな。ここは無料の店だからな」
「はい! 助けて頂いてありがとうございました!」
「いいんだ。俺は石神さんに助けてもらった人間だからな。さっきの男もあんたらも仲間だ。俺が口を出すのは当然だ」
「はい! 石神さんを御存知なんですね!」
「ああ」
母親は英語がまだカタコトで、娘の方はもう流ちょうに操っていた。
娘はサーシャと名乗り、俺も千石だと言った。
母親はヴァシリーサさんと言うそうだ。
「千石さんは偉い人なんですか?」
「そんなことは。でもソルジャーに毎日訓練をしているんだよ。だから顔だけは広い」
「そうなんですか!」
サーシャが食事をしながら、シベリアからの移送作戦のことを話してくれた。
突然ロシア軍に村が襲われ、父親を殺され、命からがらに逃げる途中で偶然に移送作戦の場所を知ることが出来たそうだ。
「いよいよ飛行機で移送されるという時に、「業」の大軍団が襲って来ました」
「ああ、俺も少し聞いている。数億の妖魔だったそうだね」
「そうなんです。みんなソルジャーの方々が必死に戦ってくれて。特に石神さんとお子さんたちが!」
「あの人たちは桁違いだからなぁ」
「知ってるんですか!」
「俺も助けられた人間だからね。石神さんの指示で、東雲さんという人が命懸けで助けてくれたんだ」
「シノノメさん! 幹部の方ですよね!」
「ああ、今は偉い人になったね」
石神さんや他の共通の知っている人間がいて、俺たちの話は弾んだ。
ヴァシリーサさんは言葉の関係であまり口を出さなかったが、サーシャが楽しそうに話しているのを微笑んで見ていた。
ロシアから来て、まだ知り合いも少ないのだろう。
「移送作戦で、「神」が降りたのを御存知ですか?」
「うん、膨大な妖魔が生贄になって呼び出されたんだよな」
「はい。もう誰もどうしようもないと思ってました。圧倒的なものでしたから」
「でも、石神さんが斃した」
「そうなんです! 私たちは最後まで残っていたので、見てました!」
「そうだったか」
正直言って、俺には実感は湧いていない。
ただ、熾烈な戦闘であったことは分かる。
「石神さんは、本当に凄い人だ。まあ、あの圧倒的な強さももちろんだが、何よりも優しい」
「そうなんですよね!」
またサーシャが石神さんとの出会いや、自分の名前が特別だと言ってくれたことを話した。
「マカセロと言って。後からアレクサンドロさん、ああ、シベリアの収容所の責任者だった人です。そのアレクサンドロさんが「約束を守るから安心しなさい」という意味だとおしえてくれました」
「そうか。石神さんは「任せろ」と言ったことは、必ずやり遂げるそうだ。本当に君たちは大事にされたんだね」
「はい!」
サーシャが嬉しそうに微笑んだ。
楽しく食事をし、サーシャたちと別れようとした。
「千石さん! 今日の御礼をしたいのですが」
「いいよ、大したことはしてない」
「いいえ! あの、宜しければ「ほんとの虎の穴」に一緒にいらっしゃいませんか?」
「え? あそこは随分と高い場所だろ?」
「はい! こないだの「運動会」で、私借り物競争で優勝しました!」
「そうなのか!」
サーシャが「カッコイイ男の人」で石神さんの所へ行ったそうだ。
石神さんが大喜びで「飛行」でサーシャをゴールまで連れて行った。
俺は大笑いした。
「でもお母さんと行くんだろう?」
「4人まで大丈夫です!」
「そうなのか? でも他にももっと」
「千石さんがいいです!」
俺は喜んで誘いを受けた。
サーシャの明るさと、これから何でもやって行こうとする若い気概が気に入った。
俺などが出来ることなど少ないだろうが、俺もサーシャのために何かをしたかった。
知り合いも少ないだろうから、俺などでも何か話し相手になれるかもしれない。
「じゃあ、お邪魔するかな」
「お願いします!」
サーシャが明るく笑っていた。
俺も自然に顔が綻んだ。
「虎」の軍だということはすぐに教えてもらったが、それは自分には運命的なことだった。
そしてもっと重要なことは東雲さんだ。
あの人が命懸けで自分を救ってくれた。
「業」から逃げて、他人の命を奪い続け、世界に歯向かって来た人生。
俺には逃げている自分を誤魔化すために、世界に歯向かうことしか出来なかった。
「業」に家族と一門を殺され、それでいながら恐ろしい「業」に復讐することが出来なかった弱い自分。
死ぬことではなく、何も出来ないままで惨めに殺されて終わることが怖かった。
だからこそそんな卑怯な自分を受け入れてくれた連中に全力で協力した。
いつ死んでも悔いはないと思っていた。
ろくでもない人生が終わるのならば、それでいい。
でも、たった一つだけの希望があった。
若い頃に俺を訪ねて来た吉原龍子の言葉だ。
噂で吉原龍子のことは聞いていた。
拝み屋でありながら、大勢の異能力者を集めているのだと。
「あんたはいずれ、大きな運命を背負った人間と出会うよ」
「なんだ?」
「まだ先だ。あんたの命運が尽きそうになってからだね」
「なんだよ?」
まだ俺が15歳。
群馬の「花岡家」に行く直前だった。
ガキだった自分は、自分がいずれ大きな運命を持っているのだと単純に喜んだ。
どうしてかは説明出来ないが、俺は吉原龍子という女を信用していた。
自分に何かの特別な能力があると言うことが嬉しかった。
当時は「見稽古」のことだと思っていたが。
長い自己嫌悪の人生は終わった。
東雲さんに「命」の意味を教えてもらった。
俺は「虎」の軍のために、懸命に役割を果たして行った。
ある日、食事をしようといつもの定食屋に行った。
小奇麗なレストランよりも、「定食屋」と謡っている気軽なこの店が好きだった。
料理も美味い。
中で、ちょっとした騒ぎが起きていた。
でかいソルジャーが中年の女と少女に喰って掛かっている。
美しい少女だった。
輝くような薄い金色の髪。
そして意志の強そうなヴァイオレットの両眼。
「このロシアの薄汚い奴らが何でここにいるんだ!」
「ここは誰でも入れる食堂でしょう!」
「うるせぇ! お前らを移送させる作戦で、俺の友達が死んだんだ!」
「そ、それは!」
「他の店に行け! お前らの顔を見ると飯が不味くならぁ!」
荒っぽい連中の多い街だ。
こういう喧嘩はよくある。
俺は中へ入って仲裁した。
「おい、いい加減にしろ」
ソルジャーは俺の顔を知っていて、驚いていた。
「あ、あんた千石さんか!」
「そうだ。あの移送作戦は石神さんが重要な作戦だったと言っていた。お前は石神さんに逆らうのか?」
「い、いやそんな意味じゃ」
「友達が死んだか。でもな、俺たちは戦士だ。命懸けで「業」と戦っているんじゃないのか?」
「いえ、おっしゃる通りです」
アメリカ人のようだった。
多分、元々軍人だったのだろう。
人種差別はどこにでもある。
戦友が死んだとなれば、思う所があるのは分かる。
「この人らは、死にそうな目に遭って何とか頑張って生き延びたんだ。立派に戦って来た人たちだぞ」
「はい、済みませんでした」
「分かればいい。一緒に飯を喰おう」
「はい! お嬢ちゃん、申し訳なかった。気が立っていたんだ」
「いいえ、いいんです。お友達の方のことは、本当に申し訳ありません」
「いや、俺の言い過ぎだ。戦友は立派に戦って死んだ。あいつの名誉を傷つけてしまった。本当に申し訳ない」
「いいんです! 私も生意気な口を利きました!」
俺は笑って少女とその母親らしい二人をテーブルに誘った。
「俺の奢りだと言いたいんだけどな。ここは無料の店だからな」
「はい! 助けて頂いてありがとうございました!」
