12 / 23
モブは端にいたいのです。
男の子
しおりを挟む
彼はおじさん達の前で止まって堂々と宣言する。
「聞いたか?今度誰かを襲おうとしたら、容赦しないからな。」
そう言った瞬間、今度は黒いきらきらがあたり一面に満遍なく充満する。
するとおじさん達は何かの圧力に耐えているかのように息もしなくなった。
「ど、どうしたの?なに!?」
私は思わず男の子の方に近寄り、服の裾を掴む。
落ち着いてよく見たら男の子と私の周りだけ黒いきらきらがなかった。
もしかして、苦しんでいるげんいんは黒いきらきら?
もっとよく目を凝らして見てみると彼の全身から黒いきらきらが出ていた。
私が彼を止めようとすると、彼は言葉を発した。
「分かったか?」
脅すように低く冷淡な声で尋ねる。
尋ねられたリーダーらしき男は声さえも出せないらしくこくこくと素早く動かした。
頷きを目にした瞬間男の子は黒いきらきらを手を振り霧散させ、真っ白のきらきらをおじさん達に振りかけた。
きれいだな、とのんびり考えていると...
次の瞬間、信じられない奇跡が起きた。
みるみるうちにおじさん達の傷が治っていくのだ。
たしかに、よく考えてみればおじさん達のせいかつすいじゅんじゃけがをした時点でしんでしまうことかくていだ。
日々の食べ物を集められないから。
そこまで頭がいかなかったなんて...恥ずかしい!!
ただ、きれいごとを言ってむだに人を苦しませてしなせてしまうところだった。
「ごめんなさい。」
彼は私のおろかさを知った上で助けてくれたのだ。
あくやくになってまで私を助けてくれた...
そのことがとてももうしわけなくなってきた。
しばらく返事がない...
本当におこってるのかな。
そう不安になりながらもう一度あやまる。
もし、ゆるしてもらえなくても、心からの気持ちが伝わればいい。
「本当にごめんなさい!」
まだ返事が来ないからどうしたのかと思って彼を窺い見る。
するとそこには、きょとんとした彼がいた。
返事をしていないことに、今、気付いたみたいだ。
「え、え?なんで?いきなりどうしたんだ?」
「私...おじさん達がけがをしたら、もう生きていけないことがわかっていなかった...。」
あぁ、と納得したような顔をする。
「大丈夫だ。君はそんなことを考えなくても。君の年齢でそこまで考えるのは難しい。」
その言葉に少しの違和感を覚える。
「でも、あなただって、同じくらいの年でしょ?」
その男の子はギクッとした顔をした後、慌てて取り繕うように言葉を繋ぐ。
「いや、まあ、うん。そうなんだがな!」
混乱した男の子は、慌ててその場をまとめるように声を上げた。
「とにかく!大丈夫だから!襲われたのは君だし、こいつらが野垂れ死んだところで君が罪悪感に苛まれる必要はない。じゃあ、俺はこれで。」
言いたいことだけ言って、用は終わったとばかりにさっさと過ぎ去ろうとする彼。
私はなんだかわからなかったけれどとにかく彼とこれでさよならするのは嫌で、引き留める理由を探す。
あ、そういえば。
彼の服の袖を引っ張り、
私は、
尋ねた。
「ねぇ、さっきから出てるそのきらきらの光って何なの?」
「聞いたか?今度誰かを襲おうとしたら、容赦しないからな。」
そう言った瞬間、今度は黒いきらきらがあたり一面に満遍なく充満する。
するとおじさん達は何かの圧力に耐えているかのように息もしなくなった。
「ど、どうしたの?なに!?」
私は思わず男の子の方に近寄り、服の裾を掴む。
落ち着いてよく見たら男の子と私の周りだけ黒いきらきらがなかった。
もしかして、苦しんでいるげんいんは黒いきらきら?
もっとよく目を凝らして見てみると彼の全身から黒いきらきらが出ていた。
私が彼を止めようとすると、彼は言葉を発した。
「分かったか?」
脅すように低く冷淡な声で尋ねる。
尋ねられたリーダーらしき男は声さえも出せないらしくこくこくと素早く動かした。
頷きを目にした瞬間男の子は黒いきらきらを手を振り霧散させ、真っ白のきらきらをおじさん達に振りかけた。
きれいだな、とのんびり考えていると...
次の瞬間、信じられない奇跡が起きた。
みるみるうちにおじさん達の傷が治っていくのだ。
たしかに、よく考えてみればおじさん達のせいかつすいじゅんじゃけがをした時点でしんでしまうことかくていだ。
日々の食べ物を集められないから。
そこまで頭がいかなかったなんて...恥ずかしい!!
ただ、きれいごとを言ってむだに人を苦しませてしなせてしまうところだった。
「ごめんなさい。」
彼は私のおろかさを知った上で助けてくれたのだ。
あくやくになってまで私を助けてくれた...
そのことがとてももうしわけなくなってきた。
しばらく返事がない...
本当におこってるのかな。
そう不安になりながらもう一度あやまる。
もし、ゆるしてもらえなくても、心からの気持ちが伝わればいい。
「本当にごめんなさい!」
まだ返事が来ないからどうしたのかと思って彼を窺い見る。
するとそこには、きょとんとした彼がいた。
返事をしていないことに、今、気付いたみたいだ。
「え、え?なんで?いきなりどうしたんだ?」
「私...おじさん達がけがをしたら、もう生きていけないことがわかっていなかった...。」
あぁ、と納得したような顔をする。
「大丈夫だ。君はそんなことを考えなくても。君の年齢でそこまで考えるのは難しい。」
その言葉に少しの違和感を覚える。
「でも、あなただって、同じくらいの年でしょ?」
その男の子はギクッとした顔をした後、慌てて取り繕うように言葉を繋ぐ。
「いや、まあ、うん。そうなんだがな!」
混乱した男の子は、慌ててその場をまとめるように声を上げた。
「とにかく!大丈夫だから!襲われたのは君だし、こいつらが野垂れ死んだところで君が罪悪感に苛まれる必要はない。じゃあ、俺はこれで。」
言いたいことだけ言って、用は終わったとばかりにさっさと過ぎ去ろうとする彼。
私はなんだかわからなかったけれどとにかく彼とこれでさよならするのは嫌で、引き留める理由を探す。
あ、そういえば。
彼の服の袖を引っ張り、
私は、
尋ねた。
「ねぇ、さっきから出てるそのきらきらの光って何なの?」
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説

乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

邪魔しないので、ほっておいてください。
りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。
お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。
義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。
実の娘よりもかわいがっているぐらいです。
幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。
でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。
階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。
悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。
それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!
悪役令嬢アンジェリカの最後の悪あがき
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【追放決定の悪役令嬢に転生したので、最後に悪あがきをしてみよう】
乙女ゲームのシナリオライターとして活躍していた私。ハードワークで意識を失い、次に目覚めた場所は自分のシナリオの乙女ゲームの世界の中。しかも悪役令嬢アンジェリカ・デーゼナーとして断罪されている真っ最中だった。そして下された罰は爵位を取られ、へき地への追放。けれど、ここは私の書き上げたシナリオのゲーム世界。なので作者として、最後の悪あがきをしてみることにした――。
※他サイトでも投稿中

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】悪役令嬢の反撃の日々
くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

【完】瓶底メガネの聖女様
らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。
傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。
実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。
そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる