6 / 23
モブは端にいたいのです。
いまだに足りない王太子
しおりを挟む
侯爵令嬢が認めた瞬間、王太子は彼女をじっと見つめる。
そしてびっくりすることを発言するのである。
彼の口角が上がる。
「キリア侯爵令嬢は罪を認めた!よって、国外追放の刑に処す!
尚、婚約はキリア侯爵令嬢が国外へ出るため解消とする。」
果たしてその笑みは単純な喜びなのか...。
その発言には広場が騒めいた。
そして、侯爵令嬢は茫然自失となっており膝から崩れ落ちた。
さすがに重すぎる。
侯爵令嬢は身分が高いためいくら平民の身分と言ってもまだ発展途上のこの国では謹慎が妥当だろう。
まぁ平民の身分向上を高らかに掲げている王国にとっては泥を塗ってくれたかなりの面汚しの貴族だろうがな。
それに王太子には刑を決める決定権はないはずだ。
だが、王族としての発言権はある。
王太子殿下はこれほど馬鹿じゃなかったはずなのだが?
そして次なる爆弾を再び落とすのだ。
王太子は再び笑顔になって、入って来てから一言も発していない女性に向かって
「アイシャ?問題はすべて片付いた!結婚しよう!!」
と、
有り得ない発言を全力投球で飛ばした。
会場がシーンと静まり返る。
そして、再びその場はざわざわとし始めた。
それはそうだ。
婚約者はどうした。
そして、茶番劇は再び始まる。
今までニコニコとキープしていたアイシャはすっと真顔になった。
そして今まで綺麗に背筋を伸ばして前で手を組んでいた姿勢を崩し、手だけを動かした。
まずは手で耳に髪をかけ、顔を下に向ける。
その後、王太子に向かって顔を上げたとき、威圧のある顔だと思えば、
「え、キモッ。」
と一言発した。
周囲が再び、恐ろしい静けさに包まれる。
乙女ゲームを知っている私からすれば人を間違えてしまうほどの低い声でそう唸った。
侯爵令嬢はいきなりの発言に自分の耳を疑っているらしい。
言葉は発していないが、目が物語っている。
キモッと言われた王太子殿下は今にも泣きそうな顔である。
「えぇ~?なぜだ?」
アイシャは真顔のままさも当たり前のように言葉を続ける。
「今までは王太子様だから何も言ってきませんでしたがさすがに結婚となると...。」
今までも口説いてきたというすごい新事実。
こうなると
そういえば最初にも大事なとか言っていたな。
そんな素振りがないから全く考えもしていなかったんだが。
これで何とか纏まりそうだな。
何故かは後で話そう。
まぁしばらくはこの状況をお楽しみ下さい。
そんなことを考えていると王太子殿下がいきなり職権乱用を始めた。
「お前はこの俺に逆らうのか?」
ただでさえ大きくて威圧の強い目をかよわい女性に向けてギロリと睨む。
体格もかなり大きい方だからあの威圧に耐えているだけですごいことである。
私もたまにびくついてしまうからな。
すると、アイシャは真っ直ぐに王太子殿下の瞳を見つめ堂々と言い返す。
「王太子殿下は私のバックに何がついているのかご存じ?」
え!?
もしや...
聡明な彼女が適当な発言をするはずがない。
そして、今現在、王太子殿下を脅せる人物であり、顔を公表していない人物と言えば...
