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第一章2
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燿の指は素早くキーボードを叩いていた。
画面に並ぶ数字の羅列。
飲料メーカーの売上予測は、地道な作業の積み重ねだ。
「ふぅ...」
やっと最後の表を完成させ、燿は椅子に深く腰掛けた。
「お疲れ、燿くん。今日はこれで終わりにしたら?」
先輩の優しい声に、燿は頷いた。
「ありがとうございます。では、失礼します」
急いでパソコンの電源を落とし、カバンを手に取る。
エレベーターに乗り込む時、腕時計を確認した。
21時30分。
まだ間に合う。彼がいる場所に。
オフィスビルを出ると、初夏の夜風が頬を撫でていった。
燿は足早に駅へ向かう。
電車に揺られること15分。
降りた駅から5分ほど歩くと、目的地が見えてきた。
路地裏にひっそりと佇む、小さな看板。
「Bar 月夜のさざなみ」
燿は深呼吸をして、ドアに手をかけた。
カランカランとベルが鳴る。
「いらっしゃいませ」
低く落ち着いた声。
燿の心臓が、小さく跳ねた。
**********
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画面に並ぶ数字の羅列。
飲料メーカーの売上予測は、地道な作業の積み重ねだ。
「ふぅ...」
やっと最後の表を完成させ、燿は椅子に深く腰掛けた。
「お疲れ、燿くん。今日はこれで終わりにしたら?」
先輩の優しい声に、燿は頷いた。
「ありがとうございます。では、失礼します」
急いでパソコンの電源を落とし、カバンを手に取る。
エレベーターに乗り込む時、腕時計を確認した。
21時30分。
まだ間に合う。彼がいる場所に。
オフィスビルを出ると、初夏の夜風が頬を撫でていった。
燿は足早に駅へ向かう。
電車に揺られること15分。
降りた駅から5分ほど歩くと、目的地が見えてきた。
路地裏にひっそりと佇む、小さな看板。
「Bar 月夜のさざなみ」
燿は深呼吸をして、ドアに手をかけた。
カランカランとベルが鳴る。
「いらっしゃいませ」
低く落ち着いた声。
燿の心臓が、小さく跳ねた。
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