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ロボ集会
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俺は月が好きだ。
子どもの頃から、夜の月の輝きに魅せられて来た。
この年になっても、よく夜にベランダや庭に出て月を眺める。
「虎温泉」に入りながら眺める月は最高だ。
だから気付いていた。
ロボは満月の晩と新月の晩に外で何かしていることを。
どこへ出掛けるのかは知らない。
普段から外に出ることはあるが、大抵昼間だ。
夜に出たがるのは、満月と新月の時がほとんどだ。
まあ、あいつも付き合いでもあるのかもしれない。
俺が寝る前には戻って来る。
子どもたちも、夜にロボが出る時にはそれとなく外を気に掛けている。
すぐに家に入れてやりたいからだ。
そういうことで、俺も何の心配もしていない。
今日は満月だ。
ロボがいつものように外に出たがったので、俺が出してやった。
「楽しんで来い!」
「にゃー」
庭をトコトコ歩いて行った。
俺は風呂に入り、亜紀ちゃんと柳とで酒を飲んだ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
いつもタカトラが「花見の家」と呼んでいる場所へ向かった。
外の気温が気持ちいい。
「にゃー(ロボさんだぁ!)」
「にゃー(ロボさん! こんばんは!)」
「にゃー(ロボさん! ご無沙汰しております!)」
みんなが挨拶して来る。
この近辺の全てのネコが集まっている。
「にゃ(みんな、集まってるかな?)」
『にゃ!(はい!)』
50匹くらいいる。
飼い猫がほとんどだが、ノラもいる。
「にゃー(ロボさん! いつも獲物をありがとうございます!)」
「にゃ(いいよ、タカトラを守るついでだから)」
時々、タカトラの家の庭に来る奴をやっつけて、食べられそうな奴はノラの連中に分けている。
「にゃ?(ニャ次郎、怪我してんの?)」
「にゃー(はい。昨日、スズメを狩ろうとしたら、逆にやられちゃいまして)」
「にゃー(ああ、スーの一族かー)」
「にゃにょ?(なんですか、それ?)」
タカトラの双子の娘が世話したスズメの子どもたちの話をしてやった。
「にゃー!(じゃあ、強いはずだー!)」
「にゃ(気を付けろよ? 気に入らない奴はボコボコにする連中だからな)」
「にゃ!(はい! でも、どうやって見分ければ?)」
「にゃー(ちょっと見てればいいよ。すぐにケンカする連中だから)」
「にゃー(なるほど!)」
いつものように、みんなから報告を聞いた。
「にゃーにゃー(最近、あいつら多くなりましたね)」
「にゃーにゃー(見つけたら、すぐにロボさんに報告してますけど)」
「にゃーにゃー(みんな、無理しないでね。昼間は外に出れないこともあるんだから)」
「にゃーにゃー(はい!)」
一通り話を聞いて、特に問題はないことが分かった。
すぐにいつもの話題になる。
「にゃー(それにしても、タカトラさん! カッコイイですね!)」
「にゃ?(そうでしょ! 最高だよね!)」
「にゃー(よくみんなでタカトラさんの家の近くで帰りを待ってるんですよ)」
「にゃ(にゃははははは!)」
「にゃー(こないだ、散歩されてたんで、偶然を装って近づいたら撫でてくれました!)」
「にゃー(私も! 撫でてもらいましたよ!)」
「にゃ(タカトラの手って暖かいんだよね!)」
「にゃ(そうそう!)」
「にゃ(それに凄くいい匂い!)」
「にゃ(あれな!)」
みんなが騒ぐ。
「にゃー(そう言えば、こないだイヌの奴がタカトラさんに近づこうとしてましたよ!)」
「にゃ!(なんだって!)」
「にゃー(タカトラさん、優しいから手を振ってましたけど)」
「にゃ!(どこのイヌだ! 締めてやる!)」
詳しい臭いと特徴を聞いた。
「にゃー(よくスズメも群がってますが)」
「にゃ(それはスーの一族だからしょうがないよ。あいつらは許可)」
「にゃ(そうっすか)」
「にゃー(タカトラさん、素敵だからモテますよね?)」
「にゃー(そうなんだよ。あれはしょうがないよねー)」
「にゃ(なんか、スゴイ方たちも来るじゃないですか)」
「にゃーにゃー(うん。妖魔たちだよね。でも、あいつらはタカトラの役に立ってるから)」
「にゃー(ロボさんほどじゃないですけどね!)」
「にゃ!(お前! 分かってるな! こんどササミを分けてやる)」
「にゃ(あざーす!)」
「にゃ!(だれか来た!)」
みんな離れて距離を取った。
庭の生垣から、人間の女たちがこっちを見ていた。
「あー! ほら! ネコの集会だよ!」
「ほんとだ! 初めて見た!」
「ほんとにやってるんだね!」
「こっちに来ないかな?」
「あの白いおっきいネコ! 親分かな?」
「でも綺麗だよ?」
離れようとしないので、仕方なく近づいた。
「あ! 来たよ!」
「にゃー(すいません。今集会中なので)」
「カワイイー!」
「目が綺麗だよ! 美人の顔だよね!」
嬉しくてジルバを踊った。
「なにー!」
「最高にカワイイ!」
写真を撮られた。
まあ、いいか。
みんなの所へ戻ると、満足したか歩いて行った。
「にゃー(ロボさん、カッコイイですね!)」
「にゃ(そう?)」
「にゃ!(なんか来ましたよ!)」
異様な気配に、ロボ以外の全員が緊張する。
《我はダゴン。旧き神で……》
ブス。
「ニャー!(ワンパンですね!)」
「ニャー!(いつもながらスッゲェーっす!)」
みんなが騒いでいる。
食べられそうなので爪で切り分けてみんなで食べた。
ノラたちに多めにやった。
「にゃー(なんか、力が湧いてきますよね!)」
「にゃー(いつもいつも、あざーっす!)」
「にゃ(みんなさ! タカトラをよろしくね!)」
『にゃ!(はい!)』
「にゃー(時々なら見に来ていいし、散歩中は近づいてもいいよ)」
「にゃ(ほんとっすか!)」
「にゃ(やったぁー!)」
みんな喜んだ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「タカさん、おかえりな……どうしたんですか!」
亜紀ちゃんが驚いている。
「いやな。散歩してたらついて来ちゃってさ」
後ろに数十匹のネコがいる。
「最近多くてさ。仕事から帰ると門の辺りで待ち構えてるし。散歩するとどんどん寄って来てなぁ」
「はぁ」
「ゴールドには前に頼んで控えめにしてもらったんだけどよ」
「そうですよね」
「まあ、ネコは好きなんだけどなぁ」
「ロボが怒りますよね」
「そうなんだよ。あ! ロボが来た!」
「にゃー」
「おい、俺は浮気してねぇぞ!」
「にゃー」
「あれ? 大丈夫ですね」
「ほんとだ?」
ロボが優しく鳴いている。
ネコカフェに行くと大変な騒ぎになるのだが。
ロボが一度家の中に入って、自分のササミを咥えて来た。
ノラらしいネコにやっている。
「おい、なんかあげてるぞ?」
「珍しいですね」
もらったノラが頭を下げている。
「礼言ってんのか!」
「スゴイですね!」
「もっと焼いて来ましょうか?」
「いや、うちに居つくとまずいしな。飼いネコもいるようだし」
「そうですね。ヤマトにもご飯はあげないですもんね」
「まあ、そのうちに帰るだろう」
「はい。ロボ、中に入ろう!」
「にゃー」
俺がロボを抱き、亜紀ちゃんがロボの足を拭った。
『にゃー!』
「おい、今一斉に鳴かなかったか!」
「はい!」
「ロボの子分ってことかな?」
「そうなんでしょうね」
「すごいな、こいつ」
「はいはい」
ロボは俺の腕の中でゴロゴロ言った。
まあ、こいつならアリだろう。
子どもの頃から、夜の月の輝きに魅せられて来た。
この年になっても、よく夜にベランダや庭に出て月を眺める。
「虎温泉」に入りながら眺める月は最高だ。
だから気付いていた。
ロボは満月の晩と新月の晩に外で何かしていることを。
どこへ出掛けるのかは知らない。
普段から外に出ることはあるが、大抵昼間だ。
夜に出たがるのは、満月と新月の時がほとんどだ。
まあ、あいつも付き合いでもあるのかもしれない。
俺が寝る前には戻って来る。
子どもたちも、夜にロボが出る時にはそれとなく外を気に掛けている。
すぐに家に入れてやりたいからだ。
そういうことで、俺も何の心配もしていない。
今日は満月だ。
ロボがいつものように外に出たがったので、俺が出してやった。
「楽しんで来い!」
「にゃー」
庭をトコトコ歩いて行った。
俺は風呂に入り、亜紀ちゃんと柳とで酒を飲んだ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
いつもタカトラが「花見の家」と呼んでいる場所へ向かった。
外の気温が気持ちいい。
「にゃー(ロボさんだぁ!)」
「にゃー(ロボさん! こんばんは!)」
「にゃー(ロボさん! ご無沙汰しております!)」
みんなが挨拶して来る。
この近辺の全てのネコが集まっている。
「にゃ(みんな、集まってるかな?)」
『にゃ!(はい!)』
50匹くらいいる。
飼い猫がほとんどだが、ノラもいる。
「にゃー(ロボさん! いつも獲物をありがとうございます!)」
「にゃ(いいよ、タカトラを守るついでだから)」
時々、タカトラの家の庭に来る奴をやっつけて、食べられそうな奴はノラの連中に分けている。
「にゃ?(ニャ次郎、怪我してんの?)」
「にゃー(はい。昨日、スズメを狩ろうとしたら、逆にやられちゃいまして)」
「にゃー(ああ、スーの一族かー)」
「にゃにょ?(なんですか、それ?)」
タカトラの双子の娘が世話したスズメの子どもたちの話をしてやった。
「にゃー!(じゃあ、強いはずだー!)」
「にゃ(気を付けろよ? 気に入らない奴はボコボコにする連中だからな)」
「にゃ!(はい! でも、どうやって見分ければ?)」
「にゃー(ちょっと見てればいいよ。すぐにケンカする連中だから)」
「にゃー(なるほど!)」
いつものように、みんなから報告を聞いた。
「にゃーにゃー(最近、あいつら多くなりましたね)」
「にゃーにゃー(見つけたら、すぐにロボさんに報告してますけど)」
「にゃーにゃー(みんな、無理しないでね。昼間は外に出れないこともあるんだから)」
「にゃーにゃー(はい!)」
一通り話を聞いて、特に問題はないことが分かった。
すぐにいつもの話題になる。
「にゃー(それにしても、タカトラさん! カッコイイですね!)」
「にゃ?(そうでしょ! 最高だよね!)」
「にゃー(よくみんなでタカトラさんの家の近くで帰りを待ってるんですよ)」
「にゃ(にゃははははは!)」
「にゃー(こないだ、散歩されてたんで、偶然を装って近づいたら撫でてくれました!)」
「にゃー(私も! 撫でてもらいましたよ!)」
「にゃ(タカトラの手って暖かいんだよね!)」
「にゃ(そうそう!)」
「にゃ(それに凄くいい匂い!)」
「にゃ(あれな!)」
みんなが騒ぐ。
「にゃー(そう言えば、こないだイヌの奴がタカトラさんに近づこうとしてましたよ!)」
「にゃ!(なんだって!)」
「にゃー(タカトラさん、優しいから手を振ってましたけど)」
「にゃ!(どこのイヌだ! 締めてやる!)」
詳しい臭いと特徴を聞いた。
「にゃー(よくスズメも群がってますが)」
「にゃ(それはスーの一族だからしょうがないよ。あいつらは許可)」
「にゃ(そうっすか)」
「にゃー(タカトラさん、素敵だからモテますよね?)」
「にゃー(そうなんだよ。あれはしょうがないよねー)」
「にゃ(なんか、スゴイ方たちも来るじゃないですか)」
「にゃーにゃー(うん。妖魔たちだよね。でも、あいつらはタカトラの役に立ってるから)」
「にゃー(ロボさんほどじゃないですけどね!)」
「にゃ!(お前! 分かってるな! こんどササミを分けてやる)」
「にゃ(あざーす!)」
「にゃ!(だれか来た!)」
みんな離れて距離を取った。
庭の生垣から、人間の女たちがこっちを見ていた。
「あー! ほら! ネコの集会だよ!」
「ほんとだ! 初めて見た!」
「ほんとにやってるんだね!」
「こっちに来ないかな?」
「あの白いおっきいネコ! 親分かな?」
「でも綺麗だよ?」
離れようとしないので、仕方なく近づいた。
「あ! 来たよ!」
「にゃー(すいません。今集会中なので)」
「カワイイー!」
「目が綺麗だよ! 美人の顔だよね!」
嬉しくてジルバを踊った。
「なにー!」
「最高にカワイイ!」
写真を撮られた。
まあ、いいか。
みんなの所へ戻ると、満足したか歩いて行った。
「にゃー(ロボさん、カッコイイですね!)」
「にゃ(そう?)」
「にゃ!(なんか来ましたよ!)」
異様な気配に、ロボ以外の全員が緊張する。
《我はダゴン。旧き神で……》
ブス。
「ニャー!(ワンパンですね!)」
「ニャー!(いつもながらスッゲェーっす!)」
みんなが騒いでいる。
食べられそうなので爪で切り分けてみんなで食べた。
ノラたちに多めにやった。
「にゃー(なんか、力が湧いてきますよね!)」
「にゃー(いつもいつも、あざーっす!)」
「にゃ(みんなさ! タカトラをよろしくね!)」
『にゃ!(はい!)』
「にゃー(時々なら見に来ていいし、散歩中は近づいてもいいよ)」
「にゃ(ほんとっすか!)」
「にゃ(やったぁー!)」
みんな喜んだ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「タカさん、おかえりな……どうしたんですか!」
亜紀ちゃんが驚いている。
「いやな。散歩してたらついて来ちゃってさ」
後ろに数十匹のネコがいる。
「最近多くてさ。仕事から帰ると門の辺りで待ち構えてるし。散歩するとどんどん寄って来てなぁ」
「はぁ」
「ゴールドには前に頼んで控えめにしてもらったんだけどよ」
「そうですよね」
「まあ、ネコは好きなんだけどなぁ」
「ロボが怒りますよね」
「そうなんだよ。あ! ロボが来た!」
「にゃー」
「おい、俺は浮気してねぇぞ!」
「にゃー」
「あれ? 大丈夫ですね」
「ほんとだ?」
ロボが優しく鳴いている。
ネコカフェに行くと大変な騒ぎになるのだが。
ロボが一度家の中に入って、自分のササミを咥えて来た。
ノラらしいネコにやっている。
「おい、なんかあげてるぞ?」
「珍しいですね」
もらったノラが頭を下げている。
「礼言ってんのか!」
「スゴイですね!」
「もっと焼いて来ましょうか?」
「いや、うちに居つくとまずいしな。飼いネコもいるようだし」
「そうですね。ヤマトにもご飯はあげないですもんね」
「まあ、そのうちに帰るだろう」
「はい。ロボ、中に入ろう!」
「にゃー」
俺がロボを抱き、亜紀ちゃんがロボの足を拭った。
『にゃー!』
「おい、今一斉に鳴かなかったか!」
「はい!」
「ロボの子分ってことかな?」
「そうなんでしょうね」
「すごいな、こいつ」
「はいはい」
ロボは俺の腕の中でゴロゴロ言った。
まあ、こいつならアリだろう。
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