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石神家本家 Ⅲ
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「虎地獄」は続いていた。
タカさんは数人を相手にするようになり、ブズブスズバスバやられていた。
一定の傷になると休憩になり、私とハーで治療する。
タカさんは瀕死の息だ。
「おい、「Ω」と「オロチ」はあとどれくらいある?」
「ちょっとヤバいかも。まだあるけど、このペースだと無くなっちゃうよ」
「チッ!」
虎白さんがまた呼んだ。
「高虎ぁー! いつまで寝てやがるんだ! 来い!」
タカさんがフラつきながら立ち上がった。
傷はもう塞がり切ってない。
血が滴る。
「虎白さん! もうこの辺で勘弁してくれ!」
「あ? 寝ぼけてんじゃねぇ!」
「チクショー!」
タカさんが刀を構えた。
左手で握っている。
私とハーには分かった。
ついに「花岡」を使うんだ。
「おい! てめぇ、それはなんだ!」
「……」
「虎白! こいつ、何かやる気だぞ!」
「高虎! それは石神の剣じゃねぇだろうが!」
「ゴルァ! 俺らが折角石神の技を教えてやってんのによ!」
虎白さんが剣を降ろして行った。
「高虎。お前も石神の末席だ。だったらご先祖が何をやって来たか知ってんだろう!」
「……」
「石神家はよ、ずっと妖魔やとんでもねぇ連中とやり合って来たんだ。だからよ、初見で敗れたとしても、絶対に他の石神家の人間が返し技を編み出して来た」
「……」
虎白さんが他の人たちに言った。
「おい! 俺が高虎の技を受ける! お前ら! 後は頼むぞ!」
全員が雄叫びを挙げた。
「来い!」
タカさんは「虚震花」を撃った。
威力は相当落としている。
肉は爆ぜるだろうが、命には別条はないはずだ。
「あ?」
撃たれた虎白さんは、舞うような動きをした。
「あれ?」
何も起きないので、タカさんが呆然としている。
「高虎ぁ! てめぇ、なんだそりゃ!」
「え、えーと」
「何だと思えば「花岡」かよ! あー! 俺は命の覚悟をしてたのによ!」
「はい?」
「バァカ! そんなもの、とっくに返し技はあるわ! てめぇ、舐めてんのかぁ!」
「ヒィィィーーー!」
「このクサレモンに思い知らせてやれ!」
『オゥゥゥオオオー!』
全員でボコボコにされた。
一旦休憩。
「タカさん……」
「……」
「生きてますかー」
「……」
また何度かタカさんはブスブスのズバスバにされた。
ちょっと暗くなって来た。
「もう殺してくれ……」
「タカさーん」
「がんばー」
なんか、私とハーも慣れて来た。
「虎白! そろそろ腹が減ったな」
「おう、そう言えばそうだな」
「メシにすっか!」
「ああ。でも下まで行くのは面倒だな」
「どうすんよ?」
「あの!」
私が手を挙げた。
「イノシシとか捕まえて来ましょうか?」
「あんだ?」
「私たち、よく狩ってますから!」
みんなが笑った。
「そりゃいいや。じゃあ頼むぜ、嬢ちゃんたち」
「「はーい!」」
ハーと山に入った。
「お待たせしましたー!」
イノシシを二頭とウサギ、タヌキを狩って来た。
「おお! すげぇな!」
「やるな、嬢ちゃんたち!」
「「エヘヘヘヘ!」」
「おし! じゃあ捌くぞ!」
「高虎! 薪を拾って来い!」
タカさんがゾンビのように立ち上がって歩いた。
よく動けるな。
ハーが一緒に付いて行った。
私は解体を手伝おうと思っていた。
「危ねぇから、ちょっと離れてな」
「はい?」
男の人たちがイノシシなどを木に吊るし、下に木の枝を積んで葉などを敷いて行く。
虎白さんが、日本刀を一閃させた。
獲物の首から血が落ちて来る。
また一閃させると、内臓を傷つけずに腹が開いた。
何度も日本刀を振るい、地面に置いた木枝の上に、肉が重なって行った。
ゾンビタカさんとハーが木の枝を抱えて来た。
手際よく火が点けられ、みんな肉を木の枝に刺して焙り始めた。
私とハーも渡される。
「城の中に、味噌とかあっただろう」
「おう! 取って来る!」
味噌や醤油が出て来て、銘々に肉に塗って行く。
私とハーも真似した。
タカさんは地面に倒れていた。
「こいつ、もうダメかな」
みんなで肉にかぶりつきながら話していた。
「高虎! だらしねぇぞ!」
誰かがまた日本刀でタカさんのお尻を刺した。
「……」
無反応だった。
でも、顔を覗き込んでいた人が言った。
「あ! ちょっと顔を歪めたぞ!」
「てめぇ! 高虎! 死んだ振りかぁ!」
みんながタカさんを蹴り始め、タカさんが起き上がった。
「チキショー!」
タカさんが自分で肉を焼き始めた。
意外と元気だった。
流石タカさん!
私とハーはいつものようにガンガン食べた。
みんなに褒められた。
エヘヘヘヘ。
タカさんは数人を相手にするようになり、ブズブスズバスバやられていた。
一定の傷になると休憩になり、私とハーで治療する。
タカさんは瀕死の息だ。
「おい、「Ω」と「オロチ」はあとどれくらいある?」
「ちょっとヤバいかも。まだあるけど、このペースだと無くなっちゃうよ」
「チッ!」
虎白さんがまた呼んだ。
「高虎ぁー! いつまで寝てやがるんだ! 来い!」
タカさんがフラつきながら立ち上がった。
傷はもう塞がり切ってない。
血が滴る。
「虎白さん! もうこの辺で勘弁してくれ!」
「あ? 寝ぼけてんじゃねぇ!」
「チクショー!」
タカさんが刀を構えた。
左手で握っている。
私とハーには分かった。
ついに「花岡」を使うんだ。
「おい! てめぇ、それはなんだ!」
「……」
「虎白! こいつ、何かやる気だぞ!」
「高虎! それは石神の剣じゃねぇだろうが!」
「ゴルァ! 俺らが折角石神の技を教えてやってんのによ!」
虎白さんが剣を降ろして行った。
「高虎。お前も石神の末席だ。だったらご先祖が何をやって来たか知ってんだろう!」
「……」
「石神家はよ、ずっと妖魔やとんでもねぇ連中とやり合って来たんだ。だからよ、初見で敗れたとしても、絶対に他の石神家の人間が返し技を編み出して来た」
「……」
虎白さんが他の人たちに言った。
「おい! 俺が高虎の技を受ける! お前ら! 後は頼むぞ!」
全員が雄叫びを挙げた。
「来い!」
タカさんは「虚震花」を撃った。
威力は相当落としている。
肉は爆ぜるだろうが、命には別条はないはずだ。
「あ?」
撃たれた虎白さんは、舞うような動きをした。
「あれ?」
何も起きないので、タカさんが呆然としている。
「高虎ぁ! てめぇ、なんだそりゃ!」
「え、えーと」
「何だと思えば「花岡」かよ! あー! 俺は命の覚悟をしてたのによ!」
「はい?」
「バァカ! そんなもの、とっくに返し技はあるわ! てめぇ、舐めてんのかぁ!」
「ヒィィィーーー!」
「このクサレモンに思い知らせてやれ!」
『オゥゥゥオオオー!』
全員でボコボコにされた。
一旦休憩。
「タカさん……」
「……」
「生きてますかー」
「……」
また何度かタカさんはブスブスのズバスバにされた。
ちょっと暗くなって来た。
「もう殺してくれ……」
「タカさーん」
「がんばー」
なんか、私とハーも慣れて来た。
「虎白! そろそろ腹が減ったな」
「おう、そう言えばそうだな」
「メシにすっか!」
「ああ。でも下まで行くのは面倒だな」
「どうすんよ?」
「あの!」
私が手を挙げた。
「イノシシとか捕まえて来ましょうか?」
「あんだ?」
「私たち、よく狩ってますから!」
みんなが笑った。
「そりゃいいや。じゃあ頼むぜ、嬢ちゃんたち」
「「はーい!」」
ハーと山に入った。
「お待たせしましたー!」
イノシシを二頭とウサギ、タヌキを狩って来た。
「おお! すげぇな!」
「やるな、嬢ちゃんたち!」
「「エヘヘヘヘ!」」
「おし! じゃあ捌くぞ!」
「高虎! 薪を拾って来い!」
タカさんがゾンビのように立ち上がって歩いた。
よく動けるな。
ハーが一緒に付いて行った。
私は解体を手伝おうと思っていた。
「危ねぇから、ちょっと離れてな」
「はい?」
男の人たちがイノシシなどを木に吊るし、下に木の枝を積んで葉などを敷いて行く。
虎白さんが、日本刀を一閃させた。
獲物の首から血が落ちて来る。
また一閃させると、内臓を傷つけずに腹が開いた。
何度も日本刀を振るい、地面に置いた木枝の上に、肉が重なって行った。
ゾンビタカさんとハーが木の枝を抱えて来た。
手際よく火が点けられ、みんな肉を木の枝に刺して焙り始めた。
私とハーも渡される。
「城の中に、味噌とかあっただろう」
「おう! 取って来る!」
味噌や醤油が出て来て、銘々に肉に塗って行く。
私とハーも真似した。
タカさんは地面に倒れていた。
「こいつ、もうダメかな」
みんなで肉にかぶりつきながら話していた。
「高虎! だらしねぇぞ!」
誰かがまた日本刀でタカさんのお尻を刺した。
「……」
無反応だった。
でも、顔を覗き込んでいた人が言った。
「あ! ちょっと顔を歪めたぞ!」
「てめぇ! 高虎! 死んだ振りかぁ!」
みんながタカさんを蹴り始め、タカさんが起き上がった。
「チキショー!」
タカさんが自分で肉を焼き始めた。
意外と元気だった。
流石タカさん!
私とハーはいつものようにガンガン食べた。
みんなに褒められた。
エヘヘヘヘ。
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