こわれて

九丸(ひさまる)

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第十一章

捌く3

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 さて、どうやって調べるかな。医学、人体とかで調べればいいのか? それとも料理だから牛や豚がいいのか……。
 男が思案していると、センターから着信を告げる音がなる。舌打ちをして履歴を見る。履歴は会社、それに友人からがほとんどだった。
 男は友人が女のもとを訪ねたことを知らなかった。あの日止められたにもかかわらず進んだことを後悔はしていなかったが、心配してくれた友人ともっと話して誤解を解くべきだったとは思った。男と女は本当にひとつになって、永遠を共有することを望んでいると。別に破滅する訳ではないと。だが、今は友人に電話して説明してる暇はない。
 男は思いつく限りのキーワードを入れて調べ始める。
 一通り調べたあと、携帯の電源をまた切り、浴室に向かう。
 浴槽には女の血が結構溜まっていた。でもまだ血抜きは必要だと感じる。
 眼に向かい話しかける。
「もうちょっと待ってね」
男は眼が、『大丈夫よ、待ってるわ』と返事をしてくれるのを聞いた。
 台所から厚手の包丁を持ってくると、女の鳩尾辺りに刃先を突き刺す。そしてそのまま下腹部まで切り下げた。繊維を断つような感触を包丁に感じながら、女の陰毛の辺りまで切り開く。一気にはいけなかったが、何とか内臓を取り出せるくらいの切り口にはなった。
 やはりあれくらいの切り口では血が出きってるはずもなく、裂いた腹から大量の血が出た。
 「中々上手くはいかないね。そりゃあ、心臓止まってるから血管あるとこ切ってもそんなに出ないか。いっそ逆さに吊るせたらね」
 男は眼に話しかけながら、切り口に手を入れて、腸を取り出す。浴室に悪臭が漂うが、男は気にすることなく腸の次は胃と、ここで取れるだけの内臓を取りにかかる。ずりゅ、ぐちゅ、ごり。浴槽の血溜まりの中に女の内臓が溜まっていく。
 一通り取り出すと、男は女を抱え上げ浴槽から一旦出す。女は元々細身で、運ぶ時も思ったよりも苦にならなかったが、中身を抜いた今は更に軽くなっていた。
 内臓って結構重いんだなと男は思いながら、女を洗い場に横たえる。
 空っぽになった腹の中を丁寧にシャワーで洗う。
 浴槽の内臓は後で綺麗に洗うことにして、女を台所に運び、ビニールシートの上に丁寧に横たえる。
 間接に添って切断する工程に向かう。
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