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始まりの軍師
軍師、転生する
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「あー終わった……」
一人の男性がコントローラーを床に置き、溜息を吐く。
画面には「天下統一」と文字が表示され、何人かのキャラクターが映っていた。
「やってやったよ「黒田如水」さんよ。アンタで天下統一すんのめんどいわ~」
彼はかれこれ数時間かけてそのキャラクターを操作し、見事クリアしたのだった。
「よし、今日はここまでにして、次はさらに難易度が高い「今川義元」をプレイしますかね」
そう言って彼は就寝する。その際少しだけ頭痛がしたが、それ以外は何事もなく寝たのであった。
ここまでは彼の前世だ。そう、今は―――――
*
「お、俺は死んじゃったんですか!?」
「うん、残念ながらだけどね」
おいおい、どういう意味だよ!その頭痛で癌が発症って意味わかんねぇよ。
今俺は死後の世界にいて、神様と会話していた。隣にいる今にでも砕け散りそうな骸骨は死神らしい。俺の魂を間違った方法で刈り取ってしまった為、罰を受けただとか。
「そこで、君を別の世界で転生させるという事になった」
「い、異世界転生ですか?」
「そうだ。ほら、アニメやネットの小説とかによくありがちの」
確かにありがたいけど、先ずは死神の謝罪を聞きたいな。
「だが私は謝らない」
「気にしない方がいい。話をつづけるよ」
「アッハイ」
「間違った回収の仕方は違反のようなものだ。その謝罪も含めて、君を異世界に転生させる。まぁ君を別の世界に転生させることでボクに利があるからね。素直に第二の人生を歩んでほしい」
へぇ、転生にも損得があるのか……
「でもこちらの都合ばかり押し付けてもなんだし、君の願いを聞こう」
「願い?」
「うん。これから君はゲームでよくある剣と魔法の世界に転生する。そこで何も能力なしで転生なんて可哀そうすぎるでしょ?」
「そうだなぁ」
だとはいえ、俺はそんなのは考えてない。特に無双とか絶対命狙われるし、ハーレムなんて炎上ものも大概だしなぁ。
でもどうしてもという事がある。望まなくても戦いの運命的なものがあるならば、能力は大変ながら必要だ。
「なら成長速度増加はありますか?」
「うん?それなら造作もないけど、ならおすすめの取得経験値600倍はどうだい?」
何そのチート、やべぇな。
「……後二つくらいは叶えられるけど、どうする?」
え、後二つ願いを聞いてくれるの!?なんて太っ腹な神様なんだ!信仰されまくってんだろうな…。
「そうですね。なら行った先の言葉とか分かるように」
「それは問題ないよ、それは転生の特典、いやゲームで言う初心者セットみたいなもんかな?」
「なら、クリエイト的な能力は?」
「勿論与えよう」
良いの!?いつかは神に反逆しそうなら与えなければ安全なのに……!?
「なーに。創造能力ぐらいあげても問題ないよ。別世界の神様なんて結構そう言った能力を授けまくってたよ」
ふ、太っ腹すぎる……!いや最早大盤振る舞いだ。
「では後一つ……生まれた先は小さい村でお願いします」
「ほう、何故だい?」
「俺は、前世で家族を失って、一人でした。ゲームをやっても何も心の隙間は埋まらず、天涯孤独でした。貴族とか勝ち組生まれ何て望みません」
「これはこれは変わった人だ……余計に興味を持つじゃないか。いいよ。せめてその第二の人生で家族と平和に暮らすがいい」
「ありがとうございます!」
俺は神様にお辞儀する。神様は「礼はいいよ」と言って少し照れる。
「さて、そろそろ移動の時間だ。準備はいいかい?」
「はい。もらった命、大事にします!」
「では、達者でね」
そこで俺の意識は途絶えた。
一人の男性がコントローラーを床に置き、溜息を吐く。
画面には「天下統一」と文字が表示され、何人かのキャラクターが映っていた。
「やってやったよ「黒田如水」さんよ。アンタで天下統一すんのめんどいわ~」
彼はかれこれ数時間かけてそのキャラクターを操作し、見事クリアしたのだった。
「よし、今日はここまでにして、次はさらに難易度が高い「今川義元」をプレイしますかね」
そう言って彼は就寝する。その際少しだけ頭痛がしたが、それ以外は何事もなく寝たのであった。
ここまでは彼の前世だ。そう、今は―――――
*
「お、俺は死んじゃったんですか!?」
「うん、残念ながらだけどね」
おいおい、どういう意味だよ!その頭痛で癌が発症って意味わかんねぇよ。
今俺は死後の世界にいて、神様と会話していた。隣にいる今にでも砕け散りそうな骸骨は死神らしい。俺の魂を間違った方法で刈り取ってしまった為、罰を受けただとか。
「そこで、君を別の世界で転生させるという事になった」
「い、異世界転生ですか?」
「そうだ。ほら、アニメやネットの小説とかによくありがちの」
確かにありがたいけど、先ずは死神の謝罪を聞きたいな。
「だが私は謝らない」
「気にしない方がいい。話をつづけるよ」
「アッハイ」
「間違った回収の仕方は違反のようなものだ。その謝罪も含めて、君を異世界に転生させる。まぁ君を別の世界に転生させることでボクに利があるからね。素直に第二の人生を歩んでほしい」
へぇ、転生にも損得があるのか……
「でもこちらの都合ばかり押し付けてもなんだし、君の願いを聞こう」
「願い?」
「うん。これから君はゲームでよくある剣と魔法の世界に転生する。そこで何も能力なしで転生なんて可哀そうすぎるでしょ?」
「そうだなぁ」
だとはいえ、俺はそんなのは考えてない。特に無双とか絶対命狙われるし、ハーレムなんて炎上ものも大概だしなぁ。
でもどうしてもという事がある。望まなくても戦いの運命的なものがあるならば、能力は大変ながら必要だ。
「なら成長速度増加はありますか?」
「うん?それなら造作もないけど、ならおすすめの取得経験値600倍はどうだい?」
何そのチート、やべぇな。
「……後二つくらいは叶えられるけど、どうする?」
え、後二つ願いを聞いてくれるの!?なんて太っ腹な神様なんだ!信仰されまくってんだろうな…。
「そうですね。なら行った先の言葉とか分かるように」
「それは問題ないよ、それは転生の特典、いやゲームで言う初心者セットみたいなもんかな?」
「なら、クリエイト的な能力は?」
「勿論与えよう」
良いの!?いつかは神に反逆しそうなら与えなければ安全なのに……!?
「なーに。創造能力ぐらいあげても問題ないよ。別世界の神様なんて結構そう言った能力を授けまくってたよ」
ふ、太っ腹すぎる……!いや最早大盤振る舞いだ。
「では後一つ……生まれた先は小さい村でお願いします」
「ほう、何故だい?」
「俺は、前世で家族を失って、一人でした。ゲームをやっても何も心の隙間は埋まらず、天涯孤独でした。貴族とか勝ち組生まれ何て望みません」
「これはこれは変わった人だ……余計に興味を持つじゃないか。いいよ。せめてその第二の人生で家族と平和に暮らすがいい」
「ありがとうございます!」
俺は神様にお辞儀する。神様は「礼はいいよ」と言って少し照れる。
「さて、そろそろ移動の時間だ。準備はいいかい?」
「はい。もらった命、大事にします!」
「では、達者でね」
そこで俺の意識は途絶えた。
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