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虎んぷ
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顕さんの家から帰り、夕飯は一階のウッドデッキで焼肉とした。
亜紀ちゃんが顕さんの発案の中庭のウッドデッキに刺激されたためだ。
それほど広いものではないので、滅多に使わない。
大きめのバーベキュー用の炭火コンロはある。
食事を始めると、固定電話が鳴った。
「おい、誰か出ろよ」
子どもたちは肉の奪い合いに夢中だ。
「てめぇら!」
俺が怒鳴ると皇紀が走って行った。
「今喰ったら本気でぶん殴る!」
俺を恨めしそうに見ている。
焼けた肉は全部俺が喰った。
三人の目が光り出した。
なんか出そうだ。
ちょっと怖くなり、しばらくロボ用の肉を焼く。
「タカさん! 六花さんからです」
「お前ら、喰うなよ!」
言い残して電話に出た。
「おい、どうした?」
「石神先生、お食事でした?」
「ああ、今日は外で焼肉やってんだ。お前も来るか?」
「す、すぐ行きます!」
「分かってると思うが、早く来ないと無くなるぞ」
「すぐにぃ!」
用件はなんだったんだろう。
俺は無駄と知りながら、六花が来るからゆっくり喰えと言った。
やはり聞いちゃいねぇ。
ウインナーの先端だけ刃を入れて焼いた。
「ほらほら、オチンチンだぞー」
「「「「ギャハハハハ!」」」」
子どもたちがウインナーに刃を入れて焼き始めた。
ちょっとの時間稼ぎになっただろう。
下品な連中で良かった。
六花は10分で来た。
ライダースーツではなく、ジャージだ。
着替える間も惜しんだんだろう。
「こんにちは! いただきます!」
それだけ言って、鬼の饗宴に入った。
「おい、お前なんか用があったんじゃねぇのか?」
「びびがびぜんべい」
「いいよ、後でな」
「ヴぁび!」
急用ではないらしい。
オチンチンウインナーに六花が気付いた。
子どもたちに作り方を聞いて焼いた。
箸でつまんで、自分の股間に向け、俺を見る。
俺は親指を立ててやった。
嬉しそうに笑う。
下品な奴だが美しい。
バリバリと先端から喰うので、ちょっと怖かった。
子どもたちに後片付けを任せ、俺は六花とリヴィングへ行った。
俺がコーヒーを淹れてやる。
「それで何の話だったんだよ」
「はい! 年末に、タケのところへ行きませんか?」
「ああ、あの8階建てか。そうだなぁ」
「亜紀ちゃんたちも大丈夫ですよ?」
「それがなぁ。あいつらはアメリカへ行く予定なんだ」
「じゃあ石神先生も!」
「俺は残るよ。ロボもいるしな」
「それじゃ!」
「ロボも一緒でいいかな?」
「もちろんです!」
「じゃあ考えておくよ」
「お願いしますぅ」
俺は笑って分かったと言った。
本当は俺もアメリカへ行きたかった。
ロックハートはもちろんだが、ニューヨークには聖もいる。
しかし、ロボの預け先が問題だった。
「猫三昧」でもいいのだが、他のネコがどうなるか。
以前もロボに怯えていたのに、今のこいつはアレだ。
「ロボ、六花の仲間の家に一緒に行くか?」
「にゃ」
いいらしい。
亜紀ちゃんたちが上がって来た。
皿を持っている。
それらはキッチンで洗うつもりなのだ。
「亜紀ちゃん、年末は六花と「紅六花」の仲間のとこへ行くわ」
「えぇー! 私も行きたいです」
「亜紀ちゃんは皇紀たちの警護だろう」
「でもー」
「またいつでも行けるよ」
「えーん」
六花と亜紀ちゃんと三人で風呂に入り、みんなでリヴィングでロボと遊んだ。
俺がジルバを踊った。
「ロボ! 一緒に踊ろう!」
ロボが後ろ足で立ち、腰を振る。
みんなが拍手した。
六花も加わると、六花を向いて踊った。
ロボは俺を除くと六花が大好きだ。
野生同士で気が合うのだろう。
六花がロボを抱き締めてキスをしまくる。
ロボが嫌がって抜け出そうとしている。
それでも離さない。
ロボが六花の鼻に頭突きをした。
鼻血が出た。
みんなで笑った。
皇紀と双子は部屋に入り、俺たち三人で少し飲んだ。
「今年はクリスマスパーティーは無しな」
子どもたちはクリスマスに出発する。
「はい。でも響子はどうしますか?」
響子は毎年、うちでのクリスマスパーティーを楽しみにしている。
「それはなぁ」
俺は計画を話した。
「それはいいですね!」
亜紀ちゃんも賛成する。
「お前たちは来れないけどな。俺たちでちゃんとやるよ」
「プレゼントは用意しますね!」
「六花も用意しろよ!」
「私、そういうの苦手なんですぅー」
「ちゃんとやれ!」
「歌とか?」
「「絶対やめろ!」」
「紫苑はいつも聴いてくれましたよ」
「耳がちょっと不自由だったんだろう」
「ひどいですー」
「あ、悪い、冗談だよ」
つい一江に言うノリで言ってしまった。
「でも、ちゃんと残るものをやれよ」
「うーん」
「お前が前にあげたトラの縫いぐるみって、今も離さないじゃないか」
「そうですけど。最初のライオンはしまったままです」
「……」
「あ! 電動マッサージ器」
「「絶対やめろ!」」
しょうがねぇ。
俺はサンルーフのPCを立ち上げた。
「響子はいつも退屈している。ボードゲームが恐ろしく強いのは、そのせいもある」
俺はオリジナルで印刷するトランプを見せてやった。
「これでだなぁ」
説明すると、六花と亜紀ちゃんが驚いた。
「これにします!」
六花が明るく笑った。
響子が喜ぶのが嬉しいのだ。
「虎ンプですね!」
「「ギャハハハハ!」」
六花はうちに泊まり、スッキリして翌朝帰って行った。
亜紀ちゃんが顕さんの発案の中庭のウッドデッキに刺激されたためだ。
それほど広いものではないので、滅多に使わない。
大きめのバーベキュー用の炭火コンロはある。
食事を始めると、固定電話が鳴った。
「おい、誰か出ろよ」
子どもたちは肉の奪い合いに夢中だ。
「てめぇら!」
俺が怒鳴ると皇紀が走って行った。
「今喰ったら本気でぶん殴る!」
俺を恨めしそうに見ている。
焼けた肉は全部俺が喰った。
三人の目が光り出した。
なんか出そうだ。
ちょっと怖くなり、しばらくロボ用の肉を焼く。
「タカさん! 六花さんからです」
「お前ら、喰うなよ!」
言い残して電話に出た。
「おい、どうした?」
「石神先生、お食事でした?」
「ああ、今日は外で焼肉やってんだ。お前も来るか?」
「す、すぐ行きます!」
「分かってると思うが、早く来ないと無くなるぞ」
「すぐにぃ!」
用件はなんだったんだろう。
俺は無駄と知りながら、六花が来るからゆっくり喰えと言った。
やはり聞いちゃいねぇ。
ウインナーの先端だけ刃を入れて焼いた。
「ほらほら、オチンチンだぞー」
「「「「ギャハハハハ!」」」」
子どもたちがウインナーに刃を入れて焼き始めた。
ちょっとの時間稼ぎになっただろう。
下品な連中で良かった。
六花は10分で来た。
ライダースーツではなく、ジャージだ。
着替える間も惜しんだんだろう。
「こんにちは! いただきます!」
それだけ言って、鬼の饗宴に入った。
「おい、お前なんか用があったんじゃねぇのか?」
「びびがびぜんべい」
「いいよ、後でな」
「ヴぁび!」
急用ではないらしい。
オチンチンウインナーに六花が気付いた。
子どもたちに作り方を聞いて焼いた。
箸でつまんで、自分の股間に向け、俺を見る。
俺は親指を立ててやった。
嬉しそうに笑う。
下品な奴だが美しい。
バリバリと先端から喰うので、ちょっと怖かった。
子どもたちに後片付けを任せ、俺は六花とリヴィングへ行った。
俺がコーヒーを淹れてやる。
「それで何の話だったんだよ」
「はい! 年末に、タケのところへ行きませんか?」
「ああ、あの8階建てか。そうだなぁ」
「亜紀ちゃんたちも大丈夫ですよ?」
「それがなぁ。あいつらはアメリカへ行く予定なんだ」
「じゃあ石神先生も!」
「俺は残るよ。ロボもいるしな」
「それじゃ!」
「ロボも一緒でいいかな?」
「もちろんです!」
「じゃあ考えておくよ」
「お願いしますぅ」
俺は笑って分かったと言った。
本当は俺もアメリカへ行きたかった。
ロックハートはもちろんだが、ニューヨークには聖もいる。
しかし、ロボの預け先が問題だった。
「猫三昧」でもいいのだが、他のネコがどうなるか。
以前もロボに怯えていたのに、今のこいつはアレだ。
「ロボ、六花の仲間の家に一緒に行くか?」
「にゃ」
いいらしい。
亜紀ちゃんたちが上がって来た。
皿を持っている。
それらはキッチンで洗うつもりなのだ。
「亜紀ちゃん、年末は六花と「紅六花」の仲間のとこへ行くわ」
「えぇー! 私も行きたいです」
「亜紀ちゃんは皇紀たちの警護だろう」
「でもー」
「またいつでも行けるよ」
「えーん」
六花と亜紀ちゃんと三人で風呂に入り、みんなでリヴィングでロボと遊んだ。
俺がジルバを踊った。
「ロボ! 一緒に踊ろう!」
ロボが後ろ足で立ち、腰を振る。
みんなが拍手した。
六花も加わると、六花を向いて踊った。
ロボは俺を除くと六花が大好きだ。
野生同士で気が合うのだろう。
六花がロボを抱き締めてキスをしまくる。
ロボが嫌がって抜け出そうとしている。
それでも離さない。
ロボが六花の鼻に頭突きをした。
鼻血が出た。
みんなで笑った。
皇紀と双子は部屋に入り、俺たち三人で少し飲んだ。
「今年はクリスマスパーティーは無しな」
子どもたちはクリスマスに出発する。
「はい。でも響子はどうしますか?」
響子は毎年、うちでのクリスマスパーティーを楽しみにしている。
「それはなぁ」
俺は計画を話した。
「それはいいですね!」
亜紀ちゃんも賛成する。
「お前たちは来れないけどな。俺たちでちゃんとやるよ」
「プレゼントは用意しますね!」
「六花も用意しろよ!」
「私、そういうの苦手なんですぅー」
「ちゃんとやれ!」
「歌とか?」
「「絶対やめろ!」」
「紫苑はいつも聴いてくれましたよ」
「耳がちょっと不自由だったんだろう」
「ひどいですー」
「あ、悪い、冗談だよ」
つい一江に言うノリで言ってしまった。
「でも、ちゃんと残るものをやれよ」
「うーん」
「お前が前にあげたトラの縫いぐるみって、今も離さないじゃないか」
「そうですけど。最初のライオンはしまったままです」
「……」
「あ! 電動マッサージ器」
「「絶対やめろ!」」
しょうがねぇ。
俺はサンルーフのPCを立ち上げた。
「響子はいつも退屈している。ボードゲームが恐ろしく強いのは、そのせいもある」
俺はオリジナルで印刷するトランプを見せてやった。
「これでだなぁ」
説明すると、六花と亜紀ちゃんが驚いた。
「これにします!」
六花が明るく笑った。
響子が喜ぶのが嬉しいのだ。
「虎ンプですね!」
「「ギャハハハハ!」」
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