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トラ&六花 異世界召喚 XⅡ

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 「タカさんの匂いがしたから!」
 「まさかって思ったけど、やっぱり来てくれたんだ!」
 
 俺は六花にルーシャとハーリンクと紹介した。

 「前に亜紀ちゃんと来た時に出会ったんだ。ルーとハーって呼んでいる」
 「そうなんですか! 宜しくね、ルーちゃん、ハーちゃん」
 「「よろしく!」」

 獣人族は明るい。
 六花とすぐに仲良くなるだろう。
 俺たちは話しながら歩いた。

 「変わりはないか?」
 「うん! 狩も順調だよ!」
 「そうか、お前たちならば心配ないよな」
 「「うん!」」

 村は驚くほどに大きくなっていた。
 前は40戸150人程だったはずだが、今はその倍以上になっている。

 「うちの村の評判を聞いてね、来てくれた人が多いの」
 「あとね、子どもも増えたよ!」

 ルーとハーが多くの獲物を狩るので、豊かになったのだろう。
 農地も拡大しているようだった。

 「お前たち、頑張っているんだな」
 「うん、タカさんのお陰!」
 「アキちゃんもね!」

 二人とも、体格も大きくなった。
 栄養状態がいいのが分かる。

 村に入ると、多くの獣人たちが俺を見つけて駆け寄って来る。
 六花が驚いていた。

 俺は集団に囲まれながら、長老の家に向かった。
 長老も騒ぎに気付いて外に出て駆け寄って来た。
 大歓迎され、今日は宴を開くと言われた。




 広場には、前に俺たちが置いた丸太小屋がまだあった。

 「二人がいつ帰って来てもいいように、そのままにしてるの!」
 「時々掃除もしてるよ!」
 
 ルーとハーが説明してくれた。
 俺は六花と中に入った。
 本当に前のままだ。
 亜紀ちゃんと使っていたダブルベッドもある。
 それを見た六花が言った。

 「取り敢えず、ヤっときますか!」
 「おう!」

 汗だくになったので、俺は村の外の温泉に六花を誘った。
 一応、林の中にあるが、畑仕事の帰りの獣人たちも立ち寄って来る。
 お湯で身体を拭うためだ。
 以前は川で水浴びをたまにする程度だったので、少し変わったようだ。

 俺と六花がいるので、驚かれる。

 「ああ、いつも通り使ってくれな。俺たちは気にしないでいいから」

 俺も六花も裸を見られて恥ずかしがるタイプではない。
 獣人たちも気にせずに服を脱いでタオルで身体を拭っていった。
 俺を知っている獣人は、話しかけて来る。

 「石神先生はやっぱり人気者ですね!」
 「まあ、この村が大変な時に来たからなぁ」

 俺はルーとハーとの出会いから、疲弊していた村を手助けした話などをした。

 「狩人だったルーとハーの父親が死んで、狩の獲物で暮らしていたこの村は困窮していたんだ。だからルーとハーに「花岡」を教えて狩人にならせた」
 「なるほど! だからあの二人はあんなに石神先生に懐いていたんですね」
 「そうだ。まあ、カワイイ二人だろ?」
 「すっかりもう大人じゃないですか」
 「まだまだ子どもだよ」
 「あっちのルーちゃんとハーちゃんも、もう生理が来ましたよね」
 「まあな」
 「もうデきますよね?」
 
 六花の頭を引っぱたいた。

 「私、夢があるんです」
 「ほお」
 「石神先生の全曜日の女たちで、大乱交パー」

 頭を引っぱたいた。

 「楽しいですよ?」
 「ワハハハハハ!」

 まあ、確かに。





 俺たちは温泉を上がり、広場へ向かった。
 もう宴の準備が始まっており、あちこちで火が炊かれ、料理が作られている。

 俺はストレージから食材の肉を大量に出し、料理を始めた連中に配って行く。
 俺は六花とバーベキューセットを出して海鮮物を焼き始めた。
 でかい鉄板で焼かれて行くと、周囲にいい匂いが漂う。
 ルーとハーの母親であるイレーヌさんが来た。
 俺たちの前で涙を流す。

 「お身体は大丈夫ですか?」
 「はい! お陰様でもう! またここに来て下さるなんて!」
 「ここは楽しい思い出ばかりですからね。また寄らせてもらいました」

 イレーヌさんが一緒に手伝い始める。
 六花を俺の恋人と紹介すると驚いていた。

 「お綺麗な方ですね!」

 獣人的にもそうらしい。
 六花はニコニコしていた。




 宴が始まり、俺と六花がみんなに紹介され、楽しい飲み食いが始まった。
 俺たちの海鮮は大評判で、すぐに食べ尽くされた。
 山間部なので、口に入ることがないのだろう。

 そのうちに歌やダンスが始まった。
 俺も六花も踊る。
 ブレイクダンスのヘッドスピンを見せると、大喝采を浴びた。
 ルーとハーが教えて欲しいと言う。
 俺が初歩のステップから教えるとすぐに覚え、他の獣人たちも真似し始めた。
 流石に獣人は身体能力が高い。
 ルーとハーは、もうヘッドスピンまで覚えた。

 みんなで楽しく踊る。

 俺はブレイクダンスに合う曲をと思った。
 周囲に座っている連中にリズムを教える。

 「いいか、足で二回踏む。手を一回叩く。ズズチャ、ズズチャ……」

 すぐに覚えて全員でリズムを刻む。

 ♪ Buddy you're a boy make a big noise Playin' in the street Gonna be a big man some day You got mud on yo' face You big disgrace Kickin' your can all over the place Sing it We will we will rock you We will we will rock you ♪

 みんながノリノリになってリズムを刻み、踊った。




 夜が更けるまで、みんなで楽しんだ。
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