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その後
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あの時、王子が倒れた後は大変だったよ。
そして、無事お姉様は伯爵位を賜った。
と、言いたいところだが、言えない。
実は。
ミーヌお姉様が竜を倒したことあるって言ってたでしょ?
その鱗も持っていたと。
実は、その竜、過去に他国の王族を殺したこともあるらしく、
そんな化け物のお姉様を簡単に他国に渡せない、と、
かなりの大盤振る舞いをして侯爵を賜っていた。
まぁ、王様がラオル第三王子殿下がミーヌお姉様に惚れているということに気付いたことに加え、
第一王子殿下、第二王子殿下がミーヌお姉様に太鼓判を押したことが原因だそう。
うれしいことなのか、余計なことなのか...
もう、結婚を来月に控えている。
結婚をした後は、お姉様がこちらを離れられないことに加え、一応第三王子殿下なので、公爵位を賜り、
王宮勤めになるそうだ。
毎朝出勤するんだそう。お姉様に運ばれて(笑)
お姉様が物理的に飛べば一瞬だ。
ジャンプねジャンプ。
どうもお姉様が着地するとクレーターができるみたいで。
一応、サルバロナ家専用の着地地点と出発地点ということになっているらしい。
お姉様も侯爵になって王宮での仕事が主だからね。
そして、私達兄妹は、一応、男爵位を賜った。
お姉様と同じ理由で。
強さを示したかっただけなんだけど。
名ばかりの男爵位だ。
領地もないし。
もらうだけもらっといて。みたいな?
物理的な強さっていうのは怖いね。
で、サクとはどうなっているのかというと...
「ねぇ?みんなの前で恥をさらしてやる。って言ったこと覚えてる?」
「え、覚えてますけど...どうしてですか...?」
恐る恐る聞いてくる。
「そんなしょうもないことやめようかと思って。」
「そうですか。」
明らかにほっとした顔をしている。
「ねぇ?あの時の格好かっこよかったよ。真っ黒のスーツだったよね。とても、素敵だった。」
私は唐突にサクを褒めだした。
うへへっ
「え!?いきなりどうしたんです!?」
段々赤くなってくる。
「やっぱり、あの時のサクも素敵だったけれど。今のサクの方が何倍もカッコよくて大好きだよ。」
うんうんと一人でうなずく。
「え?...え?えええ?」
サク君。混乱中。
「うんうん。やっぱりサクはどんな服を着てもかっこいいよね。」
「ちょっ...ちょっと!!!」
「どうしよう?このまま離せなくなったら?努力家で、なんでもそつなくこなしちゃうし。
それに、優しくて、私が落ち込んでたりしたら誰よりも早く気付いてくれるし。
私、そんなサクのことがこの世のだれよりも大好きなの!」
勢いあまって今二人で横並びで座っているソファーの上で抱きつきに行ってしまう。
途端に赤くなってくる顔。
それでも抱き留めてくれる。
そんな君が好き。
「本当にどうしたんですか...」
呆れたように言う真っ赤っかなその顔も大好き。
本当にもう、離せないね。
「仕返し、だよ。」
「え...しないんじゃ?」
「え?違うよ?集団の前だなんてサクの顔がもったいない。」
「えぇぇ。」
困ったように言った後、決意したかのように前を向いた。
「クライ?そうなったら容赦しませんよ?」
「えっ...」
なんかこわい。
「みんなの前では堂々としていて、とても強かなのに二人になったらそうやって甘えるクライが本当に愛おしい。」
「うっ。うぅぅ...ちょっと待って!...ホントに!」
私の顔に熱が集まってくるのを感じる。
ここまでくるともはや攻撃だね。
こうなったら。
「私だって愛してる。そんなにみんなの前では敬語なのに、本当に私が危険になると敬語が外れるところとか。」
「...そんなことじゃやられませんよ?...」
知ってる?今、やり取りをしているのは抱き着いたままなの。
最悪、私には切り札がある。
「ふっふっふ。」
「なんだかいやな予感が。」
「いやなら、ふさいでみろ!」
挑戦的に笑うと、私は、私の顔をサクの顔に近づけていった。
それでも、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
けど、やっぱりこれからキスをするってわかってた方が有利じゃない?
そして、唇を合わせた。
私達は、キスをするのはこれが初めてだ。
新鮮な気持ちと同様に新鮮な唇の触感を楽しむ。
そして、唇を離したとき真っ赤な顔のサクと不穏な笑顔を見たのでした。
この言葉と一緒に。
「クライ?わかってるんですよね?もう止めませんよ?次をお楽しみに...」
うわー。火をつけてしまったかもしれない。
一番厄介な人間に。
それでも、私は彼のことが大好きだ。
そして、無事お姉様は伯爵位を賜った。
と、言いたいところだが、言えない。
実は。
ミーヌお姉様が竜を倒したことあるって言ってたでしょ?
その鱗も持っていたと。
実は、その竜、過去に他国の王族を殺したこともあるらしく、
そんな化け物のお姉様を簡単に他国に渡せない、と、
かなりの大盤振る舞いをして侯爵を賜っていた。
まぁ、王様がラオル第三王子殿下がミーヌお姉様に惚れているということに気付いたことに加え、
第一王子殿下、第二王子殿下がミーヌお姉様に太鼓判を押したことが原因だそう。
うれしいことなのか、余計なことなのか...
もう、結婚を来月に控えている。
結婚をした後は、お姉様がこちらを離れられないことに加え、一応第三王子殿下なので、公爵位を賜り、
王宮勤めになるそうだ。
毎朝出勤するんだそう。お姉様に運ばれて(笑)
お姉様が物理的に飛べば一瞬だ。
ジャンプねジャンプ。
どうもお姉様が着地するとクレーターができるみたいで。
一応、サルバロナ家専用の着地地点と出発地点ということになっているらしい。
お姉様も侯爵になって王宮での仕事が主だからね。
そして、私達兄妹は、一応、男爵位を賜った。
お姉様と同じ理由で。
強さを示したかっただけなんだけど。
名ばかりの男爵位だ。
領地もないし。
もらうだけもらっといて。みたいな?
物理的な強さっていうのは怖いね。
で、サクとはどうなっているのかというと...
「ねぇ?みんなの前で恥をさらしてやる。って言ったこと覚えてる?」
「え、覚えてますけど...どうしてですか...?」
恐る恐る聞いてくる。
「そんなしょうもないことやめようかと思って。」
「そうですか。」
明らかにほっとした顔をしている。
「ねぇ?あの時の格好かっこよかったよ。真っ黒のスーツだったよね。とても、素敵だった。」
私は唐突にサクを褒めだした。
うへへっ
「え!?いきなりどうしたんです!?」
段々赤くなってくる。
「やっぱり、あの時のサクも素敵だったけれど。今のサクの方が何倍もカッコよくて大好きだよ。」
うんうんと一人でうなずく。
「え?...え?えええ?」
サク君。混乱中。
「うんうん。やっぱりサクはどんな服を着てもかっこいいよね。」
「ちょっ...ちょっと!!!」
「どうしよう?このまま離せなくなったら?努力家で、なんでもそつなくこなしちゃうし。
それに、優しくて、私が落ち込んでたりしたら誰よりも早く気付いてくれるし。
私、そんなサクのことがこの世のだれよりも大好きなの!」
勢いあまって今二人で横並びで座っているソファーの上で抱きつきに行ってしまう。
途端に赤くなってくる顔。
それでも抱き留めてくれる。
そんな君が好き。
「本当にどうしたんですか...」
呆れたように言う真っ赤っかなその顔も大好き。
本当にもう、離せないね。
「仕返し、だよ。」
「え...しないんじゃ?」
「え?違うよ?集団の前だなんてサクの顔がもったいない。」
「えぇぇ。」
困ったように言った後、決意したかのように前を向いた。
「クライ?そうなったら容赦しませんよ?」
「えっ...」
なんかこわい。
「みんなの前では堂々としていて、とても強かなのに二人になったらそうやって甘えるクライが本当に愛おしい。」
「うっ。うぅぅ...ちょっと待って!...ホントに!」
私の顔に熱が集まってくるのを感じる。
ここまでくるともはや攻撃だね。
こうなったら。
「私だって愛してる。そんなにみんなの前では敬語なのに、本当に私が危険になると敬語が外れるところとか。」
「...そんなことじゃやられませんよ?...」
知ってる?今、やり取りをしているのは抱き着いたままなの。
最悪、私には切り札がある。
「ふっふっふ。」
「なんだかいやな予感が。」
「いやなら、ふさいでみろ!」
挑戦的に笑うと、私は、私の顔をサクの顔に近づけていった。
それでも、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
けど、やっぱりこれからキスをするってわかってた方が有利じゃない?
そして、唇を合わせた。
私達は、キスをするのはこれが初めてだ。
新鮮な気持ちと同様に新鮮な唇の触感を楽しむ。
そして、唇を離したとき真っ赤な顔のサクと不穏な笑顔を見たのでした。
この言葉と一緒に。
「クライ?わかってるんですよね?もう止めませんよ?次をお楽しみに...」
うわー。火をつけてしまったかもしれない。
一番厄介な人間に。
それでも、私は彼のことが大好きだ。
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