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第八章
願い2
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「兄と初めて結ばれたのは高校一年生のとき。それまでお互いに気づいてたのに恋愛感情は押さえてたの。だっていけないことくらい分かってたもの」
男の耳に女の独白が流れてくる。
「でもね、もう抑え切れなくなって一気にはじけちゃったの。それまで我慢してた分、想いは深く濃く激しいものだったわ。私達は流され溺れたの」
女は続ける。
「すごく幸せで、そして背徳感のせいかすごく気持ち良かったわ。何度も何度もしたわ。飽きることなんてないのよ」
やめろ。やめてくれ。そんな話は聞きたくない……。男は心のなかで呟く。
「でも、それもそんなに長くは続かなかった。あんなに好きだったのに、兄は私の願いを聞いてくれなかったの。私はずっと一緒にいたいと思ってたのに……。私の願いを叶えられないと言って、兄は私と距離を置くようになったの。私から離れていったわ」
女は男の眼を見る。
男は女の眼に飲み込まれていく。
「ねえ、あなたなら聞いてくれるわよね。私とあなたはこんなにも愛しあってるもの。あなたは兄とは違うわよね」
男は魅入られながら頷く。
女は言う。とても柔らかく、それでいてちぎれない糸で絡めるように。
「ねえ……」
「お願いだから私を食べて……」
「髪の毛一本残さずに……」
「理由は……」
「ただ最後まであなたをみていたいから……」
「だから上手に食べてね……」
男は叫び、女を組伏せ、狂わんばかりに腰を振り続けた。魅入られながら……。
男の耳に女の独白が流れてくる。
「でもね、もう抑え切れなくなって一気にはじけちゃったの。それまで我慢してた分、想いは深く濃く激しいものだったわ。私達は流され溺れたの」
女は続ける。
「すごく幸せで、そして背徳感のせいかすごく気持ち良かったわ。何度も何度もしたわ。飽きることなんてないのよ」
やめろ。やめてくれ。そんな話は聞きたくない……。男は心のなかで呟く。
「でも、それもそんなに長くは続かなかった。あんなに好きだったのに、兄は私の願いを聞いてくれなかったの。私はずっと一緒にいたいと思ってたのに……。私の願いを叶えられないと言って、兄は私と距離を置くようになったの。私から離れていったわ」
女は男の眼を見る。
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「ねえ、あなたなら聞いてくれるわよね。私とあなたはこんなにも愛しあってるもの。あなたは兄とは違うわよね」
男は魅入られながら頷く。
女は言う。とても柔らかく、それでいてちぎれない糸で絡めるように。
「ねえ……」
「お願いだから私を食べて……」
「髪の毛一本残さずに……」
「理由は……」
「ただ最後まであなたをみていたいから……」
「だから上手に食べてね……」
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