15 / 24
SIDE:VIK《サイド:ヴィーク》
しおりを挟む
SIDE:VIK《サイド:ヴィーク》
ティアナ・フィオールが我がアルレイド家を訪れることを知った時、意図が分からなかった。
我がアルレイド家に害をなそうとしている可能性があると思い、能力を使うことは決めていた。
また、フィオール公爵家との繋がりが欲しいのも事実であった。
私の能力は、「触れた相手の言葉を30分遡《さかのぼ》って見る」こと・・・・と、ティアナ嬢には述べた。
しかし、実際は「触れた相手の言葉を【無期限】に遡れるが、見れる言葉は【選べない】」のだ。
つまり、「触れた相手が今まで発《はっ》した言葉がランダムで表示される」。
そして、ティアナ嬢に能力を使った時に見えた言葉は2つ。
「婚約破棄された後にフィオール家を出たいなど、どうやって伝えれば良いの・・・」《before30minutes》
「ロイド様、今回も愛しては下さらないのですね」《before--------:表示不可能》
フィオール家の者は代々時を司る能力を持つことは知っていた。
そのことから、ティアナ嬢の秘密はすぐに分かった。
ティアナ嬢はタイムリープをしている。
そして、前の人生でロイド殿下に婚約破棄されたのだ。
「面白い」と、思ったのが正直な感想だった。
婚約記念パーティーでティアナ嬢は、完璧なロイド殿下の婚約者に見えた。
しかし、どこか苦しそうなティアナ嬢の微笑みに興味を持った。
ティアナ嬢が何度タイプリープをしたのか、これからもタイムリープ出来るのか、そんな詳しいことは一つも分からない。
それでも、こんなに興味深い人間を簡単に手放すつもりはない。
私はもっとティアナ嬢を知りたいと思ってしまったのだから。
ティアナ・フィオールが我がアルレイド家を訪れることを知った時、意図が分からなかった。
我がアルレイド家に害をなそうとしている可能性があると思い、能力を使うことは決めていた。
また、フィオール公爵家との繋がりが欲しいのも事実であった。
私の能力は、「触れた相手の言葉を30分遡《さかのぼ》って見る」こと・・・・と、ティアナ嬢には述べた。
しかし、実際は「触れた相手の言葉を【無期限】に遡れるが、見れる言葉は【選べない】」のだ。
つまり、「触れた相手が今まで発《はっ》した言葉がランダムで表示される」。
そして、ティアナ嬢に能力を使った時に見えた言葉は2つ。
「婚約破棄された後にフィオール家を出たいなど、どうやって伝えれば良いの・・・」《before30minutes》
「ロイド様、今回も愛しては下さらないのですね」《before--------:表示不可能》
フィオール家の者は代々時を司る能力を持つことは知っていた。
そのことから、ティアナ嬢の秘密はすぐに分かった。
ティアナ嬢はタイムリープをしている。
そして、前の人生でロイド殿下に婚約破棄されたのだ。
「面白い」と、思ったのが正直な感想だった。
婚約記念パーティーでティアナ嬢は、完璧なロイド殿下の婚約者に見えた。
しかし、どこか苦しそうなティアナ嬢の微笑みに興味を持った。
ティアナ嬢が何度タイプリープをしたのか、これからもタイムリープ出来るのか、そんな詳しいことは一つも分からない。
それでも、こんなに興味深い人間を簡単に手放すつもりはない。
私はもっとティアナ嬢を知りたいと思ってしまったのだから。
462
お気に入りに追加
1,297
あなたにおすすめの小説

婚約者が他の令嬢に微笑む時、私は惚れ薬を使った
葵 すみれ
恋愛
ポリーヌはある日、婚約者が見知らぬ令嬢と二人きりでいるところを見てしまう。
しかも、彼は見たことがないような微笑みを令嬢に向けていた。
いつも自分には冷たい彼の柔らかい態度に、ポリーヌは愕然とする。
そして、親が決めた婚約ではあったが、いつの間にか彼に恋心を抱いていたことに気づく。
落ち込むポリーヌに、妹がこれを使えと惚れ薬を渡してきた。
迷ったあげく、婚約者に惚れ薬を使うと、彼の態度は一転して溺愛してくるように。
偽りの愛とは知りながらも、ポリーヌは幸福に酔う。
しかし幸せの狭間で、惚れ薬で彼の心を縛っているのだと罪悪感を抱くポリーヌ。
悩んだ末に、惚れ薬の効果を打ち消す薬をもらうことを決意するが……。
※小説家になろうにも掲載しています

突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。
橘ハルシ
恋愛
ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!
リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。
怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。
しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。
全21話(本編20話+番外編1話)です。

侯爵令嬢はざまぁ展開より溺愛ルートを選びたい
花月
恋愛
内気なソフィア=ドレスデン侯爵令嬢の婚約者は美貌のナイジェル=エヴァンス公爵閣下だったが、王宮の中庭で美しいセリーヌ嬢を抱きしめているところに遭遇してしまう。
ナイジェル様から婚約破棄を告げられた瞬間、大聖堂の鐘の音と共に身体に異変が――。
あら?目の前にいるのはわたし…?「お前は誰だ!?」叫んだわたしの姿の中身は一体…?
ま、まさかのナイジェル様?何故こんな展開になってしまったの??
そして婚約破棄はどうなるの???
ほんの数時間の魔法――一夜だけの入れ替わりに色々詰め込んだ、ちぐはぐラブコメ。
婚約者が私にだけ冷たい理由を、実は私は知っている
黎
恋愛
一見クールな公爵令息ユリアンは、婚約者のシャルロッテにも大変クールで素っ気ない。しかし最初からそうだったわけではなく、貴族学院に入学してある親しい友人ができて以来、シャルロッテへの態度が豹変した。

本日はお日柄も良く、白い結婚おめでとうございます。
待鳥園子
恋愛
とある誤解から、白い結婚を二年続け別れてしまうはずだった夫婦。
しかし、別れる直前だったある日、夫の態度が豹変してしまう出来事が起こった。
※両片思い夫婦の誤解が解けるさまを、にやにやしながら読むだけの短編です。

謹んで婚約者候補を辞退いたします
四折 柊
恋愛
公爵令嬢ブリジットは王太子ヴィンセントの婚約者候補の三人いるうちの一人だ。すでに他の二人はお試し期間を経て婚約者候補を辞退している。ヴィンセントは完璧主義で頭が古いタイプなので一緒になれば気苦労が多そうで将来を考えられないからだそうだ。ブリジットは彼と親しくなるための努力をしたが報われず婚約者候補を辞退した。ところがその後ヴィンセントが声をかけて来るようになって……。(えっ?今になって?)傲慢不遜な王太子と実は心の中では口の悪い公爵令嬢のくっつかないお話。全3話。暇つぶしに流し読んで頂ければ幸いです。

クレアは婚約者が恋に落ちる瞬間を見た
ましろ
恋愛
──あ。
本当に恋とは一瞬で落ちるものなのですね。
その日、私は見てしまいました。
婚約者が私以外の女性に恋をする瞬間を見てしまったのです。
✻基本ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。

極悪皇女が幸せになる方法
春野オカリナ
恋愛
ブルーネオ帝国には、『極悪皇女』と呼ばれる我儘で暴虐無人な皇女がいる。
名をグレーテル・ブルーネオ。
生まれた時は、両親とたった一人の兄に大切に愛されていたが、皇后アリージェンナが突然原因不明の病で亡くなり、混乱の中で見せた闇魔法が原因でグレーテルは呪われた存在に変わった。
それでも幼いグレーテルは父や兄の愛情を求めてやまない。しかし、残酷にも母が亡くなって3年後に乳母も急逝してしまい皇宮での味方はいなくなってしまう。
そんな中、兄の将来の側近として挙がっていたエドモンド・グラッセ小公子だけは、グレーテルに優しかった。次第にグレーテルは、エドモンドに異常な執着をする様になり、彼に近付く令嬢に嫌がらせや暴行を加える様になる。
彼女の度を超えた言動に怒りを覚えたエドモンドは、守る気のない約束をして雨の中、グレーテルを庭園に待ちぼうけさせたのだった。
発見された時には高熱を出し、生死を彷徨ったが意識を取り戻した数日後にある変化が生まれた。
皇女グレーテルは、皇女宮の一部の使用人以外の人間の記憶が無くなっていた。勿論、その中には皇帝である父や皇太子である兄…そしてエドモンドに関しても…。
彼女は雨の日に何もかも諦めて、記憶と共に全てを捨て去ったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる