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君に笑顔でいて欲しいだけだ

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翌日の朝、私はノア様を昼食にお誘いした。

「セレアの誘いを私が断るはずがないよ。昼休みを楽しみにしている」

その時のノア様の笑顔を信じようと思ったのだ。

昼休み、ノア様と約束したテラスに向かうと何故かノア様とリア・セルナードが談笑していた。

「ノア様・・・」

貴方を信じたいのに、何故そのような優しい微笑みをリア様に向けるのですか?

その時、誰かが私の目を手で覆った。

「セレア、あんなものは見るな」

「アレン・・・」

「そんなに悲しい顔で殿下を愛するなら、俺と一緒にいればいい」

「ねぇ、アレン。本当はもう一度殿下を信じようと思ったの。私は間違っていたのかしら・・・?」

自分の声が段々と潤んでいくのを感じる。


「セレア、俺は絶対にセレアを不安にさせない」


「アレン、前に私のことを馬鹿だと言ったわよね。アレンは殿下とリア様の噂の真実を知っているの?」

「セレア、俺はずるいやつなんだ。セレアだって知っているだろう?今、セレアが弱ってる時がチャンスなんだ・・・って言うつもりだったんだけどな」


アレンが悲しそうに笑った。

「俺はどうもセレアの笑顔が好きらしい。好きな女が泣きそうなのに、そのままでいられない。なぁセレア、もう一度殿下と話合えよ」

そう言って、アレンが私の頭をくしゃくしゃと撫でた。


「それでも、駄目だったら俺も遠慮しない。セレア、どうか幸せになってくれ」


アレンが殿下のいるテラスの方へ、私の背中を押した。


「もう殿下に泣かされるんじゃないぞ」


アレンの優しさに触れて、もう一度頑張ろうと思えた。
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