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8■きらめく初夏☆物憂い木漏れ日 SIDE:歩(了)
22.突然地獄へ
しおりを挟むテストが始まって、三日目、ようやくオレはここのテストの恐ろしさを知らされた。
この学園では、テストの次の日に、前日の科目の点数が知らされて、補習かどうかわかる。
まず、一日目の世界史、日本史は実はオレは歴史が得意なので、難無くクリアー。かなり高得点に喜んでいたところ、次の日の現代社会、倫理、政治経済、地理でがーんとテンションはがた落ち。
そして、今日の現国、古典はさっぱり分からず、赤点は決定だと確信した。
ここでオレは赤点が4つ確定、二つはほぼ確定ということになった。
「…ぅぅぅうう」
「あ、あゆぅ?? 」
「赤点か? 」
夕食の時になっても、三日目にして赤点がほぼ6つも確定している事実に、さすがのオレも食欲をなくした。
だって…夏休みがぁ。
「…あ…もしかして、やっぱり今日もダメだった? これで6つは追試、かな」
ノンが苦笑いをした。
わかってる、あんなに勉強しろって言ってくれてたみんなの忠告を聞かなかったオレが悪いんだ。
先週の一週間はさすがにオレも脱走騒ぎを起こした反省で、ものすごく大人しく過ごした。
でも大人しくし過ぎて、勉強はさっぱりしなかった。
「それはちょっと困ったね。追試がダメだと補習があるから。全部追試をクリアすればいいんだけど…」
さすがの珠希も、苦笑い。
でもここにいるオレ以外の三人は、赤点の心配なんてしなくてもよさそうな、見るからに余裕だった。
「まずいな…よし、今日から本気で勉強するぞ」
「え!? 今日から!? 」
「そうだ。今日から、明日からの科目と、今までの赤点の復習だ。仕方がないから一夜づけだが」
「ひぃぃぃ! 」
「…あゆ、こればっかりは仕方ないよ、僕もフォローのしようがない。こんな時に勉強見てくれるっていう空也先輩に感謝しなきゃ」
ぁぁあ。確かに、みんなの言ってることは正しい。
だけど…だけどぉぉぉ。
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