25 / 368
2■学園生活スタート☆ぼくたち山田兄弟 SIDE:歩(了)
6.白樫館へようこそ
しおりを挟む6.白樫館へようこそ
「山田希くんに歩くんだね?」
「はい」
「部屋はそっちの通路まっすぐいって突き当たりね。鍵はカードキーだから。荷物はもう届いてるよ。何かあったらいつでもおいで」
「ありがとうございます」
初老の優しそうな管理人さんが二人分のカードを手渡してくれた。
「同じ部屋でよかったね」
「うん!また三年間よろしくな、ノン」
「ここだね、僕達の部屋」
カードキーをスキャンして、ドアを開けると寮なんて言葉は不似合いな、どこかホテルの一室のようだった。
「すっげぇ!なんか家より豪華じゃん!」
オレはバタバタと駈け込んで各部屋の扉を順番に開けていった。
「洗面台がガラスだー!蛇口が金だ!バスタブが猫足!」
「すごいねー」
「ベッド、それぞれの部屋にあるのにでかくね?セミダブル?」
「ほんとだ。なんでだろう。一人で寝るには無駄だよね」
「風呂も無駄にでかいしなぁ」
「なんでだろうねぇ」
「なんでだろうなぁ」
「そういやさ、寮長の部屋に行かなきゃいけないんだよね」
それぞれ部屋を決めて、制服を置いて真中の部屋に戻ってきたとき、ノンが言った。
「あー、そうだっけ。オレ腹減っちゃったよぉ。さっさと行って飯行こう~」
「あはは。あゆってば腹へった、ばっかりだね」
「だってさぁ今日めっちゃ走ったんだもん」
「そう言えば今日何があったの?」
「えー?なんかフィナンシェがいっぱいあって、おいしすぎてお菓子の悪魔がキ…」
急にさっきの場面が頭の中によみがえった。
「き?」
「んー、なんでもない。とにかく、金髪の悪魔には近づいちゃダメだぞ!ノンはかわいいんだから」
「金髪の悪魔ぁ?よくわかんないけど。もう、僕かわいくないってば」
「かわいいのよーん。さぁさっさと行こう」
オレはノンの肩に手を置いて、二人できゃあきゃあ言いながら電車ごっこをするように誤魔化して、ふざけて部屋を出た。
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる