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酔っ払いな戦闘姫続き
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「それにね、鈴木さんから告白されても、わたしは受けなかったわ。前に言ったでしょ。お客様から始まる恋はしないって」
「そんなこと言ってたら、一生恋できないじゃん」
「仕事が絡まなきゃ別よ。まあ、中々機会はないけど。それに今回はこれで良かったのよ。わたしも久しぶりにドキドキしたわ。その感覚を与えてくれた、鈴木さんには感謝してるわ」
あたしは釈然としないまま、グラスのお酒を一気に煽った。
「もう一杯ちょうだい」
「ちょっと、大丈夫なのあんた」
「いいから、ちょうだい」
ママは呆れながらも出してくれた。
ん? あたしは、ママが鈴木さんと最後に飲んだお酒のボトルをみつめてるのに気がついた。
「どうしたの? そんなにみつめて。シャ、シャなんちゃらのボトル」
「シャルトリューズよ」
「そう。それ」
「このお酒はね、代々三人の修道士だけに製法が受け継がれるの。そしてその三人も、自分以外のハーブの調合は知らないのよ。三人が秘密の調合で作ったものを一つに合わせて、このお酒ができるのよ」
「だからね。鈴木さんはきっと思ってたのよ。三人のそれぞれの想いが重なった時間はとても大切だったと。だから、このお酒を選んだのね。自分の打ち明けられない秘密にも絡めてね」
そんなもんかなあ、とあたしは思いながら、一つ納得のいかないことをママにぶつけた。
「ところで、何であたしがママを好きなことになってんだろうね」
「あら、あんたわたしを好きなの? ごめんなさいね。わたし小娘に興味ないから」
「ふざけんなあ! あたしもオッサンに興味ないわ!」
「ちょっと、誰がオッサンよ! あたしは熟女よ!
はん。わたしに負けて悔しいのね」
「あたしは負けてないから! 何がお客様から始まる恋はしないだ。あんだけのぼせ上がってたくせに。いい歳してキモいわ!」
「なんですって! 小便臭いガキに言われたくないわよ!」
「誰が小便臭いのよ! そっちこそ、そろそろオムツでも履いたら!」
「キーっ! 偉そうに、このヘタレ戦闘姫!」
「なによ! 色ボケマスター!」
はあ。
あたし達はため息をついた。
「そんなこと言ってたら、一生恋できないじゃん」
「仕事が絡まなきゃ別よ。まあ、中々機会はないけど。それに今回はこれで良かったのよ。わたしも久しぶりにドキドキしたわ。その感覚を与えてくれた、鈴木さんには感謝してるわ」
あたしは釈然としないまま、グラスのお酒を一気に煽った。
「もう一杯ちょうだい」
「ちょっと、大丈夫なのあんた」
「いいから、ちょうだい」
ママは呆れながらも出してくれた。
ん? あたしは、ママが鈴木さんと最後に飲んだお酒のボトルをみつめてるのに気がついた。
「どうしたの? そんなにみつめて。シャ、シャなんちゃらのボトル」
「シャルトリューズよ」
「そう。それ」
「このお酒はね、代々三人の修道士だけに製法が受け継がれるの。そしてその三人も、自分以外のハーブの調合は知らないのよ。三人が秘密の調合で作ったものを一つに合わせて、このお酒ができるのよ」
「だからね。鈴木さんはきっと思ってたのよ。三人のそれぞれの想いが重なった時間はとても大切だったと。だから、このお酒を選んだのね。自分の打ち明けられない秘密にも絡めてね」
そんなもんかなあ、とあたしは思いながら、一つ納得のいかないことをママにぶつけた。
「ところで、何であたしがママを好きなことになってんだろうね」
「あら、あんたわたしを好きなの? ごめんなさいね。わたし小娘に興味ないから」
「ふざけんなあ! あたしもオッサンに興味ないわ!」
「ちょっと、誰がオッサンよ! あたしは熟女よ!
はん。わたしに負けて悔しいのね」
「あたしは負けてないから! 何がお客様から始まる恋はしないだ。あんだけのぼせ上がってたくせに。いい歳してキモいわ!」
「なんですって! 小便臭いガキに言われたくないわよ!」
「誰が小便臭いのよ! そっちこそ、そろそろオムツでも履いたら!」
「キーっ! 偉そうに、このヘタレ戦闘姫!」
「なによ! 色ボケマスター!」
はあ。
あたし達はため息をついた。
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