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京都へ!

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 家に戻ると、麗星から電話が来たと聞いた。
 俺は携帯も家に置いていた。
 自分の部屋で、麗星に電話する。

 「石神様!」
 「すいません、近所に出掛けてまして」
 「いいえ! あの、先日伺ったあやかしの探知機を用意いたしましたの」
 「ああ!」
 「いつでも宜しいのですが、一応お知らせしておこうと」
 「分かりました。ええと、来週の土曜日にではいかがでしょうか?」
 「もちろんです! お待ちしておりますね」
 「はい、お世話になります。皇紀とルーとハー、それに一江と、大森という部下も連れて行きますが宜しいでしょうか?」
 「かしこまりました。6名ですね」
 「はい」

 一緒にいたロボが俺の顔をじっと見ている。

 「お前も行くか?」

 ロボが俺の肩に前足を乗せ、俺の頬を舐めて来た。

 「すいません、ネコも一緒に」

 麗星は笑って「分かりました」と言った。
 電話を切り、俺は土産は何がいいかと考えた。
 和菓子などは、もう最高のものを知っている人だ。
 前回は鈴伝の栗を持って行ったが、いつもそれではアレだ。

 皇紀と双子を呼んだ。

 「来週の土日で麗星さんの所へ行くぞ」
 「「「はい!」」」
 「いよいよ「霊素」装置に進展がありそうだ。お前たち、頼むぞ」
 「「「はい!」」」
 「一江と大森も連れて行く。ロボもな」
 「「「はい!」」」

 一緒に下に降りると、亜紀ちゃんと柳が夕食の準備を始めるところだった。

 「何のお話だったんですか?」

 亜紀ちゃんが聞くので、来週末に道間の屋敷に行くのだと伝えた。

 「わーい!」
 「え? あ、わーい」

 亜紀ちゃんと柳が喜ぶ。

 「お前たちは留守番だ」
 「「えぇー!」」

 「遊びじゃねぇんだ! 必要な人間しか連れて行かん!」
 「亜紀ちゃん、カワイーですよー!」
 「柳ちゃんもカワイーですよー!」
 「ロボがいるからいい」
 「「えーん」」

 ロボが座った俺の膝に前足を置き、ポンポンした。
 カワイイ。

 「石神さん! 私、これから妖魔との戦いを任せるからって!」
 「あー、そうだったな。柳は連れて行くかなー」
 「あ! 柳さんの裏切り者!」
 「亜紀ちゃん、恋は盲目よ!」
 「何言ってんですかー!」

 「でもなぁ。今回はちょっと目的が違うからなぁ」
 「いしがみさーん!」
 「ギャハハハハハハ!」

 皇紀と双子は喜びの「ヒモダンス」を踊り始めた。
 亜紀ちゃんと柳は掴み合いを始めた。

 「うるせぇ! 早く夕飯を作れ!」
 「「「「「はーい!」」」」」

 まったく。
 俺も随分と不自由になったもんだ。
 まあ、それが「愛」ってもんだ。




 翌日の月曜日。
 いつものように一江から報告を聞いた。

 「以上です!」
 「御苦労。ところで陽子、俺の頼みを聞いてくれ」
 「え?」
 「お前だけが頼りなんだ」
 「はい?」
 「妖怪に関することだ」
 「なんです?」

 「俺と一緒に京都へ行ってくれ」
 「はぁ」

 「お前、ノリが悪いよなぁ」
 「なんですか!」
 「折角、虎之介と妖子の掛け合いをやったのによ」
 「知りませんよ!」
 
 俺は週末に道間家へ行くことを伝えた。

 「じゃあ、私がまたお守り代わりってことですか」
 「お守りって、お前。そんないいもんじゃねぇだろう」
 「部長、本気で私が必要なんです?」
 「シーサー的なさ」
 「あれ、意外とカワイイですよね」
 「じゃあ、歩道のゲロをみんな避けてくみたいな?」

 「週末は予定が一杯でした。すいません」
 「一江ちゃーん」

 大森を呼んで、何とか一江を説得した。
 二人には、土曜の7時に東京を出ることを伝えた。





 響子の部屋へ行った。

 「タカトラー!」
 「「たかとらー!」」
 「なんだ、てめぇら!」

 響子のベッドに、亜紀ちゃんと柳が一緒にいた。
 ちゃんと寝間着を着てやがる。
 響子が笑っている。
 六花も笑っていた。

 「学校はどうした!」
 「たかとらー、京都にいきたいよー」
 「ばかやろう! 昨日言っただろう! お前らが行ったって、ただ飲み食いするだけじゃねぇか!」
 「私は道間家で、対妖魔の技を研究させてもらいます!」

 柳が言った。
 まあ、一理ある。

 「わ、私は!」
 「何もねぇよな」
 「クゥッ!」

 亜紀ちゃんが涙目になる。

 「私はタカさんが心配なんです!」
 「なんだ?」

 「だってほら! 最初に行った時に血なんか吐いちゃって!」
 「次に一江と行った時は平気だっただろう」
 「でも、一江さん、死んじゃうかもしれないじゃないですか!」
 「バカなこと言うな!」
 「一江さんに整形してもらいます!」
 「おい!」

 亜紀ちゃんが泣き出した。
 響子の胸に顔を埋める。
 このやろう。

 「タカトラ、アキたちを一緒に連れてってあげて」
 「響子、こいつらはなぁ」
 「お願い!」

 響子が頭を下げ、二人も一緒に頭を下げた。

 「柳!」
 「はい!」
 「お前はハマーがちゃんと運転できるように練習しておけ!」
 「はい!」
 「亜紀ちゃん!」
 「はい!」
 「今回皇紀や双子は道間家の手伝いは出来ないかもしれない。お前がみんなの分、いろいろ食事やらを手伝え!」
 「はい! 任せて下さい!」

 亜紀ちゃんと柳が喜んだ。
 二人は喜びの「ヒモダンス」を踊り、六花も加わった。
 響子が大笑いした。



 俺は麗星に電話し、二人増えると言った。
 麗星は笑って「承知しました」と言ってくれた。

 さて、土産をどうするか。
 今回はいろいろと世話になる上に、余計な人間まで連れて行くことになった。

 あいつに頼むかー。
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