1,221 / 2,840
別荘の日々 XⅤ: ヒモ! ヒモ!
しおりを挟む
話し終えると、子どもたちが俺をじっと見ている。
「なんだよ?」
「階段落ち……」
「あ?」
「なんか、タカさんのお父さんって、タカさんにそっくりだよね」
ルーが言った。
「どうして?」
「だってすぐ殴るし」
「酷いことした相手には「階段から落ちたことにしろ」って言ったり」
ルーとハーが次々に言う。
まあ、言われてみれば。
「お前らも、散々なイタズラをしてくれたよなぁ」
「「アハハハハハ!」」
「借りたフェラーリ、ぶっ壊したよな」
「「アハハハハハ!」」
「子どもの頃のタカさんにそっくりですよね」
亜紀ちゃんが言う。
まあ、言われてみれば。
「俺は親父の教育法しか知らないからな。もう、しょうがねぇと思ってくれ」
「え、でもお母さんは優しかったんですよね」
「お父さんしかいねぇだろう!」
「「「「ワハハハハハハ!」」」」
まあ、そういうことだ。
「まあ、家庭の役割分担なんだけどな。父親は厳しく、母親は優しくというな。愛情というのは、両面があるんだ。それを両親が分担して、思い切り子どもに与えてやる。俺は独身だから、申し訳ないな」
「そんなことないです!」
皇紀が言った。
「こういう場合は、お姉ちゃんが優しくすればいいんだけどよ」
三人が亜紀ちゃんを見る。
「優しいよな!」
「「「アハハハハハ!」」」
「なによ!」
「響子には、俺と六花がいるけどな」
「エヘヘヘヘ」
響子が嬉しそうに笑う。
「まあ、響子には二人とも甘々だけどなぁ」
「うん!」
アルも静江さんも、そうだっただろう。
「御堂もそんな感じだよな」
「そうですね。父にはあまり叱られたことはありません。母の方が多少は」
「御堂は優しいからな!」
「アハハハハ!」
「俺もあいつが怒ったのを見たことが無い。まあ、唯一知ってるのは「マンモスの牙隊」か」
みんなが爆笑した。
響子も知っている。
「俺なんかはどうでもいいんだけどな。でも、御堂には絶対に許せないらしいな」
「石神さんは、平気なんですか?」
「平気というか、もちろん一緒にはいたくないよ」
「最初に見た時には、必死で逃げましたもんね!」
「亜紀ちゃんも同じだろう! 「もっとアクセル踏んで下さい!」って言ってたじゃん」
「アハハハハ!」
「双子のキャンプで、獣の皮を着てた時もなぁ」
「追いかけたよ!」
「必死だったよ!」
みんなで笑った。
「でも、怒ることは無かったよな」
今も双子はあんな恰好で夜に走りに行く。
別に好きにやらせている。
「今日は話が大分長くなったからな。一旦解散するぞ。飲みたい奴は片付けてからまたな」
子どもたちが片付け始める。
俺は響子を部屋まで連れて行って寝かせた。
ロボが一緒に寝る。
「じゃあ、響子。ぐっすり眠れ」
「うん! 今日のお話も面白かった」
「そうか」
俺と六花で頭を撫でてやる。
響子は隣のロボを抱いて眠った。
「タカさん、何飲みます?」
亜紀ちゃんが聞きに来た。
「うーん、どうしようかな」
「石神先生! 夜の「訓練」を!」
六花の頭を引っぱたく。
「もう一度、風呂に入ろうかな。暗い中で湯船に浸かってみたいな」
「いいですね!」
亜紀ちゃんがみんなに知らせに行く。
別に俺一人でいいのだが。
六花が俺の腕を掴んで風呂場に連れて行った。
亜紀ちゃん、柳、双子も来た。
亜紀ちゃんがクーラーボックスにペットボトルを入れて持って来た。
好きなものをみんなで手に取って湯船に浸かる。
洗い場だけ、ダウンライトで照らし、他の照明を消した。
ちょっといい雰囲気になった。
俺は気分が良くなって、井上陽水の『いっそセレナーデ』を歌った。
みんな黙って聞いていた。
双子が洗い場に出た。
「なにすんだ?」
「タカさんと踊った『股間にヒモ』ダンスをします!」
「おお!」
双子に初潮が来た時に、双子がヒモを見せに来た。
俺の部屋で三人で裸で踊った。
俺も洗い場に出て、一緒に踊った。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
両手を左にバンザイ、右にバンザイ、右手を股間、左手を股間、左手を放す、右手を放す……。
六花と亜紀ちゃんが大笑いし、出て来て一緒に踊り出す。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
柳が呆然と見ている。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
柳が苦しそうな顔をしている。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
みんなノリノリだ。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
柳が腰を浮かせて、また湯船に座った。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
いつまでも続いている。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
柳が決心した。
出て来て一緒に踊る。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
俺は絶対に他の家の人間の前でやるなと言い、解散した。
柳が、泣きそうな顔をしていた。
がんばれ。
「なんだよ?」
「階段落ち……」
「あ?」
「なんか、タカさんのお父さんって、タカさんにそっくりだよね」
ルーが言った。
「どうして?」
「だってすぐ殴るし」
「酷いことした相手には「階段から落ちたことにしろ」って言ったり」
ルーとハーが次々に言う。
まあ、言われてみれば。
「お前らも、散々なイタズラをしてくれたよなぁ」
「「アハハハハハ!」」
「借りたフェラーリ、ぶっ壊したよな」
「「アハハハハハ!」」
「子どもの頃のタカさんにそっくりですよね」
亜紀ちゃんが言う。
まあ、言われてみれば。
「俺は親父の教育法しか知らないからな。もう、しょうがねぇと思ってくれ」
