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新宿悪魔 XⅢ
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北新宿の避難誘導は結構混乱した。
警察車両のスピーカーでの通達はほぼ無視され、ようやく住民が避難を開始したのはやはり俺たちが爆破を実施してからだ。
同時にテレビなどのマスコミが一斉に緊急避難勧告を流している。
危険がすぐそこまで迫っていることを実演して見せ、住民たちは慌てて出てきた。
俺は、避難指示に従った場合は損壊した住居などの補償をするが、指示を無視した場合には一切補償は応じない旨を日本語、韓国語、中国語でアナウンスさせた。
現金なもので、争うように家を出て避難指示に従うようになった。
土曜日の早朝ということもあり、会社や店舗などはほとんど営業していない。
住民がほとんどであり、2時間後にはほとんどの住民の移動が完了した。
「どうだ、便利屋?」
「なんか、物凄いのを感じます」
「どこだ!」
便利屋が地図の場所を示した。
「真光の会」という新興宗教団体の敷地だった。
「行くぞ!」
俺は早乙女と便利屋を連れ、ターナー少将と子どもたちにも現場へ向かうように指示した。
「真光の会」の本部を目指して全員が動く。
俺と早乙女、便利屋は青嵐の運転する「ファブニール」に乗り込んだ。
早乙女は移動しながら「アドヴェロス」にも現場へ向かうように指示した。
ターナー少将からも、ソルジャーが向かう旨の報告が入り、ジェシカもデュールゲリエを向かわせ包囲していった。
「案外早かったかもな」
「そうだな。そこにいればいいんだが」
「石神の勘のお陰だな!」
「まだ早い。見つからなければまだまだ続くんだ。気を抜くなよ」
「分かった」
しかし俺はそう早乙女に言いながらも、そこに片桐がいるという予感があった。
「虎王」の主としての何かがそう感じさせているのかもしれない。
逸早く「スズメバチ」とデュールゲリエが教団の敷地周辺に集まっていた。
「スズメバチ」が敷地内を飛び回り、窓などから室内の様子を探っている。
「ジェシカ! 突入させろ!」
「はい!」
俺が許可して窓やドアを破壊し、「スズメバチ」が建物内へ潜入した。
すぐに異常事態を発見した。
夥しい死体があったからだ。
「早乙女! ここだぁ!」
「おう!」
全員が「ファブニール」から降車し、それぞれの武器を手にした。
子どもたちは真っ先に建物の外壁を破壊し、発見した片桐に攻撃を仕掛けた。
まだ生存者がいるので肉弾戦だ。
「螺旋花」を中心に、角度によっては「槍雷」を放つ。
亜紀ちゃんが攻撃を担い、皇紀、双子、柳が片桐の触手を攻撃しながら生存者の救出に動いた。
10秒以内に30人ほどいた生存者を敷地の外の警官隊に預ける。
危険なので救急車は入らない。
警察の車両で生存者を運んで行くはずだった。
多少手荒い救出だったが、片桐がメタモルフォーゼすれば全員が助からない。
「アドヴェロス」のハンターも庭に入って来た。
俺が離れて待つように言う。
接近して片桐が40メートルもの巨体になれば潰されるからだ。
「スズメバチ」が空中に待機し、俺の指示を待っている。
「お前ら! 全員離れろ!」
子どもたちが一斉に片桐から距離を取る。
やはり亜紀ちゃんの攻撃は通じていなかった。
完全体にならなくとも、片桐は桁違いに強い。
デュールゲリエ200体が一斉に「オロチストライク」を放った。
子どもたちのものよりも小さい出力だが、200体も集まると壮観だ。
目の前が真っ白になり、俺も一旦距離を取った。
片桐が呻いている。
効いているようだ。
突然咆哮が響き、巨大な質量が出現した。
いよいよ、最終形態を出してきた。
「早乙女! ハンターに全力でやらせろ!」
早乙女はすぐに命じたようだ。
早霧と葛葉が攻撃するが、まったく効いていない。
漆黒に光る体表で全て霧散している。
磯良の前に愛鈴が立ちはだかった。
既に全身がメタモルフォーゼしていた。
俺も現実に見るのは初めてだ。
