1,051 / 2,840
テトラの歌 Ⅳ
しおりを挟む
加納明子の退院が決まった。
小山内刑事が手配し、一時保護施設への入居と区の方で支援を受けていくことになった。
入院費用などは、今後加納明子が返済することになる。
犯人が捕まれば別だが、捜査は一向に進まなかった。
行方不明者のリストにも該当はない。
俺が退院を告げた。
「今まで本当にお世話になりました」
「いいえ。お身体はもう大丈夫かと思いますが、何かあったらいつでもご連絡ください」
「ありがとうございます」
3月中旬の金曜日の朝だった。
翌週の月曜日の退院予定だった。
午後にルーから連絡を受けた。
「タカさん、来たよ」
「そうか」
俺は子どもたちに学校を休ませ、双子には病院付近を見張らせていた。
響子の部屋に皇紀を入れている。
亜紀ちゃんは白衣を着て、俺と一緒にいた。
加納明子が俺を呼んでいると内線で連絡が来た。
俺と亜紀ちゃんで向かった。
「石神先生、ちょっと胸が苦しくて」
加納明子がそう言った瞬間、開いた窓から「圧」を感じた。
亜紀ちゃんが対物ライフルの弾丸を「震花」で消し、窓から飛び出して行った。
廊下からMP5と日本刀を構えた三人が突入して来る。
俺が瞬時に対応した。
MP5を持った女を銃ごと蹴り上げ、顎を粉砕する。
女は一瞬で気絶した。
日本刀を持った男と女は両側から俺に襲い掛かった。
俺は「金剛花」を使って両腕で受けた。
男に向き、胸にブロウをぶちかます。
男の胸が陥没し、壁に激突する。
残った女が日本刀を構えて俺を睨んでいた。
後ろのベッドには加納明子がいる。
「どうした」
俺が聞いても襲ってこない。
「テメェー!」
甲高い声で叫んだ。
俺に斬りかからずに、横を回った。
「なんでヤラねぇ!」
俺は女の腹を蹴ってぶっ飛ばした。
女は白目を剥いて気絶した。
「大丈夫か?」
俺はベッドの「加納明子」だった女に聞いた。
ベッドに、コルト・パイソン(.357マグナム拳銃)が置いてあった。
「うん。でももうダメ」
「なに?」
見ると顔が蒼白になり、脂汗を流していた。
俺は慌てて駆け寄った。
まさかと思った。
「毒をね、仕込んであったの」
「なんだと!」
「上手くやったら解毒剤を渡すって」
「おい! 何の毒だ!」
「分からない。でももういいんだ」
「モモ!」
「モモ」が笑った。
「やっぱり、トラちゃんは気付いてたんだ」
「しっかりしろ! すぐに助けてやる!」
「いいの。私はトラちゃんにまた会えただけでいいの」
「モモ! 死ぬな!」
俺が小学校の時に、隣の家にいた子だった。
放置されていたのに気付き、お袋が連れて来た。
しかし戻った父親に殺されそうになり、父親はその場で自殺した。
母親はその何か月も前に父親に殺され、床下に埋められていた。
モモはどこかの施設に送られたはずだった。
「あの日、トラちゃんが私を守ってくれた。だから今度は私の番」
「ダメだ! 絶対に死ぬな!」
「いいの。だってずっと辛かったんだもん。人を殺す手伝いをさせられて。しょっちゅういじめられて酷いことをされてた」
「モモ……」
モモが笑っていた。
「そいつらはね、四人兄弟なんだ。だから仲がいいの。でも私は違うから。私、ずっと一人だったから」
モモの息が荒くなる。
「ずっとね。トラちゃんに会いたかった。それだけで生きてたの。死にたかったけど、トラちゃんに会うまではって」
「おい、モモ……」
「まさか本当に会えるとはね。我慢して生きてて良かった」
「お前……」
モモは目を閉じた。
「響子ちゃん、青い花火を見つけたってね」
俺はモモの手を握った。
「良かったね。ああ、私も見たかったな」
「見せてやるよ! だから生きろ!」
「もう無理。トラちゃんに会えたからもういいよ」
「何言ってやがる!」
「トラちゃんとトラちゃんのお母さん。二人だけが優しかった。あの思い出だけで……これまで……頑張って……生きて……来た……んだ」
「モモ!」
「大好き……だ……よ……トラ……ちゃん」
「俺もだ、モモ! 死ぬなモモ!」
モモは微笑んだまま死んだ。
小山内刑事たちが三人の襲撃者を連れて行った。
俺は「人間」の範疇で斃したので、命に別状はない。
モモは毒殺されたと判断された。
モモへの暴行事件は、そうして幕を閉じた。
二日後、小山内刑事から連絡が来て、三人が毒死したことを告げられた。
体内に何らかの毒が仕込まれており、それが一定時間で流れる仕組みだったようだと。
青酸化合物の一種らしいと言われた。
遅溶性のカプセルのようなものが血管内に入れられ、徐々に溶け出す仕組みだったと。
三人とモモの脇下に埋め込んだ痕が見つかったそうだ。
斬がその後「テトラ」について調べてくれた。
「今はもう潰れているがな。北海道に子どもを集めて暗殺者にする養成所があったのじゃ」
「誰がやっていたんだ」
「北海道のヤクザじゃよ。そこに元ソ連の兵隊くずれたちが拾われて、軍事訓練や暗殺技術を教えていた」
「GRUなんかもいたのか」
「多分な。「テトラ」たちはそこで育った」
「四人兄弟だったよな」
「そうだ。四人で殺ることで名を売った。だから五人目がいることは誰にも予測できなかった」
「それがモモだったんだな」
「多分な。徹底的に隠されていたからワシにも分からん。でもお前の話を聞くと、そういうことだったんだろう」
「弱らせて標的に接近させるということか」
「そうだ。相手が硬い奴だった場合に使っていた手なんだろう。隙を狙われればな」
「テトラ」の恐らくは長女が対物ライフルの奴だった。
そいつは亜紀ちゃんが分子崩壊させて始末している。
「タカトラ、アキコちゃんがいなくなっちゃったね」
「ああ。元気になったから退院いていったよ」
「そうなんだ」
響子は寂しそうな顔をしていた。
「折角仲良くなったのになー」
「残念だな。でも、またいつか来てくれるかもしれないぞ」
「そうだね!」
響子が俺を見ている。
早く実現しろという目だ。
響子は俺に頼めば何でもしてくれると信じている。
「まあ、そのうちにな」
「うん!」
六花が響子の昼食を持って来た。
「ハンバーグだ!」
響子が喜ぶ。
「モモも好きだったんだよ」
「モモって誰?」
「ああ、俺が子どもの時に隣に住んでた子だ」
「そうなんだ」
響子がナイフでハンバーグを切る。
デミグラスソースを少し付けて口に入れた。
「おいひー!」
俺と六花で笑った。
「モモもな、青い花火が好きだったんだよ」
「え! アキコちゃんと同じだ!」
「響子も見たがってたよな。こないだ見つけた」
「うん! アキコちゃんと今度やろうって約束した」
「そうか」
響子がニンジンを端に避ける。
六花から怒られている。
「アキコちゃんね、歌が上手かったな」
「そうだったな」
「あの歌が大好きだったんだって」
「ああ、『遠き山に日は落ちて』な」
「うん! 子どもの頃にね、大好きだったお兄ちゃんが歌ってくれたんだって」
「そうなのか」
「花火をした帰りにね。手を繋いで歌ってくれたんだって」
「……」
「凄く上手くてね。だからアキコちゃんも一生懸命に練習したんだって」
「そうか。俺も聴きたかったな」
「今度来たら歌ってもらおうよ!」
「ああ、そうだな。是非そうしてもらおう」
響子が笑ってニンジンに挑戦した。
面白い顔をして呑み込む。
俺に向いて褒めろという顔をしている。
俺は頭を撫でに行った。
「タカトラ、震えてるの?」
「ああ。今日はちょっと寒いかな」
「私のベッドに入ってて! すぐに食べて温めてあげる!」
「いや、風邪だったら不味い。薬を飲んでおくよ」
「うん、はやく飲んで!」
俺は手を振って病室を出た。
そのまま屋上に上がった。
風が強い。
でも、俺は寒くなどなかった。
ただ、涙が零れた。
小山内刑事が手配し、一時保護施設への入居と区の方で支援を受けていくことになった。
入院費用などは、今後加納明子が返済することになる。
犯人が捕まれば別だが、捜査は一向に進まなかった。
行方不明者のリストにも該当はない。
俺が退院を告げた。
「今まで本当にお世話になりました」
「いいえ。お身体はもう大丈夫かと思いますが、何かあったらいつでもご連絡ください」
「ありがとうございます」
3月中旬の金曜日の朝だった。
翌週の月曜日の退院予定だった。
午後にルーから連絡を受けた。
「タカさん、来たよ」
「そうか」
俺は子どもたちに学校を休ませ、双子には病院付近を見張らせていた。
響子の部屋に皇紀を入れている。
亜紀ちゃんは白衣を着て、俺と一緒にいた。
加納明子が俺を呼んでいると内線で連絡が来た。
俺と亜紀ちゃんで向かった。
「石神先生、ちょっと胸が苦しくて」
加納明子がそう言った瞬間、開いた窓から「圧」を感じた。
亜紀ちゃんが対物ライフルの弾丸を「震花」で消し、窓から飛び出して行った。
廊下からMP5と日本刀を構えた三人が突入して来る。
俺が瞬時に対応した。
MP5を持った女を銃ごと蹴り上げ、顎を粉砕する。
女は一瞬で気絶した。
日本刀を持った男と女は両側から俺に襲い掛かった。
俺は「金剛花」を使って両腕で受けた。
男に向き、胸にブロウをぶちかます。
男の胸が陥没し、壁に激突する。
残った女が日本刀を構えて俺を睨んでいた。
後ろのベッドには加納明子がいる。
「どうした」
俺が聞いても襲ってこない。
「テメェー!」
甲高い声で叫んだ。
俺に斬りかからずに、横を回った。
「なんでヤラねぇ!」
俺は女の腹を蹴ってぶっ飛ばした。
女は白目を剥いて気絶した。
「大丈夫か?」
俺はベッドの「加納明子」だった女に聞いた。
ベッドに、コルト・パイソン(.357マグナム拳銃)が置いてあった。
「うん。でももうダメ」
「なに?」
見ると顔が蒼白になり、脂汗を流していた。
俺は慌てて駆け寄った。
まさかと思った。
「毒をね、仕込んであったの」
「なんだと!」
「上手くやったら解毒剤を渡すって」
「おい! 何の毒だ!」
「分からない。でももういいんだ」
「モモ!」
「モモ」が笑った。
「やっぱり、トラちゃんは気付いてたんだ」
「しっかりしろ! すぐに助けてやる!」
「いいの。私はトラちゃんにまた会えただけでいいの」
「モモ! 死ぬな!」
俺が小学校の時に、隣の家にいた子だった。
放置されていたのに気付き、お袋が連れて来た。
しかし戻った父親に殺されそうになり、父親はその場で自殺した。
母親はその何か月も前に父親に殺され、床下に埋められていた。
モモはどこかの施設に送られたはずだった。
「あの日、トラちゃんが私を守ってくれた。だから今度は私の番」
「ダメだ! 絶対に死ぬな!」
「いいの。だってずっと辛かったんだもん。人を殺す手伝いをさせられて。しょっちゅういじめられて酷いことをされてた」
「モモ……」
モモが笑っていた。
「そいつらはね、四人兄弟なんだ。だから仲がいいの。でも私は違うから。私、ずっと一人だったから」
モモの息が荒くなる。
「ずっとね。トラちゃんに会いたかった。それだけで生きてたの。死にたかったけど、トラちゃんに会うまではって」
「おい、モモ……」
「まさか本当に会えるとはね。我慢して生きてて良かった」
「お前……」
モモは目を閉じた。
「響子ちゃん、青い花火を見つけたってね」
俺はモモの手を握った。
「良かったね。ああ、私も見たかったな」
「見せてやるよ! だから生きろ!」
「もう無理。トラちゃんに会えたからもういいよ」
「何言ってやがる!」
「トラちゃんとトラちゃんのお母さん。二人だけが優しかった。あの思い出だけで……これまで……頑張って……生きて……来た……んだ」
「モモ!」
「大好き……だ……よ……トラ……ちゃん」
「俺もだ、モモ! 死ぬなモモ!」
モモは微笑んだまま死んだ。
小山内刑事たちが三人の襲撃者を連れて行った。
俺は「人間」の範疇で斃したので、命に別状はない。
モモは毒殺されたと判断された。
モモへの暴行事件は、そうして幕を閉じた。
二日後、小山内刑事から連絡が来て、三人が毒死したことを告げられた。
体内に何らかの毒が仕込まれており、それが一定時間で流れる仕組みだったようだと。
青酸化合物の一種らしいと言われた。
遅溶性のカプセルのようなものが血管内に入れられ、徐々に溶け出す仕組みだったと。
三人とモモの脇下に埋め込んだ痕が見つかったそうだ。
斬がその後「テトラ」について調べてくれた。
「今はもう潰れているがな。北海道に子どもを集めて暗殺者にする養成所があったのじゃ」
「誰がやっていたんだ」
「北海道のヤクザじゃよ。そこに元ソ連の兵隊くずれたちが拾われて、軍事訓練や暗殺技術を教えていた」
「GRUなんかもいたのか」
「多分な。「テトラ」たちはそこで育った」
「四人兄弟だったよな」
「そうだ。四人で殺ることで名を売った。だから五人目がいることは誰にも予測できなかった」
「それがモモだったんだな」
「多分な。徹底的に隠されていたからワシにも分からん。でもお前の話を聞くと、そういうことだったんだろう」
「弱らせて標的に接近させるということか」
「そうだ。相手が硬い奴だった場合に使っていた手なんだろう。隙を狙われればな」
「テトラ」の恐らくは長女が対物ライフルの奴だった。
そいつは亜紀ちゃんが分子崩壊させて始末している。
「タカトラ、アキコちゃんがいなくなっちゃったね」
「ああ。元気になったから退院いていったよ」
「そうなんだ」
響子は寂しそうな顔をしていた。
「折角仲良くなったのになー」
「残念だな。でも、またいつか来てくれるかもしれないぞ」
「そうだね!」
響子が俺を見ている。
早く実現しろという目だ。
響子は俺に頼めば何でもしてくれると信じている。
「まあ、そのうちにな」
「うん!」
六花が響子の昼食を持って来た。
「ハンバーグだ!」
響子が喜ぶ。
「モモも好きだったんだよ」
「モモって誰?」
「ああ、俺が子どもの時に隣に住んでた子だ」
「そうなんだ」
響子がナイフでハンバーグを切る。
デミグラスソースを少し付けて口に入れた。
「おいひー!」
俺と六花で笑った。
「モモもな、青い花火が好きだったんだよ」
「え! アキコちゃんと同じだ!」
「響子も見たがってたよな。こないだ見つけた」
「うん! アキコちゃんと今度やろうって約束した」
「そうか」
響子がニンジンを端に避ける。
六花から怒られている。
「アキコちゃんね、歌が上手かったな」
「そうだったな」
「あの歌が大好きだったんだって」
「ああ、『遠き山に日は落ちて』な」
「うん! 子どもの頃にね、大好きだったお兄ちゃんが歌ってくれたんだって」
「そうなのか」
「花火をした帰りにね。手を繋いで歌ってくれたんだって」
「……」
「凄く上手くてね。だからアキコちゃんも一生懸命に練習したんだって」
「そうか。俺も聴きたかったな」
「今度来たら歌ってもらおうよ!」
「ああ、そうだな。是非そうしてもらおう」
響子が笑ってニンジンに挑戦した。
面白い顔をして呑み込む。
俺に向いて褒めろという顔をしている。
俺は頭を撫でに行った。
「タカトラ、震えてるの?」
「ああ。今日はちょっと寒いかな」
「私のベッドに入ってて! すぐに食べて温めてあげる!」
「いや、風邪だったら不味い。薬を飲んでおくよ」
「うん、はやく飲んで!」
俺は手を振って病室を出た。
そのまま屋上に上がった。
風が強い。
でも、俺は寒くなどなかった。
ただ、涙が零れた。
2
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
NPO法人マヨヒガ! ~CGモデラーって難しいんですか?~
みつまめ つぼみ
キャラ文芸
ハードワークと職業適性不一致に悩み、毎日をつらく感じている香澄(かすみ)。
彼女は帰り道、不思議な喫茶店を見つけて足を踏み入れる。
そこで出会った青年マスター晴臣(はるおみ)は、なんと『ぬらりひょん』!
彼は香澄を『マヨヒガ』へと誘い、彼女の保護を約束する。
離職した香澄は、新しいステージである『3DCGモデラー』で才能を開花させる。
香澄の手が、デジタル空間でキャラクターに命を吹き込む――。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人形の中の人の憂鬱
ジャン・幸田
キャラ文芸
等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。
【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。
【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる