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道間家: 霊素の探求
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月曜日の夜。
夕食を食べて、俺はウッドデッキに出た。
「タマ」
「なんだ、主」
目の前にタマがすぐに現われた。
「こないだ、「クロピョン」が「虎王」を持って来ただろう」
「ああ」
「ああいう、人間が作ったものも持って来れるんだな」
「そうだ」
「あれは誰かの所有物だったのか?」
「それは分からない。「クロピョン」には人間の所有という概念が無い」
「なるほど」
盗み出したのかもしれないが、俺も返す気はない。
せめて金は言い値で支払いたいとは思うが、所有者を探す気もない。
「「虎王」の他に、あやかしを斬れる刀はあるか?」
「ああ、幾つかはな」
「また「クロピョン」に言って手に入れられるか?」
「分かった」
タマが双子の花壇に向かって歩き、何かを語り掛けているようだった。
しばらくすると、地面から何振りかの刀が出て来た。
「おい、こんなにかよ!」
「これで全てではないが」
一振りで良かったのだが、俺がそう指示していなかった。
四振りあった。
俺はそのうちの一本の刀に見惚れた。
長さ約3メートルもの長大なもので、白木の鞘に納まっており、銘が墨で書かれていた。
《神刀 常世渡理》
「トコヨワタリか。素晴らしいな」
俺は鞘を抜こうと刀を持った。
その瞬間に、鞘の払い方を「理解」した。
俺は一瞬で2.5m以上ある刀身を抜いた。
幅4.5センチ、峰の厚さ約5ミリ。
握りは50センチほどある。
全体に薄刃だ。
青白く光る、美しい刀身で、刃紋はない。
反りも浅く、ほとんど直刀にも見える。
「美しいな」
俺はため息と共に呟いた。
「あやかしを斬るために生まれたものだな」
「そうか」
「人間は面白いな」
「そうだな」
タマは去って行った。
土曜日の朝の7時。
全員が集まっている。
一江と大森もいる。
ロボも乗せた。
柳を運転席に乗せて出発した。
助手席は亜紀ちゃんだ。
後ろに俺と双子が乗り、三列目に一江と大森、後部に皇紀とロボだ。
柳の運転は俺が確認している。
前から何度も運転させているが、今週は毎日乗り回し、感覚を万全にした。
亜紀ちゃんと一緒に、高速にも出掛けて練習して来たようだ。
もう2トンロングの運転も大丈夫だろう。
30分後に朝食にする。
後ろで俺たちはおにぎりを奪い合う。
6個ほど、前のシートに渡した。
大森がチャーハンと唐揚げを作って来た。
「なんだよ、気を遣いやがって」
「でも、自分は今回何もしませんので」
「一江の護衛という大事な任務があるだろう! こいつの顔面だけは絶対に守れ!」
「はい!」
「部長! ひどいですよ!」
少食の一江が周囲に当てられたか、旺盛に食べていた。
「私もチャーハンをー!」
「お前らは運転に集中しろ! いつも俺に何か残したことはねぇだろう!」
「「あーん!」」
「高速に乗ったらサービスエリアに寄れ。そこで何か喰え!」
「「はーい!」」
一江にフルフェイスのヘルメットを被せた。
「部長……」
「これで大丈夫だぞ」
「……」
俺たちはしばらく眠った。
車が止まった感覚で目が覚めた。
サービスエリアだ。
俺が起きたのを見て、二人は外へ駆け出して行った。
俺もコーヒーでも飲もうと外へ出る。
フードコートに行くと、既に二人は焼肉丼を掻き込んでいた。
俺は笑ってコーヒーを買って二人にも飲ませる。
「柳、運転はどうだ?」
「はい、問題ありません!」
「そうか。じゃあ、また京都が近くなったら頼む」
「いえ! このまま運転しますよ!」
「いいよ。俺もハンドルを握りてぇ」
「石神さん!」
「後ろで少し眠れ」
「すみません」
「亜紀ちゃんも誰かと交代しろよ」
「私はタカさんの隣がいいです!」
「まあ、寝てていいからな」
「はい!」
二人はケバブとアメリカンドッグを買い、車に乗り込んだ。
柳は双子の間に座る。
高速をぶっ飛ばした。
最後のサービスエリアで亜紀ちゃんと一江を交代した。
一江はヘルメットをかぶりながら、ぐっすりと寝ていた。
「おい、そろそろお前の出番だ」
「もう」
一江はヘルメットを脱ぎ、化粧の崩れた顔を出した。
「はい、どうぞ」
「おお、一段といいな!」
「はいはい」
「石神さん、私運転しますよ!」
柳が言った。
「ああ、大丈夫だ。俺の気分が悪くなったら頼むぞ」
「はい」
もしかしたら、柳の運転では道間家の結界を超えられないかもしれない。
麗星とそういう話はしていなかったが、あり得ることだ。
丁度11時頃であり、道間家には12時には着ける。
昼食の準備をして待っていてくれているはずだった。
大人数で押し掛けて、本当に申し訳ない。
しかも、こいつらは尋常じゃない量を食べる。
予定通りに、12時頃に道間家に着いた。
途中で亜紀ちゃんに連絡させたので、門の前で麗星と五平所さんが待っていてくれた。
「こんにちは! すみません、大勢で押し掛けてしまって」
麗星と五平所さんが呆然としている。
「あれ?」
「「ぷぷぷぷぷ」」
二人が、あの謎の恐慌状態に陥っている。
「お二人を車に乗せろ! 急げ!」
「「はーい!」」
亜紀ちゃんと柳が飛び出して車に入れた。
後ろのベンチシートに二人を座らせる。
「「ぷぷぷぷぷ!」」
さっきはルーフを見ていたが、今度は荷台の床を見て驚いていた。
ルーフには「常世渡理」、荷台には銘の分からない三振りの刀を置いていた。
二本の「虎王」もある。
四振りのうち、気に入られた一振りを差し上げようと思って持って来た。
相当なものらしい。
夕食を食べて、俺はウッドデッキに出た。
「タマ」
「なんだ、主」
目の前にタマがすぐに現われた。
「こないだ、「クロピョン」が「虎王」を持って来ただろう」
「ああ」
「ああいう、人間が作ったものも持って来れるんだな」
「そうだ」
「あれは誰かの所有物だったのか?」
「それは分からない。「クロピョン」には人間の所有という概念が無い」
「なるほど」
盗み出したのかもしれないが、俺も返す気はない。
せめて金は言い値で支払いたいとは思うが、所有者を探す気もない。
「「虎王」の他に、あやかしを斬れる刀はあるか?」
「ああ、幾つかはな」
「また「クロピョン」に言って手に入れられるか?」
「分かった」
タマが双子の花壇に向かって歩き、何かを語り掛けているようだった。
しばらくすると、地面から何振りかの刀が出て来た。
「おい、こんなにかよ!」
「これで全てではないが」
一振りで良かったのだが、俺がそう指示していなかった。
四振りあった。
俺はそのうちの一本の刀に見惚れた。
長さ約3メートルもの長大なもので、白木の鞘に納まっており、銘が墨で書かれていた。
《神刀 常世渡理》
「トコヨワタリか。素晴らしいな」
俺は鞘を抜こうと刀を持った。
その瞬間に、鞘の払い方を「理解」した。
俺は一瞬で2.5m以上ある刀身を抜いた。
幅4.5センチ、峰の厚さ約5ミリ。
握りは50センチほどある。
全体に薄刃だ。
青白く光る、美しい刀身で、刃紋はない。
反りも浅く、ほとんど直刀にも見える。
「美しいな」
俺はため息と共に呟いた。
「あやかしを斬るために生まれたものだな」
「そうか」
「人間は面白いな」
「そうだな」
タマは去って行った。
土曜日の朝の7時。
全員が集まっている。
一江と大森もいる。
ロボも乗せた。
柳を運転席に乗せて出発した。
助手席は亜紀ちゃんだ。
後ろに俺と双子が乗り、三列目に一江と大森、後部に皇紀とロボだ。
柳の運転は俺が確認している。
前から何度も運転させているが、今週は毎日乗り回し、感覚を万全にした。
亜紀ちゃんと一緒に、高速にも出掛けて練習して来たようだ。
もう2トンロングの運転も大丈夫だろう。
30分後に朝食にする。
後ろで俺たちはおにぎりを奪い合う。
6個ほど、前のシートに渡した。
大森がチャーハンと唐揚げを作って来た。
「なんだよ、気を遣いやがって」
「でも、自分は今回何もしませんので」
「一江の護衛という大事な任務があるだろう! こいつの顔面だけは絶対に守れ!」
「はい!」
「部長! ひどいですよ!」
少食の一江が周囲に当てられたか、旺盛に食べていた。
「私もチャーハンをー!」
「お前らは運転に集中しろ! いつも俺に何か残したことはねぇだろう!」
「「あーん!」」
「高速に乗ったらサービスエリアに寄れ。そこで何か喰え!」
「「はーい!」」
一江にフルフェイスのヘルメットを被せた。
「部長……」
「これで大丈夫だぞ」
「……」
俺たちはしばらく眠った。
車が止まった感覚で目が覚めた。
サービスエリアだ。
俺が起きたのを見て、二人は外へ駆け出して行った。
俺もコーヒーでも飲もうと外へ出る。
フードコートに行くと、既に二人は焼肉丼を掻き込んでいた。
俺は笑ってコーヒーを買って二人にも飲ませる。
「柳、運転はどうだ?」
「はい、問題ありません!」
「そうか。じゃあ、また京都が近くなったら頼む」
「いえ! このまま運転しますよ!」
「いいよ。俺もハンドルを握りてぇ」
「石神さん!」
「後ろで少し眠れ」
「すみません」
「亜紀ちゃんも誰かと交代しろよ」
「私はタカさんの隣がいいです!」
「まあ、寝てていいからな」
「はい!」
二人はケバブとアメリカンドッグを買い、車に乗り込んだ。
柳は双子の間に座る。
高速をぶっ飛ばした。
最後のサービスエリアで亜紀ちゃんと一江を交代した。
一江はヘルメットをかぶりながら、ぐっすりと寝ていた。
「おい、そろそろお前の出番だ」
「もう」
一江はヘルメットを脱ぎ、化粧の崩れた顔を出した。
「はい、どうぞ」
「おお、一段といいな!」
「はいはい」
「石神さん、私運転しますよ!」
柳が言った。
「ああ、大丈夫だ。俺の気分が悪くなったら頼むぞ」
「はい」
もしかしたら、柳の運転では道間家の結界を超えられないかもしれない。
麗星とそういう話はしていなかったが、あり得ることだ。
丁度11時頃であり、道間家には12時には着ける。
昼食の準備をして待っていてくれているはずだった。
大人数で押し掛けて、本当に申し訳ない。
しかも、こいつらは尋常じゃない量を食べる。
予定通りに、12時頃に道間家に着いた。
途中で亜紀ちゃんに連絡させたので、門の前で麗星と五平所さんが待っていてくれた。
「こんにちは! すみません、大勢で押し掛けてしまって」
麗星と五平所さんが呆然としている。
「あれ?」
「「ぷぷぷぷぷ」」
二人が、あの謎の恐慌状態に陥っている。
「お二人を車に乗せろ! 急げ!」
「「はーい!」」
亜紀ちゃんと柳が飛び出して車に入れた。
後ろのベンチシートに二人を座らせる。
「「ぷぷぷぷぷ!」」
さっきはルーフを見ていたが、今度は荷台の床を見て驚いていた。
ルーフには「常世渡理」、荷台には銘の分からない三振りの刀を置いていた。
二本の「虎王」もある。
四振りのうち、気に入られた一振りを差し上げようと思って持って来た。
相当なものらしい。
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