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異世界への扉

月の花で病を治す

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### 第1章:異世界への扉

#### 15. **月の花で病を治す**

咲とキエイは「月の花」を手に入れ、村へと急ぎ足で戻った。

瘴気に侵された村人たちの状態は、日ごとに悪化しているようだったが、咲はその絶望的な状況にも負けず、自信に満ちた表情をしていた。

「これで、みんなを救えるはず……!」

村の広場に戻ると、多くの村人たちが咲に期待を込めた目で見つめていた。

彼女は村の食堂に入り、急いで料理の準備を始める。

「月の花をどのように調理すれば、瘴気を打ち消す効果が最大限に発揮できるのか……」

咲は慎重に食材を選び、月の花のエキスを混ぜながら、これまでの経験をもとに調理を進めた。

その一方で、キエイは村の外れで警戒を続け、万が一の事態に備えていた。

「何かまだ嫌な予感がする……」

彼の目には、空を覆うような黒い霧が遠くに見えていた。

「瘴気が……また広がっているのか」

キエイは咲に報告しようと村へ急ぎ戻ろうとしたが、その前に突如として現れた異形の影に立ち止まった。

それは、瘴気を生み出した真の原因である存在だった。

---

一方、咲は料理を完成させた。

それは、月の花のエキスをふんだんに使い、体に優しいスープだった。

咲はそのスープを村人たちに配り、一口ずつ飲んでもらった。

「……あれ、体が軽くなっていく!」

村人たちは次々と驚きの声を上げ、瘴気に蝕まれていた体が徐々に回復していくのを感じた。

咲はほっとした表情で、「これでやっと……」と小さく呟く。

だがその瞬間、村の外で大きな爆音が響き渡り、地面が揺れた。

キエイが戻ってきた時、彼の表情は緊張に包まれていた。

「まだ終わってない。瘴気を操る真の敵が現れたんだ」

---

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次の章では、瘴気を操る敵との戦いと、さらに深まる咲とキエイの関係が描かれます。
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