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やっぱりだったバレンタインデー
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1月の下旬。
院長に呼ばれた。
「石神、入ります!」
「おう」
院長がでかいデスクに座って書類を見ている。
以前は老眼鏡が無いと読めなかったはずだが、裸眼で書類を見て決済をしていた。
薄くなった頭髪は、明らかに増えている。
「まるで50代前半に戻ったみたいですね」
「ああ、調子がいいよ」
「でも、40代後半からハゲてましたよね」
「うるさい!」
頭髪は増えたが薄い。
俺は座るように言われ、ソファに腰かけた。
秘書が紅茶を持って来た。
院長も仕事を中断してソファに来る。
「石神、チョコレートが頭髪にいいことを知っているか?」
俺は用件が理解出来た。
「院長、バレンタインデーは電子ですよ」
「あれ、辞めようかと思う」
「何言ってんですかぁ!」
「やっぱりさ、相手にあげるチョコレートを選んだり「らんぷる」? 綺麗に包んだりさ。そういうことも大事だと思うんだ。交換みたいな出来あいのものはなぁ」
あなたに来るものは一つも無いんですよ!
「院長、じゃあ院長宛のものは、そういう実物にしますよ」
俺がそう言うと、紅茶を持って来た秘書がゲンナリしていた。
やるのは彼女らだから、めんどくさいのだろう。
「ほんとか!」
「はい。君たちもいいよね?」
一応秘書に聞く。
「石神先生、少し案があるんですが」
「なんだよ?」
「石神先生宛の物も、幾つか抽選のような形で現物をお渡し出来ませんか?」
「いや、俺はいらないよ」
響子や六花、鷹などから貰う分で十分だ。
「でも、確かに院長先生のおっしゃる通りだと思います」
「おい」
俺の言葉を逆手に取って来た。
「去年は100万を超えました」
「そうだよな」
「ですから、1万人に一人だけ」
「それだって100個になるだろう! そんなに食べ切れないよ」
「10万個は処理されましたのに」
「あれは本当に苦労したんだよ! 大体、当日に現物を用意するのは、当選者も困るだろう」
「ですからですね、事前に当選くじだけはやっておこうと」
「なんだって?」
「現物を渡せる権利だけは、事前に終わらせておくのです」
「ああ」
「どうですか?」
「でも、チョコレートじゃなぁ」
「ネクタイとかにします?」
「うち、数千本あるんだよ。それに自分で選びたいしな」
院長はとっくに戻って仕事をしている。
自分の要望が通ったので、あとは無関心だ。
「じゃあ、分かったよ。1万人に一人、現物チョコレートな」
「はい!」
一江が秘書課に言われて、即時にプログラムを組んだ。
秘書課と広報課が協力して、大々的に関連に周知していく。
現物希望の人間は、2月5日までに応募すること。
翌日の2月6日に当選者にはメールと当選コードが行く。
そのコードと引き換えに、相手に現物を渡しても良いことになる。
但し、俺に直接は無しで、広報課に持って行くということになった。
俺は欲しくもないチョコレートを100枚受け取らなければならないのでウンザリした。
バレンタインデー当日。
午前のオペを終えて部屋に戻ると、広報課の人間が段ボールを10個持って来た。
「おい」
「午前の分、置き場所が無いので取り敢えずお持ちしました」
「ここだって置けないよ!」
「石神先生のものですので、お願いします」
「困るって! 大体、それ100個の量じゃないだろう!」
「はい、540個になっています」
「なんでだよ! 100万だとしても100個だって言ってただろう!」
「そのお話は聞いていませんが?」
「なんだと!」
「1万人に一人当選するとだけしか」
「だから100万人がMAXで、100個がせいぜいじゃないか」
台車を持って来た広報課の二人が顔を見合わせている。
「どうして100万人がMAXだと?」
「だって、去年君らが頑張ってその数になったんだろう?」
「どうして私たちが去年と同じ頑張りしかしないと?」
「な、なんだ……」
二人がニッコリと笑った。
一江が笑顔で手を挙げて、食事に行って来ると言って出て行った。
「今年は一江副部長が一層頑張って下さいましたからね!」
「なんだと!」
一江がダッシュで廊下を曲がって消えた。
きっと、次の俺のオペが始まるまで戻らないつもりだろう。
あの野郎!