「え、でもお母さんは優しかったんですよね」
「お父さんしかいねぇだろう!」
「「「「ワハハハハハハ!」」」」
まあ、そういうことだ。
「まあ、家庭の役割分担なんだけどな。父親は厳しく、母親は優しくというな。愛情というのは、両面があるんだ。それを両親が分担して、思い切り子どもに与えてやる。俺は独身だから、申し訳ないな」
「そんなことないです!」
皇紀が言った。
「こういう場合は、お姉ちゃんが優しくすればいいんだけどよ」
三人が亜紀ちゃんを見る。
「優しいよな!」
「「「アハハハハハ!」」」
「なによ!」
「響子には、俺と六花がいるけどな」
「エヘヘヘヘ」
響子が嬉しそうに笑う。
「まあ、響子には二人とも甘々だけどなぁ」
「うん!」
アルも静江さんも、そうだっただろう。
「御堂もそんな感じだよな」
「そうですね。父にはあまり叱られたことはありません。母の方が多少は」
「御堂は優しいからな!」
「アハハハハ!」
「俺もあいつが怒ったのを見たことが無い。まあ、唯一知ってるのは「マンモスの牙隊」か」
みんなが爆笑した。
響子も知っている。
「俺なんかはどうでもいいんだけどな。でも、御堂には絶対に許せないらしいな」
「石神さんは、平気なんですか?」
「平気というか、もちろん一緒にはいたくないよ」
「最初に見た時には、必死で逃げましたもんね!」
「亜紀ちゃんも同じだろう! 「もっとアクセル踏んで下さい!」って言ってたじゃん」
「アハハハハ!」
「双子のキャンプで、獣の皮を着てた時もなぁ」
「追いかけたよ!」
「必死だったよ!」
みんなで笑った。
「でも、怒ることは無かったよな」
今も双子はあんな恰好で夜に走りに行く。
別に好きにやらせている。
「今日は話が大分長くなったからな。一旦解散するぞ。飲みたい奴は片付けてからまたな」
子どもたちが片付け始める。
俺は響子を部屋まで連れて行って寝かせた。
ロボが一緒に寝る。
「じゃあ、響子。ぐっすり眠れ」
「うん! 今日のお話も面白かった」
「そうか」
俺と六花で頭を撫でてやる。
響子は隣のロボを抱いて眠った。
「タカさん、何飲みます?」
亜紀ちゃんが聞きに来た。
「うーん、どうしようかな」
「石神先生! 夜の「訓練」を!」
六花の頭を引っぱたく。
「もう一度、風呂に入ろうかな。暗い中で湯船に浸かってみたいな」
「いいですね!」
亜紀ちゃんがみんなに知らせに行く。
別に俺一人でいいのだが。
六花が俺の腕を掴んで風呂場に連れて行った。
亜紀ちゃん、柳、双子も来た。
亜紀ちゃんがクーラーボックスにペットボトルを入れて持って来た。
好きなものをみんなで手に取って湯船に浸かる。
洗い場だけ、ダウンライトで照らし、他の照明を消した。
ちょっといい雰囲気になった。
俺は気分が良くなって、井上陽水の『いっそセレナーデ』を歌った。
みんな黙って聞いていた。
双子が洗い場に出た。
「なにすんだ?」
「タカさんと踊った『股間にヒモ』ダンスをします!」
「おお!」
双子に初潮が来た時に、双子がヒモを見せに来た。
俺の部屋で三人で裸で踊った。
俺も洗い場に出て、一緒に踊った。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
両手を左にバンザイ、右にバンザイ、右手を股間、左手を股間、左手を放す、右手を放す……。
六花と亜紀ちゃんが大笑いし、出て来て一緒に踊り出す。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
柳が呆然と見ている。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
柳が苦しそうな顔をしている。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
みんなノリノリだ。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
柳が腰を浮かせて、また湯船に座った。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
いつまでも続いている。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
柳が決心した。
出て来て一緒に踊る。
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
♪ ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! ヒモ! ヒモ! たんぽんぽぽぽん! …… ♪
俺は絶対に他の家の人間の前でやるなと言い、解散した。
柳が、泣きそうな顔をしていた。
がんばれ。
1
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
NPO法人マヨヒガ! ~CGモデラーって難しいんですか?~
みつまめ つぼみ
キャラ文芸
ハードワークと職業適性不一致に悩み、毎日をつらく感じている香澄(かすみ)。
彼女は帰り道、不思議な喫茶店を見つけて足を踏み入れる。
そこで出会った青年マスター晴臣(はるおみ)は、なんと『ぬらりひょん』!
彼は香澄を『マヨヒガ』へと誘い、彼女の保護を約束する。
離職した香澄は、新しいステージである『3DCGモデラー』で才能を開花させる。
香澄の手が、デジタル空間でキャラクターに命を吹き込む――。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
人形の中の人の憂鬱
ジャン・幸田
キャラ文芸
等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。
【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。
【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる