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第1章「残業の果ての一杯」
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「もう、無理...」
若巻燿は、パソコンの画面から目を離し、深いため息をついた。
オフィスの大きな窓の外では、夕暮れの空が赤く染まっていた。
残業は今や日常茶飯事。
でも今日は、どうしても早く帰りたかった。
「燿くん、まだ帰らないの?」
隣の席から、先輩の声がかかる。
「はい、あとちょっとで...」
燿は苦笑いを浮かべながら答えた。
嘘じゃない。あとちょっと。
でも、そのちょっとが永遠に続きそうで。
「今日は行くんでしょ?ほら、あの店」
先輩の口元が意味ありげに歪む。
燿は思わず頬が熱くなるのを感じた。
「行きますよ。絶対」
そう答えながら、燿は画面に映る自分の姿をチラリと確認した。
髪は乱れ気味、ネクタイも緩んでいる。
この姿で、あの人に会うのは...。
燿は慌てて立ち上がり、洗面所に向かった。
人目を気にしながら、さっと髪をセットし直す。
「よし」
小さくガッツポーズをしてから、燿は再びデスクに戻った。
あと30分。
頑張れば、まだ間に合う。
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