広報課の二人が帰り、俺は部屋の中で青くなっている大森を問い詰めた。
「自分も詳しいことは聞いていないです!」
「いいから調べろ。どういうことになってるんだ!」
大森は慌てて広報課から来たくじの事前応募の連絡メールを見た。
《「バレンタインデー虎祭」開催。2月14日のバレンタインデーで、「石神高虎」=「TORA」にあなた自身が用意したチョコレートを渡すチャンス! 抽選をご希望の方は、下記のURLに応募して下さい。尚……》
「なんだこりゃ」
「「虎祭」ってなってますね」
「うちの病院内じゃねぇのか?」
「どうもそのようで」
大森の頭を掴む。
「聞いてねぇぞ!」
「自分もですよ!」
そのまま、一江の運営サイト「ネットばー ぷろとんサン」にアクセスさせた。
「バレンタインデー虎祭」の記事が最初の画面に掲載され、俺の「TORA」の動画や数々の写真があり、先ほどと同じメールのリンクが貼ってあった。
最近俺が写真を多く撮るようになったので、様々な写真がある。
栞と肩を組んでいる写真のキャプションには「ぷろとんさんと虎」とあった。
あいつ、許さん。
今日はオペが立て込んでいて、夕方まで身動きが取れない。
部下に段ボールをどこかに運んでおけと命じた。
響子の部屋へ行き、いつものように響子と六花からチョコレートをもらう。
鷹もやって来て、鷹からももらう。
非常に嬉しい。
俺がまた一江がやらかしたと言い、一江のサイトを響子に開かせる。
「あ! あったよ!」
響子がリンク先の「虎祭会場」に飛んだ。
応募総数があり、それが1億人を超えていた。
「なんだ、こりゃ……」
更に去年と同様に、俺のスペシャル動画が公開されている。
《ファイル001 アヴェンタドールを降りて俺がお礼を言う(一部CG)》
《ファイル002 高校生の時の虎のレイとの友情(CG)》
《ファイル003 高校生の時の、留置場で佳苗さんを助けた話(CG)》
《ファイル004 ドゥカティ・スーパーレッジェーラで疾走する俺(実写)》
《ファイル005 別荘「幻想空間」で独りでギターを弾く俺(実写 いつ撮った?)》
《ファイル006 かわいいロボとジルバを踊っている俺(実写)》
《ファイル007 双子と手を繋いで散歩中の俺(実写)》
《ファイル008 庭で「常世渡理」で演舞中の俺(実写)》
実際の本日の電子応募数に応じて、アップされる動画が増えていくのは、去年と同様だ。
俺の許可も出しているし、動画の内容も検閲している。
ここは問題ない。
問題は事前のくじの応募数だ。
「おい、これじゃまた俺に1万個もチョコレートが来るのかよ!」
「たいへんだね?」
「その通りだぁー!」
一江はもちろん、秘書課も広報課も、俺に一言も言わなかった。
聞かなかった俺が悪いと言いくるめられるのは分かっている。
今回は病院関連に留まらず、全世界的に広めたようだ。
海外からは日本のバレンタインデーのことを説明し、入金を確認した人間のチョコレートの代行を広報課が行なっていた。
ご丁寧に、代行するチョコレートの画像と金額を明示して選択できるようになっていた。
一江のサイトは英訳されており、全世界的にも有名だった。
特に「TORA」の音楽の発信元でもあり、「TORA」ファンは全員このサイトを見ている。
つい先日も、CD第2弾の発売予告を出して注目されている。
俺のCDは海外だけで500万枚売れている!
CDは購入していないが、一江に許可した俺のPVなども、一江のサイトで流し、そのPV数は既に1億を超えている。
夕方、オペを終えた俺の所へ、広報課と秘書課が来た。
「石神先生! おめでとうございます!」
「……」
「今年は電子チョコレート総数2億3千万人を突破しましたよ!」
「!……」
「まあ、一部は別IDでの応募も多数ありそうですけどね!」
「……」
「事前の現物応募は1億902名でした!」
「……」
俺が説明を聞いている間も、広報課の男性が台車で次々と段ボール函を運んでいた。
院長に呼ばれた。
俺が院長室に入ると、双子が来ていた。
「石神! ほら! ルーちゃんとハーちゃんからも貰ったんだよ!」
「良かったですね」
ルーとハーがニコニコしている。
院長は21個と、双子のチョコレートを貰ったそうだ。
双子以外は全部同じ包装だった。
秘書課の手抜きだ。
でも、本人は喜んでいた。
「いやぁ、記録更新だぞ!」
「良かったですね」
1個更新だけどな。
俺は二人と一緒に部屋を出た。
「はい! タカさんにもあげるね!」
「……」
「「アレ?」」
俺は二人と一緒に俺の部まで行き、廊下に山積みになった段ボール箱を見せた。
「「……」」
俺は二人に電話するように言った。
「亜紀ちゃんにハマーで、柳にアルファードで来るように言ってくれ」
「「はい」」
段ボール箱は200以上ある。
一江は逃げ帰っていた。
「大森」
「は、はい!」
「最初に一江に届ける、お前も手伝え」
「はい!」
一江のマンションに10箱運んだ。
他は何往復かして、俺の家に運んだ。
また蓮花研究所、「紅六花」、斬、「薔薇乙女」、「アドヴェロス」、自衛隊「対特」、岡庭君、風花(絶怒)、などへ発送の手配をした。
一江が泣いて謝って来た。
「てめぇ! なんで俺と栞の写真でお前の名前になってんだぁ!」
「え、ここですよ」
一江が画面の端で遠くに写っている自分を指差した。
「……」
ガスパリ駐日バチカン大使にいい物を、千万組に残りを発送しろと言った。
「1箱はお前が必ず喰え!」
「分かりましたー」
一江がちょっと太った。
院長に呼ばれた。
「石神、入ります!」
「おう」
院長がでかいデスクに座って書類を見ている。
以前は老眼鏡が無いと読めなかったはずだが、裸眼で書類を見て決済をしていた。
薄くなった頭髪は、明らかに増えている。
「まるで50代前半に戻ったみたいですね」
「ああ、調子がいいよ」
「でも、40代後半からハゲてましたよね」
「うるさい!」
頭髪は増えたが薄い。
俺は座るように言われ、ソファに腰かけた。
秘書が紅茶を持って来た。
院長も仕事を中断してソファに来る。
「石神、チョコレートが頭髪にいいことを知っているか?」
俺は用件が理解出来た。
「院長、バレンタインデーは電子ですよ」
「あれ、辞めようかと思う」
「何言ってんですかぁ!」
「やっぱりさ、相手にあげるチョコレートを選んだり「らんぷる」? 綺麗に包んだりさ。そういうことも大事だと思うんだ。交換みたいな出来あいのものはなぁ」
あなたに来るものは一つも無いんですよ!
「院長、じゃあ院長宛のものは、そういう実物にしますよ」
俺がそう言うと、紅茶を持って来た秘書がゲンナリしていた。
やるのは彼女らだから、めんどくさいのだろう。
「ほんとか!」
「はい。君たちもいいよね?」
一応秘書に聞く。
「石神先生、少し案があるんですが」
「なんだよ?」
「石神先生宛の物も、幾つか抽選のような形で現物をお渡し出来ませんか?」
「いや、俺はいらないよ」
響子や六花、鷹などから貰う分で十分だ。
「でも、確かに院長先生のおっしゃる通りだと思います」
「おい」
俺の言葉を逆手に取って来た。
「去年は100万を超えました」
「そうだよな」
「ですから、1万人に一人だけ」
「それだって100個になるだろう! そんなに食べ切れないよ」
「10万個は処理されましたのに」
「あれは本当に苦労したんだよ! 大体、当日に現物を用意するのは、当選者も困るだろう」
「ですからですね、事前に当選くじだけはやっておこうと」
「なんだって?」
「現物を渡せる権利だけは、事前に終わらせておくのです」
「ああ」
「どうですか?」
「でも、チョコレートじゃなぁ」
「ネクタイとかにします?」
「うち、数千本あるんだよ。それに自分で選びたいしな」
院長はとっくに戻って仕事をしている。
自分の要望が通ったので、あとは無関心だ。
「じゃあ、分かったよ。1万人に一人、現物チョコレートな」
「はい!」
一江が秘書課に言われて、即時にプログラムを組んだ。
秘書課と広報課が協力して、大々的に関連に周知していく。
現物希望の人間は、2月5日までに応募すること。
翌日の2月6日に当選者にはメールと当選コードが行く。
そのコードと引き換えに、相手に現物を渡しても良いことになる。
但し、俺に直接は無しで、広報課に持って行くということになった。
俺は欲しくもないチョコレートを100枚受け取らなければならないのでウンザリした。
バレンタインデー当日。
午前のオペを終えて部屋に戻ると、広報課の人間が段ボールを10個持って来た。
「おい」
「午前の分、置き場所が無いので取り敢えずお持ちしました」
「ここだって置けないよ!」
「石神先生のものですので、お願いします」
「困るって! 大体、それ100個の量じゃないだろう!」
「はい、540個になっています」
「なんでだよ! 100万だとしても100個だって言ってただろう!」
「そのお話は聞いていませんが?」
「なんだと!」
「1万人に一人当選するとだけしか」
「だから100万人がMAXで、100個がせいぜいじゃないか」
台車を持って来た広報課の二人が顔を見合わせている。
「どうして100万人がMAXだと?」
「だって、去年君らが頑張ってその数になったんだろう?」
「どうして私たちが去年と同じ頑張りしかしないと?」
「な、なんだ……」
二人がニッコリと笑った。
一江が笑顔で手を挙げて、食事に行って来ると言って出て行った。
「今年は一江副部長が一層頑張って下さいましたからね!」
「なんだと!」
一江がダッシュで廊下を曲がって消えた。
きっと、次の俺のオペが始まるまで戻らないつもりだろう。
あの野郎!
広報課の二人が帰り、俺は部屋の中で青くなっている大森を問い詰めた。
「自分も詳しいことは聞いていないです!」
「いいから調べろ。どういうことになってるんだ!」
大森は慌てて広報課から来たくじの事前応募の連絡メールを見た。
《「バレンタインデー虎祭」開催。2月14日のバレンタインデーで、「石神高虎」=「TORA」にあなた自身が用意したチョコレートを渡すチャンス! 抽選をご希望の方は、下記のURLに応募して下さい。尚……》
「なんだこりゃ」
「「虎祭」ってなってますね」
「うちの病院内じゃねぇのか?」
「どうもそのようで」
大森の頭を掴む。
「聞いてねぇぞ!」
「自分もですよ!」
そのまま、一江の運営サイト「ネットばー ぷろとんサン」にアクセスさせた。
「バレンタインデー虎祭」の記事が最初の画面に掲載され、俺の「TORA」の動画や数々の写真があり、先ほどと同じメールのリンクが貼ってあった。
最近俺が写真を多く撮るようになったので、様々な写真がある。
栞と肩を組んでいる写真のキャプションには「ぷろとんさんと虎」とあった。
あいつ、許さん。
今日はオペが立て込んでいて、夕方まで身動きが取れない。
部下に段ボールをどこかに運んでおけと命じた。
響子の部屋へ行き、いつものように響子と六花からチョコレートをもらう。
鷹もやって来て、鷹からももらう。
非常に嬉しい。
俺がまた一江がやらかしたと言い、一江のサイトを響子に開かせる。
「あ! あったよ!」
響子がリンク先の「虎祭会場」に飛んだ。
応募総数があり、それが1億人を超えていた。
「なんだ、こりゃ……」
更に去年と同様に、俺のスペシャル動画が公開されている。
《ファイル001 アヴェンタドールを降りて俺がお礼を言う(一部CG)》
《ファイル002 高校生の時の虎のレイとの友情(CG)》
《ファイル003 高校生の時の、留置場で佳苗さんを助けた話(CG)》
《ファイル004 ドゥカティ・スーパーレッジェーラで疾走する俺(実写)》
《ファイル005 別荘「幻想空間」で独りでギターを弾く俺(実写 いつ撮った?)》
《ファイル006 かわいいロボとジルバを踊っている俺(実写)》
《ファイル007 双子と手を繋いで散歩中の俺(実写)》
《ファイル008 庭で「常世渡理」で演舞中の俺(実写)》
実際の本日の電子応募数に応じて、アップされる動画が増えていくのは、去年と同様だ。
俺の許可も出しているし、動画の内容も検閲している。
ここは問題ない。
問題は事前のくじの応募数だ。
「おい、これじゃまた俺に1万個もチョコレートが来るのかよ!」
「たいへんだね?」
「その通りだぁー!」
一江はもちろん、秘書課も広報課も、俺に一言も言わなかった。
聞かなかった俺が悪いと言いくるめられるのは分かっている。
今回は病院関連に留まらず、全世界的に広めたようだ。
海外からは日本のバレンタインデーのことを説明し、入金を確認した人間のチョコレートの代行を広報課が行なっていた。
ご丁寧に、代行するチョコレートの画像と金額を明示して選択できるようになっていた。
一江のサイトは英訳されており、全世界的にも有名だった。
特に「TORA」の音楽の発信元でもあり、「TORA」ファンは全員このサイトを見ている。
つい先日も、CD第2弾の発売予告を出して注目されている。
俺のCDは海外だけで500万枚売れている!
CDは購入していないが、一江に許可した俺のPVなども、一江のサイトで流し、そのPV数は既に1億を超えている。
夕方、オペを終えた俺の所へ、広報課と秘書課が来た。
「石神先生! おめでとうございます!」
「……」
「今年は電子チョコレート総数2億3千万人を突破しましたよ!」
「!……」
「まあ、一部は別IDでの応募も多数ありそうですけどね!」
「……」
「事前の現物応募は1億902名でした!」
「……」
俺が説明を聞いている間も、広報課の男性が台車で次々と段ボール函を運んでいた。
院長に呼ばれた。
俺が院長室に入ると、双子が来ていた。
「石神! ほら! ルーちゃんとハーちゃんからも貰ったんだよ!」
「良かったですね」
ルーとハーがニコニコしている。
院長は21個と、双子のチョコレートを貰ったそうだ。
双子以外は全部同じ包装だった。
秘書課の手抜きだ。
でも、本人は喜んでいた。
「いやぁ、記録更新だぞ!」
「良かったですね」
1個更新だけどな。
俺は二人と一緒に部屋を出た。
「はい! タカさんにもあげるね!」
「……」
「「アレ?」」
俺は二人と一緒に俺の部まで行き、廊下に山積みになった段ボール箱を見せた。
「「……」」
俺は二人に電話するように言った。
「亜紀ちゃんにハマーで、柳にアルファードで来るように言ってくれ」
「「はい」」
段ボール箱は200以上ある。
一江は逃げ帰っていた。
「大森」
「は、はい!」
「最初に一江に届ける、お前も手伝え」
「はい!」
一江のマンションに10箱運んだ。
他は何往復かして、俺の家に運んだ。
また蓮花研究所、「紅六花」、斬、「薔薇乙女」、「アドヴェロス」、自衛隊「対特」、岡庭君、風花(絶怒)、などへ発送の手配をした。
一江が泣いて謝って来た。
「てめぇ! なんで俺と栞の写真でお前の名前になってんだぁ!」
「え、ここですよ」
一江が画面の端で遠くに写っている自分を指差した。
「……」
ガスパリ駐日バチカン大使にいい物を、千万組に残りを発送しろと言った。
「1箱はお前が必ず喰え!」
「分かりましたー」
一江がちょっと太った。
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