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真夜の掘り出し物
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六花のマンションで命懸けで吹雪の誕生祝いをしてきた。
1時間ほどで亜紀ちゃんたちが上がって来て、家に戻った。
半分意識が飛んでいた。
六花が一緒に付いて来ると言ったが、情けない姿を見せたく無くて断った。
「一江に明日は休むと言っておいてくれ」
「はい!」
泣いているようだったが、俺の意識が途切れた。
家に着いて、担架で丁寧に運ばれた。
身体を持ち上げられ、意識が戻った。
双子が話しているのが聞こえる。
「うちも救急車用意しよっか」
「そうだねー」
必要ねぇ。
「タカさん、とにかく寝込むもんね」
「ラブホ仕様の改造車とか?」
「「ギャハハハハハハ!」」
ちょっと買っとけ。
真夜が来ていた。
「石神さん!」
「ぉぅ」
包帯だらけの俺を見て真夜が驚いていた。
亜紀ちゃんが心配ないと説明している。
真夜は大学のレポートの資料を亜紀ちゃんに持って来たようだ。
亜紀ちゃんがいなかったので、柳が上がらせた。
丁度3時だったので、みんなでお茶にする。
俺はソファに横たわり、双子が作ったスムージーを飲んだ。
蓮花に教わった特製のものだ。
「あれ、こないだの「李さん」はもう無いんですか?」
「あー、あれね。もう仕舞っちゃった」
「そうなんですか」
真夜が残念そうに言う。
「なんだ、真夜、「李さん」気に入ったの?」
「ええ、物凄く当たるんで」
「出してこようか?」
「いいえ、いいですよ! また何かの機会に」
「そう?」
俺は不安になった。
声が出しにくいので、やっとのことで手を挙げて手招く。
「タカさん! どっか痛いの!」
ハーが飛んで来た。
小声で言う。
「真夜に庭は掘らせるな」
「あ! うん!」
ハーも覚えていて、分かった。
俺は安心して寝た。
「タカさん!」
みんなが駆け寄って来る。
「生きてる!」
「大丈夫だぁ!」
「……」
寝た。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
タカさんが眠ったので、みんなで小さな声で喋った。
紅茶とマキシム・ド・パリの苺のミルフィーユだった。
銀座SIXで私が買って来た。
タカさんが好きだったからだ。
吉野から帰ったら食べてもらおうと思っていた。
残念ながら、タカさんは食べれないけど。
真夜が喜んで食べてくれたから、まあいいか。
「そうだ! 真夜ちゃん、スイカもってかない?」
ハーが言った。
そろそろ早生のスイカが双子の花壇に成っている。
「え、いいの!」
「うん。丁度食べごろのが出来て来たから」
「嬉しい! ここのスイカって私も妹も大好きなの!」
「そう! じゃあ、後で一緒に摘みにいこ!」
「うん!」
「ジャガイモももってく?」
「え! あるの!」
「うん。春頃から植えたの。タカさん、ジャガイモ大好きだからね!」
「そうなんだ! じゃあ、ちょっと貰ってもいい?」
「うん!」
タカさんは家庭菜園じゃないと言ってあまり乗り気ではないが、双子の育てた野菜や果物はみんな美味しいので、最近ではあまり言わなくなった。
それでもタカさんが好きなものにしている。
スイカ、メロン、カボチャ(これはレイの好物)、ジャガイモ、桃、それと栗だ。
栗の木は去年移植して、今年の秋をみんなで楽しみにしている。
お茶を終えて、タカさんをそっと寝室に運んだ。
その後でみんなで庭に出た。
ロボはタカさんと一緒にいるかと思ったが、私たちに付いて来た。
何か楽しそうだったからだろう。
ウッドデッキから、サンダルに履き替えた。
双子がシャベルを真夜に渡し、自分たちは鋏を持っていた。
歩いている途中で、真夜が転んだ。
「あ!」
真夜が膝をついて、右手に持ったシャベルが土に刺さった。
ザクコン
「?」
何か硬いものにぶつかった音がした。
「真夜! 大丈夫!」
「ええ、すいません亜紀さん」
膝がちょっと赤くなった程度だった。
双子も駆け寄って来る。
「「あ」」
シャベルがちょっと土を抉っていた。
双子がそこを見ていた。
私も見た。
「あ」
赤く輝く何かが出ていた。
「なんだこりゃ?」
ハーが真夜からシャベルを受け取って土を払って行く。
「ねぇ、おっきいよ?」
ルーが倉庫からスコップを持って来た。
皇紀も作業小屋からユンボを移動して来る。
10メートル四方に、ナゾ金属があることが分かった。
「なんだろ?」
「うーん」
非常に硬くて、スコップでもユンボでも傷つかない。
「タマー!」
「なんだ」
着物姿のタマさんが出て来た。
真夜が驚く。
双子は時々タマさんと話してて仲良しだ。
特に今はロボもいる。
「ねぇ、これ何か分かる?」
「ああ、ヒヒイロカネだな」
「「「「「ゲェ!」」」」」
「にゃぁー!」
「え、なに?」
真夜は知らない。
神話上の金属だ。
「うわー、真夜ちゃん、またやっちゃったね」
「え! 私のせい!」
とにかく掘り出して庭を元に戻そうということになった。
全員で懸命に掘り出し、13メートル直径、長さ8メートルの円柱のようなものが出て来た。
「花岡」戦士たちで1時間掛かった。
近所から土を運んできて、なんとか庭を埋めた。
「ふぅー」
ヒヒイロカネは取り敢えず庭の隅に置いた。
意外と軽く、その大きさで2トンほどか。
「タカさん、怒るかなー」
「多分ね」
「え! 私?」
「しょうがないよ」
「私たちも一緒に謝るからさ」
「えぇー! 私悪いのぉー!」
私が真夜を慰めて、またスイカとジャガイモを獲りに行った。
「あ!」
真夜が転んだ。
サクコン
「「「「「……」」」」」
シャベルが土をちょっと削り、刀の柄が見えた。
「あんだこりゃ……」
ハーが掘り起こすと、日本刀が出て来た。
鞘から抜くと、刀身が真っ黒だった。
「「「「「黒笛……」」」」」
「にゃぁー……」
100振り埋まってた。
その後、真夜を私が背負って歩いた。
真夜はスイカを3つとジャガイモを2キロ持って帰った。
タカさんはスヤスヤ寝てる。
1時間ほどで亜紀ちゃんたちが上がって来て、家に戻った。
半分意識が飛んでいた。
六花が一緒に付いて来ると言ったが、情けない姿を見せたく無くて断った。
「一江に明日は休むと言っておいてくれ」
「はい!」
泣いているようだったが、俺の意識が途切れた。
家に着いて、担架で丁寧に運ばれた。
身体を持ち上げられ、意識が戻った。
双子が話しているのが聞こえる。
「うちも救急車用意しよっか」
「そうだねー」
必要ねぇ。
「タカさん、とにかく寝込むもんね」
「ラブホ仕様の改造車とか?」
「「ギャハハハハハハ!」」
ちょっと買っとけ。
真夜が来ていた。
「石神さん!」
「ぉぅ」
包帯だらけの俺を見て真夜が驚いていた。
亜紀ちゃんが心配ないと説明している。
真夜は大学のレポートの資料を亜紀ちゃんに持って来たようだ。
亜紀ちゃんがいなかったので、柳が上がらせた。
丁度3時だったので、みんなでお茶にする。
俺はソファに横たわり、双子が作ったスムージーを飲んだ。
蓮花に教わった特製のものだ。
「あれ、こないだの「李さん」はもう無いんですか?」
「あー、あれね。もう仕舞っちゃった」
「そうなんですか」
真夜が残念そうに言う。
「なんだ、真夜、「李さん」気に入ったの?」
「ええ、物凄く当たるんで」
「出してこようか?」
「いいえ、いいですよ! また何かの機会に」
「そう?」
俺は不安になった。
声が出しにくいので、やっとのことで手を挙げて手招く。
「タカさん! どっか痛いの!」
ハーが飛んで来た。
小声で言う。
「真夜に庭は掘らせるな」
「あ! うん!」
ハーも覚えていて、分かった。
俺は安心して寝た。
「タカさん!」
みんなが駆け寄って来る。
「生きてる!」
「大丈夫だぁ!」
「……」
寝た。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
タカさんが眠ったので、みんなで小さな声で喋った。
紅茶とマキシム・ド・パリの苺のミルフィーユだった。
銀座SIXで私が買って来た。
タカさんが好きだったからだ。
吉野から帰ったら食べてもらおうと思っていた。
残念ながら、タカさんは食べれないけど。
真夜が喜んで食べてくれたから、まあいいか。
「そうだ! 真夜ちゃん、スイカもってかない?」
ハーが言った。
そろそろ早生のスイカが双子の花壇に成っている。
「え、いいの!」
「うん。丁度食べごろのが出来て来たから」
「嬉しい! ここのスイカって私も妹も大好きなの!」
「そう! じゃあ、後で一緒に摘みにいこ!」
「うん!」
「ジャガイモももってく?」
「え! あるの!」
「うん。春頃から植えたの。タカさん、ジャガイモ大好きだからね!」
「そうなんだ! じゃあ、ちょっと貰ってもいい?」
「うん!」
タカさんは家庭菜園じゃないと言ってあまり乗り気ではないが、双子の育てた野菜や果物はみんな美味しいので、最近ではあまり言わなくなった。
それでもタカさんが好きなものにしている。
スイカ、メロン、カボチャ(これはレイの好物)、ジャガイモ、桃、それと栗だ。
栗の木は去年移植して、今年の秋をみんなで楽しみにしている。
お茶を終えて、タカさんをそっと寝室に運んだ。
その後でみんなで庭に出た。
ロボはタカさんと一緒にいるかと思ったが、私たちに付いて来た。
何か楽しそうだったからだろう。
ウッドデッキから、サンダルに履き替えた。
双子がシャベルを真夜に渡し、自分たちは鋏を持っていた。
歩いている途中で、真夜が転んだ。
「あ!」
真夜が膝をついて、右手に持ったシャベルが土に刺さった。
ザクコン
「?」
何か硬いものにぶつかった音がした。
「真夜! 大丈夫!」
「ええ、すいません亜紀さん」
膝がちょっと赤くなった程度だった。
双子も駆け寄って来る。
「「あ」」
シャベルがちょっと土を抉っていた。
双子がそこを見ていた。
私も見た。
「あ」
赤く輝く何かが出ていた。
「なんだこりゃ?」
ハーが真夜からシャベルを受け取って土を払って行く。
「ねぇ、おっきいよ?」
ルーが倉庫からスコップを持って来た。
皇紀も作業小屋からユンボを移動して来る。
10メートル四方に、ナゾ金属があることが分かった。
「なんだろ?」
「うーん」
非常に硬くて、スコップでもユンボでも傷つかない。
「タマー!」
「なんだ」
着物姿のタマさんが出て来た。
真夜が驚く。
双子は時々タマさんと話してて仲良しだ。
特に今はロボもいる。
「ねぇ、これ何か分かる?」
「ああ、ヒヒイロカネだな」
「「「「「ゲェ!」」」」」
「にゃぁー!」
「え、なに?」
真夜は知らない。
神話上の金属だ。
「うわー、真夜ちゃん、またやっちゃったね」
「え! 私のせい!」
とにかく掘り出して庭を元に戻そうということになった。
全員で懸命に掘り出し、13メートル直径、長さ8メートルの円柱のようなものが出て来た。
「花岡」戦士たちで1時間掛かった。
近所から土を運んできて、なんとか庭を埋めた。
「ふぅー」
ヒヒイロカネは取り敢えず庭の隅に置いた。
意外と軽く、その大きさで2トンほどか。
「タカさん、怒るかなー」
「多分ね」
「え! 私?」
「しょうがないよ」
「私たちも一緒に謝るからさ」
「えぇー! 私悪いのぉー!」
私が真夜を慰めて、またスイカとジャガイモを獲りに行った。
「あ!」
真夜が転んだ。
サクコン
「「「「「……」」」」」
シャベルが土をちょっと削り、刀の柄が見えた。
「あんだこりゃ……」
ハーが掘り起こすと、日本刀が出て来た。
鞘から抜くと、刀身が真っ黒だった。
「「「「「黒笛……」」」」」
「にゃぁー……」
100振り埋まってた。
その後、真夜を私が背負って歩いた。
真夜はスイカを3つとジャガイモを2キロ持って帰った。
タカさんはスヤスヤ寝てる。
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