へんな運命との出会い

karu

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あの時、あなたはこう言ったよね?

私と出会ったとき、

人生の中で一番へんな運命と出会ったと。






私は高校二年生の木皿ゆい。

私のおうちは、代々、強い力を持っている。。

何かあるみたいなんだけど。

まだ教えてもらえていない。

歴史ある我が家だ。

系譜みたいなものもある。

あっ、そろそろ時間だ!

学校行かなきゃ。

「行ってきまーす。」

お母さんに声をかけて出ていく。

「いってらっしゃい。」

ガラガラ。ドアを開け、いつもの通学路を歩く。

私にとっては慣れた道だ。

私が通っているのは岩塊学園。

私立のお嬢様が通う場所だ。




それから私は授業を受け、部活の書道をして帰ってきた。

「ゆいさん、すみません。」

「なに?はるさん。」

こちらはおてつだいの軽木はるさん。

家がものすごく広いから、掃除などをやってくれている。

「奥様がお呼びです。」

「分かったわ。」

奥様とは私のお母さんのことだ。

何の用だろう?




お母さんの私室を訪れた。

三回ノックして、

「お母さん?何か用?」

と声をかける。

「どうぞ、入ってきて頂戴。」

「はーい。」



部屋に入ると、母は至極真面目な顔をしていた。

「ゆい、これから大事な話があるからよく聞きなさい。」

「わかった。」

「うちが少し特殊な家だということは知っているわね?」

「うん。私、なんだか周りと比べて力が強いみたいだし。」

「まあ、まずは、この家の成り立ちから話しましょうか。」

私は姿勢を正す。

「今からちょうど、1300年くらい前かしら?私たちの先祖は、とても力が弱く、農作業が全くできなかった。」

「え⁉」

「農作業ができなければ、その時代、生きていくことはできない。

だから、悪魔に自分の魂を死んだあと売る代わりに、強い力を手に入れることにした。

それは、単なる力(体力)だけじゃない。言霊の力に頼って、言ったことを実現させる力。

でも、簡単にそんなすごい力が使いこなせるわけもなかった。

それ故、生涯、その人がその力を使えたことはついになかったという。

言霊にするには、特別な言葉が必要なの。

そのため、苦労したみたい。

ただ、そこで予想外のことが起こった。

その人の子供が、強い力をもって生まれたの。

言霊を言うための難しい特別な言葉も、力も手に入れていた。

でも、かわいそうなことに、すぐに死んでしまった。

私たちの先祖が、悲しく思い、原因を究明するために神社へ行った。

そしたら、なんて言われたと思う?」

「えー?わかんないよ。」

「その子の持つ力が、強すぎて、体がもたなかったみたいなの。

その子は悪魔と契約していなかった。だからだと。

故に、私たち子孫は、どれだけ力が弱くても契約しなくてはならなくなった。」

「え?てことはー?私もってこと?」

「ええ、そうなの。しかもゆいはその子と同じ状態なのよ。」

「えっ⁉私言霊なんて知らないよ?」

「それは、あなたの異変に気付いた私と薫が力を封じたからね。」

ちなみに、薫というのは私のお父さんだ。

そしたら、ずっと封じとけばいいじゃんとは思うけど、そういうわけではないらしい。

逆に強い力が溜まり、体調不良になりやすくなって、最終的には死んでしまうこともあるらしい。

「じゃあ、魂を売って契約しなくちゃダメってこと?」

「実は、取引みたいになってになってきているの。条件の出し合いで決めるのよ。

魂の価値が下がってきているみたいで。

ちなみに私はこの子と契約を結んでいるわ。条件は、この子の気に入ったものを買ってあげるっていうもの。

できる範囲でという条件は付けたけどね。」

と言いながら、お母さんが手をパーにしてして出すと、黒い蝙蝠こうもりの丸い塊が、

出てきて、パタパタと飛んでいる。

なかなかにかわいい。

悪魔も嫌じゃないかもしれない。
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