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挿話: ちびトラちゃん Ⅳ

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 響子を誘って、屋上でセグウェイで遊んだ。
 六花と子どもたちがパイロンでコースを作る。

 「響子! 勝負だぁ!」
 「おー!」

 響子に勝てた。
 これまでは圧倒的な体重差で負けていたが、今日は俺の方が軽い。

 「ちきしょー!」
 「ワハハハハハ!」

 病室に戻る。
 響子は今日はまだ眠っていない。

 「響子、悪かったな。もう寝てくれ」
 「うん」
 「明日、また来るからな」
 「うん!」
 「俺も仕事がねぇし、一日中響子と一緒だな」
 「嬉しい!」

 俺は横になった響子の頬にキスをする。

 「タカトラって、キレイな子だったんだね」
 「そうか?」
 「うん。とってもキレイ」
 「響子も綺麗だぞ」
 「うん」

 響子は笑いながら眠った。
 精神的なショックがあまり無いようで良かった。





 病院で別れ、俺は子どもたちと家に帰った。
 六花が付いて来ようとしたが、子どもたちに断られた。
 ショタ魂に火が付いたからだ。
 明日は響子の病室にいるつもりだが、不安になる。
 今の俺では六花に逆らえない。
 まあ、それでもいいのだが。
 しかし、せめてオチンチンが使える10歳くらいになって欲しいものだ。

 俺は疲れたので夕飯までベッドに横になった。
 ロボも一緒に来る。
 「ロボちゅー」をしてから、二人で眠った。




 夕飯はハンバーグ大会だった。
 俺のご飯はチキンライスで、また旗が立っていた。
 もう何も言わん。

 150gのハンバーグが皿に乗せられている。

 「全部食べられますか?」
 「大丈夫だ」

 頑張って食べた。

 「エライエライ」
 「うるせぇ!」

 食べ終わってミルクたっぷりのカフェオレ(甘)を飲んだ。

 「じゃー、お風呂に入りましょうねー!」
 「一人で入れる!」
 「柳さん! ご一緒に!」
 「うん!」

 二人の「花岡」使いに連れ去られ、ほぼ無抵抗で裸にされ、風呂に入れられた。
 横にされ、二人に全身を洗われる。

 「はい、ここはちゃんと綺麗にしましょうねー」
 「おい!」
 「柳さんも、ほら!」
 「うん!」

 手で直接洗われた。

 「あ、柔らかい!」
 「ね! 怖くないですよね!」
 「うん、カワイイ!」

 「……」

 お尻の穴まで洗われた。

 湯船に浸かるが、俺の身長が足りず、亜紀ちゃんの足の上に乗せられた。
 背中にオッパイが当たって嬉しい。

 「はい、じゃあ柳さん!」
 「うん」

 柳もオッパイが嬉しい。

 「あ、ちびトラちゃんが気持ちよさそうですよ!」
 「ほんとだ」

 にやけていた。

 いつものように入っていたらのぼせた。

 「エッチのぼせですね」
 「うん」

 全裸で二人に団扇で扇がれた。
 二人からオチンチンをつんつんされ、気持ち良かった。

 俺はもう眠くなり、ベッドに入った。
 ロボも一緒だ。
 亜紀ちゃんと柳も一緒だ。

 「ちびトラちゃん」
 「あんだよ」
 「傷が全然ありませんでした」
 「ああ、そうか」

 まだこの頃は俺はそんなに暴れて無いし、病弱になるのも一年後だった。

 「綺麗な身体でしたよ」
 「そうか」
 「このままでいて下さい」
 「ばかやろ」

 柳が俺を抱き締めた。

 「あの川での傷もありませんね」
 「そりゃな」
 「嬉しい」
 「何言ってやがる」

 俺の身体が縮んだのではないことは分かっている。
 俺が7歳だった頃に戻っているのだ。
 時間の逆行だ。

 誰かがそれをやった。
 何の目的なのかは分からない。
 途轍もない能力だ。

 俺は感覚的に、これは攻撃ではないと考えていた。
 俺に必要なことがあって、このようなことをされている。
 それが何なのかは、もちろん分からない。
 
 暗い部屋の中で、俺は考えていた。





 眠くなって来たので、亜紀ちゃんのオッパイを触った。
 反対の手で、柳のオッパイを揉む。

 「お姉ちゃんたちのオッパイ、いいね」

 二人に頭をはたかれた。
 俺はグッスリと眠った。





 翌朝、スッキリと目覚めた俺は朝食を食べ、病院へ行った。
 亜紀ちゃんと柳が送ると言ったが、俺は地下鉄を使った。
 
 病院で、すぐに響子の部屋へ行く。

 「タカトラー!」
 「おう!」
 「石神先生!」
 「おう、おはよう。ああ、俺のことは「ちびトラちゃん」と呼べ」
 「はい!」

 六花が嬉しそうに笑った。
 
 「ちびトラちゃん、何か食べますか?」
 「いいよ。そのうちに一江が来るからな」
 「はい!」

 俺は響子とセグウェイの巡回に一緒に回った。
 見知らぬ俺の姿に驚くナースたちもいたが、響子が「タカトラの親戚の子! 「ちびトラちゃん」だよ」と紹介する。
 ナースたちが、俺を抱き締めたり頭を撫でたりする。

 「カワイイー!」

 囲まれて来るので、響子と慌てて逃げた。

 病室へ戻ると、六花が待っていた。

 「ちびトラちゃん、ちょっとこっちへ」

 俺の手を引いて、響子の秘密倉庫(書類置き場)に連れて行く。

 「オシッコは大丈夫ですか?」
 「あ? ああ、トイレに行っておこうかな」
 「はい、どうぞ」

 六花がしゃがんで口を開けた。

 「お前、何やってんの?」
 「私の口に」
 「はい?」

 ズボンとパンツを降ろされた。

 「おい!」

 《ぱく》
 《ちょろちょろ》
 《ごくごく》

 スッキリした。

 戻ると一江と大森が来ていた。
 大森は挨拶だけすると、戻って行った。

 「じゃあ部長」
 「「ちびトラちゃん」だ。俺の親戚の子な」
 「ああ、はい! じゃあちびトラちゃん、報告を」

 一江がいつも通りに俺に先週の報告と今週の予定を言う。
 俺のオペは当然無い。

 「部長は急な出張になってます。まあ、これまでも何度もありますしね」
 「こんな理由は初めてだけどな」

 二人で笑った。
 しばらく話し、俺は一江に指示を出して行った。
 一江が戻る。

 響子がタブレットで映像を見始めたので、俺も一緒にベッドに入る。

 「エヘヘヘ、あったかいね」
 「そうだな!」

 響子が俺に見やすいようにタブレットをかざしてくれる。

 「ちびトラちゃん、トイレは大丈夫ですか?」

 時々六花が聞いて来る。
 ショタ魂だ。





 昼食は六花が響子と同じものを手配してくれた。
 美味しい。
 量も丁度いい。
 プリンがついていたので、俺の分も響子にやった。
 響子が嬉しそうに食べた。

 響子が食後の午睡に入ると、六花が俺を見る目が変わる。

 「さあ、トイレを」
 「いいよ!」

 六花が目に炎を宿しながら近づいて来るので、俺は逃げた。

 行き場所も無いので、何となく自分の部に行く。

 「あ、ちびトラちゃん」

 一江が俺を見つけた。

 「どうしたんですか」
 「ちょっと六花がなぁ」
 「あー」

 俺を中に入れてくれた。
 俺の部屋を開け、俺を椅子に座らせる。

 「副部長、その子は?」
 
 斎藤が聞いて来る。

 「部長の親戚の御子さんだ。性格は部長にそっくりだから、滅多なことをするなよ?」
 「は、はい!」

 俺は笑ってみんなに手を振った。
 部下たちが半笑いで手を振り返して来た。
 俺はロールスクリーンを降ろして、椅子で眠った。





 またぐっすりと眠った。
 この身体は、どうも眠くなりやすくて困る。
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