硬そうな鱗と革に覆われた全身は、人型ではあるが、恐竜を擬人化したような姿だった。
太い両足の先には鉤爪のある足。
両腕も太く、筋肉が盛り上がっている。
胸は女性らしい膨らみがあるが、そこも強靭な革に覆われ、胸元から下半身に掛けて硬そうな鱗に覆われている。
首も太く、その上の頭部は鱗の生えた人面だ。
頭髪は針金のようなものが後ろに逆立っている。
恐ろしい姿なのだが、不思議と美しさがあった。
ワニの化け物から無数の触手が攻撃して来る。
愛鈴はそれを軽くはじき返し、何本かを切断していた。
磯良は愛鈴の後ろで目を閉じて何かを唱えているようだ。
奥義を出す準備なのだろう。
愛鈴が攻撃に出た。
右手から何かのエネルギーが伸びて行く。
白い光の線が、ワニの化け物の体表にぶつかった。
激しく炸裂し、漆黒の鱗が剥げ落ちて内部の肉が燃えていた。
通用している。
「愛鈴さん!」
磯良が叫んだ。
愛鈴が後ろへ下がる。
磯良が右手を上げて振り下ろした。
巨大な深紅の光のカッターのようなものが飛び、ワニの化け物の首を落とした。
「!」
全員が歓声を上げる。
「柳! 撃て!」
「「オロチ大ストライク」!」
柳が恥ずかしい技名を叫んで撃ち込んだ。
落ちた首の切断面にぶち込まれ、身体が膨れ上がって破れた。
他の人間もどんどん攻撃していく。
「虎」の軍のソルジャーや千万組、「虎酔会」の面々は「カサンドラ」で斬り裂いて行った。
相当な巨体だったので、それだけの人数でも時間が掛かった。
戦闘は終わった。
化け物の遺骸は俺が用意した5台の20トントレーラーで運搬して行った。
蓮花研究所に持ち込むつもりだ。
「真光の会」の建物の中には、膨大な被害者の遺体があった。
百数十名にも上る数だった。
全て脳髄を喰われていると思われた。
警察がそちらの処置をする。
子どもたちと「虎」の軍は先に撤収させた。
大渕さんが来て、避難した住民を戻すと言った。
「お陰様で助かりました。避難した方々には被害がなく、大渕さんのお陰です」
「いいえ、でも良かった。これでやっと終わったのですね」
「はい。俺もそろそろ行きます」
「御苦労様でした」
「今回は早乙女と「アドヴェロス」が頑張りましたよ」
「そうですね」
「違うよ、石神!」
「なんだよ?」
「警察官が必死に動いたお陰だよ!」
「うるせぇな! 俺が折角綺麗にまとめたのに!」
「でも、違うんだから!」
「分かったよ!」
大渕さんが笑った。
「本当に警察官は勇敢で優秀でした」
「そうですね!」
俺も笑った。
早乙女の電話が鳴った。
俺と大渕さんから少し離れる。
「なんだって!」
立ち去ろうと思ったが、少し早乙女の電話を待った。
早乙女が俺に向かって言った。
「石神! 片桐のマンションにいた土谷美津がナースと警官を殺害して逃走した!」
「なんだと!」
土谷美津は中野の警察病院に入院していた。
検診に来たナースの首を折り、廊下で警備していた警官も殺して逃げたようだ。
「便利屋!」
俺は包囲の外で待機していた便利屋を呼んだ。
「早乙女! すぐに向かうぞ!」
俺は既に撤収したターナー少将とジェシカに連絡し、警察病院へ向かうよう指示した。
紫嵐の運転する「ファブニール」に乗った子どもたちにも連絡した。
青嵐の「ファブニール」に早乙女を連れて乗り込む。
早乙女もハンターたちを「ザンザス」に乗せて一緒に急行させた。
「一体何が起きたんだ?」
「まだ分からん。だが、片桐の何かが入って……!」
「どうした、石神!」
「暴行されたんだよな!」
「!」
「片桐の体液か!」
「石神!」
俺は別な可能性も思い至った。
「おい! さっき教団の救出者を運んだな!」
「あ!」
「すぐに連絡しろ!」
俺は紫嵐の「ファブニール」に連絡し、救出者の車両へ向かうように言った。
「まずいぜ」
「……」
子どもたちが着いた時、警察のバスに乗せた救出者たちは、全員殺害されていた。
15人の女性信者による徹底的な破壊だった。
バスを運転していた警察官と付き添っていた警察官も全て死亡していた。
警護でついていたパトカーの警官は拳銃で応戦し、2人を死亡させたが、残る13人によって殺害された。
警察車両のスピーカーでの通達はほぼ無視され、ようやく住民が避難を開始したのはやはり俺たちが爆破を実施してからだ。
同時にテレビなどのマスコミが一斉に緊急避難勧告を流している。
危険がすぐそこまで迫っていることを実演して見せ、住民たちは慌てて出てきた。
俺は、避難指示に従った場合は損壊した住居などの補償をするが、指示を無視した場合には一切補償は応じない旨を日本語、韓国語、中国語でアナウンスさせた。
現金なもので、争うように家を出て避難指示に従うようになった。
土曜日の早朝ということもあり、会社や店舗などはほとんど営業していない。
住民がほとんどであり、2時間後にはほとんどの住民の移動が完了した。
「どうだ、便利屋?」
「なんか、物凄いのを感じます」
「どこだ!」
便利屋が地図の場所を示した。
「真光の会」という新興宗教団体の敷地だった。
「行くぞ!」
俺は早乙女と便利屋を連れ、ターナー少将と子どもたちにも現場へ向かうように指示した。
「真光の会」の本部を目指して全員が動く。
俺と早乙女、便利屋は青嵐の運転する「ファブニール」に乗り込んだ。
早乙女は移動しながら「アドヴェロス」にも現場へ向かうように指示した。
ターナー少将からも、ソルジャーが向かう旨の報告が入り、ジェシカもデュールゲリエを向かわせ包囲していった。
「案外早かったかもな」
「そうだな。そこにいればいいんだが」
「石神の勘のお陰だな!」
「まだ早い。見つからなければまだまだ続くんだ。気を抜くなよ」
「分かった」
しかし俺はそう早乙女に言いながらも、そこに片桐がいるという予感があった。
「虎王」の主としての何かがそう感じさせているのかもしれない。
逸早く「スズメバチ」とデュールゲリエが教団の敷地周辺に集まっていた。
「スズメバチ」が敷地内を飛び回り、窓などから室内の様子を探っている。
「ジェシカ! 突入させろ!」
「はい!」
俺が許可して窓やドアを破壊し、「スズメバチ」が建物内へ潜入した。
すぐに異常事態を発見した。
夥しい死体があったからだ。
「早乙女! ここだぁ!」
「おう!」
全員が「ファブニール」から降車し、それぞれの武器を手にした。
子どもたちは真っ先に建物の外壁を破壊し、発見した片桐に攻撃を仕掛けた。
まだ生存者がいるので肉弾戦だ。
「螺旋花」を中心に、角度によっては「槍雷」を放つ。
亜紀ちゃんが攻撃を担い、皇紀、双子、柳が片桐の触手を攻撃しながら生存者の救出に動いた。
10秒以内に30人ほどいた生存者を敷地の外の警官隊に預ける。
危険なので救急車は入らない。
警察の車両で生存者を運んで行くはずだった。
多少手荒い救出だったが、片桐がメタモルフォーゼすれば全員が助からない。
「アドヴェロス」のハンターも庭に入って来た。
俺が離れて待つように言う。
接近して片桐が40メートルもの巨体になれば潰されるからだ。
「スズメバチ」が空中に待機し、俺の指示を待っている。
「お前ら! 全員離れろ!」
子どもたちが一斉に片桐から距離を取る。
やはり亜紀ちゃんの攻撃は通じていなかった。
完全体にならなくとも、片桐は桁違いに強い。
デュールゲリエ200体が一斉に「オロチストライク」を放った。
子どもたちのものよりも小さい出力だが、200体も集まると壮観だ。
目の前が真っ白になり、俺も一旦距離を取った。
片桐が呻いている。
効いているようだ。
突然咆哮が響き、巨大な質量が出現した。
いよいよ、最終形態を出してきた。
「早乙女! ハンターに全力でやらせろ!」
早乙女はすぐに命じたようだ。
早霧と葛葉が攻撃するが、まったく効いていない。
漆黒に光る体表で全て霧散している。
磯良の前に愛鈴が立ちはだかった。
既に全身がメタモルフォーゼしていた。
俺も現実に見るのは初めてだ。
硬そうな鱗と革に覆われた全身は、人型ではあるが、恐竜を擬人化したような姿だった。
太い両足の先には鉤爪のある足。
両腕も太く、筋肉が盛り上がっている。
胸は女性らしい膨らみがあるが、そこも強靭な革に覆われ、胸元から下半身に掛けて硬そうな鱗に覆われている。
首も太く、その上の頭部は鱗の生えた人面だ。
頭髪は針金のようなものが後ろに逆立っている。
恐ろしい姿なのだが、不思議と美しさがあった。
ワニの化け物から無数の触手が攻撃して来る。
愛鈴はそれを軽くはじき返し、何本かを切断していた。
磯良は愛鈴の後ろで目を閉じて何かを唱えているようだ。
奥義を出す準備なのだろう。
愛鈴が攻撃に出た。
右手から何かのエネルギーが伸びて行く。
白い光の線が、ワニの化け物の体表にぶつかった。
激しく炸裂し、漆黒の鱗が剥げ落ちて内部の肉が燃えていた。
通用している。
「愛鈴さん!」
磯良が叫んだ。
愛鈴が後ろへ下がる。
磯良が右手を上げて振り下ろした。
巨大な深紅の光のカッターのようなものが飛び、ワニの化け物の首を落とした。
「!」
全員が歓声を上げる。
「柳! 撃て!」
「「オロチ大ストライク」!」
柳が恥ずかしい技名を叫んで撃ち込んだ。
落ちた首の切断面にぶち込まれ、身体が膨れ上がって破れた。
他の人間もどんどん攻撃していく。
「虎」の軍のソルジャーや千万組、「虎酔会」の面々は「カサンドラ」で斬り裂いて行った。
相当な巨体だったので、それだけの人数でも時間が掛かった。
戦闘は終わった。
化け物の遺骸は俺が用意した5台の20トントレーラーで運搬して行った。
蓮花研究所に持ち込むつもりだ。
「真光の会」の建物の中には、膨大な被害者の遺体があった。
百数十名にも上る数だった。
全て脳髄を喰われていると思われた。
警察がそちらの処置をする。
子どもたちと「虎」の軍は先に撤収させた。
大渕さんが来て、避難した住民を戻すと言った。
「お陰様で助かりました。避難した方々には被害がなく、大渕さんのお陰です」
「いいえ、でも良かった。これでやっと終わったのですね」
「はい。俺もそろそろ行きます」
「御苦労様でした」
「今回は早乙女と「アドヴェロス」が頑張りましたよ」
「そうですね」
「違うよ、石神!」
「なんだよ?」
「警察官が必死に動いたお陰だよ!」
「うるせぇな! 俺が折角綺麗にまとめたのに!」
「でも、違うんだから!」
「分かったよ!」
大渕さんが笑った。
「本当に警察官は勇敢で優秀でした」
「そうですね!」
俺も笑った。
早乙女の電話が鳴った。
俺と大渕さんから少し離れる。
「なんだって!」
立ち去ろうと思ったが、少し早乙女の電話を待った。
早乙女が俺に向かって言った。
「石神! 片桐のマンションにいた土谷美津がナースと警官を殺害して逃走した!」
「なんだと!」
土谷美津は中野の警察病院に入院していた。
検診に来たナースの首を折り、廊下で警備していた警官も殺して逃げたようだ。
「便利屋!」
俺は包囲の外で待機していた便利屋を呼んだ。
「早乙女! すぐに向かうぞ!」
俺は既に撤収したターナー少将とジェシカに連絡し、警察病院へ向かうよう指示した。
紫嵐の運転する「ファブニール」に乗った子どもたちにも連絡した。
青嵐の「ファブニール」に早乙女を連れて乗り込む。
早乙女もハンターたちを「ザンザス」に乗せて一緒に急行させた。
「一体何が起きたんだ?」
「まだ分からん。だが、片桐の何かが入って……!」
「どうした、石神!」
「暴行されたんだよな!」
「!」
「片桐の体液か!」
「石神!」
俺は別な可能性も思い至った。
「おい! さっき教団の救出者を運んだな!」
「あ!」
「すぐに連絡しろ!」
俺は紫嵐の「ファブニール」に連絡し、救出者の車両へ向かうように言った。
「まずいぜ」
「……」
子どもたちが着いた時、警察のバスに乗せた救出者たちは、全員殺害されていた。
15人の女性信者による徹底的な破壊だった。
バスを運転していた警察官と付き添っていた警察官も全て死亡していた。
警護でついていたパトカーの警官は拳銃で応戦し、2人を死亡させたが、残る13人によって殺害された。
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