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赤い靴の映像
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俺の話が終わった。
子どもたちがみんな泣いている。
前に出会った少女・掛井佳乃ちゃんを思い出したのかもしれない。
あの子も眼部転移性腫瘍で目が見えなくなっていた。
余命が尽きる前に、子どもたちがクリスマスを一緒に祝った。
「こないだ橘さんがうちに来て、一緒に『虎は孤高に』を観たよな」
「はい」
「あの中で、山下公園で俺と乾さんが話をするシーンがあった」
「はい! 乾さんが好きだった女性の話をするんですよね!」
「そうだ。貧しさの中で肺結核で亡くなってしまった人だ。あのシーンでな、俺と乾さんの前を何人か通りかかった。その時に、赤い靴を履いている女の子がいたんだ」
「えぇ! 気付きませんでしたよ!」
まあ、ストーリーとは関係の無いことなので、誰も気にはしていなかっただろう。
俺くらいだ。
「橘さんがいたからな。俺も何も話さなかったけど、あれに衝撃を受けたんだ。まるで美紗子がそこにいたように思えてな」
「そうだったんですか!」
亜紀ちゃんが興奮し、帰ったらすぐに見直そうと言った。
「俺も気になってなぁ。どうしようか迷ったんだけど、ディレクターに問い合わせたんだ」
「そうなんですか!」
「ああ。でも、ディレクターの話だと、あのシーンでのエキストラに、女の子はいなかったはずだと言われたんだよ」
「「「「「「えぇ!」」」」」」
「不思議だろ? ディレクターも後で見直して驚いていたんだ。子役はいろいろな制約があるから、絶対に記憶に間違いは無いと言っていた。でも、映像にはちゃんと映っているんだ」
「じゃあ、それって!」
亜紀ちゃんがますます興奮していた。
「分からんよ。用意したエキストラ以外の人間が紛れたのかもしれないしな。ディレクターは念のためにエキストラへの支払いの明細まで調べてくれたけど、やっぱり女の子はいなかった」
「顔はどうだったんですか?」
「映っていないんだ。カメラの角度で、胸から下だけなんだよ。でも、あの赤い靴は、美紗子のものに似ているように思えた」
「タカさんのお部屋のガラス棚に、赤い靴がありますよね!」
俺の部屋の掃除をし、俺の大事なものをよく見ている亜紀ちゃんが言った。
「ああ」
「ちゃんと比べてみましょうよ!」
「まあ、そうだな」
「こんなとこ、早く帰りましょう!」
「ばかやろう!」
頭を引っぱたいた。
早乙女がまあまあと宥めた。
流石に失言だったので、亜紀ちゃんも早乙女達に謝る。
「ルー、ハー」
「「はい!」」
「お前らさ、時々俺の部屋に入って、戸棚の前でニコニコしているだろ?」
「「うん!」」
「あの美紗子の靴の前でも笑ってたじゃない。俺は嬉しかったんだ」
「あの靴は綺麗だよね!」
「波動が物凄くいい!」
「そうか」
俺は二人の所へ行って頭を撫でた。
嬉しかった。
「そういう靴だったんだね」
「美紗子ちゃんね! タカさんの傍にいられて嬉しいみたいだよ!」
「そうか!」
「うん、時々『闇夜の国から』を歌ってあげてるでしょ?」
「凄く喜んでる!」
「そうか……」
二人が止まらなくなっている。
「それにね! 美紗子ちゃんのお墓も時々行ってるでしょ?」
「綺麗なお花をいつもありがとうって!」
「おい、もうその辺にしてくれ」
俺は涙が零れそうで本当に困った。
「ウォォォォーーー! あのドラマはやっぱり最高ダァァァァーー!」
亜紀ちゃんが叫び、俺はやっとのことで涙を堪えることが出来た。
すると、早乙女と雪野さんが話していた。
「雪野さん! 石神は本当に最高だよ!」
「そうですね」
「二人目の名前も、絶対に石神に名付けてもらおう」
「はい!」
「おい! 俺は絶対にやらねぇぞ!」
子どもたちが笑った。
家に帰り、亜紀ちゃんがすぐに地下室でセッティングした。
「タカさん! 美紗子ちゃんの靴を持って来て下さい!」
「おい、いいよ」
「何言ってんですか!」
「なんで怒られるんだよ!」
「早くぅー!」
「分かったよ!」
仕方なく部屋から美紗子の靴を持って降りた。
「じゃあ、流しますよ!」
みんなで山下公園のベンチのシーンを観る。
「あ!」
確かに赤い靴の少女が通り過ぎた。
ただ歩き去るのではなく、一度こちらを向いてまた歩き出して行く。
亜紀ちゃんが一時停止にした。
「やっぱり! この靴じゃないですかぁ!」
まあ、俺は確認しているのだが。
子どもたちが大興奮だ。
もう一度そのシーンを観た。
「あ! なんか聞こえる!」
ハーが叫んだ。
「なに?」
「小さい声で分かんないけど、なんか聞こえたよ!」
「亜紀ちゃん! 大きな音で流して!」
「うん!」
ボリュームを上げる。
みんな押し黙って耳を澄ませた。
本当に何か聞こえた。
「もっと大きく!」
「分かった! 最大にするよ!」
「待て、スピーカーを変えよう」
俺がケーブルをつなぎ直し、ゴールドムントにつないだ。
《トラさん……》
はっきりと聞こえた。
美紗子の声だった。
「美紗子! お前なのか!」
俺は叫んで泣き崩れた。
「タカさん! やっぱり美紗子ちゃんでしたね!」
「うん……うん……」
あの、山下公園で、美紗子が俺に会いに来てくれたのだ。
俺が何とか感情をまとめて子どもたちに話した。
「美紗子は目が見えなかった。10年くらいしか生きないで死んでしまった」
みんな俺を見ていた。
「でもな、本当に立派な生涯だったんだぞ! 目が見えないことを嘆かずに。余命が少ないことを嘆かずに。精一杯に生きて死んだ。俺は尊敬する!」
みんなうなずいている。
「明るく、優しい子だった。辛いこと、嫌なことはたくさんあっただろう。でも死ぬまで明るさと優しさを見失わなかった。最高の奴だった!」
「「「「はい!」」」」
子どもたちが地下室を出て行った。
俺だけが残された。
美紗子にギターを弾いて欲しいというつもりなのだろう。
俺は美紗子のために『闇夜の国から』を歌った。
リヴィングに上がると、テーブルに書置きがあった。
《虎温泉にいます》
俺は笑って着替えを持って行った。
子どもたちが笑顔で出迎え、ハーがすぐにイチゴ練乳のかき氷を作って持って来た。
「タカさん! 美紗子ちゃんのエピソードも『虎は孤高に』でやってもらいましょうよ!」
「ばかやろう! あれは南の原作だ!」
「じゃあ、南さんに連絡します!」
「やめとけ! あいつだって大変なんだから!」
俺は止めたのだが、超行動派の亜紀ちゃんが裸で出て行って自分のスマホを持って来た。
俺から離れて湯船に入り、南に電話した。
「夜分にすいません!」
話し出した。
美紗子の話をしている。
「え! そうですよね!」
「おい! 無理をさせるな!」
「はい! はい! じゃあタカさんに代わりますね!」
亜紀ちゃんがニコニコしてスマホを俺に渡す。
「南、悪いな。娘の話は無視していいから」
「何言ってるの! なんで教えてくれなかったの!」
「おい」
「絶対に書くから! 最高のお話だった!」
「いや、もうストーリーはずっと先に進んでいるだろう」
「そんなこと、どうにでもするよ! だって石神君の本当に綺麗な思い出じゃないの!」
「……」
「ヤマトテレビにも話してみるよ。私も脚本に入っているからね! そうだなぁ、特別篇でも作ろうか!」
「南……」
「とにかくまた連絡するね!」
「あ、ああ」
俺は何も言えなかった。
南が「綺麗な思い出」と言ってくれたからだ。
俺と美紗子との思い出をそう言ってくれた。
俺は随分と最高の仲間に囲まれているようだ。
亜紀ちゃんに微笑みながら格好よくスマホを投げて返した。
球技がヘタクソな俺は、湯の中にぶち込んでしまった。
亜紀ちゃんが大泣きした。
子どもたちがみんな泣いている。
前に出会った少女・掛井佳乃ちゃんを思い出したのかもしれない。
あの子も眼部転移性腫瘍で目が見えなくなっていた。
余命が尽きる前に、子どもたちがクリスマスを一緒に祝った。
「こないだ橘さんがうちに来て、一緒に『虎は孤高に』を観たよな」
「はい」
「あの中で、山下公園で俺と乾さんが話をするシーンがあった」
「はい! 乾さんが好きだった女性の話をするんですよね!」
「そうだ。貧しさの中で肺結核で亡くなってしまった人だ。あのシーンでな、俺と乾さんの前を何人か通りかかった。その時に、赤い靴を履いている女の子がいたんだ」
「えぇ! 気付きませんでしたよ!」
まあ、ストーリーとは関係の無いことなので、誰も気にはしていなかっただろう。
俺くらいだ。
「橘さんがいたからな。俺も何も話さなかったけど、あれに衝撃を受けたんだ。まるで美紗子がそこにいたように思えてな」
「そうだったんですか!」
亜紀ちゃんが興奮し、帰ったらすぐに見直そうと言った。
「俺も気になってなぁ。どうしようか迷ったんだけど、ディレクターに問い合わせたんだ」
「そうなんですか!」
「ああ。でも、ディレクターの話だと、あのシーンでのエキストラに、女の子はいなかったはずだと言われたんだよ」
「「「「「「えぇ!」」」」」」
「不思議だろ? ディレクターも後で見直して驚いていたんだ。子役はいろいろな制約があるから、絶対に記憶に間違いは無いと言っていた。でも、映像にはちゃんと映っているんだ」
「じゃあ、それって!」
亜紀ちゃんがますます興奮していた。
「分からんよ。用意したエキストラ以外の人間が紛れたのかもしれないしな。ディレクターは念のためにエキストラへの支払いの明細まで調べてくれたけど、やっぱり女の子はいなかった」
「顔はどうだったんですか?」
「映っていないんだ。カメラの角度で、胸から下だけなんだよ。でも、あの赤い靴は、美紗子のものに似ているように思えた」
「タカさんのお部屋のガラス棚に、赤い靴がありますよね!」
俺の部屋の掃除をし、俺の大事なものをよく見ている亜紀ちゃんが言った。
「ああ」
「ちゃんと比べてみましょうよ!」
「まあ、そうだな」
「こんなとこ、早く帰りましょう!」
「ばかやろう!」
頭を引っぱたいた。
早乙女がまあまあと宥めた。
流石に失言だったので、亜紀ちゃんも早乙女達に謝る。
「ルー、ハー」
「「はい!」」
「お前らさ、時々俺の部屋に入って、戸棚の前でニコニコしているだろ?」
「「うん!」」
「あの美紗子の靴の前でも笑ってたじゃない。俺は嬉しかったんだ」
「あの靴は綺麗だよね!」
「波動が物凄くいい!」
「そうか」
俺は二人の所へ行って頭を撫でた。
嬉しかった。
「そういう靴だったんだね」
「美紗子ちゃんね! タカさんの傍にいられて嬉しいみたいだよ!」
「そうか!」
「うん、時々『闇夜の国から』を歌ってあげてるでしょ?」
「凄く喜んでる!」
「そうか……」
二人が止まらなくなっている。
「それにね! 美紗子ちゃんのお墓も時々行ってるでしょ?」
「綺麗なお花をいつもありがとうって!」
「おい、もうその辺にしてくれ」
俺は涙が零れそうで本当に困った。
「ウォォォォーーー! あのドラマはやっぱり最高ダァァァァーー!」
亜紀ちゃんが叫び、俺はやっとのことで涙を堪えることが出来た。
すると、早乙女と雪野さんが話していた。
「雪野さん! 石神は本当に最高だよ!」
「そうですね」
「二人目の名前も、絶対に石神に名付けてもらおう」
「はい!」
「おい! 俺は絶対にやらねぇぞ!」
子どもたちが笑った。
家に帰り、亜紀ちゃんがすぐに地下室でセッティングした。
「タカさん! 美紗子ちゃんの靴を持って来て下さい!」
「おい、いいよ」
「何言ってんですか!」
「なんで怒られるんだよ!」
「早くぅー!」
「分かったよ!」
仕方なく部屋から美紗子の靴を持って降りた。
「じゃあ、流しますよ!」
みんなで山下公園のベンチのシーンを観る。
「あ!」
確かに赤い靴の少女が通り過ぎた。
ただ歩き去るのではなく、一度こちらを向いてまた歩き出して行く。
亜紀ちゃんが一時停止にした。
「やっぱり! この靴じゃないですかぁ!」
まあ、俺は確認しているのだが。
子どもたちが大興奮だ。
もう一度そのシーンを観た。
「あ! なんか聞こえる!」
ハーが叫んだ。
「なに?」
「小さい声で分かんないけど、なんか聞こえたよ!」
「亜紀ちゃん! 大きな音で流して!」
「うん!」
ボリュームを上げる。
みんな押し黙って耳を澄ませた。
本当に何か聞こえた。
「もっと大きく!」
「分かった! 最大にするよ!」
「待て、スピーカーを変えよう」
俺がケーブルをつなぎ直し、ゴールドムントにつないだ。
《トラさん……》
はっきりと聞こえた。
美紗子の声だった。
「美紗子! お前なのか!」
俺は叫んで泣き崩れた。
「タカさん! やっぱり美紗子ちゃんでしたね!」
「うん……うん……」
あの、山下公園で、美紗子が俺に会いに来てくれたのだ。
俺が何とか感情をまとめて子どもたちに話した。
「美紗子は目が見えなかった。10年くらいしか生きないで死んでしまった」
みんな俺を見ていた。
「でもな、本当に立派な生涯だったんだぞ! 目が見えないことを嘆かずに。余命が少ないことを嘆かずに。精一杯に生きて死んだ。俺は尊敬する!」
みんなうなずいている。
「明るく、優しい子だった。辛いこと、嫌なことはたくさんあっただろう。でも死ぬまで明るさと優しさを見失わなかった。最高の奴だった!」
「「「「はい!」」」」
子どもたちが地下室を出て行った。
俺だけが残された。
美紗子にギターを弾いて欲しいというつもりなのだろう。
俺は美紗子のために『闇夜の国から』を歌った。
リヴィングに上がると、テーブルに書置きがあった。
《虎温泉にいます》
俺は笑って着替えを持って行った。
子どもたちが笑顔で出迎え、ハーがすぐにイチゴ練乳のかき氷を作って持って来た。
「タカさん! 美紗子ちゃんのエピソードも『虎は孤高に』でやってもらいましょうよ!」
「ばかやろう! あれは南の原作だ!」
「じゃあ、南さんに連絡します!」
「やめとけ! あいつだって大変なんだから!」
俺は止めたのだが、超行動派の亜紀ちゃんが裸で出て行って自分のスマホを持って来た。
俺から離れて湯船に入り、南に電話した。
「夜分にすいません!」
話し出した。
美紗子の話をしている。
「え! そうですよね!」
「おい! 無理をさせるな!」
「はい! はい! じゃあタカさんに代わりますね!」
亜紀ちゃんがニコニコしてスマホを俺に渡す。
「南、悪いな。娘の話は無視していいから」
「何言ってるの! なんで教えてくれなかったの!」
「おい」
「絶対に書くから! 最高のお話だった!」
「いや、もうストーリーはずっと先に進んでいるだろう」
「そんなこと、どうにでもするよ! だって石神君の本当に綺麗な思い出じゃないの!」
「……」
「ヤマトテレビにも話してみるよ。私も脚本に入っているからね! そうだなぁ、特別篇でも作ろうか!」
「南……」
「とにかくまた連絡するね!」
「あ、ああ」
俺は何も言えなかった。
南が「綺麗な思い出」と言ってくれたからだ。
俺と美紗子との思い出をそう言ってくれた。
俺は随分と最高の仲間に囲まれているようだ。
亜紀ちゃんに微笑みながら格好よくスマホを投げて返した。
球技がヘタクソな俺は、湯の中にぶち込んでしまった。
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