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12■きらめき☆楽園バースデー SIDE:歩(了)
25.ケーキの正しい食べ方?
しおりを挟むでっかく口を開けて食べようとしたけど、そんなでっかいかたまりさすがに一気には食えなくて口の周りにべたべたとクリームをつけてしまった。
「くうやー、わざとだろ? 」
「何が? 」
口を尖らせるオレのほっぺや唇の周りや、唇まで舐めて舌を入れてきた。
「あまっ」
「じゃあオレのクリームとらないでよー」
今度はオレが空也の唇を舐めて、手に付いたクリームを舐めた。
「歩、エロい」
「なにがぁ? 」
空也の指を舐めてると、ちょうどシャンパンのおかわりを取りに立った春日さんと目があった。
「公衆の面前でいちゃつきすぎ。まぁ、そこでおっぱじめてくれても僕は興奮するけどね」
にっこり笑って言ってたけど、ちょっとムっとしてた…?
そういや、春日さんって空也のこと好きだったんだよな。
ちょっとしゅんとなって、オレはもぐもぐとケーキを大人しく食べはじめた。
ノンの方を見ると、ノンの膝の上で気持ちよさそうに眠っている珠希の髪を愛しそうに撫でていた。
「…なぁ、空也、空也も眠い? 」
「え? なんで? 」
「だって、準備とか忙しかったんだろ? 」
「慣れてる。普段からあんまり寝ないから。歩は余計な心配しなくていいから、食え。飲め」
空也は優しく笑うと、ケーキやシャンパンを差し出してくれた。
へへ。やっぱ空也いい奴。大好き。
オレは上機嫌で甘いシャンパンを飲んで笑った。
「リンと竜は喧嘩じゃなかったんだってー」
「よかったな。でも、歩、食うが喋るかどっちかにしろ。それともまだキスが足りないのか? 」
…足りない…?
うーん…。
「足りないけど、もうちょっとケーキ食べていい? 」
「…、どう反応していいのか、さすがにオレも困る…素直すぎるぞ」
二人っきりになりたいけど、このキラキラした空間の中でみんなが楽しそうに仲良くしてるのを眺めるのが楽しかった。
そんなオレを空也もにこにこ眺めていたけど、急に立ち上がった。
「気持ちもわからんではないが、時間がない。歩、ケーキ持って行っていいから部屋行くぞ」
「ほえ? 」
でっかいケーキの皿を二つ抱えるオレを空也がお姫さまだっこした。
「それでは、残りの歩の誕生日の時間、オレが一人占めさせてもらいます。ごゆっくり」
にっこり笑って扉から出ようとするので、オレは、急いでみんなにありがとーって叫ぶと、みんなが笑って手を振った。
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