白樫学園記

14■艶めく初秋☆夕焼けロマネスク SIDE：歩(了)

20.おあずけ★

　ひ、ひぇぇぇ。
　み、見えてるよぉ。この角度だと、丸見えなんだけど、空也の口元…。
　恥ずかしさと快感で更に身体がぷるぷる震えて、かっこわるくて止めたかったけど、どうしようもなかった。
「や、空也、やめて…」
「嫌？ 」
　空也が上目遣いでちょっと悲しそうにオレを見つめたので、オレは咄嗟に首をぶんぶんと横に振った。
「ちが…見えて…あの、恥ずかしい…」
「恥ずかしがらせてるから」
　あっさりと空也が答えて、再び足の間から水音がバスルームに響く。
　ひゃぁぁぁ。
「も、だめ…」
　イッちゃうよ、と言おうとした瞬間、根元をきゅっと押さえられた。
　はぅ！？
　い、イケない…。
　オレはびっくりして、目を見開いて空也を見たら、空也はにっこり笑ってオレを抱き上げた。
「まだ駄目。さて、のぼせちゃう前にベッド行こうか」
　うー、もうベッドでもどこへでも連れてってぇ…。
　オレは空也の胸にふにゃっともたれ掛かりながら、バスタオルに包まれてベッドへ運ばれた。
　空也は丁寧に髪や身体を拭いてくれた。なんか空也の濡れた髪が、セクシーに見えてドキドキしちゃった。