353 / 2,808
アヴェンタドール Ⅲ
しおりを挟む
日曜日の朝。
俺はドゥカティに乗るためにガレージに行った。
手前に停まっているアヴェンタドールを見て、手を振ってやり、ニヤつく。
バカと言われてもいい。
まあ、殴るが。
「シザードアって言うんだってな! ガルウィングと間違えててゴメンな。夕べマニュアルを読んで分かったよ」
俺は話しかけている。
「お前のことは一通り分かったから。これからも宜しくな!」
俺はドゥカティを出し、六花のマンションへ向かった。
時間通りに着くと、六花は既にマンション前で待っていた。
俺の姿を見つけ、遠くから手を振っている。
カワイイ奴だ。
「おはようございます! 今日はどこへ行きましょうか?」
「そうだな。すっかり乗ってやらなかったからな。また横須賀まで行ってみるか?」
「いいですね! 行きましょう!」
六花が嬉しそうに笑った。
久しぶりに、美しい笑顔を見た。
「ちょっと待て」
俺は六花のヘルメットを脱がせる。
六花は、驚いて俺の顔を見ている。
六花にキスをした。
赤くなっていた。
「なんだよ、何度もしてるだろう」
「でも」
俺は笑って、もう一度キスをした。
六花も俺に手を回し、抱きしめてきた。
「よし、行くぞ!」
「はい!」
俺たちは首都高を疾走し、湾岸線に入った。
太陽を反射した海面が美しい。
六花が指さし、俺はウイリーで応えた。
駐車場でバイクを停め、ドブ板の店に入る。
俺は事件後の自分の嫌な態度を謝った。
「そんな! 私たちが悪かったんです。本当にすみませんでした」
「いや、自分でやっておきながら、フェラーリのことで勝手に落ち込んでいた。俺は他の人間が落ち込むのを許さないくせに、誰も俺を責めないのをいいことに、いじけていた。本当に済まない」
「じゃあ、今日はハンバーガーをおごってください」
「おい、いつも俺が出してるじゃないか」
「いつもがいいんです」
そう言って、六花は笑った。
眩しい笑顔だった。
六花はよく食べた。
少し痩せたかもしれない。
俺はもっと喰えと言った。
「そういえば昨日の車」
「ああ、アヴェンタドールな!」
「それです。というか、あの車について何も伺ってないんですが」
「あ、そうだったか! あれはなぁ……」
俺は詳しく話してやった。
経緯は簡単に、車の性能は詳細に。
「随分と気に入られたんですね」
六花が笑ってそう言った。
俺はどこが気に入ったのかと、また詳細に話す。
「またベンツちゃんが寂しがってますね」
「え、お前、それはだな」
「フェラーリちゃんは泣いてると思います」
「か、勘弁してください」
痛いところを衝かれた。
「ドゥカティちゃんなんて、今自分に跨っているくせにと言っています」
「おい」
「証明してください」
「だからなぁ」
「私のこともちゃんと愛してるって、証明してください」
「車の話じゃ」
「お願いです」
「分かりました!」
俺たちはホテルに入った。
2時間で数十回も六花は逝った。
久しぶりの六花の身体は、俺も蕩けさせた。
「石神先生」
「なんだ」
「証明し過ぎです」
「そうですか」
帰りは危ないので、ゆっくりと走った。
家に戻り、もう夕方になっていた。
俺は鷹に電話をする。
事件以降、鷹のマンションには毎週泊っていた。
落ち込んだ俺を、鷹が誘ってくれた。
「鷹! 新しい車が来たんだ。ドライブに行こう」
「分かりました!」
鷹が嬉しそうな声でそう言ってくれた。
自由が丘の料亭を予約した。
アヴェンタドールを出す。
近くで電話したので、鷹はマンションの前で待っていてくれた。
「凄い車ですねぇ!」
俺は「シザードア」を開け、鷹をシートに座らせた。
シートベルトを締めてやりながら、オッパイを揉む。
「!」
「この車に乗る人間の儀式なんだ」
鷹が笑った。
俺は鷹に全部説明し、俺の落ち込みを詫びた。
「そんな、私にまで気を遣わないでください」
「いや、鷹には本当に世話になった。お前がいなかったら、もっと俺は酷いことになっていただろう」
鷹に毎週金曜日、美味い飯をご馳走になり、そのまま泊めてもらっていた。
「でも、私がずっと石神先生を独占できて楽しかったですよ」
「そうかよ」
俺は笑い、鷹の胸に触った。
「もう! 私の胸なんかじゃつまらないでしょうに」
「そんなことはない! 鷹のオッパイは最高だ!」
二人で笑った。
俺たちは京料理を楽しんだ。
料理はもちろん良かったが、ここは器も素晴らしい。
鷹をマンションまで送った。
「今日も泊まっていかれますか?」
「いや、明日は仕事だから今日は泊れないよ」
鷹が寂しそうな顔をする。
「でも、ちょっとだけ最高のオッパイを見たいな!」
「どうぞ!」
鷹が笑顔で俺の腕を引っ張る。
俺は最高の「女」を愛した。
俺はドゥカティに乗るためにガレージに行った。
手前に停まっているアヴェンタドールを見て、手を振ってやり、ニヤつく。
バカと言われてもいい。
まあ、殴るが。
「シザードアって言うんだってな! ガルウィングと間違えててゴメンな。夕べマニュアルを読んで分かったよ」
俺は話しかけている。
「お前のことは一通り分かったから。これからも宜しくな!」
俺はドゥカティを出し、六花のマンションへ向かった。
時間通りに着くと、六花は既にマンション前で待っていた。
俺の姿を見つけ、遠くから手を振っている。
カワイイ奴だ。
「おはようございます! 今日はどこへ行きましょうか?」
「そうだな。すっかり乗ってやらなかったからな。また横須賀まで行ってみるか?」
「いいですね! 行きましょう!」
六花が嬉しそうに笑った。
久しぶりに、美しい笑顔を見た。
「ちょっと待て」
俺は六花のヘルメットを脱がせる。
六花は、驚いて俺の顔を見ている。
六花にキスをした。
赤くなっていた。
「なんだよ、何度もしてるだろう」
「でも」
俺は笑って、もう一度キスをした。
六花も俺に手を回し、抱きしめてきた。
「よし、行くぞ!」
「はい!」
俺たちは首都高を疾走し、湾岸線に入った。
太陽を反射した海面が美しい。
六花が指さし、俺はウイリーで応えた。
駐車場でバイクを停め、ドブ板の店に入る。
俺は事件後の自分の嫌な態度を謝った。
「そんな! 私たちが悪かったんです。本当にすみませんでした」
「いや、自分でやっておきながら、フェラーリのことで勝手に落ち込んでいた。俺は他の人間が落ち込むのを許さないくせに、誰も俺を責めないのをいいことに、いじけていた。本当に済まない」
「じゃあ、今日はハンバーガーをおごってください」
「おい、いつも俺が出してるじゃないか」
「いつもがいいんです」
そう言って、六花は笑った。
眩しい笑顔だった。
六花はよく食べた。
少し痩せたかもしれない。
俺はもっと喰えと言った。
「そういえば昨日の車」
「ああ、アヴェンタドールな!」
「それです。というか、あの車について何も伺ってないんですが」
「あ、そうだったか! あれはなぁ……」
俺は詳しく話してやった。
経緯は簡単に、車の性能は詳細に。
「随分と気に入られたんですね」
六花が笑ってそう言った。
俺はどこが気に入ったのかと、また詳細に話す。
「またベンツちゃんが寂しがってますね」
「え、お前、それはだな」
「フェラーリちゃんは泣いてると思います」
「か、勘弁してください」
痛いところを衝かれた。
「ドゥカティちゃんなんて、今自分に跨っているくせにと言っています」
「おい」
「証明してください」
「だからなぁ」
「私のこともちゃんと愛してるって、証明してください」
「車の話じゃ」
「お願いです」
「分かりました!」
俺たちはホテルに入った。
2時間で数十回も六花は逝った。
久しぶりの六花の身体は、俺も蕩けさせた。
「石神先生」
「なんだ」
「証明し過ぎです」
「そうですか」
帰りは危ないので、ゆっくりと走った。
家に戻り、もう夕方になっていた。
俺は鷹に電話をする。
事件以降、鷹のマンションには毎週泊っていた。
落ち込んだ俺を、鷹が誘ってくれた。
「鷹! 新しい車が来たんだ。ドライブに行こう」
「分かりました!」
鷹が嬉しそうな声でそう言ってくれた。
自由が丘の料亭を予約した。
アヴェンタドールを出す。
近くで電話したので、鷹はマンションの前で待っていてくれた。
「凄い車ですねぇ!」
俺は「シザードア」を開け、鷹をシートに座らせた。
シートベルトを締めてやりながら、オッパイを揉む。
「!」
「この車に乗る人間の儀式なんだ」
鷹が笑った。
俺は鷹に全部説明し、俺の落ち込みを詫びた。
「そんな、私にまで気を遣わないでください」
「いや、鷹には本当に世話になった。お前がいなかったら、もっと俺は酷いことになっていただろう」
鷹に毎週金曜日、美味い飯をご馳走になり、そのまま泊めてもらっていた。
「でも、私がずっと石神先生を独占できて楽しかったですよ」
「そうかよ」
俺は笑い、鷹の胸に触った。
「もう! 私の胸なんかじゃつまらないでしょうに」
「そんなことはない! 鷹のオッパイは最高だ!」
二人で笑った。
俺たちは京料理を楽しんだ。
料理はもちろん良かったが、ここは器も素晴らしい。
鷹をマンションまで送った。
「今日も泊まっていかれますか?」
「いや、明日は仕事だから今日は泊れないよ」
鷹が寂しそうな顔をする。
「でも、ちょっとだけ最高のオッパイを見たいな!」
「どうぞ!」
鷹が笑顔で俺の腕を引っ張る。
俺は最高の「女」を愛した。
0
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
まさか、、お兄ちゃんが私の主治医なんて、、
ならくま。くん
キャラ文芸
おはこんばんにちは!どうも!私は女子中学生の泪川沙織(るいかわさおり)です!私こんなに元気そうに見えるけど実は貧血や喘息、、いっぱい持ってるんだ、、まあ私の主治医はさすがに知人だと思わなかったんだけどそしたら血のつながっていないお兄ちゃんだったんだ、、流石にちょっとこれはおかしいよね!?でもお兄ちゃんが医者なことは事実だし、、
私のおにいちゃんは↓
泪川亮(るいかわりょう)お兄ちゃん、イケメンだし高身長だしもう何もかも完璧って感じなの!お兄ちゃんとは一緒に住んでるんだけどなんでもてきぱきこなすんだよね、、そんな二人の日常をお送りします!
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる