ミランダに恋したオレだけど、この度記憶喪失になりました(笑)

尊敬するミラ先生

ふむふむ...

・・・・・・・・・・・・・・え？

オレ死にそうになってたのか？

慌ててミラ先生に視線を向け尋ねる。

「ミラ先生！？私、死にかけたのですか！？」

ちなみにオレはミラ先生のことを尊敬しているから敬語だ。
今回もこうして助けてくれたみたいだしな。

今まで伝えなかったことに罪悪感でも感じているのか、ミラ先生はオレから目を背ける。
次だ！と、思い、茶髪の彼女に視線を向けたが、また申し訳なさそうに縮こまる。

「すみません。伝えるのが遅くなってしまって...」
そして頭を下げる。

彼女に頭を下げられるとどこか落ち着かない。
それに、オレが会話をぶっ飛ばしてしまったから話す暇がなかったとも言える。
そして、オレはまた焦る。

「別に、あんたが悪いわけじゃねぇ。
オレもいきなり変なことを言い出したりしてしまったからな。
だから、謝るな。」

申し訳なさそうな彼女を見ているとこちらまで申し訳なくなってくる。
あせあせと頭をあげさせようとしていると、ミラ先生が収拾がつかないと思ったのだろう。
話に入ってきた。

「いやあな。おまえさんが運び込まれてきたときはもう既にこと切れる寸前だったんだ。
出血量もすごいし、意識もないからな、これは終わったと思ったよ。」

ミラ先生は昔のことを懐かしむように話す。

・・・・昔！？

待てよ？今いつだ！？
慌てて二人に問いかける。

「今、事故ってからどれくらい経ちました！？」

二人はきょとんとした。
そしてミラ先生が答えてくれる。

「昨日の夕方、事故に遭って、今は昼時だよ。」

「えぇ！？」
そんなにオレ寝てたのか。
いや、気絶か？
まあいいや。
とにかく、全然それくらい経った感じがしねえな。

気絶してたら時がたつのって早いんだな。


のんびりとそんなことを考えていると、ある可能性に気付いた。

・・・・・・・・・・・・・・
待てよ？オレ仕事やばいんじゃねえか？
昨日も仕事から帰る時に事故ったんだから。
サボってるよな？

気持ちがとても焦る。
オレがあわあわとしていると、ミラ先生が気付いたのか、

「あんたの主には私から連絡しておいてやったよ。
心配してたから、安静にしときな。」

感激してしまった。

「そこまでミラ先生が気をまわしてくれるとは...」

「声に出てるよ。」

ジト目でオレを見ているミラ先生を見て冷や汗が出た。

「ありがとうございます。」
オレはベッドの上で頭を下げられるだけ下げた。
その感謝の言葉は、たくさんのことに対してだ。
もちろん、茶髪の彼女をしっかりと連れてきてくれたことも入っている。

「まぁ、いいさ。私もおまえさんには世話になってるしな。」
ミラ先生は横を向いてそういった。
オレには少し赤くなっているのが見えるけど。

話を戻そうと、オレは声をあげる。