「いいんだ。俺は石神さんに助けてもらった人間だからな。さっきの男もあんたらも仲間だ。俺が口を出すのは当然だ」
「はい! 石神さんを御存知なんですね!」
「ああ」
母親は英語がまだカタコトで、娘の方はもう流ちょうに操っていた。
娘はサーシャと名乗り、俺も千石だと言った。
母親はヴァシリーサさんと言うそうだ。
「千石さんは偉い人なんですか?」
「そんなことは。でもソルジャーに毎日訓練をしているんだよ。だから顔だけは広い」
「そうなんですか!」
サーシャが食事をしながら、シベリアからの移送作戦のことを話してくれた。
突然ロシア軍に村が襲われ、父親を殺され、命からがらに逃げる途中で偶然に移送作戦の場所を知ることが出来たそうだ。
「いよいよ飛行機で移送されるという時に、「業」の大軍団が襲って来ました」
「ああ、俺も少し聞いている。数億の妖魔だったそうだね」
「そうなんです。みんなソルジャーの方々が必死に戦ってくれて。特に石神さんとお子さんたちが!」
「あの人たちは桁違いだからなぁ」
「知ってるんですか!」
「俺も助けられた人間だからね。石神さんの指示で、東雲さんという人が命懸けで助けてくれたんだ」
「シノノメさん! 幹部の方ですよね!」
「ああ、今は偉い人になったね」
石神さんや他の共通の知っている人間がいて、俺たちの話は弾んだ。
ヴァシリーサさんは言葉の関係であまり口を出さなかったが、サーシャが楽しそうに話しているのを微笑んで見ていた。
ロシアから来て、まだ知り合いも少ないのだろう。
「移送作戦で、「神」が降りたのを御存知ですか?」
「うん、膨大な妖魔が生贄になって呼び出されたんだよな」
「はい。もう誰もどうしようもないと思ってました。圧倒的なものでしたから」
「でも、石神さんが斃した」
「そうなんです! 私たちは最後まで残っていたので、見てました!」
「そうだったか」
正直言って、俺には実感は湧いていない。
ただ、熾烈な戦闘であったことは分かる。
「石神さんは、本当に凄い人だ。まあ、あの圧倒的な強さももちろんだが、何よりも優しい」
「そうなんですよね!」
またサーシャが石神さんとの出会いや、自分の名前が特別だと言ってくれたことを話した。
「マカセロと言って。後からアレクサンドロさん、ああ、シベリアの収容所の責任者だった人です。そのアレクサンドロさんが「約束を守るから安心しなさい」という意味だとおしえてくれました」
「そうか。石神さんは「任せろ」と言ったことは、必ずやり遂げるそうだ。本当に君たちは大事にされたんだね」
「はい!」
サーシャが嬉しそうに微笑んだ。
楽しく食事をし、サーシャたちと別れようとした。
「千石さん! 今日の御礼をしたいのですが」
「いいよ、大したことはしてない」
「いいえ! あの、宜しければ「ほんとの虎の穴」に一緒にいらっしゃいませんか?」
「え? あそこは随分と高い場所だろ?」
「はい! こないだの「運動会」で、私借り物競争で優勝しました!」
「そうなのか!」
サーシャが「カッコイイ男の人」で石神さんの所へ行ったそうだ。
石神さんが大喜びで「飛行」でサーシャをゴールまで連れて行った。
俺は大笑いした。
「でもお母さんと行くんだろう?」
「4人まで大丈夫です!」
「そうなのか? でも他にももっと」
「千石さんがいいです!」
俺は喜んで誘いを受けた。
サーシャの明るさと、これから何でもやって行こうとする若い気概が気に入った。
俺などが出来ることなど少ないだろうが、俺もサーシャのために何かをしたかった。
知り合いも少ないだろうから、俺などでも何か話し相手になれるかもしれない。
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