1,126 / 2,818
ハワイ土産
しおりを挟む
六月中旬の金曜日。
双子が修学旅行から帰って来た。
元気そうだ。
「どうだ、楽しんで来たか?」
「「はい!」」
子どもたちは夕飯を食べ終わっていた。
俺は独りで食べながら、話を聞いた。
「ダイヤモンドヘッドを吹っ飛ばさなかったろうな!」
「「うん!」」
「カメハメハ大王の像を「虚震花」で壊してないな?」
「「うん!」」
「ならよし!」
「「アハハハハハ!」」
双子はサーフィンで注目されただの、どこの肉が美味かっただのと話してくれた。
「夜の海が綺麗だったの」
「タカさんと見たかったな」
「あ、タカさん、凄い嬉しそうですよ」
顔が綻んだ。
土産は送りにしていると聞いた。
アロハシャツを買ったようだ。
「そうか、楽しみだな!」
「「うん!」」
別に土産などいらん。
二人が楽しんで来たのならば、それでいい。
そこで俺のことを思い出してくれたのならば、とても嬉しい。
夢の中で一緒に行こうと、その夜は三人で寝た。
翌日の土曜日。
俺は早乙女を家に呼んだ。
神宮寺磯良の話をするためだった。
午後の三時に、雪野さんを連れて来た。
「よし! 今日も泊まりな!」
「おい、いつも悪いよ」
「蟻地獄だからな、うちは」
雪野さんが笑って「お世話になります」と言った。
リヴィングでお茶を飲み、俺は早乙女を連れて地下へ降りた。
「磯良は吉住連合の下部組織「堂前組」の家で育てられたようだ」
「堂前組?」
「ああ。連合の中では比較的新しいが、勢いはあるらしい。そのうちにのし上がるかもしれない」
「そうか。金儲けが上手いのか?」
「そういうことだ。今のヤクザは金だからな。上納金を多く納める組が認められる」
「なるほどな。それで堂前組の資金源はなんだ?」
「いろいろなことをやってる。街金から不動産、キャバレーやホストクラブ。違法なものは無いようだ」
「それだけで他の組より儲けてるのかよ」
「それなんだけどな。今調べている最中だが、拝み屋のようなことをしているらしい」
「なんだ?」
早乙女は俺に顔を近づけて小声で話した。
俺は気持ち悪いと頭を引っぱたいた。
「ここは完全防音だ!」
「そうか、分かった」
「ふん!」
早乙女は、霊的なトラブルを請け負っているらしいと言った。
まあ、言い値の商売だ。
「それで、実績があるということだ」
「へー」
「磯良が、その仕事の中心らしい」
「小学生がかよ」
「そうだ。堂前組が磯良を育てているのは、その力のせいじゃないかな」
「じゃあ、磯良を取り込むのは難しいということか」
「そこは話し合いだな。石神は何か案は無いか?」
「そうだなぁ」
今は何も無い。
とにかく、もう少し情報が必要だ。
「磯良の力は「無限斬」と呼ばれているらしい」
「ああ、ノートにも書いてあったな」
「何でも斬るらしいんだが、妖怪や悪霊、因縁まで斬るということだ」
「そうか。よく分からんが凄いもののようだな」
「お前でも危ないんじゃないか?」
早乙女が言った。
「まあ、俺は大丈夫だよ」
「そうか、安心した」
「だって、俺は磯良には会わないもん」
「え?」
「お前が全部やれよ」
「はい?」
「だって、危ないだろう!」
「おい!」
防御不能の技と思われる。
俺は笑って言った。
「大丈夫だよ。いざとなったら、ちゃんと守ってやる」
「どうやって!」
「まあ、勘?」
「石神!」
「よく考えろ。あいつがガンガンやる奴なら、もっと大事件になってるはずだ。磯良は滅多に斬らない。そうじゃなきゃ、磯良を飼うことも出来ないだろう」
「ああ、なるほど!」
「何でも斬る奴を抑えるのは何だ?」
「まあ分からんが、信頼関係があるのかもな」
「そうだろう。狂った奴じゃない。子どもにしても、ちゃんと分別はある。もしくは、能力に限定があるのかもしれん。それはお前がその目で確かめろよ」
「分かった」
「もう雪野さんには十分な資産もあるしな」
「いしがみー!」
もちろん、早乙女を磯良に会わせるのは、確実な情報、磯良のことが分かってからだ。
場合によっては俺も同行する。
「まあ、しばらくは情報収集だ。他の「能力者」もいるんだしな」
「分かった。ここで思い悩むのはやめよう」
「そうだ。死ぬ時は死ぬんだしな」
「いしがみー!」
俺も探偵事務所やヤクザの伝手を使うと言った。
早乙女も、納得した。
それに、吉原龍子のノートにも気になる記述があったのだ。
「石神様と縁の深い者です。ですから、お気遣いの上で手を取られますように」
どういうことかは分からないが、慎重に行けということだろう。
翌週。
早乙女は磯良の写真を手に入れた。
まあ、多分隠し撮りだ。
望遠レンズで撮影したのだろう。
小学生にしては背が高い。
6年生のはずだが、身長は175センチ。
体重は60キロ。
服装から見ると、引き締まった身体と思われる。
顔はクールな美男子という感じだ。
恐らく女にモテるだろう。
成績は学年でもトップクラスだ。
体育の成績は普通。
住居は堂前家だった。
堂前の家族と一緒に住んでいる。
離れのようだったが。
堂前重蔵、妻・加代、娘・帰蝶(中三)、娘・胡蝶(小六)。
使用人10人。
吉住連合は神戸山王会の関東進出を受けて立ち上がった組織だ。
幾つかの大きな組が集まって、一つの連合として固まった。
頂点には吉田組と住田組。
現時点では吉田組が優勢となっている。
それぞれの直系の組織の下に、下部組織が20余り。
構成員は一万とも言われている。
力的には、稲城会よりもやや弱い。
北の千万組は勢力拡大を考えなかったが、恐らく戦争になれば二つの組織を潰せただろう。
吉住連合は稲城会と同じく、経済ヤクザへの道を進んだ。
新暴対法により、シノギは厳しくなったが、表へ進出することで組織を維持している。
グレーゾーンだが、非合法な活動は控えているようだ。
特に堂前組は完全にシロの組になっている。
まあ、内情はホワイト企業ではないのだろうが。
早乙女が集めた情報を見て、俺は不思議な予感を抱いていた。
悪いものではないが、非常に繊細な。
表現が難しい。
6月三週目の土曜日。
朝食を食べ終わると、宅急便が届いた。
宅急便屋の2トントラックが3台来た。
「なんだ?」
亜紀ちゃんが門を開け、伝票にサインをする。
「おい、何が届いた?」
「ハワイからです。ルーとハーの言ってたお土産でしょうか」
「なんで3台も来るんだよ」
「さー」
双子を呼ぶように言った。
ロボも出て来る。
「ニャー!」
ノリたいだけだ。
5人の宅急便屋がでかい段ボールを持って、どこへ置くか聞いて来た。
「どんだけあるの?」
「この箱で200ですね」
「!」
取り敢えず、ウッドデッキに置くように言った。
双子が来た。
「お前ら! どんだけ買ったんだよ!」
「えーと、お店?」
「だから店のどんだけだ!」
「「おーる!」」
「……」
いいものが多く、俺の好みが分からなかったと。
だから俺に選ばせようと、全部買ったらしい。
とにかく頭をぶん殴り、裏の新しい建物に仕舞うように指示した。
二人が俺に選んで欲しいと泣いた。
ハンガーラックを350台買って、便利屋にサイズ別に全部吊るさせた。
新築部分の廊下全部と部屋が幾つか埋まった。
確かにいいものが多かった。
俺は30着を選び、子どもたちや響子と六花、鷹、栞、御堂家、早乙女夫妻、左門とリー、部下たち、院長夫妻、「紅六花」、道間家、千万組、柿崎家、「薔薇乙女」、その他あらゆる思いつく場所に送った。
まったく、ガキが金持ちだからとバカげた真似をしやがって。
俺は磯良のことを思った。
磯良も、人間には大きすぎる力を持ってしまった。
子どもの心で、それをどう受け取っているのか。
悩んでいるのではないか。
俺は磯良の悲しみと苦しみを思った。
ルーとハーには俺がいる。
バカをすれば、俺が叱ってやる。
磯良には両親はいない。
俺は早乙女の優しさを思った。
「あいつならば」
そう思った。
双子が修学旅行から帰って来た。
元気そうだ。
「どうだ、楽しんで来たか?」
「「はい!」」
子どもたちは夕飯を食べ終わっていた。
俺は独りで食べながら、話を聞いた。
「ダイヤモンドヘッドを吹っ飛ばさなかったろうな!」
「「うん!」」
「カメハメハ大王の像を「虚震花」で壊してないな?」
「「うん!」」
「ならよし!」
「「アハハハハハ!」」
双子はサーフィンで注目されただの、どこの肉が美味かっただのと話してくれた。
「夜の海が綺麗だったの」
「タカさんと見たかったな」
「あ、タカさん、凄い嬉しそうですよ」
顔が綻んだ。
土産は送りにしていると聞いた。
アロハシャツを買ったようだ。
「そうか、楽しみだな!」
「「うん!」」
別に土産などいらん。
二人が楽しんで来たのならば、それでいい。
そこで俺のことを思い出してくれたのならば、とても嬉しい。
夢の中で一緒に行こうと、その夜は三人で寝た。
翌日の土曜日。
俺は早乙女を家に呼んだ。
神宮寺磯良の話をするためだった。
午後の三時に、雪野さんを連れて来た。
「よし! 今日も泊まりな!」
「おい、いつも悪いよ」
「蟻地獄だからな、うちは」
雪野さんが笑って「お世話になります」と言った。
リヴィングでお茶を飲み、俺は早乙女を連れて地下へ降りた。
「磯良は吉住連合の下部組織「堂前組」の家で育てられたようだ」
「堂前組?」
「ああ。連合の中では比較的新しいが、勢いはあるらしい。そのうちにのし上がるかもしれない」
「そうか。金儲けが上手いのか?」
「そういうことだ。今のヤクザは金だからな。上納金を多く納める組が認められる」
「なるほどな。それで堂前組の資金源はなんだ?」
「いろいろなことをやってる。街金から不動産、キャバレーやホストクラブ。違法なものは無いようだ」
「それだけで他の組より儲けてるのかよ」
「それなんだけどな。今調べている最中だが、拝み屋のようなことをしているらしい」
「なんだ?」
早乙女は俺に顔を近づけて小声で話した。
俺は気持ち悪いと頭を引っぱたいた。
「ここは完全防音だ!」
「そうか、分かった」
「ふん!」
早乙女は、霊的なトラブルを請け負っているらしいと言った。
まあ、言い値の商売だ。
「それで、実績があるということだ」
「へー」
「磯良が、その仕事の中心らしい」
「小学生がかよ」
「そうだ。堂前組が磯良を育てているのは、その力のせいじゃないかな」
「じゃあ、磯良を取り込むのは難しいということか」
「そこは話し合いだな。石神は何か案は無いか?」
「そうだなぁ」
今は何も無い。
とにかく、もう少し情報が必要だ。
「磯良の力は「無限斬」と呼ばれているらしい」
「ああ、ノートにも書いてあったな」
「何でも斬るらしいんだが、妖怪や悪霊、因縁まで斬るということだ」
「そうか。よく分からんが凄いもののようだな」
「お前でも危ないんじゃないか?」
早乙女が言った。
「まあ、俺は大丈夫だよ」
「そうか、安心した」
「だって、俺は磯良には会わないもん」
「え?」
「お前が全部やれよ」
「はい?」
「だって、危ないだろう!」
「おい!」
防御不能の技と思われる。
俺は笑って言った。
「大丈夫だよ。いざとなったら、ちゃんと守ってやる」
「どうやって!」
「まあ、勘?」
「石神!」
「よく考えろ。あいつがガンガンやる奴なら、もっと大事件になってるはずだ。磯良は滅多に斬らない。そうじゃなきゃ、磯良を飼うことも出来ないだろう」
「ああ、なるほど!」
「何でも斬る奴を抑えるのは何だ?」
「まあ分からんが、信頼関係があるのかもな」
「そうだろう。狂った奴じゃない。子どもにしても、ちゃんと分別はある。もしくは、能力に限定があるのかもしれん。それはお前がその目で確かめろよ」
「分かった」
「もう雪野さんには十分な資産もあるしな」
「いしがみー!」
もちろん、早乙女を磯良に会わせるのは、確実な情報、磯良のことが分かってからだ。
場合によっては俺も同行する。
「まあ、しばらくは情報収集だ。他の「能力者」もいるんだしな」
「分かった。ここで思い悩むのはやめよう」
「そうだ。死ぬ時は死ぬんだしな」
「いしがみー!」
俺も探偵事務所やヤクザの伝手を使うと言った。
早乙女も、納得した。
それに、吉原龍子のノートにも気になる記述があったのだ。
「石神様と縁の深い者です。ですから、お気遣いの上で手を取られますように」
どういうことかは分からないが、慎重に行けということだろう。
翌週。
早乙女は磯良の写真を手に入れた。
まあ、多分隠し撮りだ。
望遠レンズで撮影したのだろう。
小学生にしては背が高い。
6年生のはずだが、身長は175センチ。
体重は60キロ。
服装から見ると、引き締まった身体と思われる。
顔はクールな美男子という感じだ。
恐らく女にモテるだろう。
成績は学年でもトップクラスだ。
体育の成績は普通。
住居は堂前家だった。
堂前の家族と一緒に住んでいる。
離れのようだったが。
堂前重蔵、妻・加代、娘・帰蝶(中三)、娘・胡蝶(小六)。
使用人10人。
吉住連合は神戸山王会の関東進出を受けて立ち上がった組織だ。
幾つかの大きな組が集まって、一つの連合として固まった。
頂点には吉田組と住田組。
現時点では吉田組が優勢となっている。
それぞれの直系の組織の下に、下部組織が20余り。
構成員は一万とも言われている。
力的には、稲城会よりもやや弱い。
北の千万組は勢力拡大を考えなかったが、恐らく戦争になれば二つの組織を潰せただろう。
吉住連合は稲城会と同じく、経済ヤクザへの道を進んだ。
新暴対法により、シノギは厳しくなったが、表へ進出することで組織を維持している。
グレーゾーンだが、非合法な活動は控えているようだ。
特に堂前組は完全にシロの組になっている。
まあ、内情はホワイト企業ではないのだろうが。
早乙女が集めた情報を見て、俺は不思議な予感を抱いていた。
悪いものではないが、非常に繊細な。
表現が難しい。
6月三週目の土曜日。
朝食を食べ終わると、宅急便が届いた。
宅急便屋の2トントラックが3台来た。
「なんだ?」
亜紀ちゃんが門を開け、伝票にサインをする。
「おい、何が届いた?」
「ハワイからです。ルーとハーの言ってたお土産でしょうか」
「なんで3台も来るんだよ」
「さー」
双子を呼ぶように言った。
ロボも出て来る。
「ニャー!」
ノリたいだけだ。
5人の宅急便屋がでかい段ボールを持って、どこへ置くか聞いて来た。
「どんだけあるの?」
「この箱で200ですね」
「!」
取り敢えず、ウッドデッキに置くように言った。
双子が来た。
「お前ら! どんだけ買ったんだよ!」
「えーと、お店?」
「だから店のどんだけだ!」
「「おーる!」」
「……」
いいものが多く、俺の好みが分からなかったと。
だから俺に選ばせようと、全部買ったらしい。
とにかく頭をぶん殴り、裏の新しい建物に仕舞うように指示した。
二人が俺に選んで欲しいと泣いた。
ハンガーラックを350台買って、便利屋にサイズ別に全部吊るさせた。
新築部分の廊下全部と部屋が幾つか埋まった。
確かにいいものが多かった。
俺は30着を選び、子どもたちや響子と六花、鷹、栞、御堂家、早乙女夫妻、左門とリー、部下たち、院長夫妻、「紅六花」、道間家、千万組、柿崎家、「薔薇乙女」、その他あらゆる思いつく場所に送った。
まったく、ガキが金持ちだからとバカげた真似をしやがって。
俺は磯良のことを思った。
磯良も、人間には大きすぎる力を持ってしまった。
子どもの心で、それをどう受け取っているのか。
悩んでいるのではないか。
俺は磯良の悲しみと苦しみを思った。
ルーとハーには俺がいる。
バカをすれば、俺が叱ってやる。
磯良には両親はいない。
俺は早乙女の優しさを思った。
「あいつならば」
そう思った。
1
お気に入りに追加
227
あなたにおすすめの小説
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる