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御堂家、大騒動 Ⅶ: シェンパイスキー
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俺と御堂、麗星、亜紀ちゃんの四人で座敷でまた飲んだ。
正巳さんは流石にお疲れで、柳もいろいろあり過ぎてダウンだ。
亜紀ちゃんは元気一杯だった。
麗星が奏でたメロディーを鼻歌で歌っている。
「麗星さん、お疲れじゃないですか?」
「いいえ。石神様とお話できる機会はなるべく逃したくないと」
「はぁ」
みんなでワイルドターキーを飲んでいる。
澪さんはつまみを作って、先に休んでいる。
「しかし、石神が来ると楽しいな」
御堂が笑って言った。
「お前なー」
「僕たちは普段は平和そのものなんだ。でも、石神が来るってなった途端にこれだよ」
大笑いしやがる。
「ところで麗星さん」
「はい」
「あの小さな……」
「石神様」
「はい」
「石神様がお名前を付けたのです。もうその名で呼ばなければいけません」
「そういうもの?」
「そういうものです」
怒ると怖い人なのは分かってる。
「あの、ニジンスキーたちですが」
「はい」
「今後、何かしてやる必要はありますか?」
「はい。今は夫も育児に参加すべき時代です」
「はい?」
「「羅天遠呂智」様のご負担を少しは軽減して差し上げて下さい」
「へ?」
「タカさん! おしめの交換とか!」
「おい!」
御堂が大笑いしている。
「冗談ですよ。石神様は特に何も。まあ、強いて言えば、時々会いに来られるといいでしょう。あの、わたくしの所へも」
「なんで?」
「「あやかし」というものは、格の大きさに関わりなく、一度決めたことは貫きます。こちらの気持ちや事情に構わずに」
「あ! タカさんが前に言ってた!」
「ほう、石神様はそこまで理解なさっているのですね」
麗星が突然立ち上がった。
「そうなんですよ。「クロピョン」は純粋なんだって。一つの決めたことをやってないと、あんなに長くは生きられないんだって言ってました」
「流石でございます!」
麗星が胸を叩いて叫んだ。
ちょっと咳き込んだ。
「あの、麗星さん、もしかして酔ってます?」
「何を仰いますか! わたくし、非常に感動しておりましゅので!」
酔ってるようだ。
「わたくし、まさか石神様のような素晴らしい方と知り合うことが出来るとは」
泣き出した。
御堂がまたクスクスと笑っている。
「い、石神様! 実はわたくし!」
「もう寝ろよ!」
御堂は大爆笑した。
「石神は全然変わらないね」
「よう、助けてくれよ」
「ほら、あの時もさ」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
大学二年。
弓道部の新歓コンパをした。
二年生が中心に、会場の手配やその場のアレコレをすることになっている。
俺と奈津江は一年生部員の面倒を見るのに懸命だった。
「高虎! あっちでまた〇〇先輩に捕まってる!」
「おし!」
奈津江に言われ、俺が席に行き先輩の相手をする。
その間に一年生を奈津江が逃がし、水を飲ませ休ませる。
体育会の上下関係は厳しい。
先輩の顔を立て、気持ちよく飲んでもらうのに苦労した。
それでも、飲みなれない酒を無理矢理飲まされた一年生は、どんどん潰れていく。
最後の方では別な座敷を借りて、寝かせることになった。
「高虎! あの子大変よ!」
奈津江が俺の肩を叩きながら言った。
見ると、一年生の女子がワインの一升瓶の一気飲みをしていた。
「あのバカ!」
俺は笑顔で近づき、一升瓶を取り上げて代わりに一気飲みをした。
会場が盛り上がり、ようやくコンパが終わった。
二次会は三年、四年が中心になる。
俺たち二年は潰れた一年の面倒を見ることになっていた。
一年の元気な奴はほとんどいない。
二年もダメだ。
結局三年と四年だけで楽しく飲むのだ。
10人程が辛そうだった。
手分けして家まで送り届ける。
俺と奈津江は、さっき一升瓶を飲んだ女子を送ることにした。
「ねぇ、大丈夫?」
奈津江が声を掛けると、何とか返事をする。
様子を見ながら帰さなければならない。
急性アルコール中毒は不味い。
奈津江が近くの公園でとにかく酔いを醒まそうと言った。
ベンチに座らせ、俺はジュースを買って来た。
「立石さん、ジュースを飲んで」
「ありがとう、紺野せんぱーい♪!」
「おい、大丈夫か?」
俺が声を掛けると、俺の顔をじっと見始めた。
「あー! いしがみせんぱいだー!」
「さっきからいるだろう」
「だいしゅきー」
俺に抱き着いて来た。
「ちょ、ちょっとぉー!」
奈津江が引き剥がそうとした。
しかし、非力な奈津江ではどうしようもない。
俺も女性の身体に触るのを避けて、何もしない。
「おい! 離れろ!」
「だってぇー、しゅきしゅきーなんだもーん」
「てめぇ!」
次の瞬間、俺の身体に大量に吐いた。
俺の白いシャツが真っ赤に染まった。
「タカトラー!」
奈津江が半狂乱になった。
「落ち着け! ワインだ!」
「あ!」
一年は自分が吐いたことも気付かず、俺に抱き着いたままだった。
「弱ったな。これほどだとは」
「立石さん、千葉だって」
「げぇ! そんなとこまで無理だぞ」
「どうしよう」
「奈津江はもう帰れよ。家が遠いんだから」
「絶対ダメよ! こんなのと高虎を一緒にしておけない!」
まあ、そうか。
「しぇんぱーい、わたしはいつでもいいんでしゅよー」
「「……」」」
「奈津江」
「うん」
「頼むから一緒にいてくれ」
「うん」
俺は仕方なく、近くの御堂に連絡した。
「申し訳ない! お前しか頼れないんだ」
「いいよ、来てくれよ。大変だったね」
本当にいい奴だ。
俺は奈津江と一緒に一年を抱えて御堂のマンションへ向かった。
マンションの玄関で俺は汚れたシャツを脱ぎ、一年を風呂まで運んだ。
奈津江が何とか苦労してシャワーを浴びさせた。
御堂がジャージを出してきて、奈津江に渡した。
それが終わり、俺もシャワーを借りた。
シャツは奈津江が俺から預かり、軽く手洗いしてから洗濯機で洗ってくれた。
俺がシャワーを浴びていると何度も一年の女が入ってこようとする。
御堂と奈津江が必死で止めていた。
御堂は何度も大笑いしていた。
何が面白いのか。
俺がシャワーから出ると、一年の女は俺にくっつく。
もう奈津江も俺も、放っておいた。
くっついてるだけなので、諦めた。
「石神が好きなんだねぇ」
「勘弁しろ。俺は奈津江だけだ」
「えらいぞー、高虎ー」
「紺野さん、もう寝てよ」
御堂が言った。
徹夜をしたこともない奈津江は眠そうだった。
「えー」
「大丈夫だよ。僕が石神を見張っとく」
「御堂くんが言うなら安心だ」
「おい、俺は!」
「高虎はエッチだからダメ」
「えぇー!」
御堂は笑って奈津江の布団を敷いてくれた。
一年の女もそろそろ眠りそうだった。
最後の力で俺の首に捕まっている。
「その子はなんていう名前?」
「あ、なんだっけな」
「おい、後輩だろう」
「一年。それでいいよ」
「石神」
「俺は御堂と奈津江と山中と花岡さんだけ覚えてりゃいいんだ」
「アハハハハ!」
「いしがみしぇんぱい……しゅきー」
「こいつはシェンパイスキーさんな」
「アハハハハハ!」
隣で奈津江がクスクス笑ってるのが聞こえた。
「タカトラスキー! 早く寝ろ!」
「はーい!」
俺が何度も寝てくれと言ったが、御堂は朝まで俺と一緒に起きていた。
いつもの、別に何も語らずとも、一緒にいるだけでいい俺たちの時間が流れた。
「石神、みんながお前のことを大好きになるよ」
「そんなことはねぇよ。まあ、興味もねぇな」
「アハハハハ」
それが俺たちが交わした唯一の言葉だった。
シェンパイスキーは、翌朝に正気になり、俺たちに必死に謝った。
俺たちは笑ってなんでもないと言った。
正巳さんは流石にお疲れで、柳もいろいろあり過ぎてダウンだ。
亜紀ちゃんは元気一杯だった。
麗星が奏でたメロディーを鼻歌で歌っている。
「麗星さん、お疲れじゃないですか?」
「いいえ。石神様とお話できる機会はなるべく逃したくないと」
「はぁ」
みんなでワイルドターキーを飲んでいる。
澪さんはつまみを作って、先に休んでいる。
「しかし、石神が来ると楽しいな」
御堂が笑って言った。
「お前なー」
「僕たちは普段は平和そのものなんだ。でも、石神が来るってなった途端にこれだよ」
大笑いしやがる。
「ところで麗星さん」
「はい」
「あの小さな……」
「石神様」
「はい」
「石神様がお名前を付けたのです。もうその名で呼ばなければいけません」
「そういうもの?」
「そういうものです」
怒ると怖い人なのは分かってる。
「あの、ニジンスキーたちですが」
「はい」
「今後、何かしてやる必要はありますか?」
「はい。今は夫も育児に参加すべき時代です」
「はい?」
「「羅天遠呂智」様のご負担を少しは軽減して差し上げて下さい」
「へ?」
「タカさん! おしめの交換とか!」
「おい!」
御堂が大笑いしている。
「冗談ですよ。石神様は特に何も。まあ、強いて言えば、時々会いに来られるといいでしょう。あの、わたくしの所へも」
「なんで?」
「「あやかし」というものは、格の大きさに関わりなく、一度決めたことは貫きます。こちらの気持ちや事情に構わずに」
「あ! タカさんが前に言ってた!」
「ほう、石神様はそこまで理解なさっているのですね」
麗星が突然立ち上がった。
「そうなんですよ。「クロピョン」は純粋なんだって。一つの決めたことをやってないと、あんなに長くは生きられないんだって言ってました」
「流石でございます!」
麗星が胸を叩いて叫んだ。
ちょっと咳き込んだ。
「あの、麗星さん、もしかして酔ってます?」
「何を仰いますか! わたくし、非常に感動しておりましゅので!」
酔ってるようだ。
「わたくし、まさか石神様のような素晴らしい方と知り合うことが出来るとは」
泣き出した。
御堂がまたクスクスと笑っている。
「い、石神様! 実はわたくし!」
「もう寝ろよ!」
御堂は大爆笑した。
「石神は全然変わらないね」
「よう、助けてくれよ」
「ほら、あの時もさ」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
大学二年。
弓道部の新歓コンパをした。
二年生が中心に、会場の手配やその場のアレコレをすることになっている。
俺と奈津江は一年生部員の面倒を見るのに懸命だった。
「高虎! あっちでまた〇〇先輩に捕まってる!」
「おし!」
奈津江に言われ、俺が席に行き先輩の相手をする。
その間に一年生を奈津江が逃がし、水を飲ませ休ませる。
体育会の上下関係は厳しい。
先輩の顔を立て、気持ちよく飲んでもらうのに苦労した。
それでも、飲みなれない酒を無理矢理飲まされた一年生は、どんどん潰れていく。
最後の方では別な座敷を借りて、寝かせることになった。
「高虎! あの子大変よ!」
奈津江が俺の肩を叩きながら言った。
見ると、一年生の女子がワインの一升瓶の一気飲みをしていた。
「あのバカ!」
俺は笑顔で近づき、一升瓶を取り上げて代わりに一気飲みをした。
会場が盛り上がり、ようやくコンパが終わった。
二次会は三年、四年が中心になる。
俺たち二年は潰れた一年の面倒を見ることになっていた。
一年の元気な奴はほとんどいない。
二年もダメだ。
結局三年と四年だけで楽しく飲むのだ。
10人程が辛そうだった。
手分けして家まで送り届ける。
俺と奈津江は、さっき一升瓶を飲んだ女子を送ることにした。
「ねぇ、大丈夫?」
