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皇紀 in フィリピン Ⅴ
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翌日から、またフローレスさんに連れられて土地を見に行った。
反政府ゲリラの拠点12カ所(この国は反政府ゲリラだらけなのか)。
ギャング、マフィアの拠点32カ所(多いなー)。
危険なカルト教団2か所(どうなんだろ?)。
不法投棄のゴミ置き場(……)。
そのゴミ置き場の時。
「あの、ここって……」
「「虎」の軍で何とかできますかね?」
「……」
タカさんには毎日報告していた。
「タカさん、どうも土地の選定にかこつけて、僕らに反政府勢力を始末させていると思います」
「そうだろうなー」
「どうしましょうか」
「まあ、しばらく付き合ってやれ。いずれ無くなる」
「そうですかね」
「お前も身体を動かすのはいいだろうよ」
「でも、僕がやる前に、全部ルーシーとハーマイオニーがやっちゃうんですよ」
「ワハハハハハハ!」
まあ、タカさんがそう言うのならやろう。
僕は毎日のように出掛け、大体ルーとハーが全滅させていった。
でも、流石にそろそろと思う。
昼食を食べながら、フローレスさんに聞いた。
「フローレスさん」
「はい」
「あの、いい加減に本当の軍事基地のための土地を紹介していただけませんかね?」
「え? 今までの全部そうですが?」
「市内の雑居ビルっていうのもありましたよね?」
「アハハハハハハ!」
今日で18日が経過している。
僕もいい加減に片付けて日本に帰りたい。
「今日は北京ダックも頼みましょうか」
「フローレスさん、ほんとにもう」
フローレスさんは中華が好きなようだ。
多くの昼食がフローレスさんの希望で中華料理になっている。
僕も別に嫌いなわけではないので、付き合っていた。
真岡さんも同じだろう。
ああ、真岡さんは二日目から自前の銃を用意して来た。
グロックだった。
真岡さんも何人か、襲い掛かって来る敵を斃している。
僕もそうだ。
でも、圧倒的というか、ほとんどはルーとハーが斃している。
二人は強力な武器を持っていることもあるが、時にはナイフだけでやることもある。
「ボウガン縛り」ということもあった。
完全に戦いを楽しんでいる。
食事をしていると、店の入り口が騒がしくなった。
「いたぞ!」
「《Blonde head Devil》(金髪頭の悪魔)だぁ!」
30人くらいの男たちが店の中に入って来た。
60代の長い白髭をたくわえた男が前に出た。
「あんたが「金髪頭の悪魔」か」
「いいえ、全然違いますけど」
僕が一部の人間にそう呼ばれていることは知っている。
街を歩いていても、時々僕を指差してそう話している声が聞こえる。
「嘘を言え。あんたのその忘れられん頭は有名だぞ」
「あなたは?」
「14Kのヤンと言う者だ」
「ああ!」
聞き覚えがある。
前に顕さんの仕事を脅していた三合会の組織だ。
「知っているのか?」
「ええ、前に商業アーケードに賠償金を請求してたでしょ?」
「なに?」
「そこがうちの大事な人が関わっている場所で。だから落とし前を付けに行ったじゃないですか」
僕ではなく、タカさんだが。
「お前! 何者だ!」
男が激しく動揺していた。
「ほら、会合のビルに行って。屋上をぶっ飛ばしましたよね?」
「あの時の人間か!」
「まあ、僕の仲間ですけどね」
「……」
男は黙って僕を見ていた。
顔が蒼ざめている。
「そうだな。お前のようなヘンな頭の奴はいなか……」
ルーが男の頭をデザートイーグルで吹っ飛ばした。
「ルー!」
「分かってます!」
「分かって無いよ!」
ルーとハーが飛び出して、銃とクックリナイフで男たちを斬り裂いて行った。
銃を持っていた人間もいたが、1発も撃てなかった。
この人たちって、襲って来たんじゃないんじゃないかなぁ。
すぐにルーとハーが戻って来た。
「全員片づけました」
「……」
フローレスさんが僕の隣に来た。
「コウキさん、幾ら何でもやり過ぎじゃ……」
「あなたが言いますか」
「エヘヘヘヘ」
店内は血まみれだった。
クックリナイフで斬り裂いたので、首や手足、胴の中身まで散乱している。
客も多くは血を浴びていた。
みんな震えて動けないでいる。
そうだろうなー。
フローレスさんがまた無銭飲食で出ようとしたので、僕がレジでお金を払おうとした。
レジ前の店員さんがガタガタ震えていた。
「Can I have the check please? (お会計をお願いします)」
「No」
「What?」
「No Thanks」
僕は無理矢理10000ペソ(2万4000円くらい)を置いて出た。
フィリピンは高額紙幣が無いので、たくさんお札を使う。
店員は硬直したままだった。
今から思えば、この辺りが分水嶺だったのかなー。
この後から、やたらと中国系の人間に襲われ始めた。
その前に、14Kの人間という中年の男が僕の泊まっているホテルに来た。
二人の護衛を連れていた。
「我々は《金髪頭の悪魔》さんに逆らうつもりはないんです!」
「あの、その呼び名って……」
「でも、本国の本部が納得してませんで」
「あのね……」
「《金髪頭の悪魔》さんが途轍もなく強いというのを聞こうとしないんですよ!」
「あのさ!」
「それで、これから本部から腕っぷしの強い奴らを送って来るって言うんです」
「なにそれ?」
「来ますけどね! 私らは一切関りは無いことですからぁ!」
「……」
「それだけは《金髪頭の悪魔》さんにもお分かりいただきたく!」
「大変ですね……」
男たちは帰って行き、ハーがホテルのベランダに出た。
フランスの狙撃銃「ウルティマレシオ」を手にしていた。
パーン、パーン、パーン。
「……」
それからホテルまで襲われるようになり、僕たちはフローレスさんに頼んで他の人に迷惑が掛からない家を頼んだ。
フローレスさんが手配してくれ、郊外の邸宅に案内してくれた。
「あそこでしたらご自由にどうぞ」
「ありがとうございます!」
庭が広く、周辺は森に囲まれている。
その割に舗装された道路は広い。
僕たちは庭に入った。
庭には何人もの軍服を着た人間が警戒していた。
フローレスさんが手配した警備の人間だろう。
いきなり撃たれた。
「フローレスさん!」
ルーとハーが飛び出して庭にいた兵士を次々に射殺する。
フローレスさんはハンヴィの陰に伏せていた。
真岡さんは僕を車に戻そうと引っ張る。
「護衛の人たちじゃないんですか!」
「いいえ!」
「!」
なんなんだ!
ルーとハーはそのまま屋敷に突入した。
銃声が何度も聞こえる。
15分後、ルーとハーが戻って来た。
「皇紀様、制圧を完了しました!」
「……」
フローレスさんが立ち上がって、僕に微笑んだ。
「さあ、これでこの屋敷はコウキさんのものですよ!」
「……」
後から聞いたら、軍事クーデターを企んでいた陸軍の将校の屋敷らしかった。
軍のトラックが来て、遺体を運んで行った。
ルーとハーは一生懸命に屋敷を掃除した。
その日から、僕はそこに住むようになった。
最初は静かだったのだが、ここも14Kが知り、襲われるようになった。
僕は蓮花さんに連絡し、簡易の防衛システムを送ってもらった。
レールガンと荷電粒子砲が2基ずつ配備され、装甲車が四散してからはようやくここには来なくなった。
もう、42日目。
早く日本へ帰りたいよー。
「タカさん、なんかもう当初の仕事とは全然違っちゃったんですけど」
「ワハハハハハハ!」
なんなんだよー……。
反政府ゲリラの拠点12カ所(この国は反政府ゲリラだらけなのか)。
ギャング、マフィアの拠点32カ所(多いなー)。
危険なカルト教団2か所(どうなんだろ?)。
不法投棄のゴミ置き場(……)。
そのゴミ置き場の時。
「あの、ここって……」
「「虎」の軍で何とかできますかね?」
「……」
タカさんには毎日報告していた。
「タカさん、どうも土地の選定にかこつけて、僕らに反政府勢力を始末させていると思います」
「そうだろうなー」
「どうしましょうか」
「まあ、しばらく付き合ってやれ。いずれ無くなる」
「そうですかね」
「お前も身体を動かすのはいいだろうよ」
「でも、僕がやる前に、全部ルーシーとハーマイオニーがやっちゃうんですよ」
「ワハハハハハハ!」
まあ、タカさんがそう言うのならやろう。
僕は毎日のように出掛け、大体ルーとハーが全滅させていった。
でも、流石にそろそろと思う。
昼食を食べながら、フローレスさんに聞いた。
「フローレスさん」
「はい」
「あの、いい加減に本当の軍事基地のための土地を紹介していただけませんかね?」
「え? 今までの全部そうですが?」
「市内の雑居ビルっていうのもありましたよね?」
「アハハハハハハ!」
今日で18日が経過している。
僕もいい加減に片付けて日本に帰りたい。
「今日は北京ダックも頼みましょうか」
「フローレスさん、ほんとにもう」
フローレスさんは中華が好きなようだ。
多くの昼食がフローレスさんの希望で中華料理になっている。
僕も別に嫌いなわけではないので、付き合っていた。
真岡さんも同じだろう。
ああ、真岡さんは二日目から自前の銃を用意して来た。
グロックだった。
真岡さんも何人か、襲い掛かって来る敵を斃している。
僕もそうだ。
でも、圧倒的というか、ほとんどはルーとハーが斃している。
二人は強力な武器を持っていることもあるが、時にはナイフだけでやることもある。
「ボウガン縛り」ということもあった。
完全に戦いを楽しんでいる。
食事をしていると、店の入り口が騒がしくなった。
「いたぞ!」
「《Blonde head Devil》(金髪頭の悪魔)だぁ!」
30人くらいの男たちが店の中に入って来た。
60代の長い白髭をたくわえた男が前に出た。
「あんたが「金髪頭の悪魔」か」
「いいえ、全然違いますけど」
僕が一部の人間にそう呼ばれていることは知っている。