周りがざわざわと騒めきだしたころ、彼女は盛大に言い放つ。
「今、この場で発表いたします!先日聖女という大役を拝命させていただいた、アイシャ・ケリー・ビスマルタと申します。」
聖女。
うっと息詰まる王太子。
なんと格好悪い。
でも王太子殿下は知っていたはずだ。
聖女拝命の儀式のときには王族は誰か出席することになっているはずだから。
そして直系の王族は王太子しかいない。
聖女崇拝のこの宗教はこの大陸のほとんどの国へ影響を及ぼす。
つまり、この国の王太子よりも影響力が大きいので、逆に私に逆らうのか?と聞ける立場だということだ。
「この私の、聖女の配偶者を決める権利は私自身にあると聞きましたが?」
少しだけ目を細め、見極めようとするかのように王太子殿下を見つめる。
その目に見つめられた王太子殿下は追い込まれていく。
その次の瞬間、細めていた目を戻し、爆弾を落とすのは今までおとなしそうに見えていたアイシャだった。
急に私の方へと視線を流す。
それにより、他の人の視線までこちらへ流されてくる。
「ちなみに私はこの方のことをお慕いしておりますし。」
そう言いながらアイシャは私の腕を引っ張り、私の腕に引っ付く。
え。
............え?
そしてびっくりすることを発言するのである。
彼の口角が上がる。
「キリア侯爵令嬢は罪を認めた!よって、国外追放の刑に処す!
尚、婚約はキリア侯爵令嬢が国外へ出るため解消とする。」
果たしてその笑みは単純な喜びなのか...。
その発言には広場が騒めいた。
そして、侯爵令嬢は茫然自失となっており膝から崩れ落ちた。
さすがに重すぎる。
侯爵令嬢は身分が高いためいくら平民の身分と言ってもまだ発展途上のこの国では謹慎が妥当だろう。
まぁ平民の身分向上を高らかに掲げている王国にとっては泥を塗ってくれたかなりの面汚しの貴族だろうがな。
それに王太子には刑を決める決定権はないはずだ。
だが、王族としての発言権はある。
王太子殿下はこれほど馬鹿じゃなかったはずなのだが?
そして次なる爆弾を再び落とすのだ。
王太子は再び笑顔になって、入って来てから一言も発していない女性に向かって
「アイシャ?問題はすべて片付いた!結婚しよう!!」
と、
有り得ない発言を全力投球で飛ばした。
会場がシーンと静まり返る。
そして、再びその場はざわざわとし始めた。
それはそうだ。
婚約者はどうした。
そして、茶番劇は再び始まる。
今までニコニコとキープしていたアイシャはすっと真顔になった。
そして今まで綺麗に背筋を伸ばして前で手を組んでいた姿勢を崩し、手だけを動かした。
まずは手で耳に髪をかけ、顔を下に向ける。
その後、王太子に向かって顔を上げたとき、威圧のある顔だと思えば、
「え、キモッ。」
と一言発した。
周囲が再び、恐ろしい静けさに包まれる。
乙女ゲームを知っている私からすれば人を間違えてしまうほどの低い声でそう唸った。
侯爵令嬢はいきなりの発言に自分の耳を疑っているらしい。
言葉は発していないが、目が物語っている。
キモッと言われた王太子殿下は今にも泣きそうな顔である。
「えぇ~?なぜだ?」
アイシャは真顔のままさも当たり前のように言葉を続ける。
「今までは王太子様だから何も言ってきませんでしたがさすがに結婚となると...。」
今までも口説いてきたというすごい新事実。
こうなると
そういえば最初にも大事なとか言っていたな。
そんな素振りがないから全く考えもしていなかったんだが。
これで何とか纏まりそうだな。
何故かは後で話そう。
まぁしばらくはこの状況をお楽しみ下さい。
そんなことを考えていると王太子殿下がいきなり職権乱用を始めた。
「お前はこの俺に逆らうのか?」
ただでさえ大きくて威圧の強い目をかよわい女性に向けてギロリと睨む。
体格もかなり大きい方だからあの威圧に耐えているだけですごいことである。
私もたまにびくついてしまうからな。
すると、アイシャは真っ直ぐに王太子殿下の瞳を見つめ堂々と言い返す。
「王太子殿下は私のバックに何がついているのかご存じ?」
え!?
もしや...
聡明な彼女が適当な発言をするはずがない。
そして、今現在、王太子殿下を脅せる人物であり、顔を公表していない人物と言えば...
周りがざわざわと騒めきだしたころ、彼女は盛大に言い放つ。
「今、この場で発表いたします!先日聖女という大役を拝命させていただいた、アイシャ・ケリー・ビスマルタと申します。」
聖女。
うっと息詰まる王太子。
なんと格好悪い。
でも王太子殿下は知っていたはずだ。
聖女拝命の儀式のときには王族は誰か出席することになっているはずだから。
そして直系の王族は王太子しかいない。
聖女崇拝のこの宗教はこの大陸のほとんどの国へ影響を及ぼす。
つまり、この国の王太子よりも影響力が大きいので、逆に私に逆らうのか?と聞ける立場だということだ。
「この私の、聖女の配偶者を決める権利は私自身にあると聞きましたが?」
少しだけ目を細め、見極めようとするかのように王太子殿下を見つめる。
その目に見つめられた王太子殿下は追い込まれていく。
その次の瞬間、細めていた目を戻し、爆弾を落とすのは今までおとなしそうに見えていたアイシャだった。
急に私の方へと視線を流す。
それにより、他の人の視線までこちらへ流されてくる。
「ちなみに私はこの方のことをお慕いしておりますし。」
そう言いながらアイシャは私の腕を引っ張り、私の腕に引っ付く。
え。
............え?
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
【ヤンデレ鬼ごっこ実況中】
階段
恋愛
ヤンデレ彼氏の鬼ごっこしながら、
屋敷(監禁場所)から脱出しようとする話
_________________________________
【登場人物】
・アオイ
昨日初彼氏ができた。
初デートの後、そのまま監禁される。
面食い。
・ヒナタ
アオイの彼氏。
お金持ちでイケメン。
アオイを自身の屋敷に監禁する。
・カイト
泥棒。
ヒナタの屋敷に盗みに入るが脱出できなくなる。
アオイに協力する。
_________________________________
【あらすじ】
彼氏との初デートを楽しんだアオイ。
彼氏に家まで送ってもらっていると急に眠気に襲われる。
目覚めると知らないベッドに横たわっており、手足を縛られていた。
色々あってヒタナに監禁された事を知り、隙を見て拘束を解いて部屋の外へ出ることに成功する。
だがそこは人里離れた大きな屋敷の最上階だった。
ヒタナから逃げ切るためには、まずこの屋敷から脱出しなければならない。
果たしてアオイはヤンデレから逃げ切ることができるのか!?
_________________________________
7話くらいで終わらせます。
短いです。
途中でR15くらいになるかもしれませんがわからないです。
【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。
猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。
『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』
一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
高遠すばる
恋愛
幼い頃、婚約者を庇って負った怪我のせいで目つきの悪い猛禽令嬢こと侯爵令嬢アリアナ・カレンデュラは、ある日、この世界は前世の自分がプレイしていた乙女ゲーム「マジカル・愛ラブユー」の世界で、自分はそのゲームの悪役令嬢だと気が付いた。
王太子であり婚約者でもあるフリードリヒ・ヴァン・アレンドロを心から愛しているアリアナは、それが破滅を呼ぶと分かっていてもヒロインをいじめることをやめられなかった。
最近ではフリードリヒとの仲もギクシャクして、目すら合わせてもらえない。
あとは断罪を待つばかりのアリアナに、フリードリヒが告げた言葉とはーー……!
積み重なった誤解が織りなす、溺愛・激重感情ラブコメディ!
※王太子の愛が重いです。
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
王子様が私の全てを奪っていく
一ノ瀬 彩音
恋愛
主人公は悪役令嬢として婚約破棄され、国外追放されるはずだったのだが……?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
皇帝陛下は身ごもった寵姫を再愛する
真木
恋愛
燐砂宮が雪景色に覆われる頃、佳南は紫貴帝の御子を身ごもった。子の未来に不安を抱く佳南だったが、皇帝の溺愛は日に日に増して……。※「燐砂宮の秘めごと」のエピローグですが、単体でも読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる