266 / 2,876
双子の家出。 そんなに悪いことしてないもん。 Ⅱ
しおりを挟む
「あの、タカさん、帰って来ませんね」
亜紀ちゃんが、恐る恐る言う。
「あ? 誰が帰るんだよ」
「いえ、ルーとハーが」
「そんな奴いたっけか?」
「……」
俺から離れて、二人でコソコソ話していやがる。
気に入らねぇ。
「皇紀、私がちょっと探しに行くから、タカさんのことを頼むね」
「やめてよー! それは辛すぎるよ!」
「でも、ルーとハーを連れ戻さないと、大変なことになっちゃうじゃない」
「それはそうだけど、あのモードのタカさんは、僕には無理だよ」
「なんとかして! じゃあ、探しに行くから」
「僕も家出したいよー!」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「それは不味いことになったわねー」
亜紀ちゃんから話を聞いた栞が、腕を組んで真剣に考え込んでいた。
「あのね、亜紀ちゃん。石神くんって、普段は大らかなのよ。あんまり拘ることはないの。いつも威張ってる感じじゃない。あれって、実は大抵のことを気にしてないからなのよ」
「なるほど」
長年の付き合いの栞だからこそ、石神の性格をよく分かっている。
「他人の評価だの感情だのに興味がないからなのね。でもね、大事な人のことは、そりゃー神経質なくらいに考えてる人なのよ。いつも、その人のために何が出来るかってね。むしろ、それだけの人なの」
「はい、よく分かります」
「だから、石神くんの大切な人を傷つけるのは絶対にダメ。同じく、石神くんの「大事なもの」もそうなのね。あのリャドの絵は知ってるけど、相当大事にしてたものなのよ」
「やっぱりそうなんですか!」
「うん。値段ももの凄かったはずだけど、そりゃーもう買ったときは喜んでたわ。見るたびに「お袋の優しさを思い出す」って言ってたのよ」
「それは、ちょっと怖すぎますね」
「あれを壊しちゃったんでしょ?」
「ええ。ルーとハーは「ちょっと壊した」って言ってたんですけど、見たらもうメチャメチャでした」
「そう、それは不味いよねぇ」
「はい、今の栞さんのお話で、ゾッとしました」
本当に不味いことになった。
「うちには来てないけど、来たらすぐに知らせるね。一緒に行ってあげるからね。私も何とかするから」
「ありがとうございます。もしもの時にはお願いします」
「はぁー。本当にどうしよう」
亜紀ちゃんは深いため息をもらした。
「次は六花さんかなぁ。先に響子ちゃんのところへ行ってみるか」
「あれ? アキ! どうしたの?」
「響子ちゃん、こんにちは。実はね……」
亜紀ちゃんはまた今日の出来事を話した。
「あの双子がねぇ。タカトラの枕元の絵でしょ? リャドの『カンピン夫人』だって聞いたよ。とっても大事な絵なんだって」
「うん、それを栞さんからも聞いて。本当にどうしていいかと思ってるの」
亜紀ちゃんはずっと年下の響子にまで悩みを打ち明けた。
「あ、もうちょっとで六花も来るから、相談してみれば?」
「そうなの、はい。じゃあちょっと待たせてもらうね」
響子は亜紀ちゃんの英語の特訓だと言って、英語での会話を始めた。
最初は戸惑っていたが、そのうちにスムーズに会話できるようになり、響子が喜んだ。
響子なりの思いやりなのだと、亜紀ちゃんは感謝した。
「響子! 英語で話すな!」
「あ、六花!」
「あれ、亜紀ちゃん?」
亜紀ちゃんは再び六花に事情を説明した。
「ああ、あの絵ですか。とっても大事な絵だから、ヘンな体液を絶対に付けるなと言われてます」
「?」
「自分の所にも来てませんが、連絡があったらまず亜紀ちゃんへお知らせしますね」
「そうして下さい。タカさんは本当に怒ってますから。あんなに怒ったタカさんは初めて見ました」
「そう。でも、石神先生の大事な人を傷つけたわけではありませんから。きっと大丈夫ですよ」
「そんなことになったら、きっと大変でしょうね」
亜紀ちゃんは笑いながらそう返した。
「本当に大変でしたよ。石神先生は響子と私を護ってくれましたが、きっとあいつは死んでいます」
「え?」
亜紀ちゃんは宇留間の件の真実を知らなかった。
六花から詳しい話を聞き、涙が止まらなくなった。
「私が話して良いことか分かりませんが、亜紀ちゃんは知っておくべきだと思いました」
「はい、話して下さり、ありがとうございました」
皇紀からメールが入った。
《限界です!》
一度家に戻ろう。
暗澹とした気持ちは、少し晴れやかになっていた。
「しつこいな、このやろう!」
タカさんが怒鳴っている。
玄関にまで大きな声が響いてくる。
「なんなんだ、あいつらは! 一言も謝りもしねぇで逃げやがって! もう絶対に家には入れないからな!」
「でも、まだ小3です。なんとか許してあげて下さい」
「だーめーだー! 別にいいじゃねぇか。あいつらもう株で一生やってけるだろうよ。小学校だって出る必要は全然ねぇ」
「でも」
「うるせぇ! 今日という今日は勘弁ならねぇ! お前らだって、俺が気に食わないならいつでも出て行け! 俺は元々独りが好きなんだぁ!」
「あ、お姉ちゃん!」
「ただいま戻りました」
「おう! どこ行ってたんだ! クソ生意気な双子の姉!」
「すいません。ちょっと探したんですが、見つからなくて」
「ふざけんな! 絶対にあいつらは家には入れねぇんだから、もう探すな!」
「「……」」
「俺はもう寝る! 双子が戻っても絶対に入れるなよ!」
「分かりました」
一時間後。
栞さんが来てくれた。
「心配になって来ちゃった。どう?」
「先ほど、寝るとおっしゃって、部屋に引きこもってます」
「あちゃー。いよいよ不味いね」
「どうしたらいいでしょう」
「取り敢えずはそっとしておきましょう。そうだ! 二人とも何も食べてないでしょ? すぐに何か作ってあげる」
「いえ、私がやりますから」
「いいのいいの。二人とも座ってて。皇紀くんも大変だったよね」
「すみません、花岡さん」
その頃、双子は蓼科家でグラニー・スミスのアップルパイを食べていた。
亜紀ちゃんが、恐る恐る言う。
「あ? 誰が帰るんだよ」
「いえ、ルーとハーが」
「そんな奴いたっけか?」
「……」
俺から離れて、二人でコソコソ話していやがる。
気に入らねぇ。
「皇紀、私がちょっと探しに行くから、タカさんのことを頼むね」
「やめてよー! それは辛すぎるよ!」
「でも、ルーとハーを連れ戻さないと、大変なことになっちゃうじゃない」
「それはそうだけど、あのモードのタカさんは、僕には無理だよ」
「なんとかして! じゃあ、探しに行くから」
「僕も家出したいよー!」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「それは不味いことになったわねー」
亜紀ちゃんから話を聞いた栞が、腕を組んで真剣に考え込んでいた。
「あのね、亜紀ちゃん。石神くんって、普段は大らかなのよ。あんまり拘ることはないの。いつも威張ってる感じじゃない。あれって、実は大抵のことを気にしてないからなのよ」
「なるほど」
長年の付き合いの栞だからこそ、石神の性格をよく分かっている。
「他人の評価だの感情だのに興味がないからなのね。でもね、大事な人のことは、そりゃー神経質なくらいに考えてる人なのよ。いつも、その人のために何が出来るかってね。むしろ、それだけの人なの」
「はい、よく分かります」
「だから、石神くんの大切な人を傷つけるのは絶対にダメ。同じく、石神くんの「大事なもの」もそうなのね。あのリャドの絵は知ってるけど、相当大事にしてたものなのよ」
「やっぱりそうなんですか!」
「うん。値段ももの凄かったはずだけど、そりゃーもう買ったときは喜んでたわ。見るたびに「お袋の優しさを思い出す」って言ってたのよ」
「それは、ちょっと怖すぎますね」
「あれを壊しちゃったんでしょ?」
「ええ。ルーとハーは「ちょっと壊した」って言ってたんですけど、見たらもうメチャメチャでした」
「そう、それは不味いよねぇ」
「はい、今の栞さんのお話で、ゾッとしました」
本当に不味いことになった。
「うちには来てないけど、来たらすぐに知らせるね。一緒に行ってあげるからね。私も何とかするから」
「ありがとうございます。もしもの時にはお願いします」
「はぁー。本当にどうしよう」
亜紀ちゃんは深いため息をもらした。
「次は六花さんかなぁ。先に響子ちゃんのところへ行ってみるか」
「あれ? アキ! どうしたの?」
「響子ちゃん、こんにちは。実はね……」
亜紀ちゃんはまた今日の出来事を話した。
「あの双子がねぇ。タカトラの枕元の絵でしょ? リャドの『カンピン夫人』だって聞いたよ。とっても大事な絵なんだって」
「うん、それを栞さんからも聞いて。本当にどうしていいかと思ってるの」
亜紀ちゃんはずっと年下の響子にまで悩みを打ち明けた。
「あ、もうちょっとで六花も来るから、相談してみれば?」
「そうなの、はい。じゃあちょっと待たせてもらうね」
響子は亜紀ちゃんの英語の特訓だと言って、英語での会話を始めた。
最初は戸惑っていたが、そのうちにスムーズに会話できるようになり、響子が喜んだ。
響子なりの思いやりなのだと、亜紀ちゃんは感謝した。
「響子! 英語で話すな!」
「あ、六花!」
「あれ、亜紀ちゃん?」
亜紀ちゃんは再び六花に事情を説明した。
「ああ、あの絵ですか。とっても大事な絵だから、ヘンな体液を絶対に付けるなと言われてます」
「?」
「自分の所にも来てませんが、連絡があったらまず亜紀ちゃんへお知らせしますね」
「そうして下さい。タカさんは本当に怒ってますから。あんなに怒ったタカさんは初めて見ました」
「そう。でも、石神先生の大事な人を傷つけたわけではありませんから。きっと大丈夫ですよ」
「そんなことになったら、きっと大変でしょうね」
亜紀ちゃんは笑いながらそう返した。
「本当に大変でしたよ。石神先生は響子と私を護ってくれましたが、きっとあいつは死んでいます」
「え?」
亜紀ちゃんは宇留間の件の真実を知らなかった。
六花から詳しい話を聞き、涙が止まらなくなった。
「私が話して良いことか分かりませんが、亜紀ちゃんは知っておくべきだと思いました」
「はい、話して下さり、ありがとうございました」
皇紀からメールが入った。
《限界です!》
一度家に戻ろう。
暗澹とした気持ちは、少し晴れやかになっていた。
「しつこいな、このやろう!」
タカさんが怒鳴っている。
玄関にまで大きな声が響いてくる。
「なんなんだ、あいつらは! 一言も謝りもしねぇで逃げやがって! もう絶対に家には入れないからな!」
「でも、まだ小3です。なんとか許してあげて下さい」
「だーめーだー! 別にいいじゃねぇか。あいつらもう株で一生やってけるだろうよ。小学校だって出る必要は全然ねぇ」
「でも」
「うるせぇ! 今日という今日は勘弁ならねぇ! お前らだって、俺が気に食わないならいつでも出て行け! 俺は元々独りが好きなんだぁ!」
「あ、お姉ちゃん!」
「ただいま戻りました」
「おう! どこ行ってたんだ! クソ生意気な双子の姉!」
「すいません。ちょっと探したんですが、見つからなくて」
「ふざけんな! 絶対にあいつらは家には入れねぇんだから、もう探すな!」
「「……」」
「俺はもう寝る! 双子が戻っても絶対に入れるなよ!」
「分かりました」
一時間後。
栞さんが来てくれた。
「心配になって来ちゃった。どう?」
「先ほど、寝るとおっしゃって、部屋に引きこもってます」
「あちゃー。いよいよ不味いね」
「どうしたらいいでしょう」
「取り敢えずはそっとしておきましょう。そうだ! 二人とも何も食べてないでしょ? すぐに何か作ってあげる」
「いえ、私がやりますから」
「いいのいいの。二人とも座ってて。皇紀くんも大変だったよね」
「すみません、花岡さん」
その頃、双子は蓼科家でグラニー・スミスのアップルパイを食べていた。
0
お気に入りに追加
231
あなたにおすすめの小説
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
戦いに行ったはずの騎士様は、女騎士を連れて帰ってきました。
新野乃花(大舟)
恋愛
健気にカサルの帰りを待ち続けていた、彼の婚約者のルミア。しかし帰還の日にカサルの隣にいたのは、同じ騎士であるミーナだった。親し気な様子をアピールしてくるミーナに加え、カサルもまた満更でもないような様子を見せ、ついにカサルはルミアに婚約破棄を告げてしまう。これで騎士としての真実の愛を手にすることができたと豪語するカサルであったものの、彼はその後すぐにあるきっかけから今夜破棄を大きく後悔することとなり…。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる