蛇逃の滝

影燈

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喜びに胸が躍る。足も弾む。
 半助はその報告を早く彼に伝えたくて、転がるようにして山を駆け降りて鮒が池に向かっていた。
 ふいに、木々の立ち並ぶ視界が開け、青緑色に光る水面が見えた。滑るようにその岸へきて、「せんがんむしさま、せんがんむしさま」と繰り返し水の中へ呼びかけた。
「なんじゃ、騒々しい」
 水面が泡立ちながらその言葉を水中から運んでくる。
「わしゃ、まだ眠いんだが」
 とその声はもう泡にくぐもる声ではなく、せんがんむしの身体を反響した低く擦れただが通る声。半助の目の前に、さんしょううおの顔に灰色の足先まで届く長い顎髭を生やした大柄な老妖が立っていた。
といっても、下半身は水に浸かっている。そうしていないと、せんがんむしは生きていられない。身体が渇けば死んでしまうのだ。そのためなのか、彼はいつも濃い粘液を身体中にまとっている。そのくせ、人間のように着物を着ているのはどういう訳なのか。白い着流しを身にまとったせんがんむしの姿はまるで灰色の肌をした力士のようだ。ただ髷はなくその脳天はつるつると粘液で光っている。
「なんの用だ、半助」
 ふああ、とせんがんむしが口を開けたので半助は慌てて近くの岩にしがみついた。ブワアッと音を立てて辺りの空気が彼に呑みこまれていく。彼はただのあくびのつもりなのだろうが、その吸い込む力は尋常でない。小柄な半助など塵のように飛ばされてしまい、小石やら枯れ枝やらと一緒に吸い込まれて胃液まみれになって吐きだされたことは数えきれない。あれはひどい悪夢だ。だが今度は何とか胃の腑の悪臭に悩まされずに済んだようだった。
 半助はせんがんむしが嵐のようなあくびを終えるのを待って、再びせんがんむしの前に立った。
官服である漆黒ののを見せびらかすように両手をひろげてみせた。鮮やかな紅と萌木の組帯が我ながらに美しい。腰には小さ刀を差し、総髪茶筅髷は今のせんがんむしのあくびによる豪風のせいでもう乱れて後れ毛がぴょんぴょんと飛び出してしまっている。しかし、そんなことに構わず半助ははしゃいだ。
「せんがんむしさま。私、なれたんです。天狐さまにお仕えする身になれたんですよ」
 天狐は天上の狐であって、山王という神の使いだ。
今この世を治めているものは二体の天狐で、東を治めている天狐を東狐と呼び、西を治めている天狐を西狐と呼ぶ。
「そうか。神官になれたのか。それはめでたい」
 せんがんむしはどことなく浮かない顔をしている。口では祝福、称してくれているものの表情は何か複雑なものを含んでいる。だが今の半助にはそれは些細なことであって、腹の具合でも悪いのだろうなどと考えてさして気にもとめなかった。
「そうなんです。これも師匠のお陰です」
 半助が嬉嬉としてそう言うと、せんがんむしは苦い顔をする。
「師匠はよせというに。わしはただ持て余している知識を与えただけにすぎん」
 照れ隠しなのか、せんがんむしはふいっと目をそらした。
「その知識に、感謝しているんです。せんがんむしさまがいなければ、私は無能な半妖のままでした。天狐になりたいという、私の無茶な夢にせんがんむしさまは希望を与えてくれた」
 せんがんむしはうっとうしそうに肯くと、水面に手をかざした。すると水が柱のように盛り上がり、やがてそれが三味線の形となる。 
それを持ってから、もう一方の掌で水を握ると、それが撥になった。
水色の美しい撥だった。せんがんむしはそれらを徐に半助に渡して
きた。弾け、と言うのだ。
「感謝というなら、形で示せ。わしはお前の三味線の音色が好きじゃ」
 披露するほどの腕はないが、三味線を教えてくれたのも言ってみればせんがんむしである。師の前で恥ずかしがる必要はない。
「はい」
 半助は笑顔でそれらを受け取って、音を鳴らした。
 水でできているにも関わらず、それは本物に劣らぬ深い音色を発する。半助は三味線を弾いた。弾きながら、胸が熱くなる。
 やっと、やっとここまできたのだ。
 猫が、狐の術を身に着けられるものかと他の者には幾度も馬鹿にされた。それは、何もないところから何かを造り出すに等しいことだったのだ。
木材があれば家を建てられる。食材があれば、料理が作れる。だが、半助はその材料を持っていなかった。だが、その一つ一つを集めることはできる。
口で言うほど簡単なことではない。実際、妖狐の術を会得するには狐でも難しいと言われているのだ。故に、その術を身に着けたものは神官となれる。
半助はその日を夢見て、せんがんむしの教え通りに厳しい修行を続け、とうとうその術を身に着けたのだ。
そして彼は、誰もが羨む神官となったのだった。
弾き終えて半助はせんがんむしを見た。
 せんがんむしは満足そうにうなずくと、半助から三味線を受け取って唯の水に戻した。三味線をかたどっていたそれは、たちまち池の水と一体化する。二度と同じ三味線は作れない。
「良き、音色であったぞ。花江を思い出した」
 せんがんむしは目を細めて言った。
 とは半助の母の名だ。
花江は半助がまだ幼き頃に他界している。その頃にはもう父はい
なくて、その話を聞いたこともなかった。
花江が亡くなってから、せんがんむしは時折母のことを話して聞
かせてくれた。
楽が得意であったという母の三味線の音色も、そのときに聞かせてもらった。せんがんむしは水に音を記録することができるのだ。
半助はそれを繰り返し聞き、見よう見まねで三味線を覚えた。懐かしい思い出だった。
「ここまでこられたのも、せんがんむしさまのお陰です。これからはもっと、頑張らないといけませんね」
 三味線にしても、己の目指すものにしても。
そう笑うと、せんがんむしはつと眉を上げた。
「それ以上何を望む。神官以上となれば、神にでもなるつもりか」
「まさか」半助は笑って言った。「そんな畏れ多いことは考えません。ですが、私は天狐になりたいんです」
 半助は自然に瞳に光が宿るのを感じた。夢を語る時、胸は熱くなり、瞳は輝く。そこには希望がある。半助にいたっては、己が、己でないものになれるという希望がそこにはある。
「天狐になってどうする」
 せんがんむしは半助の興奮とはうってかわって冷静に言った。その半助の夢は何度も耳にしていて聞き飽きているのだろう。だが、そう訊かれたことは初めてだった。
 半助は首をかしげた。
「どうすると聞かれると……」天狐になることが目的なのであって、天狐になれたからどうしたいというのはわからない。
「とにかく、私は無能な半妖ではなく、なりたい」
「半妖は無能ではなかろう」
 せんがんは間髪入れずに言うや、
「無能なのは人間よ」と心底いまいましげに嘆息した。
「人間?」その言葉はどこか新鮮なものだった。東の国にはたくさんそれが住んでいるらしいが、西には一人もいないからだ。
東と西は、大事な儀のときをおいて他に交わることはないし、半助は本物の人間を見たこともなかった。ただ、それはほぼ半助の人型と同じ形をしているらしい。
半助の父親は人間だからだ。
 怪妖の中には人型に化ける者もいるが、半助のようにほぼ完全に人間の姿となる者はいない。大抵、どこかしらに獣の部分を残しているのだ。せんがんむしとて、今は人型であるがその容貌は巨大なサンショウウオが立っているようにしか見えない。妖力の差ではないのだ。持って生まれた資質の違いなのだ。その点、半助は半妖であるが故に、耳の形と尾を残して他は人間そのものだと言えた。無能だという人間の血を、それだけ色濃く受け継いでいる。
「人間とは、寄り集まらねば何事もできぬ弱き生き物よ」と、せんがんむしは言ったが、半助にはそれが少し羨ましい気がした。
 怪妖は己の力を頼りに一人で生きる者が多い。
 だから半助とて一人でいても不自然ではなかった。だからといって、淋しくないわけではない。そこは、人間の血のせいなのか、人恋しくてたまらないときがある。だけど、彼は他の怪妖からは忌み嫌われていた。
人と怪妖との間に生まれた子は、禁忌の子であるからだ。災いをもたらすと言われている。
 他の怪妖は一人で生きていても孤独ではない。話しかければ受け答えしてくれる相手がおり、愛し愛される者もいた。けれど、半助には孤独しかなかった。寄り添える誰かがいる人間は、よい。
「私も、半分は人です」
「じゃが、妖力を持つ。人には何をする力もない」
「そうなのでしょうか」半助にはいまいちせんがんむしの言葉がのみこめなかった。妖力が使えない暮らしは考えられず、では、どのように生きているのか気になった。
 その顔色を読んだようにせんがんむしは言った。
「少し見てみるか」
「よいのですか」
 半助は目を丸くした。東と西の間には盟約がある。それは互いに干渉せぬこと。両国の間には、怪妖でさえ怯えるほどの深い谷がある。そこには吊り橋がかけられてはいるが、谷から吹き上げる強風で橋はいつものように揺れており、渡ろうと思う者など誰もいない。羽をもつ獣や怪妖はもとより神の使いであって、彼らだけがつなぎをとるために両国の行き来を許されているのだ。相手方の様子を見ることは、盟約には触れぬのだろうか。
 半助の心配をよそに、せんがんむしは平然としていた。
「覗き見るぐらい問題なかろう」
 せんがんむしは半助の前に両手を広げた。半助はその掌の中を覗きこんだ。そこに水が溢れてくる。水面が揺れて、ぴたりとその動きを止めたとき、その中に何かうごめくものが見えた。
 人間を見せると言っているのだから、人間だろう。だが、小さくてよく見えない。せんがんむしの水鏡は、どんなに遠くのものでさえ、そこに水があれば映して見せてくれる。だが、その視点から先へ伸びることはないので、当然水のある場所が見たいものから遠ければ小さくしか見えない。
「もっとよく見えませんか」
 目を凝らしてみるが、せんがんむしの手の平の中では虫けらのような黒い点が一か所に固まっているのが見えるだけだ。
「無理じゃな。東は水が少ない。これも雀の涙でやっと見せられたものだ」
 映し出されたものが消えたかと思うと、せんがんむしの手から水がこぼれおちていった。
「何をしていたのでしょう」
 点にしか見えなかったが、せんがんむしの言うように彼らが集まっていることだけはわかった。
「寄り合いじゃな。水乏しきことゆえ、困っておるようだ」
「そうですか」
 半助は相槌を打ちつつも感心した。よくもあの点でそこまでのことがわかったものだ。それとも、せんがんむしさまは見えるだけでなくて、そこから聞くこともできるのだろうか? 
「しかしどうして水がないのでしょうね。東国にも天狐さまがおられるのでしょう」
 半助は首を傾げた。困ったことがあれば、東狐が何とかするはずだったからだ。
「うむ。人間を守るために遣わされた怪猫が死んで、後を継いだ東狐がおる。だがあれは悪鬼悪狐悪妖悪霊の類を大人しくさせるには十分な力を持っておるが、国をはぐくむということにはむいておらん。人間が飢え死にしようが渇死にしようが知ったことではないのであろうな」
 その話は初耳だった。
 東狐の前に東を治めていたのが猫だとは。
だが何故死んでしまったのだろうか。だがそれを訊ねるのははばかりあるような気がして、半助は黙ってせんがんむしの話を聞いていた。
「それでも人間は東狐に頼るほかない。人間など怪妖に襲われればひとたまりもない。また、怪妖は人間が好物だからの。悪しき怪妖から身を守ってもらうためには、東狐に東の城へいてもらうしかないのだ。まったく、悪鬼一匹に怯えて生きねばならぬとは、ほんとうに人間とは無力で無能な生き物よ」
 嘆息に心苦しくなりながら半助は小声で言った。
「悪鬼は私も怖いです」
 するとせんがんむしはたちまち呆れた顔をして、溜息をついた。
「西狐様にこれからお仕えするものが、怖いなどと口にしてどうする。その気弱なところは直さないといかんといつも言っておろうが」
 半助はただでさえ小さい身体をもっと小さくした。
「すみません」
 だけど、怖いものは怖いのだ。怪妖であれば、悪鬼など虫けらのようなものだが、半妖にとっては悪鬼といえども闘牛ほどの威力はある。どうにかできぬことはないが、叩いて潰せるほどのものではない。
「まあ、いい。そこがお前のいいところでもあるからな」
 めずらしく褒めて、せんがんは笑った。普段あまり笑わぬせんがんの笑顔を見るとほっとする。
「それで、どんなお役目についたのだ。見たところ武官のようだが。城の警護か、まさか西狐様の護衛ではあるまい」
「そんな大役をこんな下っ端にお任せになるはずありませんよ」半助も笑って答えた。
「さもあろう。で、なんなのじゃ」
「私のお役目は、宝生の玉をお守りすることです」
 半助が何気なく言うと、すっと、せんがんむしの顔から笑顔がひいた。
 あれ。
 と、思ったのが気のせいだったようだ。
「そうか。それは大役じゃ」とせんがんむしは大仰に言って、手を叩いた。何千年生きているかわからぬせんがんむしの拍手は天候を乱す。パンパンパンパンと鳴らすや否やそれに呼応して雷の轟音と共に雨あられが降り注ぎ、石つぶてのような氷の降ってくる中を半助は逃げ惑う羽目になった。
「いて。いててて。せんがんむしさま、やめてください。痛いです」
「おお、すまなんだ」
 せんがんむしはぱっと拍手をするのをやめて、すると途端に嵐も止む。
「いや、あまりにもめでたきことゆえな。つい取り乱した」
「そんなに喜んでもらえて、私も嬉しいです」
 せんがんむしは半助の笑顔を見つめたまま一拍置いて、おもむろに右手を差し出した。その掌には水がすくわれていて、それがこぼれおちていくと灰色の彼の手の上に美しい青色の玉が現れた。彼の大きな手の中でそれは飯粒のように小さい。その青の玉は蛇の絡み合うような形の銀細工の中に納められていて、その端には鎖がついている。せんがんむしは、その鎖に人差し指をかけ、中指で開いて半助の首へそれを通してくれた。
「頂けるのですか」
 半助が驚いて見上げると、せんがんむしは無表情のまま頷いた。
「祝いじゃ。お前の門出のな」
 銀と思ったものだが、銀ほどにはそれは重くなく、むしろ首にかけてしまえば空気のようになじむ。中の青い玉は何であろうか。それは透き通る水のように麗しく、光を集めて輝きを放っている。半助はせんがんむしに何かをもらったことが初めてだった。しかも、このようにすばらしい贈り物を手にできるなんて、なんと己は幸せなのだろうか。
「ありがとうございます。せんがんむしさ……あれ」
 感謝の熱をこめた瞳を向けた先はいつのまにか空虚。
 どころか、そこは今までいたはずの鮒が池ではなくなっていた。
 うすら寒い、陰鬱とした場所のようだった。けれど物の輪郭がはっきりとせず、己がどこに立っているのかもわからない。
 玉を持って逃げよ。
 その声が聞こえた。
 え。と思う間に、世界に形ができて、そこが鎮護の間であることに気づく。そこは、山王様よりお預かりした宝生の玉を守る場であった。そして、その玉を守る役目に半助は就いた。だから、半助がここにいるのは不自然ではない。だが――。
 半助は息を呑んだ。
 薄暗い部屋の中央。冷たい石床の上に、玉を傷つけぬように敷いた紫色の綿布団の上にそれはあるはずだった。けれど、不浄なものから玉を守るはずのしめなわが切られている。そして玉はそこから姿を消していた。
 大変だ。誰かに盗まれたのだ。
 思うと同時に、早鐘を打つ鼓動が聞こえてきて、視界には床に倒れ伏す同朋の妖狐たち。そのうちの一人がこちらを見て口を開いたようだが、ひどい耳鳴りがしてうまく聞き取れなかった。
 羽水どの――。
 彼の必死の眼は、何を思っていたのだろう。
 半助は己がどこで何をしているのかわからなかった。
まるで海の底にでも落ち込んでしまったような、閉塞された音の世界で、視界さえも靄がかかったようにおぼつかない。
 だが、自分が走っていることだけは分かった。いつの間にか走っている。手には何かを抱えている。
 丸いもの。温かな毛に包まれていてるそれは――宝生の玉。
 半助は愕然とした。
 だが、この時それは既に記憶なのだとわかるほどには覚醒していた。半助は眠りから醒めようとしている。
 どうして、私は玉を持ちだしたのだろう……。
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