372 / 2,840
再び、虎と龍 Ⅱ
しおりを挟む
食事が終わり、風呂に入ろうとした。
廊下に柳と亜紀ちゃんが立っている。
「どうした?」
「いえ、今日は三人で入ろうかと」
「ダメだ! なんで亜紀ちゃんは毎日俺と入りたがるんだよ!」
「だって、タカさんが大好きですから」
「斎藤誠二呼ぶぞ!」
「絶対やめてください!」
「サイトウセイジって誰?」
「まあ、それは一緒に入りながら」
亜紀ちゃんが俺を脱衣所に押し込む。
スゴイ力だ。
「あ、私も!」
柳が慌てて入って来た。
もう、どうなっても知らん。
御堂、責任はとれないからな!
俺はさっさ服を脱ぐ。
亜紀ちゃんも何の恥じらいも無く脱いで行く。
柳は戸惑っていたが、思い切りよく脱いだ。
別に興味はねぇ。
いつものように、俺の背中を亜紀ちゃんが洗う。
柳は自分で洗おうとしたが、亜紀ちゃんに止められた。
「背中流しますよ!」
「あ、うん」
俺はその間、自分で洗った。
「じゃあ、タカさん!」
亜紀ちゃんが背中を向けている。
「柳、洗ってやれよ」
「あ、はい!」
「えぇー」
亜紀ちゃんはちょっと不満そうだったが、おねがいしますと言った。
「タカさーん、髪ぃ!」
俺は苦笑しながら亜紀ちゃんの髪を洗う。
柳が見ているので、柳の髪も洗ってやった。
「オッパイと毛が生えてるとこは自分でやれ」
「「やだぁー!」」
二人に軽蔑された。
嬉しい。
三人で湯船に入る。
亜紀ちゃんは、鷹の話や他の女たちの話を柳にした。
柳は双子が話したらしい宇留間の事件などを亜紀ちゃんに聞いた。
亜紀ちゃんは一つ一つ柳に話した。
俺はのんびりと寛ぐ。
「石神さん、大変だったんですね」
「まーなー。でもなんとかなったよな」
二人はまだいろいろ質疑応答を続けていた。
「あ、柳さん! タカさんが私たちと一緒にお風呂を嫌がる理由って分かります?」
「いえ、なんでなのって言うか、恥ずかしいからでしょう」
「違うんですよ! タカさんはお風呂でオチンチンをプルプルするのが好きなんですって」
「ナニソレー!」
「今日はやってもらいます?」
「う、うん」
「さー、タカさんどうぞ!」
「やらねぇーよ!」
「じゃあ、後ろ向いてますから!」
「あのなぁー!」
二人がクスクスと笑っていた。
俺は立ち上がり、プルプルしてやった。
「キャー!」
「サイテー!」
みんなで笑った。
風呂から上がり、三人で梅酒会にする。
タコわさとカプレーゼを用意する。
カプレーゼには、たっぷりとオリーブオイルをかけた。
「石神さんって、相変わらずとんでもないですよね」
「そう言うなよ。自覚はあるけど、俺のせいじゃねぇ」
「でも、拳銃事件は自業自得だったって」
「それは言葉の綾だ! 二十年も前のことを恨んで銃弾ぶち込むなんて、正気じゃねぇ」
「だって、タカさんが片目潰して、耳も千切っちゃったんですよね?」
柳が梅酒を吹いた。
亜紀ちゃんが布巾とタオルを取って来る。
「な、なんですか、それは」
俺は笑いながら、掻い摘んで説明した。
柳は終始驚いていた。
「あの、父は知ってるんですか?」
「もちろん、俺と御堂の仲だからな」
「はぁー」
「どうだ、惚れ直したか!」
「どこがですかぁ!」
亜紀ちゃんと俺は笑った。
「そういえば、フェラーリがもう無いって」
「あ、柳さん! その話題は!」
俺の目から涙が零れた。
疲れているせいだ。
「あ、マジで!」
「だからやめてくださいって!」
俺は柳が使ったタオルで顔を拭った。
「まあ、代わりにアヴェンタドールが来たからな!」
「そうですよ、タカさん!」
亜紀ちゃんが俺の後ろに回って、肩を叩いてくれる。
「仲いいですねー」
「「うん!」」
柳も笑った。
「御堂家のみなさんもお元気か?」
「はい! 祖父母も石神さんがいらっしゃるって楽しみにしてます」
「そうか! 俺も楽しみだなぁ。御堂とも電話ではよく話すけど、やっぱり会いたいよなぁ」
「本当に父のことが好きなんですね」
「あたぼうよ!」
「アハハハ」
「あー、御堂にもアヴェンタドールを見せてぇなぁ。亜紀ちゃんたち、電車で行けよ!」
「いやですよぅー!」
「じゃあ、私と一緒に!」
柳が言う。
「だからダメですってぇー!」
柳と肩を組んで、そうするかと言う。
「タカさん、やめてください!」
「柳、東大は大丈夫そうか?」
「バッチリです!」
「お前がダメでも弟がいるしな」
「私が受かりますよ! それで来年はここに住むんです!」
「え、そうなんですか?」
「ああ、そういう約束をしたかもしれんな」
「しましたよー! 絶対に」
「じゃあ、お客さんの部屋がなくなりますね」
「柳はゴールドの部屋でいいだろう。居候だしな」
「ゴールドって誰です?」
「「犬」」
「なんですか、それぇー!」
亜紀ちゃんと笑った。
三人で、朝方まで楽しく語った。
廊下に柳と亜紀ちゃんが立っている。
「どうした?」
「いえ、今日は三人で入ろうかと」
「ダメだ! なんで亜紀ちゃんは毎日俺と入りたがるんだよ!」
「だって、タカさんが大好きですから」
「斎藤誠二呼ぶぞ!」
「絶対やめてください!」
「サイトウセイジって誰?」
「まあ、それは一緒に入りながら」
亜紀ちゃんが俺を脱衣所に押し込む。
スゴイ力だ。
「あ、私も!」
柳が慌てて入って来た。
もう、どうなっても知らん。
御堂、責任はとれないからな!
俺はさっさ服を脱ぐ。
亜紀ちゃんも何の恥じらいも無く脱いで行く。
柳は戸惑っていたが、思い切りよく脱いだ。
別に興味はねぇ。
いつものように、俺の背中を亜紀ちゃんが洗う。
柳は自分で洗おうとしたが、亜紀ちゃんに止められた。
「背中流しますよ!」
「あ、うん」
俺はその間、自分で洗った。
「じゃあ、タカさん!」
亜紀ちゃんが背中を向けている。
「柳、洗ってやれよ」
「あ、はい!」
「えぇー」
亜紀ちゃんはちょっと不満そうだったが、おねがいしますと言った。
「タカさーん、髪ぃ!」
俺は苦笑しながら亜紀ちゃんの髪を洗う。
柳が見ているので、柳の髪も洗ってやった。
「オッパイと毛が生えてるとこは自分でやれ」
「「やだぁー!」」
二人に軽蔑された。
嬉しい。
三人で湯船に入る。
亜紀ちゃんは、鷹の話や他の女たちの話を柳にした。
柳は双子が話したらしい宇留間の事件などを亜紀ちゃんに聞いた。
亜紀ちゃんは一つ一つ柳に話した。
俺はのんびりと寛ぐ。
「石神さん、大変だったんですね」
「まーなー。でもなんとかなったよな」
二人はまだいろいろ質疑応答を続けていた。
「あ、柳さん! タカさんが私たちと一緒にお風呂を嫌がる理由って分かります?」
「いえ、なんでなのって言うか、恥ずかしいからでしょう」
「違うんですよ! タカさんはお風呂でオチンチンをプルプルするのが好きなんですって」
「ナニソレー!」
「今日はやってもらいます?」
「う、うん」
「さー、タカさんどうぞ!」
「やらねぇーよ!」
「じゃあ、後ろ向いてますから!」
「あのなぁー!」
二人がクスクスと笑っていた。
俺は立ち上がり、プルプルしてやった。
「キャー!」
「サイテー!」
みんなで笑った。
風呂から上がり、三人で梅酒会にする。
タコわさとカプレーゼを用意する。
カプレーゼには、たっぷりとオリーブオイルをかけた。
「石神さんって、相変わらずとんでもないですよね」
「そう言うなよ。自覚はあるけど、俺のせいじゃねぇ」
「でも、拳銃事件は自業自得だったって」
「それは言葉の綾だ! 二十年も前のことを恨んで銃弾ぶち込むなんて、正気じゃねぇ」
「だって、タカさんが片目潰して、耳も千切っちゃったんですよね?」
柳が梅酒を吹いた。
亜紀ちゃんが布巾とタオルを取って来る。
「な、なんですか、それは」
俺は笑いながら、掻い摘んで説明した。
柳は終始驚いていた。
「あの、父は知ってるんですか?」
「もちろん、俺と御堂の仲だからな」
「はぁー」
「どうだ、惚れ直したか!」
「どこがですかぁ!」
亜紀ちゃんと俺は笑った。
「そういえば、フェラーリがもう無いって」
「あ、柳さん! その話題は!」
俺の目から涙が零れた。
疲れているせいだ。
「あ、マジで!」
「だからやめてくださいって!」
俺は柳が使ったタオルで顔を拭った。
「まあ、代わりにアヴェンタドールが来たからな!」
「そうですよ、タカさん!」
亜紀ちゃんが俺の後ろに回って、肩を叩いてくれる。
「仲いいですねー」
「「うん!」」
柳も笑った。
「御堂家のみなさんもお元気か?」
「はい! 祖父母も石神さんがいらっしゃるって楽しみにしてます」
「そうか! 俺も楽しみだなぁ。御堂とも電話ではよく話すけど、やっぱり会いたいよなぁ」
「本当に父のことが好きなんですね」
「あたぼうよ!」
「アハハハ」
「あー、御堂にもアヴェンタドールを見せてぇなぁ。亜紀ちゃんたち、電車で行けよ!」
「いやですよぅー!」
「じゃあ、私と一緒に!」
柳が言う。
「だからダメですってぇー!」
柳と肩を組んで、そうするかと言う。
「タカさん、やめてください!」
「柳、東大は大丈夫そうか?」
「バッチリです!」
「お前がダメでも弟がいるしな」
「私が受かりますよ! それで来年はここに住むんです!」
「え、そうなんですか?」
「ああ、そういう約束をしたかもしれんな」
「しましたよー! 絶対に」
「じゃあ、お客さんの部屋がなくなりますね」
「柳はゴールドの部屋でいいだろう。居候だしな」
「ゴールドって誰です?」
「「犬」」
「なんですか、それぇー!」
亜紀ちゃんと笑った。
三人で、朝方まで楽しく語った。
0
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
NPO法人マヨヒガ! ~CGモデラーって難しいんですか?~
みつまめ つぼみ
キャラ文芸
ハードワークと職業適性不一致に悩み、毎日をつらく感じている香澄(かすみ)。
彼女は帰り道、不思議な喫茶店を見つけて足を踏み入れる。
そこで出会った青年マスター晴臣(はるおみ)は、なんと『ぬらりひょん』!
彼は香澄を『マヨヒガ』へと誘い、彼女の保護を約束する。
離職した香澄は、新しいステージである『3DCGモデラー』で才能を開花させる。
香澄の手が、デジタル空間でキャラクターに命を吹き込む――。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
人形の中の人の憂鬱
ジャン・幸田
キャラ文芸
等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。
【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。
【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる