上 下
3 / 13
ハートの王国奪還編

第3話 ダイヤの王国 1

しおりを挟む
 リリスと共に旅をすることにした俺はまず、彼女の王国であるハートの王国を取り戻すための情報を集めることにした。二人で歩きながら、リリスが詳しく話をしてくれた。



 「ハートの王国は、ダイヤの王国によって侵略されました。ダイヤの王国のキング、レオナルドが突然襲ってきたんです。彼は強力なスキルを持っていて、私たちの防御をあっという間に破壊しました…」


 
 「それで、リリスはどうやって逃げ出したの?」



 「忠誠心の強い騎士たちが私を守りながら逃がしてくれました。彼らは命を懸けて私を助けてくれたんです。でも、今は彼らも捕まっているかもしれません。」



 リリスの目には涙が浮かんでいたが、彼女は強さを見せていた。



 「じゃあまずはダイヤの王国へ行って、レオナルドの動きを探る必要があるね」



 「そうですね!でも、ダイヤの王国への道は危険です。彼らの兵士がパトロールしているので、見つかれば即座に捕まってしまいます!」



 「わかった、じゃあまずは安全なルートを見つける必要があるね」



 俺たちは森の中を進みながら、周囲に目を光らせた。森は静かで、鳥のさえずりだけが聞こえていた。だが、その静けさは逆に緊張感を増していた。
 


 「アキラさん、この先に小さな村があります。そこで情報を集められるかもしれません!」


 
 俺たちはリリスが指し示す方向に進んだ。村は木々に囲まれており、隠れるには最適な場所だった。村に到着すると、リリスは村長の家に向かった。村長はリリスを見て驚いたが、すぐに歓迎してくれた。



 「おお、リリス様!無事で何よりです。何かお手伝いできることがあれば、どうぞおっしゃってください。」



 リリスは村長に現在の状況を説明し、ダイヤの王国への安全なルートについて尋ねた。村長はしばらく考えた後、地図を取り出した。



 「この道を進めば、比較的安全にダイヤの王国の近くまで行けます。ただし、途中にはいくつかの危険なポイントがありますので、気を付けてください。」


 「ありがとうございます、村長。」



 リリスと俺は地図を受け取り、再び旅を続けた。地図に示されたルートを進むと、険しい山道に差し掛かった。足元が不安定で、何度も滑りそうになったが、なんとか進むことができた。


 「アキラさん気を付けてください!ここは特に危険です。」



 リリスの言葉に耳を傾けながら、俺は慎重に足を進めた。その時、突然茂みの中から何かが飛び出してきた。俺は反射的構えた。



 「誰だ!」



 茂みから現れたのは、一人の若い男だった。彼はボロボロの服を着ており、疲れ切った表情をしていた。



 「助けてくれ…俺はダイヤの王国から逃げてきたんだ…」



 「ダイヤの王国から?詳しく話を聞かせてくれ。」



 若い男は息を整えながら話し始めた。


 
 「俺はダイヤの王国の兵士だった。でも、レオナルドのやり方に耐えられなくて逃げ出したんだ。彼は冷酷で、自分に逆らう者は誰であれ容赦しない。」



 「レオナルドは何を企んでいるんですか?」



 「あんたハートの王国のクイーンか、もう俺はダイヤの王国に戻るつもりはないから話そう。レオナルドは全ての王国を支配しようと考えている。そのためにまずハートの王国から侵略した。」



 「やろうとしてることジョーカーと一緒じゃん。」
 


 「教えてくれてありがとうございます。私たちは必ず王国を取り戻し、レオナルドの野望を阻止してみせます。」



 「そうか、頑張ってくれ。」



 俺たちは若い男に食べ物と水を分け与え、彼を安全な場所まで送り届けた。



 「アキラさん一緒に頑張りましょうね!」


 「そうだね…長い旅になりそうで嫌だなぁ…」


 「アキラさん、何か言いました??」


 「いいや!何にも!頑張ろう…」
 

 俺たちは互いに決意を新たにし、ダイヤの王国への道を進んでいった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜

ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。 社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。 せめて「男」になって死にたかった…… そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった! もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...