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ケポリン
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最近、響子の様子がおかしい。
何かを隠している。
しかし、それが何かが分からない。
何がどう、ということでもない。
相変わらず俺に甘え、抱き着いて来るのは今まで通りだ。
しかし、俺が風呂に入れてやろうとすると、嫌がる。
ベッドに一緒に寝転がると、俺からちょっとだけ距離を取る。
いつものようにパンツを脱がそうとすると、必死に抵抗する。
おかしい。
響子は俺にパンツを脱がされるのが好きなはずだ。
六花に聞いても、思い当たらないと言う。
何度か隠れて菓子を大量に食べていたが、そういうものでもない。
六花とくすぐりの刑にしたが、吐かない。
「いやぁー、やめてー! へへへへへぇ!」
カワイイだけだ。
最終手段だ。
「響子、俺はクビになるそうだ」
「エッ!」
「来週にはクビになって、病院には二度と来れない。院長からそう言われた」
「なんでぇ!」
「お前の悩み一つ解決できないボンクラはもういらないってさ」
「そんなことないよー!」
響子が泣き出した。
カワイイ。
「響子、元気でな」
「タカトラー! 行かないでぇー!」
「ダメだよ。お前は俺なんかに頼ってくれないだろ?」
「そんなことないよー!」
「じゃあ、悩みを聞かせてくれるか?」
「うん!」
響子が語り出した。
泣いた真っ赤な目で俺を見詰めている。
カワイイ。
「あのね」
「なんだ?」
「いや」
「おい!」
「あのね」
「なんだよ?」
「あの、出てきたの」
「何が?」
「だからね」
「うん」
「やだ」
「六花! 響子を押さえろ!」
「はい!」
「いやぁーーーーー!」
「パンツを降ろしちゃうぞ!」
「絶対やめてぇー!
「じゃあ、言え!」
「パンツはダメだよー!」
「パンツはどうでもいい!」
「だって、見られちゃうもん!」
「「?」」
散々見ている。
「毛が生えてきたのー!」
「「!」」
六花と顔を見合わせた。
六花に確認する。
「おい」
「はい」
「そうなのか?」
「いえ、気付きませんでした」
響子を抱き寄せ、優しく言った。
「響子、それは大人になってきたということだぞ?」
「やだー!」
「みんなそうなんだよ。俺だって、六花だってそうだろう?」
「やだー!」
「六花!」
「はい!」
響子は抵抗したが、俺たちに敵うわけがない。
簡単に下を脱がせた。
「おい」
「はい」
「いつも通りじゃねぇか」
「ツルツルですね」
「タカトラのばかぁー!」
カワイイ。
「なんだよ、全然生えてねぇじゃねぇか」
「ちょっと期待しましたよね」
俺は六花の頭にチョップを入れた。
「生えてるもん!」
「ねぇよ」
響子が指をさした。
「あんだ、コレ?」
ヘソから長い毛が生えてる。
一本だけ。
チョロっと。
俺と六花は大笑いした。
「タカトラのばかぁー!」
「お前、変わったところに」
「全然気付きませんでした」
響子は猛烈に怒っている。
カワイイ。
「なんで見るのよー!」
「いや、だって。お前がカワイイから」
「ばかぁ!」
「悪かったって。じゃあ抜いてやろうか?」
「え、折角生えたのに?」
「大事なのかよ?」
「うーん」
何を考えているのか。
「恥ずかしいけど、なんかカワイイ」
まあ、なんとなく分からんでもない。
「じゃあ、このままにしておくか」
「うーん」
結局、保留になった。
「よし! 俺が名前を付けてやろう」
「ほんとに!」
「命名! 《ケポリン》!」
「やったぁ!」
なんか喜んだ。
ようやく俺と一緒に風呂に入るようになり、響子はしょっちゅうケポリンを撫でるようになった。
「ケポリン、おはよう」
「ケポリン、元気ですかー」
「ケポリン、おやすみー」
仲良しだった。
風呂でも、自分でケポリンを洗う。
指先にシャンプーを付け、優しくなでなでする。
俺と六花は、笑って見ていた。
「ギャァーーーーー!」
ある朝、六花が着替えさせようとすると、響子が叫んだ。
見ると、ケポリンが下着に貼りついていた。
慌てて六花が俺の部屋に飛び込んでくる。
「ケポリンが、大変です!」
「あ?」
ケポリンは、響子の下着の上で寝ていた。
響子は大泣きだった。
「響子、お墓をつくってやろう」
「うん」
一緒に病院の敷地にケポリンを埋め、小さな石を建てた。
三人で手を合わせる。
響子がまた涙を流した。
六花が響子の肩を優しく抱いた。
俺は結構忙しいんだが?
何かを隠している。
しかし、それが何かが分からない。
何がどう、ということでもない。
相変わらず俺に甘え、抱き着いて来るのは今まで通りだ。
しかし、俺が風呂に入れてやろうとすると、嫌がる。
ベッドに一緒に寝転がると、俺からちょっとだけ距離を取る。
いつものようにパンツを脱がそうとすると、必死に抵抗する。
おかしい。
響子は俺にパンツを脱がされるのが好きなはずだ。
六花に聞いても、思い当たらないと言う。
何度か隠れて菓子を大量に食べていたが、そういうものでもない。
六花とくすぐりの刑にしたが、吐かない。
「いやぁー、やめてー! へへへへへぇ!」
カワイイだけだ。
最終手段だ。
「響子、俺はクビになるそうだ」
「エッ!」
「来週にはクビになって、病院には二度と来れない。院長からそう言われた」
「なんでぇ!」
「お前の悩み一つ解決できないボンクラはもういらないってさ」
「そんなことないよー!」
響子が泣き出した。
カワイイ。
「響子、元気でな」
「タカトラー! 行かないでぇー!」
「ダメだよ。お前は俺なんかに頼ってくれないだろ?」
「そんなことないよー!」
「じゃあ、悩みを聞かせてくれるか?」
「うん!」
響子が語り出した。
泣いた真っ赤な目で俺を見詰めている。
カワイイ。
「あのね」
「なんだ?」
「いや」
「おい!」
「あのね」
「なんだよ?」
「あの、出てきたの」
「何が?」
「だからね」
「うん」
「やだ」
「六花! 響子を押さえろ!」
「はい!」
「いやぁーーーーー!」
「パンツを降ろしちゃうぞ!」
「絶対やめてぇー!
「じゃあ、言え!」
「パンツはダメだよー!」
「パンツはどうでもいい!」
「だって、見られちゃうもん!」
「「?」」
散々見ている。
「毛が生えてきたのー!」
「「!」」
六花と顔を見合わせた。
六花に確認する。
「おい」
「はい」
「そうなのか?」
「いえ、気付きませんでした」
響子を抱き寄せ、優しく言った。
「響子、それは大人になってきたということだぞ?」
「やだー!」
「みんなそうなんだよ。俺だって、六花だってそうだろう?」
「やだー!」
「六花!」
「はい!」
響子は抵抗したが、俺たちに敵うわけがない。
簡単に下を脱がせた。
「おい」
「はい」
「いつも通りじゃねぇか」
「ツルツルですね」
「タカトラのばかぁー!」
カワイイ。
「なんだよ、全然生えてねぇじゃねぇか」
「ちょっと期待しましたよね」
俺は六花の頭にチョップを入れた。
「生えてるもん!」
「ねぇよ」
響子が指をさした。
「あんだ、コレ?」
ヘソから長い毛が生えてる。
一本だけ。
チョロっと。
俺と六花は大笑いした。
「タカトラのばかぁー!」
「お前、変わったところに」
「全然気付きませんでした」
響子は猛烈に怒っている。
カワイイ。
「なんで見るのよー!」
「いや、だって。お前がカワイイから」
「ばかぁ!」
「悪かったって。じゃあ抜いてやろうか?」
「え、折角生えたのに?」
「大事なのかよ?」
「うーん」
何を考えているのか。
「恥ずかしいけど、なんかカワイイ」
まあ、なんとなく分からんでもない。
「じゃあ、このままにしておくか」
「うーん」
結局、保留になった。
「よし! 俺が名前を付けてやろう」
「ほんとに!」
「命名! 《ケポリン》!」
「やったぁ!」
なんか喜んだ。
ようやく俺と一緒に風呂に入るようになり、響子はしょっちゅうケポリンを撫でるようになった。
「ケポリン、おはよう」
「ケポリン、元気ですかー」
「ケポリン、おやすみー」
仲良しだった。
風呂でも、自分でケポリンを洗う。
指先にシャンプーを付け、優しくなでなでする。
俺と六花は、笑って見ていた。
「ギャァーーーーー!」
ある朝、六花が着替えさせようとすると、響子が叫んだ。
見ると、ケポリンが下着に貼りついていた。
慌てて六花が俺の部屋に飛び込んでくる。
「ケポリンが、大変です!」
「あ?」
ケポリンは、響子の下着の上で寝ていた。
響子は大泣きだった。
「響子、お墓をつくってやろう」
「うん」
一緒に病院の敷地にケポリンを埋め、小さな石を建てた。
三人で手を合わせる。
響子がまた涙を流した。
六花が響子の肩を優しく抱いた。
俺は結構忙しいんだが?
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