3 / 36
新入生オリエンテーション
3.苦しみを明かせない
しおりを挟む
それから高校に入学して、一週間が経った。あの日から菅谷くんとはまだ話せていない。今日も私は家の玄関で重い足に靴をはめ込んでいた。
「行ってきます」
「奈々花、大丈夫?友達は出来た?」
「うーん、多分作らないかな?迷惑かけちゃうし」
お母さんにそう言いながら、自分の言葉に泣きそうになった。
「そんなことないわ。奈々花は優しいし、それに……」
「ううん、絶対にこれ以上他の人を巻き込みたくないの」
「そう……」
「お母さん、ごめんね。行ってきます」
両親に謝らない日はなかった。高校の門をくぐって教室の入っても、明るい教室と自分は真逆で。
「おはよー!」
「おはよ!今日、英語小テストあるらしいよ」
「まじ!?早くない!?」
教室に元気の声が行き交う朝。私は今日も一人で息を殺している。
「川崎さんもおはよう!」
「お、おはよう」
私の俯いたままでの小さな声の挨拶に、クラスメイトは「話しかけない方が良かったかな」と少しだけ申し訳なさそうに去っていく。
その申し訳なさそうなクラスメイトに、私は心の中で謝った。
折角、声をかけてくれたのにごめんなさい。
それでも、私は人よりもずっと話しかけてもらえたことが嬉しくて堪らないのだ。だからこそ近づけない。「友達」など作れば、その子に異常に執着してしまう可能性がある。それだけは絶対に避けたかった。
そして、友達一人作れない私は、さらに寂しさに苛《さいな》まれる。私は、急いでスクールバッグの中に手を突っ込んだ。スクールバックの中には、スクールバッグの三分の一を占めるほどの大きさの可愛らしい女の子のキャラクターのぬいぐるみ。私は急いで、ぬいぐるみと手を繋ぐ。
大丈夫、寂しくない。寂しくないから。
そう心の中で言い聞かせて、この感情が少しでも過ぎ去るのを願うのだ。今日も子供のようにぬいぐるみと手を繋ぎながら。
この病を発症して二年で、私が模索して見つけた方法は二つ。
まず小さなぬいぐるみをバッグに入れておいて、お母さんと手を繋いでいるイメージをしながら手を繋ぐ。
もう一つは「寂しくない。大丈夫」と心の中で唱えることだった。なんとか誤魔化しながら毎日を過ごしても、自分が成長している感覚はなかった。
その時、教室が急に騒がしくなる。
「あ!菅谷、おはよう!相変わらず来るのおせーよ!」
「悪ぃ。寝坊した!」
教室に登校した菅谷くんに数人の男子生徒が集まって話しかけに行っている。
入学して一週間。菅谷くんが人気者であることは、クラスメイトの誰もが分かっていた。
「菅谷、数学の宿題終わってる?」
「あ、やべ。終わってない!誰か見してくれね?お礼にこのお菓子やるから!」
「食べかけじゃねーか!」
明るくて、ノリが良くて、まさに人気者。彼の周りには、いつも人が絶えない。それでも、入学式の菅谷くんの苦しそうな顔が私は忘れられなかった。
その時、担任の川北先生が教室に入ってくる。
「ホームルーム始めるぞー」
クラスメイトが次々に自分の席に座り始める。また今日の朝も私は菅谷くんに声をかけることが出来なかった。
「まず、二週間後の校外オリエンテーションのプリントを今日配るから必ず確認することー」
川北先生が列ごとにプリントを配っていく。配られたプリントには「新入生オリエンテーション」と大きな文字で書かれている。
新入生オリエンテーションは一泊二日。担任の川北先生には事前に私の病気のことは伝えてある。休むことも可能だろうし、元々そのつもりだった。
でも……その時、何故か菅谷くんの席に目を向けてしまった。菅谷くんは楽しそうに友達とプリントを見ながら話している。
大丈夫だろうか。私なんかが心配してもどうにもならないことは分かっている。それでも、菅谷くんをこのまま放っておくことはしたくなかった。
うん、次の休み時間は絶対に菅谷くんに声をかけよう。
そう決意した後の一時間目はどこか集中出来なくて、いつもより終わるのが長く感じた。
キーンコーンカーンコーン。
「あの……!菅谷くん!」
「川崎さん、どうしたの?」
一時間目が終わってすぐに私は菅谷くんの机に駆け寄った。
「ちょっと話があって……教室じゃなくて、別の場所で……」
震えた声でなんとかそう絞り出した私の声に反応したのは、菅谷くんではなくてクラスの男子だった。
「え、なになに!?川崎さんと菅谷ってそういう関係!?」
「いや、告白だろ!」
よくある高校生のノリだけど、言われる側は決して気分の良いノリではなくて。私は「ちがうっ……」と否定しようとしたのに、声が上手く出ない。そんな俯くだけの私とは違って、菅谷くんは簡単にそんな男子のノリを壊した。
「そんなんじゃねーから!はい、解散」
そう言って、私に教室の外に出るように目配せをしてくれる。私は教室の外へ逃げるように出ていく。
少しだけ遅れて、菅谷くんが教室の外に出てきた。
「ごめんね、川崎さん。それで何かあった?」
「あの、入学式の時のことなんだけど……」
「ああ、もう体調は治ったから大丈夫だよ」
菅谷くんはあの時と同じ笑顔を私に見せた。いや、あの時と同じ笑顔で「誤魔化した」
それは触れないで欲しいということだ。菅谷くんはきっとどれだけ辛くても放っておいて欲しいと遠回しに言っている。
「川崎さんは体調はもう大丈夫?」
「うん」
「良かった。新入生オリエンテーションもあるから心配してたんだよね」
「あ……私はオリエンテーションは……」
「ん?」
菅谷くんの言葉でオリエンテーションを休むことがどれだけ不自然かが分かった。理由を明かさないならなおさら。
「そうだね、オリエンテーション楽しまないと」
「おう!」
同じ「寂しい」という感情に悩まされている菅谷くんはオリエンテーションに頑張って参加するというのに、私は参加もせずに、そしてクラスメイトに理由すら誤魔化そうとしている。
それでも、病気のことは明かしたくない。
「菅谷くん、何かあったらいつでも言ってね」
「……ありがと。川崎さんも」
入学式という輝かしい門出に小さくうずくまっていた生徒二人。私達はどんな高校生活を送っていくのだろう。
その日の夜、私は両親に呼び止められた。
「奈々花、新入生オリエンテーションのことだけど、休むならそろそろ先生に連絡しないと……」
「……明日まで考えてもいい?」
「え?」
両親はきっと私が休むと言うと思っていたのだろう。
「いいけれど……大丈夫なの?」
「うん、ちょっとだけ考えたくて……」
菅谷くんを一人にして置けないとかそんな優しい気持ちじゃなくて、きっとこれは少しの「不安」だ。同じ苦しみを持っているかもしれない菅谷くんが頑張っているのに、私だけ逃げることへの不安。
「本当、私ってどこまでも自分本位だな……」
「奈々花?」
「ごめんね、お母さん」
私はお母さんに謝ってから、自分の部屋に戻る。ベッドには大きなくまのぬいぐるみが置かれている。私はそっとぬいぐるみと手を繋いだ。
当たり前だけれど、ぬいぐるみは手を握り返してはくれなくて。
私はポツポツと呟くようにぬいぐるみに話しかけた。
「知ってる?人間って寂しくても死なないんだよ。こんなに辛いのに」
当たり前だけれど返事もなくて。
「このまま死ねたらいいのに」
最低な言葉を吐いても、誰にも聞かれなければ怒られない。最低な自分の言葉が耳にこだまして聞こえた気がした。
「行ってきます」
「奈々花、大丈夫?友達は出来た?」
「うーん、多分作らないかな?迷惑かけちゃうし」
お母さんにそう言いながら、自分の言葉に泣きそうになった。
「そんなことないわ。奈々花は優しいし、それに……」
「ううん、絶対にこれ以上他の人を巻き込みたくないの」
「そう……」
「お母さん、ごめんね。行ってきます」
両親に謝らない日はなかった。高校の門をくぐって教室の入っても、明るい教室と自分は真逆で。
「おはよー!」
「おはよ!今日、英語小テストあるらしいよ」
「まじ!?早くない!?」
教室に元気の声が行き交う朝。私は今日も一人で息を殺している。
「川崎さんもおはよう!」
「お、おはよう」
私の俯いたままでの小さな声の挨拶に、クラスメイトは「話しかけない方が良かったかな」と少しだけ申し訳なさそうに去っていく。
その申し訳なさそうなクラスメイトに、私は心の中で謝った。
折角、声をかけてくれたのにごめんなさい。
それでも、私は人よりもずっと話しかけてもらえたことが嬉しくて堪らないのだ。だからこそ近づけない。「友達」など作れば、その子に異常に執着してしまう可能性がある。それだけは絶対に避けたかった。
そして、友達一人作れない私は、さらに寂しさに苛《さいな》まれる。私は、急いでスクールバッグの中に手を突っ込んだ。スクールバックの中には、スクールバッグの三分の一を占めるほどの大きさの可愛らしい女の子のキャラクターのぬいぐるみ。私は急いで、ぬいぐるみと手を繋ぐ。
大丈夫、寂しくない。寂しくないから。
そう心の中で言い聞かせて、この感情が少しでも過ぎ去るのを願うのだ。今日も子供のようにぬいぐるみと手を繋ぎながら。
この病を発症して二年で、私が模索して見つけた方法は二つ。
まず小さなぬいぐるみをバッグに入れておいて、お母さんと手を繋いでいるイメージをしながら手を繋ぐ。
もう一つは「寂しくない。大丈夫」と心の中で唱えることだった。なんとか誤魔化しながら毎日を過ごしても、自分が成長している感覚はなかった。
その時、教室が急に騒がしくなる。
「あ!菅谷、おはよう!相変わらず来るのおせーよ!」
「悪ぃ。寝坊した!」
教室に登校した菅谷くんに数人の男子生徒が集まって話しかけに行っている。
入学して一週間。菅谷くんが人気者であることは、クラスメイトの誰もが分かっていた。
「菅谷、数学の宿題終わってる?」
「あ、やべ。終わってない!誰か見してくれね?お礼にこのお菓子やるから!」
「食べかけじゃねーか!」
明るくて、ノリが良くて、まさに人気者。彼の周りには、いつも人が絶えない。それでも、入学式の菅谷くんの苦しそうな顔が私は忘れられなかった。
その時、担任の川北先生が教室に入ってくる。
「ホームルーム始めるぞー」
クラスメイトが次々に自分の席に座り始める。また今日の朝も私は菅谷くんに声をかけることが出来なかった。
「まず、二週間後の校外オリエンテーションのプリントを今日配るから必ず確認することー」
川北先生が列ごとにプリントを配っていく。配られたプリントには「新入生オリエンテーション」と大きな文字で書かれている。
新入生オリエンテーションは一泊二日。担任の川北先生には事前に私の病気のことは伝えてある。休むことも可能だろうし、元々そのつもりだった。
でも……その時、何故か菅谷くんの席に目を向けてしまった。菅谷くんは楽しそうに友達とプリントを見ながら話している。
大丈夫だろうか。私なんかが心配してもどうにもならないことは分かっている。それでも、菅谷くんをこのまま放っておくことはしたくなかった。
うん、次の休み時間は絶対に菅谷くんに声をかけよう。
そう決意した後の一時間目はどこか集中出来なくて、いつもより終わるのが長く感じた。
キーンコーンカーンコーン。
「あの……!菅谷くん!」
「川崎さん、どうしたの?」
一時間目が終わってすぐに私は菅谷くんの机に駆け寄った。
「ちょっと話があって……教室じゃなくて、別の場所で……」
震えた声でなんとかそう絞り出した私の声に反応したのは、菅谷くんではなくてクラスの男子だった。
「え、なになに!?川崎さんと菅谷ってそういう関係!?」
「いや、告白だろ!」
よくある高校生のノリだけど、言われる側は決して気分の良いノリではなくて。私は「ちがうっ……」と否定しようとしたのに、声が上手く出ない。そんな俯くだけの私とは違って、菅谷くんは簡単にそんな男子のノリを壊した。
「そんなんじゃねーから!はい、解散」
そう言って、私に教室の外に出るように目配せをしてくれる。私は教室の外へ逃げるように出ていく。
少しだけ遅れて、菅谷くんが教室の外に出てきた。
「ごめんね、川崎さん。それで何かあった?」
「あの、入学式の時のことなんだけど……」
「ああ、もう体調は治ったから大丈夫だよ」
菅谷くんはあの時と同じ笑顔を私に見せた。いや、あの時と同じ笑顔で「誤魔化した」
それは触れないで欲しいということだ。菅谷くんはきっとどれだけ辛くても放っておいて欲しいと遠回しに言っている。
「川崎さんは体調はもう大丈夫?」
「うん」
「良かった。新入生オリエンテーションもあるから心配してたんだよね」
「あ……私はオリエンテーションは……」
「ん?」
菅谷くんの言葉でオリエンテーションを休むことがどれだけ不自然かが分かった。理由を明かさないならなおさら。
「そうだね、オリエンテーション楽しまないと」
「おう!」
同じ「寂しい」という感情に悩まされている菅谷くんはオリエンテーションに頑張って参加するというのに、私は参加もせずに、そしてクラスメイトに理由すら誤魔化そうとしている。
それでも、病気のことは明かしたくない。
「菅谷くん、何かあったらいつでも言ってね」
「……ありがと。川崎さんも」
入学式という輝かしい門出に小さくうずくまっていた生徒二人。私達はどんな高校生活を送っていくのだろう。
その日の夜、私は両親に呼び止められた。
「奈々花、新入生オリエンテーションのことだけど、休むならそろそろ先生に連絡しないと……」
「……明日まで考えてもいい?」
「え?」
両親はきっと私が休むと言うと思っていたのだろう。
「いいけれど……大丈夫なの?」
「うん、ちょっとだけ考えたくて……」
菅谷くんを一人にして置けないとかそんな優しい気持ちじゃなくて、きっとこれは少しの「不安」だ。同じ苦しみを持っているかもしれない菅谷くんが頑張っているのに、私だけ逃げることへの不安。
「本当、私ってどこまでも自分本位だな……」
「奈々花?」
「ごめんね、お母さん」
私はお母さんに謝ってから、自分の部屋に戻る。ベッドには大きなくまのぬいぐるみが置かれている。私はそっとぬいぐるみと手を繋いだ。
当たり前だけれど、ぬいぐるみは手を握り返してはくれなくて。
私はポツポツと呟くようにぬいぐるみに話しかけた。
「知ってる?人間って寂しくても死なないんだよ。こんなに辛いのに」
当たり前だけれど返事もなくて。
「このまま死ねたらいいのに」
最低な言葉を吐いても、誰にも聞かれなければ怒られない。最低な自分の言葉が耳にこだまして聞こえた気がした。
2
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
「南風の頃に」~ノダケンとその仲間達~
kitamitio
青春
合格するはずのなかった札幌の超難関高に入学してしまった野球少年の野田賢治は、野球部員たちの執拗な勧誘を逃れ陸上部に入部する。北海道の海沿いの田舎町で育った彼は仲間たちの優秀さに引け目を感じる生活を送っていたが、長年続けて来た野球との違いに戸惑いながらも陸上競技にのめりこんでいく。「自主自律」を校訓とする私服の学校に敢えて詰襟の学生服を着ていくことで自分自身の存在を主張しようとしていた野田賢治。それでも新しい仲間が広がっていく中で少しずつ変わっていくものがあった。そして、隠していた野田賢治自身の過去について少しずつ知らされていく……。
されど服飾師の夢を見る
雪華
青春
第6回ライト文芸大賞 奨励賞ありがとうございました!
――怖いと思ってしまった。自分がどの程度で、才能があるのかないのか、実力が試されることも、他人から評価されることも――
高校二年生の啓介には密かな夢があった。
「服飾デザイナーになりたい」
しかしそれはあまりにも高望みで無謀なことのように思え、挑戦する前から諦めていた。
それでも思いが断ち切れず、「少し見るだけ」のつもりで訪れた国内最高峰の服飾大学オープンカレッジ。
ひょんなことから、学園コンテストでショーモデルを務めることになった。
そこで目にしたのは、臆病で慎重で大胆で負けず嫌いな生徒たちが、己の才能を駆使してステージ上で競い合う姿。
それでもここは、まだ井戸の中だと先輩は言う――――
正解も不正解の判断も自分だけが頼りの世界。
才能のある者達が更に努力を積み重ねてしのぎを削る大きな海へ、船を出す事は出来るのだろうか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
Hand in Hand - 二人で進むフィギュアスケート青春小説
宮 都
青春
幼なじみへの気持ちの変化を自覚できずにいた中2の夏。ライバルとの出会いが、少年を未知のスポーツへと向わせた。
美少女と手に手をとって進むその競技の名は、アイスダンス!!
【2022/6/11完結】
その日僕たちの教室は、朝から転校生が来るという噂に落ち着きをなくしていた。帰国子女らしいという情報も入り、誰もがますます転校生への期待を募らせていた。
そんな中でただ一人、果歩(かほ)だけは違っていた。
「制覇、今日は五時からだから。来てね」
隣の席に座る彼女は大きな瞳を輝かせて、にっこりこちらを覗きこんだ。
担任が一人の生徒とともに教室に入ってきた。みんなの目が一斉にそちらに向かった。それでも果歩だけはずっと僕の方を見ていた。
◇
こんな二人の居場所に現れたアメリカ帰りの転校生。少年はアイスダンスをするという彼に強い焦りを感じ、彼と同じ道に飛び込んでいく……
――小説家になろう、カクヨム(別タイトル)にも掲載――
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ヤマネ姫の幸福論
ふくろう
青春
秋の長野行き中央本線、特急あずさの座席に座る一組の男女。
一見、恋人同士に見えるが、これが最初で最後の二人の旅行になるかもしれない。
彼らは霧ヶ峰高原に、「森の妖精」と呼ばれる小動物の棲み家を訪ね、夢のように楽しい二日間を過ごす。
しかし、運命の時は、刻一刻と迫っていた。
主人公達の恋の行方、霧ヶ峰の生き物のお話に添えて、世界中で愛されてきた好編「幸福論」を交え、お読みいただける方に、少しでも清々しく、優しい気持ちになっていただけますよう、精一杯、書いてます!
どうぞ、よろしくお願いいたします!
クルーエル・ワールドの軌跡
木風 麦
青春
とある女子生徒と出会ったことによって、偶然か必然か、開かなかった記憶の扉が、身近な人物たちによって開けられていく。
人間の情が絡み合う、複雑で悲しい因縁を紐解いていく。記憶を閉じ込めた者と、記憶を糧に生きた者が織り成す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる