ミランダに恋したオレだけど、この度記憶喪失になりました(笑)

karu

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オレはどうも彼女の父親にやられかけたらしい(笑)

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「あの、ですね...」
彼女が言いにくそうにしているのを見て、オレは心配になり、声をかけた。
「別に言いたくないことなら言わなくてもいいんだぜ。」
そしてオレは安心させるために、できるだけの笑顔を作る。

それはそうだ。
オレは彼女のことをオレに危害を加えるようなやつじゃないと思っている。
もしも、危害を加えられたらオレの目が悪かったってことだ。
それくらい、オレはオレの目を信じてるし、彼女のことも信じている。

でも、やっぱり彼女は強い子だったようだ。
頭を横に振ってしっかりとオレの目を見つめてくる。

あぁ、緊張するなぁ。
見られてるのはとても心臓に悪い。

「えっと...実は、あなたを昨日の夕方馬車で轢いたのは、恐らく私の血縁上の父なのです。
馬車は間違いなく私の実家、ミレイブル男爵家のもの。
そして、あの虎の皮の装飾は確実に私の血縁上の父のものです。
趣味が変わってますから...」

なるほど。それでオレを見つけたってわけか。
実家の馬車が走っていて気にならないわけがないだろうからな。
彼女の性格からして、余裕がないときでもオレを助けようとしたのは、血縁上の父親の代わりに責任を果たそうとしたのかもしれないな。
それにしても彼女は血縁上の父と強調するよな?
どんな関係なんだろう?
まぁそれは置いといて。

「そうなんだな。それで、何が問題なんだ?オレを助けてくれたことに変わりはないだろう?
お前とその父さんは別人なんだから。
もちろん、オレも騎士だ。あんたには悪いが報復はする。」

俺が恩を返す話をしているときにその話がでたから、それの邪魔になるようなことがあると思ったんだが...
あまり問題なさそうだな。
まあ血縁が誰かを轢いてしまって、責任さえ負っていないって轢いた相手に言うのはちょっと罪悪感だよな。
脳筋とさっき言われたばかりのオレが推理していると、彼女が話し出した。

「報復なんて...」
やっぱり彼女もショックを受けたのだろうか?
やっぱりやめるべき?
なんだか彼女が下を向いて震えている。
泣いているんじゃないか?
...やめよう。
そう決断した次の瞬間、彼女はバッと前を向いた。

「当たり前です!全然私に悪くなんてありません!!
どうぞ思い切りやってください!!!
別に父には家族として大切に扱われた記憶がありませんし、あなたは死にそうになりましたし。」

.........................................................マジで!!!???

衝撃的な情報が二つも出てきた。

なるほどな。
彼女は父親に情なんてなかったわけだ。
ふむふむ、なるほどなるほど。
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