街を歩いていても、時々僕を指差してそう話している声が聞こえる。
「嘘を言え。あんたのその忘れられん頭は有名だぞ」
「あなたは?」
「14Kのヤンと言う者だ」
「ああ!」
聞き覚えがある。
前に顕さんの仕事を脅していた三合会の組織だ。
「知っているのか?」
「ええ、前に商業アーケードに賠償金を請求してたでしょ?」
「なに?」
「そこがうちの大事な人が関わっている場所で。だから落とし前を付けに行ったじゃないですか」
僕ではなく、タカさんだが。
「お前! 何者だ!」
男が激しく動揺していた。
「ほら、会合のビルに行って。屋上をぶっ飛ばしましたよね?」
「あの時の人間か!」
「まあ、僕の仲間ですけどね」
「……」
男は黙って僕を見ていた。
顔が蒼ざめている。
「そうだな。お前のようなヘンな頭の奴はいなか……」
ルーが男の頭をデザートイーグルで吹っ飛ばした。
「ルー!」
「分かってます!」
「分かって無いよ!」
ルーとハーが飛び出して、銃とクックリナイフで男たちを斬り裂いて行った。
銃を持っていた人間もいたが、1発も撃てなかった。
この人たちって、襲って来たんじゃないんじゃないかなぁ。
すぐにルーとハーが戻って来た。
「全員片づけました」
「……」
フローレスさんが僕の隣に来た。
「コウキさん、幾ら何でもやり過ぎじゃ……」
「あなたが言いますか」
「エヘヘヘヘ」
店内は血まみれだった。
クックリナイフで斬り裂いたので、首や手足、胴の中身まで散乱している。
客も多くは血を浴びていた。
みんな震えて動けないでいる。
そうだろうなー。
フローレスさんがまた無銭飲食で出ようとしたので、僕がレジでお金を払おうとした。
レジ前の店員さんがガタガタ震えていた。
「Can I have the check please? (お会計をお願いします)」
「No」
「What?」
「No Thanks」
僕は無理矢理10000ペソ(2万4000円くらい)を置いて出た。
フィリピンは高額紙幣が無いので、たくさんお札を使う。
店員は硬直したままだった。
今から思えば、この辺りが分水嶺だったのかなー。
この後から、やたらと中国系の人間に襲われ始めた。
その前に、14Kの人間という中年の男が僕の泊まっているホテルに来た。
二人の護衛を連れていた。
「我々は《金髪頭の悪魔》さんに逆らうつもりはないんです!」
「あの、その呼び名って……」
「でも、本国の本部が納得してませんで」
「あのね……」
「《金髪頭の悪魔》さんが途轍もなく強いというのを聞こうとしないんですよ!」
「あのさ!」
「それで、これから本部から腕っぷしの強い奴らを送って来るって言うんです」
「なにそれ?」
「来ますけどね! 私らは一切関りは無いことですからぁ!」
「……」
「それだけは《金髪頭の悪魔》さんにもお分かりいただきたく!」
「大変ですね……」
男たちは帰って行き、ハーがホテルのベランダに出た。
フランスの狙撃銃「ウルティマレシオ」を手にしていた。
パーン、パーン、パーン。
「……」
それからホテルまで襲われるようになり、僕たちはフローレスさんに頼んで他の人に迷惑が掛からない家を頼んだ。
フローレスさんが手配してくれ、郊外の邸宅に案内してくれた。
「あそこでしたらご自由にどうぞ」
「ありがとうございます!」
庭が広く、周辺は森に囲まれている。
その割に舗装された道路は広い。
僕たちは庭に入った。
庭には何人もの軍服を着た人間が警戒していた。
フローレスさんが手配した警備の人間だろう。
いきなり撃たれた。
「フローレスさん!」
ルーとハーが飛び出して庭にいた兵士を次々に射殺する。
フローレスさんはハンヴィの陰に伏せていた。
真岡さんは僕を車に戻そうと引っ張る。
「護衛の人たちじゃないんですか!」
「いいえ!」
「!」
なんなんだ!
ルーとハーはそのまま屋敷に突入した。
銃声が何度も聞こえる。
15分後、ルーとハーが戻って来た。
「皇紀様、制圧を完了しました!」
「……」
フローレスさんが立ち上がって、僕に微笑んだ。
「さあ、これでこの屋敷はコウキさんのものですよ!」
「……」
後から聞いたら、軍事クーデターを企んでいた陸軍の将校の屋敷らしかった。
軍のトラックが来て、遺体を運んで行った。
ルーとハーは一生懸命に屋敷を掃除した。
その日から、僕はそこに住むようになった。
最初は静かだったのだが、ここも14Kが知り、襲われるようになった。
僕は蓮花さんに連絡し、簡易の防衛システムを送ってもらった。
レールガンと荷電粒子砲が2基ずつ配備され、装甲車が四散してからはようやくここには来なくなった。
もう、42日目。
早く日本へ帰りたいよー。
「タカさん、なんかもう当初の仕事とは全然違っちゃったんですけど」
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なんなんだよー……。
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