578 / 2,808
フランス外人部隊 Ⅴ
しおりを挟む
俺たちは俺の家へ集まった。
四人の子どもたち、栞、鷹、一江と大森、そして聖。
聖は途中で買った大量のハンバーガーを喜んで喰っている。
ハーもまだ痛みはあるようだが、元気だ。
ルーの方が銃弾で抉られた分、動きが鈍い。
聖以外は、全員がステーキをパクついている。
鷹がどんどん焼いている。
「そのまま聞いてくれ」
俺もステーキを喰いながら話した。
20時に決戦であることは、既に話している。
「相手は狡猾なフランス外人部隊だ。わざわざ正攻法で来るわけがない」
子どもたちはステーキを喰いながら俺を見ていた。
「敵は、「花岡」の無効がまだ完全ではないフリをしている。そのために50名ほどを捨て駒にした」
「しかし、実は完全に無効化する術を持っている。だから正面からぶつかろうとしている」
「「「「はい!」」」」
「俺たちは銃器の扱いで、俺と聖を除いて素人みたいなものだ。だから当然敵は俺たちが「花岡」で勝負に来ると考えている」
「「「「はい!」」」」
「だからな、「花岡」をぶっ放せ!」
「「「「はい!」」」」
「皇紀」
「はい!」
「「花岡」を無効化する仕組みは想像できるか?」
「はい! 考えていたんですが、多分基本は僕らと同じかと」
「周波数か」
「そうです。恐らく「闇月花」だと思います」
「蓮華の襲撃もそれだったもんな」
「はい。「花岡」の中で「花岡」防御はあの技です。中央公園で、その有効性を試していたのだろうと」
「いい読みだ」
「僕らの「周波数」は別なアプローチですから、実効性は全然違いますけどね。「闇月花」だけで防ぐのは無理です」
「じゃあ、今回のあいつらの自信はなんだと思う?」
「多分、出力の強化じゃないかと」
「なるほど」
「敵の弾の方も、同じ仕組みかと思います」
「音か」
「その通りです! タカさん、流石ですね!」
電磁波ではなく、音波の周波数を利用している。
恐らく、弾頭にそれ用の笛穴が空いているはずだ。
「皇紀! 対策を!」
「電磁波には「轟雷」で十分かと。お姉ちゃんに特大の「轟雷」を撃ってもらえば」
「弾丸は!」
「そちらは超音波の防壁を。出力を上げればいいんですが、今「闇月花」の解析も並行しています。それが判明すれば倍音なりで無効化できると思います」
「よし! 一江、警察とマスコミの動きを!」
「はい! 大使館周辺の事件はアメリカ大使館を狙ったテロリストとの発表があります。中野でルーちゃんとハーちゃんが襲われた方は、ヤクザの抗争とのことで捜査が始まっています」
「どちらも俺たちに繋がってねぇな?」
「はい! どちらもすべての遺体が回収されていますので。中野の方は相手方ですけどね」
「じゃあ、ブリーフィングだ。ああ聖!」
「おう!」
「お前は覚えなくてもいいぞ」
「おう!」
「敵は中央公園を指定してきた。恐らくは高性能爆薬をしかけている。もしくは毒物だ。放射性物質の可能性もある」
「外道だね」
栞が言った。
「その通りだ。奴らは人間がやらない手段を平然と取る。だから最初に公園ごとぶっ飛ばす」
「あ! 私にやらせて下さい!」
亜紀ちゃんが言った。
「じゃあ任せるぞ」
「どうせ後から車両で生き残った俺たちを殺しに来るつもりだ。そいつらを迎え撃つ。また武装ヘリが出てくるし、ミサイルも撃って来るだろう。亜紀ちゃんと栞に任せていいか?」
「「はい!」」
「ルーとハーの亡霊は周辺の観測員を抑えろ。なるべく殺すな」
「はい!」
「生きてるって!」
「皇紀はジャミングに専念しろ。鷹、皇紀を守ってやってくれ」
「「はい!」」
「双子が観測員を全員抑えたら、「俺たちの花岡」の使用を許可する。何か質問はあるか?」
「警察の対応はどうします?」
一江だ。
「それは向こうがやってくれる。別動隊が動くだろう。一応こっちも用意する」
「俺は?」
「聖は天才だから遊撃を頼む。またM82でいいか?」
「おう!」
俺たちは食事を終え、出発した。
新宿中央公園は、前回の破壊から修復され、広場も復元されていた。
「お前に恨みはねぇんだけどよ」
亜紀ちゃんが「轟閃花」を放とうとすると、聖が駆け出しそうになった。
亜紀ちゃんに髪を掴んで止められる。
「まだです」
バカの扱いが上手い。
「轟閃花」は中央公園をすべて消し去った。
俺たちは中へ入る。
皇紀がハマーから降ろした機器をセッティングする。
鷹は用心深く周囲に注意を向けている。
三機の攻撃ヘリ・ヴァイパーだ。
亜紀ちゃんが特大の「轟雷」を放つと、あっけなく落ちた。
装甲車が来る。
轟音が響き、装備されていたジャベリン対戦車ミサイルとブローニング重機関銃が破壊されていく。
聖だ。
相変わらず戦闘の天才だ。
俺の指示はまったく必要ない。
バカだが。
装甲車から兵士が飛び降りて向かってくる。
おかしい。
俺の中で警鐘が鳴っている。
あまりに想定内過ぎる。
あまりに簡単に撃破でき過ぎる。
ルーから通信がインカムに入った。
「タカさん、おかしいよ! とっても変な波動がある!」
「どういうことだ!」
「おかしいの! 生き物の気配なんだけど、どうも違うみたいな!」
「危険な奴なのか?」
「分かんない! でも「まとも」じゃない!」
公園では亜紀ちゃんが次々に兵士を撃破していく。
栞も抜けてくる兵士をやっている。
聖も炸裂弾で屠っている。
俺は周囲に注意を払った。
強烈な「圧」を感じた。
「全員伏せろー!」
俺たちの頭上を真っ赤な電光が薙ぎ払った。
とんでもないモノが現われた。
四人の子どもたち、栞、鷹、一江と大森、そして聖。
聖は途中で買った大量のハンバーガーを喜んで喰っている。
ハーもまだ痛みはあるようだが、元気だ。
ルーの方が銃弾で抉られた分、動きが鈍い。
聖以外は、全員がステーキをパクついている。
鷹がどんどん焼いている。
「そのまま聞いてくれ」
俺もステーキを喰いながら話した。
20時に決戦であることは、既に話している。
「相手は狡猾なフランス外人部隊だ。わざわざ正攻法で来るわけがない」
子どもたちはステーキを喰いながら俺を見ていた。
「敵は、「花岡」の無効がまだ完全ではないフリをしている。そのために50名ほどを捨て駒にした」
「しかし、実は完全に無効化する術を持っている。だから正面からぶつかろうとしている」
「「「「はい!」」」」
「俺たちは銃器の扱いで、俺と聖を除いて素人みたいなものだ。だから当然敵は俺たちが「花岡」で勝負に来ると考えている」
「「「「はい!」」」」
「だからな、「花岡」をぶっ放せ!」
「「「「はい!」」」」
「皇紀」
「はい!」
「「花岡」を無効化する仕組みは想像できるか?」
「はい! 考えていたんですが、多分基本は僕らと同じかと」
「周波数か」
「そうです。恐らく「闇月花」だと思います」
「蓮華の襲撃もそれだったもんな」
「はい。「花岡」の中で「花岡」防御はあの技です。中央公園で、その有効性を試していたのだろうと」
「いい読みだ」
「僕らの「周波数」は別なアプローチですから、実効性は全然違いますけどね。「闇月花」だけで防ぐのは無理です」
「じゃあ、今回のあいつらの自信はなんだと思う?」
「多分、出力の強化じゃないかと」
「なるほど」
「敵の弾の方も、同じ仕組みかと思います」
「音か」
「その通りです! タカさん、流石ですね!」
電磁波ではなく、音波の周波数を利用している。
恐らく、弾頭にそれ用の笛穴が空いているはずだ。
「皇紀! 対策を!」
「電磁波には「轟雷」で十分かと。お姉ちゃんに特大の「轟雷」を撃ってもらえば」
「弾丸は!」
「そちらは超音波の防壁を。出力を上げればいいんですが、今「闇月花」の解析も並行しています。それが判明すれば倍音なりで無効化できると思います」
「よし! 一江、警察とマスコミの動きを!」
「はい! 大使館周辺の事件はアメリカ大使館を狙ったテロリストとの発表があります。中野でルーちゃんとハーちゃんが襲われた方は、ヤクザの抗争とのことで捜査が始まっています」
「どちらも俺たちに繋がってねぇな?」
「はい! どちらもすべての遺体が回収されていますので。中野の方は相手方ですけどね」
「じゃあ、ブリーフィングだ。ああ聖!」
「おう!」
「お前は覚えなくてもいいぞ」
「おう!」
「敵は中央公園を指定してきた。恐らくは高性能爆薬をしかけている。もしくは毒物だ。放射性物質の可能性もある」
「外道だね」
栞が言った。
「その通りだ。奴らは人間がやらない手段を平然と取る。だから最初に公園ごとぶっ飛ばす」
「あ! 私にやらせて下さい!」
亜紀ちゃんが言った。
「じゃあ任せるぞ」
「どうせ後から車両で生き残った俺たちを殺しに来るつもりだ。そいつらを迎え撃つ。また武装ヘリが出てくるし、ミサイルも撃って来るだろう。亜紀ちゃんと栞に任せていいか?」
「「はい!」」
「ルーとハーの亡霊は周辺の観測員を抑えろ。なるべく殺すな」
「はい!」
「生きてるって!」
「皇紀はジャミングに専念しろ。鷹、皇紀を守ってやってくれ」
「「はい!」」
「双子が観測員を全員抑えたら、「俺たちの花岡」の使用を許可する。何か質問はあるか?」
「警察の対応はどうします?」
一江だ。
「それは向こうがやってくれる。別動隊が動くだろう。一応こっちも用意する」
「俺は?」
「聖は天才だから遊撃を頼む。またM82でいいか?」
「おう!」
俺たちは食事を終え、出発した。
新宿中央公園は、前回の破壊から修復され、広場も復元されていた。
「お前に恨みはねぇんだけどよ」
亜紀ちゃんが「轟閃花」を放とうとすると、聖が駆け出しそうになった。
亜紀ちゃんに髪を掴んで止められる。
「まだです」
バカの扱いが上手い。
「轟閃花」は中央公園をすべて消し去った。
俺たちは中へ入る。
皇紀がハマーから降ろした機器をセッティングする。
鷹は用心深く周囲に注意を向けている。
三機の攻撃ヘリ・ヴァイパーだ。
亜紀ちゃんが特大の「轟雷」を放つと、あっけなく落ちた。
装甲車が来る。
轟音が響き、装備されていたジャベリン対戦車ミサイルとブローニング重機関銃が破壊されていく。
聖だ。
相変わらず戦闘の天才だ。
俺の指示はまったく必要ない。
バカだが。
装甲車から兵士が飛び降りて向かってくる。
おかしい。
俺の中で警鐘が鳴っている。
あまりに想定内過ぎる。
あまりに簡単に撃破でき過ぎる。
ルーから通信がインカムに入った。
「タカさん、おかしいよ! とっても変な波動がある!」
「どういうことだ!」
「おかしいの! 生き物の気配なんだけど、どうも違うみたいな!」
「危険な奴なのか?」
「分かんない! でも「まとも」じゃない!」
公園では亜紀ちゃんが次々に兵士を撃破していく。
栞も抜けてくる兵士をやっている。
聖も炸裂弾で屠っている。
俺は周囲に注意を払った。
強烈な「圧」を感じた。
「全員伏せろー!」
俺たちの頭上を真っ赤な電光が薙ぎ払った。
とんでもないモノが現われた。
0
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
まさか、、お兄ちゃんが私の主治医なんて、、
ならくま。くん
キャラ文芸
おはこんばんにちは!どうも!私は女子中学生の泪川沙織(るいかわさおり)です!私こんなに元気そうに見えるけど実は貧血や喘息、、いっぱい持ってるんだ、、まあ私の主治医はさすがに知人だと思わなかったんだけどそしたら血のつながっていないお兄ちゃんだったんだ、、流石にちょっとこれはおかしいよね!?でもお兄ちゃんが医者なことは事実だし、、
私のおにいちゃんは↓
泪川亮(るいかわりょう)お兄ちゃん、イケメンだし高身長だしもう何もかも完璧って感じなの!お兄ちゃんとは一緒に住んでるんだけどなんでもてきぱきこなすんだよね、、そんな二人の日常をお送りします!
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
俺の幼馴染がエロ可愛すぎてヤバい。
ゆきゆめ
キャラ文芸
「お〇ん〇ん様、今日もお元気ですね♡」
俺・浅間紘(あさまひろ)の朝は幼馴染の藤咲雪(ふじさきゆき)が俺の朝〇ちしたムスコとお喋りをしているのを目撃することから始まる。
何を言っているか分からないと思うが安心してくれ。俺も全くもってわからない。
わかることと言えばただひとつ。
それは、俺の幼馴染は最高にエロ可愛いってこと。
毎日毎日、雪(ゆき)にあれやこれやと弄られまくるのは疲れるけれど、なんやかんや楽しくもあって。
そしてやっぱり思うことは、俺の幼馴染は最高にエロ可愛いということ。
これはたぶん、ツッコミ待ちで弄りたがりやの幼馴染と、そんな彼女に振り回されまくりでツッコミまくりな俺の、青春やラブがあったりなかったりもする感じの日常コメディだ。(ツッコミはえっちな言葉ではないです)
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン歯科医の日常
moa
キャラ文芸
堺 大雅(さかい たいが)28歳。
親の医院、堺歯科医院で歯科医として働いている。
イケメンで笑顔が素敵な歯科医として近所では有名。
しかし彼には裏の顔が…
歯科医のリアルな日常を超短編小説で書いてみました。
※治療の描写や痛い描写もあるので苦手な方はご遠慮頂きますようよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる