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真冬の別荘 Gathering-Memory XⅡ

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 松茸を堪能し、子どもたちが片付けている間に、俺たちは風呂へ入った。
 響子が吹雪を洗いたがり、任せた。

 「おい、オチンチンもちゃんと洗ってやれよ」
 「う、うん」

 響子が緊張しながら手に石鹸を付けて吹雪のオチンチンを洗った。
 六花が俺のオチンチンを洗う。
 響子がジッと見ていた。
 
 「六花はオチンチンを洗うのが上手いね」
 「もちろんです!」

 「六花は昔、「オチンチン・クリーニング屋」でアルバイトしてたんだよ」
 「だから上手いんだ!」

 六花が微妙な顔をしていた。

 「私は石神先生の専門です」
 「へぇー」

 響子は吹雪のオチンチンを夢中で洗っているので、あまり深く考えていない。

 「おし! じゃあ響子を洗うかー!」
 「はい!」
 「いいよ、自分で洗うよー!」

 「ばかやろう! あれだけ松茸を食べたんだぞ? 松茸生えてきたらどうすんだよ!」
 「え!」
 「ほら、ちゃんとちっちゃいのを獲ってやるから」
 「たいへんだよー!」
 「ちっちゃいうちに獲れば平気だよ」
 「はやくー!」

 六花が笑いを抑えて一緒に響子の身体を洗った。

 「あったぞ、六花!」
 「ありましたね!」
 「早めに見つけて良かったな!」
 「はい!」

 響子が少し脅え、六花が少し噴き出した。

 「タカトラ、全部みてー!」
 「おし!」

 久し振りに響子の全身をしっかり見た。
 吹雪を抱き上げてしっかり拭いてパジャマを着させた。
 脱衣所のベビーベッドに横たえる。
 湯船に浸かった。

 「フブキも大丈夫だった?」
 「ああ。あいつはそんなに食べてないしな」
 「よかったー!」

 響子はニコニコして、自分の全身を確認する。

 「マツタケって美味しいけどコワイね」
 「まあ、あれだけ喰う機会はあまりないからな」
 「そっかー」

 六花が堪らずに噴いて咳き込んだ。

 「六花! 大丈夫!」
 「バ、バイ」
 「六花もちょっと生えてたよな」
 「そうなんだ!」
 
 そろそろ出ようと考えていると、子どもたちが入って来た。

 「みんな! マツタケが生えてないかよく見てね!」
 「「「「?」」」」

 俺が響子の後ろで口元に指を立てた。

 「じゃあ、俺たちは先に出るからな」
 「「「「?」」」」

 響子と六花の髪を乾かして出た。




 子どもたちは蕎麦の用意をしていた。
 天ぷらを揚げ、汁も薬味も用意している。
 あとは蕎麦を茹でるだけだ。

 俺は他のつまみを幾つか作った。
 アスパラの岩塩で炒め。
 ナスのめんつゆ炒めにネギを刻んで乗せる。
 松茸ご飯(流石に余った)をおにぎりにし、醤油とみそで焼きおにぎりに。
 蕎麦もあるので、その程度で終わる。

 子どもたちが風呂から上がり、つまみに喜んだ。
 みんなで屋上の「幻想空間」に上げる。
 今日は室内も屋上も暖色系の温かい灯にした。
 最初に蕎麦をみんなで食べた。
 響子も一口だけ蕎麦を食べた。

 「みんな松茸生えて無かった?」

 響子が心配そうに聞いた。

 「え?」
 「なに?」

 俺が話した。

 「ほら、松茸を大量に喰うと、身体に生えて来ることがあるだろ?」

 子どもたちが俺の意図を察した。
 流石に石神家だ。
 みんなで笑っている。

 「ああ、大丈夫だったよ?」
 「今日は沢山食べたからね。注意して見たから」
 「私はちょっとあったかな」
 「柳さん、オチンチンみたいでしたよね?」
 「そ、そうだったね」

 みんなで爆笑した。
 響子も笑った。

 「私もね! ちっちゃいのが生えた!」
 「そ、そうなんだ」

 「マツタケアスペルギリスっていうな、特殊な菌の成分があるからな」
 「へぇー!」

 子どもたちが爆笑した。
 響子が六花に「もうちょっとよく見て」と言っていた。
 六花は笑いながら響子の首筋や背中を見た。

 「まあ、生えて来ても数日で消えるしな」
 「そうなの! よかったー!」
 「響子はレイが護ってるしな。大丈夫だよ」
 「うん! レイにみんなも護ってって言うね!」

 子どもたちが「ありがとう」と礼を言った。
 みんなで蕎麦を食べ、楽しく話した。

 食べ終えた蕎麦を片付け、酒の用意をした。
 俺と亜紀ちゃんはワイルドターキー、六花はハイネケン、柳と双子はバドワイザー、皇紀はワイルドターキーの薄い水割りを飲んだ。
 響子はホットミルクティだ。

 「今年も終わりですね」
 「そうだなぁ。今年は忙しかったな」
 「海外も一杯行きましたよね!」
 「旅行じぇねぇけどな」

 みんなで思い出して話す。

 ハーがケムエルの攻撃で死に掛け、その後『砂漠の虎作戦』『スノーキャット作戦』が展開された。
 皇紀のフィリピン出張はみんなが爆笑し、皇紀は恥ずかしそうにうつむいた。
 ワニの悪魔の一連の陰惨な事件があった。
 グアテマラの基地の急襲では、俺たちも危なかった。
 そしてポーランド、南アフリカ、トルコ・パムッカレの戦闘。

 確実に「業」は世界戦略を始めている。
 俺たちもアメリカ、ヨーロッパと連携するようになり、他の国々とも協力関係を築こうとしている。
 アラスカには世界中からの移民を受け入れ、ソルジャーも順調に増えてはいるが、まだまだ足りない。
 「業」の浸食は俺たちの想像以上に進んでいる。
 それによって、先日も槙野が死んだ。

 俺は様々な記憶に思いを馳せた。
 子どもたちは響子たちに皇紀の「金髪ポンパドール」を見せて、響子と六花が爆笑していた。

 いつもはせがむ亜紀ちゃんが、今日は俺に何かを話せと言わなかった。
 夕べの自分たちの失敗を反省してのことだろう。

 「じゃあ、今年最後の「幻想空間」だからな。御堂の話をし、栞のことも少し話した。夕べは山中の話だったな」
 「タカさん……」
 「今日は奈津江の話をするか」

 「「「「「「「!」」」」」」」
 
 みんなが驚き、特に亜紀ちゃんは俺をまた心配そうに見ていた。





 俺は語り出した。
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