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胸騒ぎ
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耳を覆う風の音。どれほどの間流れていたのか。幾度も光と闇を繰り返した。
ふと、緩やかに、火照る身体の動きを止める。違和感。心地良さが薄れている。
そして足らぬ。何かが足らぬのだ。
息苦しさなのか。
違う。風を切るこの高揚感は息苦しさを感じさせない。
これは、より己の内側、中心奥底から感じるもの。
不足している状態を放っておいてはならぬと感じた。そうせねばならぬ。理由など分からぬ。
只々、そう理解したのだ。
瞳、鼻、耳、肌、ひたすらに何かを求める。
何を求めているのか判らぬのに、出逢えば己にはそれが判るのだと確信があった。
我、故ニ 己ヲ 知ル。
ふと、緩やかに、火照る身体の動きを止める。違和感。心地良さが薄れている。
そして足らぬ。何かが足らぬのだ。
息苦しさなのか。
違う。風を切るこの高揚感は息苦しさを感じさせない。
これは、より己の内側、中心奥底から感じるもの。
不足している状態を放っておいてはならぬと感じた。そうせねばならぬ。理由など分からぬ。
只々、そう理解したのだ。
瞳、鼻、耳、肌、ひたすらに何かを求める。
何を求めているのか判らぬのに、出逢えば己にはそれが判るのだと確信があった。
我、故ニ 己ヲ 知ル。
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