奈津江が声を掛けると、何とか返事をする。
様子を見ながら帰さなければならない。
急性アルコール中毒は不味い。
奈津江が近くの公園でとにかく酔いを醒まそうと言った。
ベンチに座らせ、俺はジュースを買って来た。
「立石さん、ジュースを飲んで」
「ありがとう、紺野せんぱーい♪!」
「おい、大丈夫か?」
俺が声を掛けると、俺の顔をじっと見始めた。
「あー! いしがみせんぱいだー!」
「さっきからいるだろう」
「だいしゅきー」
俺に抱き着いて来た。
「ちょ、ちょっとぉー!」
奈津江が引き剥がそうとした。
しかし、非力な奈津江ではどうしようもない。
俺も女性の身体に触るのを避けて、何もしない。
「おい! 離れろ!」
「だってぇー、しゅきしゅきーなんだもーん」
「てめぇ!」
次の瞬間、俺の身体に大量に吐いた。
俺の白いシャツが真っ赤に染まった。
「タカトラー!」
奈津江が半狂乱になった。
「落ち着け! ワインだ!」
「あ!」
一年は自分が吐いたことも気付かず、俺に抱き着いたままだった。
「弱ったな。これほどだとは」
「立石さん、千葉だって」
「げぇ! そんなとこまで無理だぞ」
「どうしよう」
「奈津江はもう帰れよ。家が遠いんだから」
「絶対ダメよ! こんなのと高虎を一緒にしておけない!」
まあ、そうか。
「しぇんぱーい、わたしはいつでもいいんでしゅよー」
「「……」」」
「奈津江」
「うん」
「頼むから一緒にいてくれ」
「うん」
俺は仕方なく、近くの御堂に連絡した。
「申し訳ない! お前しか頼れないんだ」
「いいよ、来てくれよ。大変だったね」
本当にいい奴だ。
俺は奈津江と一緒に一年を抱えて御堂のマンションへ向かった。
マンションの玄関で俺は汚れたシャツを脱ぎ、一年を風呂まで運んだ。
奈津江が何とか苦労してシャワーを浴びさせた。
御堂がジャージを出してきて、奈津江に渡した。
それが終わり、俺もシャワーを借りた。
シャツは奈津江が俺から預かり、軽く手洗いしてから洗濯機で洗ってくれた。
俺がシャワーを浴びていると何度も一年の女が入ってこようとする。
御堂と奈津江が必死で止めていた。
御堂は何度も大笑いしていた。
何が面白いのか。
俺がシャワーから出ると、一年の女は俺にくっつく。
もう奈津江も俺も、放っておいた。
くっついてるだけなので、諦めた。
「石神が好きなんだねぇ」
「勘弁しろ。俺は奈津江だけだ」
「えらいぞー、高虎ー」
「紺野さん、もう寝てよ」
御堂が言った。
徹夜をしたこともない奈津江は眠そうだった。
「えー」
「大丈夫だよ。僕が石神を見張っとく」
「御堂くんが言うなら安心だ」
「おい、俺は!」
「高虎はエッチだからダメ」
「えぇー!」
御堂は笑って奈津江の布団を敷いてくれた。
一年の女もそろそろ眠りそうだった。
最後の力で俺の首に捕まっている。
「その子はなんていう名前?」
「あ、なんだっけな」
「おい、後輩だろう」
「一年。それでいいよ」
「石神」
「俺は御堂と奈津江と山中と花岡さんだけ覚えてりゃいいんだ」
「アハハハハ!」
「いしがみしぇんぱい……しゅきー」
「こいつはシェンパイスキーさんな」
「アハハハハハ!」
隣で奈津江がクスクス笑ってるのが聞こえた。
「タカトラスキー! 早く寝ろ!」
「はーい!」
俺が何度も寝てくれと言ったが、御堂は朝まで俺と一緒に起きていた。
いつもの、別に何も語らずとも、一緒にいるだけでいい俺たちの時間が流れた。
「石神、みんながお前のことを大好きになるよ」
「そんなことはねぇよ。まあ、興味もねぇな」
「アハハハハ」
それが俺たちが交わした唯一の言葉だった。
シェンパイスキーは、翌朝に正気になり、俺たちに必死に謝った。
俺たちは笑ってなんでもないと言った。
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