1,710 / 2,806
《ネコだもの》
しおりを挟む
少し遡る、8月初旬のこと。
早乙女の家で避難訓練をした日だ。
俺は早乙女たちが脱出した後で、一通り屋敷を見回った。
無駄に(とはあいつらには言えないが)広い屋敷なので、重要な場所だけ見て回る。
早乙女達の寝室にも入った。
後に怜花の部屋になるだろう、隣の部屋にも入った。
「なんだ、こりゃ」
俺が書いた「怜花」の書が額装してあった。
あいつらに頼まれて、筆で書いたものだ。
和額の立派なものだ。
以前に《TANI》を紹介したことがあるので、あそこでやったものと思われる。
「なんで、こんなのにしてんだよ!」
まあ、他人の家のものなので、そのままにしたが。
その後で、道間家に行った時にも、俺が書いた「天狼」の命名の書が豪華な掛け軸になって掛かっていた。
絢爛な切地に更に豪華な一文字で、豪華な大和軸に仕上げていた。
軸先は巨大な象牙で、今はもう手に入らないはずだ。
「……」
俺は毛筆はそんなに達者なわけではない。
でも、自分が好きで、ああいう場面では書いたりもする。
しかし、それがそぐわないもので豪華に飾られていると、気恥ずかしい。
道間家から戻って、早乙女に額装を見たことを話した。
「だって! 石神が書いてくれたんだぞ?」
「それが分からないんだって!」
「大事にするに決まってるじゃないか!」
「怜花が成長したらヘンに思うぞ!」
「そんなことは絶対にない!」
言い切られてしまったので、諦めた。
道間家でも同じことを言われそうなので、連絡はやめた。
六花が復帰してから、響子の部屋へ行くと、響子が漢字の練習をしていた。
だから、話の中で早乙女家や道間家の俺の書の話をした。
いきなり後ろから首を絞められた。
「おい!」
「私も欲しいですぅー!」
六花が泣きそうな声で言った。
「なんだよ!」
「「吹雪」って書いて下さいー」
「おい!」
「なんで他の女には書いてやって、私には無かったんですかぁー!」
「早乙女家は俺の女じゃねぇ!」
「なんでですかぁー!」
うるさいので、書いてやると言った。
前から響子に首を絞められた。
「タカトラぁー!」
「お前もかよ! わ、分かったよ!」
めんどくさいことになった。
俺はその夜、自分の部屋で墨を擦っていた。
一応、楮紙もある。
日本橋の榛原で買ったものだ。
あそこは祝儀袋などのいいものが置いてあるので、時々買いに行く。
いい墨や楮紙もあったので、何となく前に買った。
六花のために、俺たちの名前と吹雪の生年月日を入れ、「吹雪」と書いた。
書に詳しい人間からはいろいろ言われるだろうが、自分では満足のいく出来だ。
落款も押した。
3寸角のもので、自分で彫ったお気に入りだ。
ドアがノックされ、亜紀ちゃんが入って来た。
「タカさん! お風呂の時間ですよー!」
「先に入れよ」
亜紀ちゃんが自分の下着を抱えて入って来る。
俺のカッシーナのデスクの上に置く。
「あれ? 何やってんですか?」
俺が書いた「吹雪」の書を見た。
「あぁー! いいですね!」
「そうか?」
「タカさん! 何でも出来るんですね!」
「おい、よせよ」
少し恥ずかしかった。
「六花に首を絞められて頼まれてなぁ」
「アハハハハハ!」
「響子にも書いてやる約束をさせられたんだ」
「大変ですね!」
響子のものは色紙にするつもりだった。
掛け軸にしても、掛ける場所もない。
「色紙に何を書こうかと思ってさ」
「そうですねぇ」
「「ロボちんちん」って書くかな!」
「ギャハハハハハ!」
ロボが自分の名前が出たので、俺に近寄って来る。
俺が抱き上げて、カッシーナのデスクに乗せた。
「ちょっと動くなよ?」
細筆でロボの顔をスケッチする。
胸元までのロボの顔が出来た。
「上手いですね!」
俺は嫌いなのだが、あいつの言葉を借りた。
《ネコだもの》
亜紀ちゃんが爆笑した。
「いいですよ! これ!」
「そうか!」
ロボにも見せた。
ロボがじっと見て、長い爪を出して、空白部分に穴を空けた。
《ぷす》
「「オォ!」」
二人で驚いたが、まあ、ロボのサインだということにして、そのまま響子に渡すことにした。
六花が泣いて喜んだ。
「これでやっと、吹雪も……」
「おい」
響子に色紙を見せた。
ロボがサインしたのだと説明する。
物凄く喜んだ。
「タカトラ、ありがとう! 大事にするね!」
「おう」
それから響子が病院中に自慢して回った。
みんなにいい字だと褒められたらしい。
ナースたちから、自分にも書いて欲しいと言われた。
俺もちょっと自分の字が褒められて嬉しかったので、時間のある時にと言って断っていた。
それでも院長や部下たちなど、断りにくい連中には書く。
全部《ネコだもの》だ。
小児科でも頼まれて、入院中の子どもたちにロボの顔と「健康」とか「元気」とか書いて渡した。
ロボの爪痕付きだ。
その後、小児科から数値の改善が見られたと絶賛され、ますます気分が良くなった。
小児科の恒例の「講義」に行って、書について話した。
「書道家の寺山旦中が言っていたんだ。「自分は、いつか山岡鉄舟のような書を書けるようになりたい」とな」
子どもたちが真剣に聞いていた。
「旦中が山岡鉄舟の書の前に立つと、墨の粒子が飛んで来るそうなんだ。そしてその粒子が刃になって、旦中の身体をスパって斬るんだって」
子どもたちが驚いている。
「墨の書というのは、それだけの素晴らしいエネルギーを乗せられるということだな。まあ、俺の書にはそんな力はないけど、みんなに健康になって元気になって欲しいという心は込めたから! 早く元気になってくれな!」
拍手をされ、また気分が良かった。
「私も欲しいなー」
鷹が俺に頼んで来る。
「まあ、愛する鷹のためだ。書いてやろう」
「うれしい!」
「俺も多少は書道に通じるようになってきたからな!」
「アハハハハハハ!」
当然鷹から栞にも連絡が行き、果たし状のような毛筆の手紙にびっしりと文句の上、すぐに書いて送るように言われた。
超早く送った。
皇紀から聞いた蓮花も涙声で頼んで来た。
「シャドウさんの分もお願いします」
「あいつもかよ!」
泣くので書いてやると言った。
一江からとんでもない報告を受けた。
「あの、部長の書を私のサイトにアップしたんですよ」
「お前! また余計なことを!」
一江の頭を引っぱたく。
まあ、もちろん俺が書いたものだとは一言も無い。
ただ、知り合いが素晴らしい書を書いたとだけだ。
「それがですね。昨日、書道家の嵐山泰全から連絡が来まして!」
「あんだと!」
超有名な書道家だ。
「部長の書が素晴らしいって! 是非詳細を教えて欲しいって言われたんです!」
「お前! 絶対に言うなよな!」
「分かってますよ!」
その後、一江のサイトを覗いている連中から俺の書を欲しいという申し込みが殺到した。
俺が書を書くと知り、その後千万組の桜からも20枚頼まれ、斬がもらってやると連絡を寄越した。
「お前よ……」
「いつもながら、申し訳ありません」
桜や斬などは直筆で書いた。
しかし他の分は書いている暇は無いので、高精度印刷を頼んで配った。
でもそれだけでは申し訳ないので、俺がロボに頼んで、爪を刺してもらった。
「ロボ、じゃあ10枚重ねたから! 大丈夫か?」
「にゃー!」
《ぷす》
「いいな! もう一回頼む!」
「にゃー!」
《ぷす》
5回もやると、ロボが飽きてやってくれなくなる。
俺は機嫌を取りながら、何とか1000枚を仕上げた。
ロボと100回くらい「ロボピンポン」をやり、30回くらい、ギターでジルバを踊らせた。
ロボの好物のマグロを食べさせ、鰻の白焼きもやった。
亜紀ちゃんたちにも協力してもらった。
何とか、配り終わった。
希望していたナースたちにも回った。
その後も《ネコだもの》の注文が続いた。
御堂だのターナー少将だの東雲や月岡など、またまた断りにくい連中のために、俺は書いた。
諸見にも送った。
乾さんからも頼まれた。
「おい! スゴイ人気なんだってな!」
「すぐに送りますよ」
「トラにこんな才能があるとはなぁ」
「能ある鷹は爪を隠すんですよ」
「このやろう!」
ロボの爪痕付きだが。
そのうちに、妙な評判が立った。
寝つきがよくなった。
便秘が治った。
腰痛が軽減した。
「へぇー」
麻痺していた左手が動くようになった。
嫌な予感がしてキャンセルした飛行機が墜落した。
宝くじが当たった。
フェイズⅢのガンが消えた。
「……」
一江のサイトに500万枚の注文が来た。
ヤフオクで85万円で落札されたのを皮切りに、そのうちサザビーズでは一億円以上で落札された。
「おい……」
マスコミでも報道が始まり、奇跡の色紙と紹介された。
「この「ネコだもの」は先日有名なオークション《サザビーズ》で一億円以上で落札されました」
「素敵な字ですよね。ネコちゃんの顔もカワイイし」
「いや、そんなことよりも、実に清々しい波動が発せられているそうです」
「末期がんが治ったという情報もありました」
「ニセモノも出回っているそうなので、ご注意下さい」
一江に火消しを厳命した。
「響子、あの額はしまっとけよ」
「やだよー」
直筆なんて知られたら、響子が危ない。
「別なのを書いてやるからさ」
「うーん」
《ロボちんちん》の額に変わった。
そして翌日仕舞われ、俺のポスターになった。
早乙女の家で避難訓練をした日だ。
俺は早乙女たちが脱出した後で、一通り屋敷を見回った。
無駄に(とはあいつらには言えないが)広い屋敷なので、重要な場所だけ見て回る。
早乙女達の寝室にも入った。
後に怜花の部屋になるだろう、隣の部屋にも入った。
「なんだ、こりゃ」
俺が書いた「怜花」の書が額装してあった。
あいつらに頼まれて、筆で書いたものだ。
和額の立派なものだ。
以前に《TANI》を紹介したことがあるので、あそこでやったものと思われる。
「なんで、こんなのにしてんだよ!」
まあ、他人の家のものなので、そのままにしたが。
その後で、道間家に行った時にも、俺が書いた「天狼」の命名の書が豪華な掛け軸になって掛かっていた。
絢爛な切地に更に豪華な一文字で、豪華な大和軸に仕上げていた。
軸先は巨大な象牙で、今はもう手に入らないはずだ。
「……」
俺は毛筆はそんなに達者なわけではない。
でも、自分が好きで、ああいう場面では書いたりもする。
しかし、それがそぐわないもので豪華に飾られていると、気恥ずかしい。
道間家から戻って、早乙女に額装を見たことを話した。
「だって! 石神が書いてくれたんだぞ?」
「それが分からないんだって!」
「大事にするに決まってるじゃないか!」
「怜花が成長したらヘンに思うぞ!」
「そんなことは絶対にない!」
言い切られてしまったので、諦めた。
道間家でも同じことを言われそうなので、連絡はやめた。
六花が復帰してから、響子の部屋へ行くと、響子が漢字の練習をしていた。
だから、話の中で早乙女家や道間家の俺の書の話をした。
いきなり後ろから首を絞められた。
「おい!」
「私も欲しいですぅー!」
六花が泣きそうな声で言った。
「なんだよ!」
「「吹雪」って書いて下さいー」
「おい!」
「なんで他の女には書いてやって、私には無かったんですかぁー!」
「早乙女家は俺の女じゃねぇ!」
「なんでですかぁー!」
うるさいので、書いてやると言った。
前から響子に首を絞められた。
「タカトラぁー!」
「お前もかよ! わ、分かったよ!」
めんどくさいことになった。
俺はその夜、自分の部屋で墨を擦っていた。
一応、楮紙もある。
日本橋の榛原で買ったものだ。
あそこは祝儀袋などのいいものが置いてあるので、時々買いに行く。
いい墨や楮紙もあったので、何となく前に買った。
六花のために、俺たちの名前と吹雪の生年月日を入れ、「吹雪」と書いた。
書に詳しい人間からはいろいろ言われるだろうが、自分では満足のいく出来だ。
落款も押した。
3寸角のもので、自分で彫ったお気に入りだ。
ドアがノックされ、亜紀ちゃんが入って来た。
「タカさん! お風呂の時間ですよー!」
「先に入れよ」
亜紀ちゃんが自分の下着を抱えて入って来る。
俺のカッシーナのデスクの上に置く。
「あれ? 何やってんですか?」
俺が書いた「吹雪」の書を見た。
「あぁー! いいですね!」
「そうか?」
「タカさん! 何でも出来るんですね!」
「おい、よせよ」
少し恥ずかしかった。
「六花に首を絞められて頼まれてなぁ」
「アハハハハハ!」
「響子にも書いてやる約束をさせられたんだ」
「大変ですね!」
響子のものは色紙にするつもりだった。
掛け軸にしても、掛ける場所もない。
「色紙に何を書こうかと思ってさ」
「そうですねぇ」
「「ロボちんちん」って書くかな!」
「ギャハハハハハ!」
ロボが自分の名前が出たので、俺に近寄って来る。
俺が抱き上げて、カッシーナのデスクに乗せた。
「ちょっと動くなよ?」
細筆でロボの顔をスケッチする。
胸元までのロボの顔が出来た。
「上手いですね!」
俺は嫌いなのだが、あいつの言葉を借りた。
《ネコだもの》
亜紀ちゃんが爆笑した。
「いいですよ! これ!」
「そうか!」
ロボにも見せた。
ロボがじっと見て、長い爪を出して、空白部分に穴を空けた。
《ぷす》
「「オォ!」」
二人で驚いたが、まあ、ロボのサインだということにして、そのまま響子に渡すことにした。
六花が泣いて喜んだ。
「これでやっと、吹雪も……」
「おい」
響子に色紙を見せた。
ロボがサインしたのだと説明する。
物凄く喜んだ。
「タカトラ、ありがとう! 大事にするね!」
「おう」
それから響子が病院中に自慢して回った。
みんなにいい字だと褒められたらしい。
ナースたちから、自分にも書いて欲しいと言われた。
俺もちょっと自分の字が褒められて嬉しかったので、時間のある時にと言って断っていた。
それでも院長や部下たちなど、断りにくい連中には書く。
全部《ネコだもの》だ。
小児科でも頼まれて、入院中の子どもたちにロボの顔と「健康」とか「元気」とか書いて渡した。
ロボの爪痕付きだ。
その後、小児科から数値の改善が見られたと絶賛され、ますます気分が良くなった。
小児科の恒例の「講義」に行って、書について話した。
「書道家の寺山旦中が言っていたんだ。「自分は、いつか山岡鉄舟のような書を書けるようになりたい」とな」
子どもたちが真剣に聞いていた。
「旦中が山岡鉄舟の書の前に立つと、墨の粒子が飛んで来るそうなんだ。そしてその粒子が刃になって、旦中の身体をスパって斬るんだって」
子どもたちが驚いている。
「墨の書というのは、それだけの素晴らしいエネルギーを乗せられるということだな。まあ、俺の書にはそんな力はないけど、みんなに健康になって元気になって欲しいという心は込めたから! 早く元気になってくれな!」
拍手をされ、また気分が良かった。
「私も欲しいなー」
鷹が俺に頼んで来る。
「まあ、愛する鷹のためだ。書いてやろう」
「うれしい!」
「俺も多少は書道に通じるようになってきたからな!」
「アハハハハハハ!」
当然鷹から栞にも連絡が行き、果たし状のような毛筆の手紙にびっしりと文句の上、すぐに書いて送るように言われた。
超早く送った。
皇紀から聞いた蓮花も涙声で頼んで来た。
「シャドウさんの分もお願いします」
「あいつもかよ!」
泣くので書いてやると言った。
一江からとんでもない報告を受けた。
「あの、部長の書を私のサイトにアップしたんですよ」
「お前! また余計なことを!」
一江の頭を引っぱたく。
まあ、もちろん俺が書いたものだとは一言も無い。
ただ、知り合いが素晴らしい書を書いたとだけだ。
「それがですね。昨日、書道家の嵐山泰全から連絡が来まして!」
「あんだと!」
超有名な書道家だ。
「部長の書が素晴らしいって! 是非詳細を教えて欲しいって言われたんです!」
「お前! 絶対に言うなよな!」
「分かってますよ!」
その後、一江のサイトを覗いている連中から俺の書を欲しいという申し込みが殺到した。
俺が書を書くと知り、その後千万組の桜からも20枚頼まれ、斬がもらってやると連絡を寄越した。
「お前よ……」
「いつもながら、申し訳ありません」
桜や斬などは直筆で書いた。
しかし他の分は書いている暇は無いので、高精度印刷を頼んで配った。
でもそれだけでは申し訳ないので、俺がロボに頼んで、爪を刺してもらった。
「ロボ、じゃあ10枚重ねたから! 大丈夫か?」
「にゃー!」
《ぷす》
「いいな! もう一回頼む!」
「にゃー!」
《ぷす》
5回もやると、ロボが飽きてやってくれなくなる。
俺は機嫌を取りながら、何とか1000枚を仕上げた。
ロボと100回くらい「ロボピンポン」をやり、30回くらい、ギターでジルバを踊らせた。
ロボの好物のマグロを食べさせ、鰻の白焼きもやった。
亜紀ちゃんたちにも協力してもらった。
何とか、配り終わった。
希望していたナースたちにも回った。
その後も《ネコだもの》の注文が続いた。
御堂だのターナー少将だの東雲や月岡など、またまた断りにくい連中のために、俺は書いた。
諸見にも送った。
乾さんからも頼まれた。
「おい! スゴイ人気なんだってな!」
「すぐに送りますよ」
「トラにこんな才能があるとはなぁ」
「能ある鷹は爪を隠すんですよ」
「このやろう!」
ロボの爪痕付きだが。
そのうちに、妙な評判が立った。
寝つきがよくなった。
便秘が治った。
腰痛が軽減した。
「へぇー」
麻痺していた左手が動くようになった。
嫌な予感がしてキャンセルした飛行機が墜落した。
宝くじが当たった。
フェイズⅢのガンが消えた。
「……」
一江のサイトに500万枚の注文が来た。
ヤフオクで85万円で落札されたのを皮切りに、そのうちサザビーズでは一億円以上で落札された。
「おい……」
マスコミでも報道が始まり、奇跡の色紙と紹介された。
「この「ネコだもの」は先日有名なオークション《サザビーズ》で一億円以上で落札されました」
「素敵な字ですよね。ネコちゃんの顔もカワイイし」
「いや、そんなことよりも、実に清々しい波動が発せられているそうです」
「末期がんが治ったという情報もありました」
「ニセモノも出回っているそうなので、ご注意下さい」
一江に火消しを厳命した。
「響子、あの額はしまっとけよ」
「やだよー」
直筆なんて知られたら、響子が危ない。
「別なのを書いてやるからさ」
「うーん」
《ロボちんちん》の額に変わった。
そして翌日仕舞われ、俺のポスターになった。
1
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
まさか、、お兄ちゃんが私の主治医なんて、、
ならくま。くん
キャラ文芸
おはこんばんにちは!どうも!私は女子中学生の泪川沙織(るいかわさおり)です!私こんなに元気そうに見えるけど実は貧血や喘息、、いっぱい持ってるんだ、、まあ私の主治医はさすがに知人だと思わなかったんだけどそしたら血のつながっていないお兄ちゃんだったんだ、、流石にちょっとこれはおかしいよね!?でもお兄ちゃんが医者なことは事実だし、、
私のおにいちゃんは↓
泪川亮(るいかわりょう)お兄ちゃん、イケメンだし高身長だしもう何もかも完璧って感じなの!お兄ちゃんとは一緒に住んでるんだけどなんでもてきぱきこなすんだよね、、そんな二人の日常をお送りします!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?
すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。
病院で診てくれた医師は幼馴染みだった!
「こんなにかわいくなって・・・。」
10年ぶりに再会した私たち。
お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。
かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」
幼馴染『千秋』。
通称『ちーちゃん』。
きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。
千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」
自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。
ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」
かざねは悩む。
かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?)
※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。
想像の中だけでお楽しみください。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。
すずなり。
イケメン歯科医の日常
moa
キャラ文芸
堺 大雅(さかい たいが)28歳。
親の医院、堺歯科医院で歯科医として働いている。
イケメンで笑顔が素敵な歯科医として近所では有名。
しかし彼には裏の顔が…
歯科医のリアルな日常を超短編小説で書いてみました。
※治療の描写や痛い描写もあるので苦手な方はご遠慮頂きますようよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる