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100日じゃ多分死なないワニ
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柳を撫で回して家に入った。
一休みして、子どもたちと3時のお茶を飲んだ。
俺は一江の顔を見て落ち着いた上に、みんなでコーヒーを飲み本当に寛いだ気分になっていた。
と、その時。
最初に俺と双子が気付き、亜紀ちゃんと柳もすぐに気付いた。
ドスン
庭に巨大な何かが落ちる音がした。
衝撃はそれほどなかったが、重量物の気配はあった。
全員でウッドデッキに出た。
「おい……」
「「「「……」」」」
巨大なワニが庭にいた。
「ギャオー」
体長は8メートルある。
これはワニなのか?
何しろ原因は分かっているのでタマを呼んだ。
「タマ!」
「なんだ」
「おい! こないだクロピョンにもう動物を送らないように説明しておけと言っただろう!」
「ああ、そうだったな」
「じゃあ、なんでこんなのが来るんだよ!」
タマがでかいワニを見た。
「なかなか説明が難しい」
「何とかしろよ!」
「念のために、もう一度説明するから呼んでくれ」
「しょうがねぇな! クロピョン!」
双子の花壇からいつものようにクロピョンの触手が伸びた。
タマが俺にはよく分からない言語でクロピョンに話し掛けている。
その間、触手がユラユラと揺れていた。
「説明したぞ」
「おう! じゃあ、こいつは持って帰ってもらってくれ」
「分かった」
タマがまた何かを唱えた。
クロピョンの触手が左右に大きく揺れていなくなった。
ちょっとの間待った。
「おい」
「なんだ」
「回収しねぇじゃんか」
「そうだな」
タマは何事にも動じない。
「てめぇ!」
「やはり通じなかったか」
「説明したんじゃねぇのかよ!」
「一応したのだがな。どうやら通じないようだ」
「……」
役に立たねぇ。
「でもな、クロピョンから言われたぞ」
「何をだよ?」
「主ならば問題ないだろうと」
「問題在り過ぎだろう!」
「さー」
「てめぇ!」
まあ、人間でもそういう奴は多い。
言われたことだけやろうとする連中だ。
まして妖魔であれば人間社会の機微に疎くても仕方がない。
悪意があるわけではないのだ。
タマはとっとといなくなった。
俺は注意しながらワニに近づいた。
本当にでかい。
双子にメジャーを持ってくるように言った。
「ボッシュのレーザーのやつな!」
「はーい!」
俺はワニの頭に手を置いて、力を入れながら撫でた。
革が厚いのでそうしないと分からないだろうと思った。
ワニが目を閉じて、大人しくしている。
気持ちいいのだろうか?
すぐにルーがメジャーを手に持ってきた。
ルーを尻尾の先に立たせ、俺がレーザーで計測する。
「8メートル42センチ!」
「おっきいね!」
柳が世界最大のワニをネットで調べた。
6メートルのイリエワニだそうだ。
「2メートル以上でかいじゃんか!」
「そうですね!」
柳が喜んだが、俺は別に嬉しいわけではない。
ますます問題が大きいだけだ。
亜紀ちゃんと双子は戸惑っている。
俺が空気を和ませようとワニに跨った。
ワニが俺を乗せたまま移動した。
流石に力は強いようだ。
「タカさん!」
「おー」
上で手を振ってやった。
みんなが喜ぶ。
「なんかカワイイですね!」
「そうだなー」
ワニの背を叩くと移動を止めた。
「警察呼びますね」
「いや、あいつらは頼りにならねぇわ」
「あー」
ペンギンの時も、シロクマの時も、何もしないでうちに押し付けたままだった。
「おし! 俺が警察に連れてく!」
「私も行きますよ!」
亜紀ちゃんが付いてくると言った。
俺は一度中へ入り、コーヒーとケーキを食べて自分を落ち着かせてからもう一度庭へ出た。
亜紀ちゃんがワニを撫でていた。
「行くぞ!」
「はい!」
門を開けてワニと一緒に歩いた。
ワニは俺と亜紀ちゃんを時々見ながら後ろをついてくる。
知能の高いワニだった。
それともクロピョンに何かされているのだろうか。
「タカさん、警察署はあっちですよ?」
「あんなとこまで歩けねぇ!」
「?」
早乙女の家に着いた。
俺を認識して門が開く。
亜紀ちゃんとワニと一緒に入った。
中で防衛システムが知らせたか、早乙女が慌てて出てきた。
「石神!」
「よう! お前の家を探して迷ってたみたいだから連れてきたぞ」
「お前! またそんなことを!」
「じゃあ、俺たちは帰るな!」
「待て!」
叫ぶ早乙女にワニが口を開いて威嚇した。
クロピョンの力か、俺たち一家には従順でも、他はそうではないのかもしれない。
「こら! アリちゃん!」
「アリちゃん?」
またこいつ、勝手に名前を付けやがった。
亜紀ちゃんがワニの腹に蹴りを入れる。
ゲフッ!
ワニが口を開いたままちょっと咽た。
何かを吐き出した。
「「「!」」」
人間の足だった。
俺と亜紀ちゃんで慌てて口の中に放り込み、呑み込ませた。
「おい、なんだ今のは!」
「ニワトリだったな?」
「そうでしたよね!」
「違っただろう! もっと太くて大きいものだったぞ!」
早乙女が言う。
こいつは俺たちのように動態視力は良くない。
「じゃあ、お前。潜って確認しろよ」
「そうですよ!」
「お前ら!」
まあ、早乙女の家には置けないことが分かった。
ここの連中が喰われても困る。
俺たち以外は野生の本能のままのようだ。
ワニが歩くのが遅いので、俺と亜紀ちゃんで担いで帰った。
家に帰るとだいぶ歩いたせいか、ワニがちょっと疲れた感じだった。
亜紀ちゃんに肉を用意させ、生のままでワニに食わせた。
リヴィングでみんなで話し合う。
「おい、どうすんだアレ……」
「どうしますかねー」
「またどっかに運びますか」
「めんどくせぇなぁ」
まあ、それしかないか。
「あ!」
柳が何か思いだした。
「今日、六花さんと鷹さんが来ますよね!」
「そうだった!」
「吹雪ちゃんを連れて!」
「ああ、うちに泊まる予定だよな!」
ワニのことは一旦放置で、夕飯の準備を始めた。
今日は六花たちに海鮮バーベキューを食べさせると約束していた。
主に鷹のためだ。
ゴールデンウィークに一緒にいられなかったからだ。
だから響子は来ない。
響子が来ればあいつが中心になるためだった。
六花も、たまには響子と離れてのんびりとして欲しいということだ。
俺も手伝って全員で夕飯の下ごしらえをした。
ワニは仕方なく「虎温泉」に連れて行った。
ぬるま湯を入れてやった。
ワニが湯船に入り、気持ちよさそうにした。
はー。
一休みして、子どもたちと3時のお茶を飲んだ。
俺は一江の顔を見て落ち着いた上に、みんなでコーヒーを飲み本当に寛いだ気分になっていた。
と、その時。
最初に俺と双子が気付き、亜紀ちゃんと柳もすぐに気付いた。
ドスン
庭に巨大な何かが落ちる音がした。
衝撃はそれほどなかったが、重量物の気配はあった。
全員でウッドデッキに出た。
「おい……」
「「「「……」」」」
巨大なワニが庭にいた。
「ギャオー」
体長は8メートルある。
これはワニなのか?
何しろ原因は分かっているのでタマを呼んだ。
「タマ!」
「なんだ」
「おい! こないだクロピョンにもう動物を送らないように説明しておけと言っただろう!」
「ああ、そうだったな」
「じゃあ、なんでこんなのが来るんだよ!」
タマがでかいワニを見た。
「なかなか説明が難しい」
「何とかしろよ!」
「念のために、もう一度説明するから呼んでくれ」
「しょうがねぇな! クロピョン!」
双子の花壇からいつものようにクロピョンの触手が伸びた。
タマが俺にはよく分からない言語でクロピョンに話し掛けている。
その間、触手がユラユラと揺れていた。
「説明したぞ」
「おう! じゃあ、こいつは持って帰ってもらってくれ」
「分かった」
タマがまた何かを唱えた。
クロピョンの触手が左右に大きく揺れていなくなった。
ちょっとの間待った。
「おい」
「なんだ」
「回収しねぇじゃんか」
「そうだな」
タマは何事にも動じない。
「てめぇ!」
「やはり通じなかったか」
「説明したんじゃねぇのかよ!」
「一応したのだがな。どうやら通じないようだ」
「……」
役に立たねぇ。
「でもな、クロピョンから言われたぞ」
「何をだよ?」
「主ならば問題ないだろうと」
「問題在り過ぎだろう!」
「さー」
「てめぇ!」
まあ、人間でもそういう奴は多い。
言われたことだけやろうとする連中だ。
まして妖魔であれば人間社会の機微に疎くても仕方がない。
悪意があるわけではないのだ。
タマはとっとといなくなった。
俺は注意しながらワニに近づいた。
本当にでかい。
双子にメジャーを持ってくるように言った。
「ボッシュのレーザーのやつな!」
「はーい!」
俺はワニの頭に手を置いて、力を入れながら撫でた。
革が厚いのでそうしないと分からないだろうと思った。
ワニが目を閉じて、大人しくしている。
気持ちいいのだろうか?
すぐにルーがメジャーを手に持ってきた。
ルーを尻尾の先に立たせ、俺がレーザーで計測する。
「8メートル42センチ!」
「おっきいね!」
柳が世界最大のワニをネットで調べた。
6メートルのイリエワニだそうだ。
「2メートル以上でかいじゃんか!」
「そうですね!」
柳が喜んだが、俺は別に嬉しいわけではない。
ますます問題が大きいだけだ。
亜紀ちゃんと双子は戸惑っている。
俺が空気を和ませようとワニに跨った。
ワニが俺を乗せたまま移動した。
流石に力は強いようだ。
「タカさん!」
「おー」
上で手を振ってやった。
みんなが喜ぶ。
「なんかカワイイですね!」
「そうだなー」
ワニの背を叩くと移動を止めた。
「警察呼びますね」
「いや、あいつらは頼りにならねぇわ」
「あー」
ペンギンの時も、シロクマの時も、何もしないでうちに押し付けたままだった。
「おし! 俺が警察に連れてく!」
「私も行きますよ!」
亜紀ちゃんが付いてくると言った。
俺は一度中へ入り、コーヒーとケーキを食べて自分を落ち着かせてからもう一度庭へ出た。
亜紀ちゃんがワニを撫でていた。
「行くぞ!」
「はい!」
門を開けてワニと一緒に歩いた。
ワニは俺と亜紀ちゃんを時々見ながら後ろをついてくる。
知能の高いワニだった。
それともクロピョンに何かされているのだろうか。
「タカさん、警察署はあっちですよ?」
「あんなとこまで歩けねぇ!」
「?」
早乙女の家に着いた。
俺を認識して門が開く。
亜紀ちゃんとワニと一緒に入った。
中で防衛システムが知らせたか、早乙女が慌てて出てきた。
「石神!」
「よう! お前の家を探して迷ってたみたいだから連れてきたぞ」
「お前! またそんなことを!」
「じゃあ、俺たちは帰るな!」
「待て!」
叫ぶ早乙女にワニが口を開いて威嚇した。
クロピョンの力か、俺たち一家には従順でも、他はそうではないのかもしれない。
「こら! アリちゃん!」
「アリちゃん?」
またこいつ、勝手に名前を付けやがった。
亜紀ちゃんがワニの腹に蹴りを入れる。
ゲフッ!
ワニが口を開いたままちょっと咽た。
何かを吐き出した。
「「「!」」」
人間の足だった。
俺と亜紀ちゃんで慌てて口の中に放り込み、呑み込ませた。
「おい、なんだ今のは!」
「ニワトリだったな?」
「そうでしたよね!」
「違っただろう! もっと太くて大きいものだったぞ!」
早乙女が言う。
こいつは俺たちのように動態視力は良くない。
「じゃあ、お前。潜って確認しろよ」
「そうですよ!」
「お前ら!」
まあ、早乙女の家には置けないことが分かった。
ここの連中が喰われても困る。
俺たち以外は野生の本能のままのようだ。
ワニが歩くのが遅いので、俺と亜紀ちゃんで担いで帰った。
家に帰るとだいぶ歩いたせいか、ワニがちょっと疲れた感じだった。
亜紀ちゃんに肉を用意させ、生のままでワニに食わせた。
リヴィングでみんなで話し合う。
「おい、どうすんだアレ……」
「どうしますかねー」
「またどっかに運びますか」
「めんどくせぇなぁ」
まあ、それしかないか。
「あ!」
柳が何か思いだした。
「今日、六花さんと鷹さんが来ますよね!」
「そうだった!」
「吹雪ちゃんを連れて!」
「ああ、うちに泊まる予定だよな!」
ワニのことは一旦放置で、夕飯の準備を始めた。
今日は六花たちに海鮮バーベキューを食べさせると約束していた。
主に鷹のためだ。
ゴールデンウィークに一緒にいられなかったからだ。
だから響子は来ない。
響子が来ればあいつが中心になるためだった。
六花も、たまには響子と離れてのんびりとして欲しいということだ。
俺も手伝って全員で夕飯の下ごしらえをした。
ワニは仕方なく「虎温泉」に連れて行った。
ぬるま湯を入れてやった。
ワニが湯船に入り、気持ちよさそうにした。
はー。
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